琵琶湖のアユは大きくなっても、「子鮎」でしかない。
秋に生まれた稚魚は氷魚(ひうお)と呼ばれ、晩秋から春まで琵琶湖周辺の食卓をにぎわせる。
これは氷の欠片ほどから、大きくなっても出来たばかりの氷柱ほどでしかない。
だいたい琵琶湖のアユはいつまでたっても「子(小)」なのだ。
これを山椒の実と一緒にたき込む。
琵琶湖周辺にはたくさんの湖魚を加工する店が並ぶ。
それぞれ独特のやり方で「子鮎」をたくのだけど、まだ一度もまずいものに出合っていない。
どの店のものも、少なからず個性があり、またとてもうまい。
琵琶湖東岸、米原市世継という不思議な名の地にある「魚万」の山椒煮もやはり非常に美味であった。
色合いはやや醤油色が強く、それにも関わらず上品な味付けとなっている。
噛みしめるとちゃんとアユのはらわたの風味が感じられる。
枝つきの山椒の風味も高い。
魚万 滋賀県米原市世継746-2
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