漁師料理・郷土料理: 2008年9月アーカイブ

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 琵琶湖のアユは大きくなっても、「子鮎」でしかない。
 秋に生まれた稚魚は氷魚(ひうお)と呼ばれ、晩秋から春まで琵琶湖周辺の食卓をにぎわせる。
 これは氷の欠片ほどから、大きくなっても出来たばかりの氷柱ほどでしかない。
 だいたい琵琶湖のアユはいつまでたっても「子(小)」なのだ。
 これを山椒の実と一緒にたき込む。

 琵琶湖周辺にはたくさんの湖魚を加工する店が並ぶ。
 それぞれ独特のやり方で「子鮎」をたくのだけど、まだ一度もまずいものに出合っていない。
 どの店のものも、少なからず個性があり、またとてもうまい。
 琵琶湖東岸、米原市世継という不思議な名の地にある「魚万」の山椒煮もやはり非常に美味であった。
 色合いはやや醤油色が強く、それにも関わらず上品な味付けとなっている。
 噛みしめるとちゃんとアユのはらわたの風味が感じられる。
 枝つきの山椒の風味も高い。

魚万 滋賀県米原市世継746-2


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アジのひや汁

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 宮崎県の郷土料理「ひや汁」は地域によって作り方が違う。
 例えば材料でいうと海から遠いところでは煮干しを煎ってすり鉢でする。
 海からさほど遠からぬ地域では焼きアジ(焼いて干し上げた)を、また海辺なら鮮魚を焼いて作るのだ。
 我が家で作るときにはもっぱらマアジの開きを焼いて、ほぐして使う。

 マアジはできれば少々上等のものを用意したい。
 油焼けしたようなのは汁にして苦みがでる。
 これを香ばしく焼き、骨を取り除き、すり鉢でする。
 ここに煎りごま、麦味噌(味噌なら何でもいい。お好みで)を加えて、またさらにする。

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 よくよくすったら、ここに冷やした水を少しずつ加えていく。
 ちょうどよい味加減になったら、ここに青じそ、ミョウガ、キュウリなどを放り込む。

 「ひや汁」というのはいたって簡単至極な料理で、できれば子供に作らせたい。
 今回は高校生の太郎に作ってもらったが、いとも簡単に「ひや汁」は完成した。

 氷も浮かべて、ぎんぎんに冷やして、炊きたてのご飯にぶっかけてかきこむ。
 アジの干物からじわりと旨味が溶け出して、このみそ汁のうまさは例えようがない。
 そこに香辛野菜のすがすがしさよ。

 9月となってもまだまだ蒸し暑い日が続く。
 夏バテにいちばんきくのは「ひや汁」ではないだろうか。

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