市場図鑑・市場案内: 2007年10月アーカイブ

 ディスプレイの時刻は午前3時となっている。大急ぎでシャワーを浴びて布団にもぐり込む。と、なにほどにも時間を経ぬままに6時となり目覚まし時計がなる。隣の部屋では松太郎が鳴いている。そしてふすまを開けると突然ボクの手にガブリ。「いててて」と目が覚める。松太郎偉いぞ。きっとヒモマキバイさんのところの子たちよりも賢い。

 後はとるものもとりあえず市場を目差す。メールの返信、宅急便の荷物の状況など調べていて八王子総合卸売センターには6時45分過ぎに到着する。
 南海上を北東に移動する台風20号のために風と雨の朝だ。雨は激しくなったり、小やみになったり、この朝方はしとしと降っている。やや温かい。
 カニの発泡(高知市の土佐の廣丸、永野廣さんからももの。カニに関することはのちほどご報告する)を持って『市場寿司 たか』に。
 外が薄暗いのでやけに明るく感じられる店内にはすでには海老名の海老さんが座っている。この細い体の海老さん、最近では土曜日にはなくてはならない人になってしまってますな。さすがに台風接近ということで「市場寿司 たか」も我々以外にはお客は一人っきり。それから30分ほどしてヒモマキバイさんじゃなくて、「ネオテニーさん(突然改名)」がやってくる。そしてそらひとさん(自転車乗りのそらひとさんも今日はクルマ)。

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今週『市場寿司 たか』はお見舞いのために三重県まで旅行。そのためのお休みのためにネタが揃っていなかった。それでもこれは偉いのではないか? 今回のこはだはうまい

 今回の「市場寿司 たか」、ぼうずコンニャクスペシャルはこはだ、まぐろぶつ、卵焼き、カニばらけ。これは60点かな。出来ればマイワシかサンマ、そして沢庵かキュウリの刻んだのが欲しい。その内、イトーさん夫婦がメキシコからのキュートな娘さんをつれて到着。jaminさんの「遅れます」という連絡。8時近くになると店の席は埋まり、外で空きを待つ人も。
 店を出てからカニを分ける。それぞれの家庭に「つがに(モクズガニ)」3ばい、「えがに(トゲノコギリガザミ、アミメノコギリガザミ)」1ぱい。この「えがに」が立派すぎるサイズ。

 8時過ぎなのに『高野水産』が到着している。「しまえび(モロトゲアカエビ)」、マダラ(オス)などがお勧め。
 「しまえび」を皆さんに勧めていると、八王子市横川町『鮨忠』さんから「芋ようかん作ってきたから、クルマにとりにいきなよ」と声がかかる。その内、真菌さんも登場。

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高野水産、土谷食品前にて

 大急ぎで芋ようかんを取りに行き、皆さんにも食べてみていただく。もちろん『鮨忠』さんのお寿司もうまいのだけど、「芋ようかん」は三多摩地区では最高の美味。
●「横川町 鮨忠」さんのことは
http://uma-i.seesaa.net/article/42828380.html

 水産棟の『八王子淡水』でウナギ串(1本分で600円前後。割いて串打ちしてくれる)。皆さん、このウナギ串がお気に入りのようだ。ここでネオテニーさんがお帰りになる。全員で八王子綜合卸売協同組合を回る。

 八王子総合卸売センター『高野水産』の荷を一通り見てから、八王子綜合卸売協同組合に入って「ユニオンフーズ」では小学生が揚げたてのハムカツやトンカツ、コロッケを売っている。これがなんだか可愛い。
 そして『マル幸』には見事な生のばち(メバチマグロ)。醤油を出してもらって中落ちを試食する。これが素晴らしくうまい。とくに真菌さん(ご免なさい、その内改名しましょう)が夢中になっていた。真菌さん、マグロ好きなのかな?
 さすがに生マグロでは定評のあるクマゴロウ、面目躍如ではないだろうか? ちなみに八王子の市場にも生マグロを“売り”にしている店が数軒ある。中でももっとも一般人を受け入れているのが『マル幸』である。

『清水保商店』、『やまさん』、『三恵包装』と回る。
『十一屋ジャパン』にはネオテニーさんお気に入りの美人親子がおり。今年初のヒョウタンの漬物。ヒョウタンの実には毒があり、これを若い内にとるとは言え、どうやって無毒にするのか不思議な漬物だ。イトーさんも真菌さんもこれを買い求める。
『やまぎし』で混み魚を見ているとjasminさんが到着。
 そのお隣、『コリヤンフーズかや』の成田山(コリヤンフーズかやの社長。ときどきうまい朝飯を食わしてくれるので成田山新勝寺のようにありがたい)ができたてのケジャンをパック詰めしている。当然味見、皆さんにも味見をしていただく。これもいい味だ。

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 昨日のボラの刺身にかけていた韓国風酢みそのことを聞くと、少しだけ成田山が分けてくれる(もっとくれよ!)。キュートなメキシコ娘は韓国料理が苦手だという。

  八王子総合卸売センター『高野水産』で支払を済ませ、『総市水産』でいろいろアオリイカなどを買って、『土谷食品』でパック前の竹輪麩を買い求める。アオリイカは『総市』でさばいてしまう。『高野水産』で勘定を済ましているときに真菌さんのお知り合いの一家が登場。可愛らしいマルちゃん似の女の子にタイラギのカクレエビを見せてあげる。これが大層お気に入りとなったようだ。

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 肉屋さん、『藤原商店』を見て八王子魚市場に回る。ここでムッシュから冷凍のメバチマグロを買う。やっぱり真菌さんも買ってしまっていて、マグロ好きなんだと改めて確認。ここで解散とする。

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ムッシュが冷凍マグロをもどしてくれているところ

 さてさてかなり市場で長居。皆さん、たっぷり楽しんで頂けたでしょうか? 私ぼうずコンニャクのモットーは「楽しくなければ食い物はうまくない!」というもの。皆さん、次回も市場で楽しみましょう! また土曜会は参加自由です。もちろん、ぼうずコンニャクは感謝はいただきますけど、参加費無料。お土産大歓迎です。

市場案内の掲示板は
http://csi.or.tv/tsukiji/kb/rb.cgi
八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 なんだか恒例化しつつあるのが八王子での市場巡り、買い物案内。これを八王子土曜会と呼ぶことにあるのだけど、市場巡りはグループで行うと、なかなか楽しいのだ、というのに気づいた。なにしろ各人見るところは違っているし、男女間でも食べ物に関する思い入れには違いが出てくる。これはもっともっと参加者を募ってもいいのではないか? と勝手に考えている次第だ。

 さて13日の朝、目覚めたのは5時過ぎなのだけど、腰痛がひどくて起きあがったのは6時過ぎだった。姫を伴い市場を目差す。
 八王子魚市場をくるっと回り、八王子総合卸売センターには7時ちょうどに到着。手には鹿児島県南さつま市笠沙の魚がある。『市場寿司 たか』の店の前まで来ると2人ほど待っている人がいる。混んでいるのかなと思ったら、2人とも寿司を食べ終わったばかりだという。中にはjasminさんと海老名の海老さん。jasminさんはフランス、デンマークから帰ったばかり。買ってきていただいた図鑑が面白い。
 持参の寿司ネタをたかさんにわたす。ここで「寿司図鑑」の撮影と共にお二人には鹿児島の魚を寿司にして食べて頂く。
 やや遅れてヒモマキバイさん(別名幸福な王子様)が登場。ここでソウシハギ、シロサバフグ、モンハナシャコの握りを撮影。朝食はマイワシ、マグロのぶつぶつ丼。

『総市』から『土谷食品』へ。女将さんは竹輪麩の梱包で大忙し、オジサンは配達中。それで八王子綜合卸売協同組合『マル幸』、『河村青果』にまわる。ここで青い秋にとれる竹の子を買い込み。隣にある『恒川』で秋の果物を見る。この店、バナナの熟成蔵を持つことで有名。ここでブドウ、柿、リンゴを買う。

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●クリックすると拡大。八王子綜合卸売協同組合『マル幸』の前は大混雑

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果物が大量に並ぶ『恒川』

 いろいろ見て回ろうと思っていたのだけどjasminさんは11時までに品川に帰り着きたいという。それで『高野水産』の到着と共に大急ぎで魚を買い込む。jasminさんはアカハタ、マイワシ、しまえび(モロトゲアカエビ)、マガキ、小やり(ヤリイカ)。9時には市場を後にしたけど間に合ったろうか?
 海老名の海老さん、ヒモマキバイさんとでそらひとさん来ないねー、と探すがなにしろまだあったことがない方なのでどうしようもない。「そらひとさん、次回はお気軽に声をかけてくださいね」。
 ヒモマキバイさんは同居者はネコだけだというのに大きなオスのマダラを買い込み。海老名の海老さんも明日から家族が留守なので一人っきりだといいながら『総市』で小振りのめじまぐろ(クロマグロの幼魚)を買う。

 ここから『十一屋ジャパン』でキムチ、ぬか漬け沢庵、すぐきを買う。『大商ミート』でロースしゃぶしゃぶ肉。『カワベ』のコマちゃんのところで手羽中を買う。

 肉屋から八王子魚市場に行きましょうか? というときにヒモマキバイさんがウナギを買いたいというので『八王子淡水』へ。そう言えばこの八王子総合卸売センター水産棟は年々寂しくなる。
 ここで松本ちゃんに国産ウナギをあっという間に割いて、串を打ってもらう。値段はいくらだったのだろう。買った当人のヒモマキバイさん共々ウナギの骨のお土産をもらう。

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サウスポーのウナギ職人は非常に珍しい

 そしてそして、たかさんに別れを告げて、またまた八王子魚市場に引き返す。

 八王子魚市場の惣菜でピザ2枚。『源七』にくると海老名の海老さんとヒモマキバイさんが待っている。ボクはここでバチの頭部の肉とオマケの尾の肉で500円、あんちゃん作のこはだ700円を買う。ヒモマキバイさんと海老さんは韓国産タイラギの貝柱。かなり格安なのにビックリする。

 八王子魚市場を後に姫と八王子大和田の『ふれあい市場』で野菜と卵。横山町の『岩本製麺』で地粉うどん、ラーメンの麺、『神山豆腐店』で木綿豆腐を買う。この岩本製麺、神山豆腐店ともに非常に優れた店であって、ボクとしてはもっともっと名が知れてもいいと思っている。

 帰宅は11時過ぎ。パソコンに向かって3時間ほど同定。疲れ果ててシャワーを浴びて1時間ほど居眠り。6時過ぎまで画像の整理・保存、「市場魚貝類図鑑」の改訂。

 夕食はシロサバフグの鍋、生ガキ、バチの頭部の肉と尾の肉の刺身、こはだ、ツバメコノシロの塩焼き、ウナギの骨煎餅。マガキは20入りの大粒のもの。さすがにこのサイズはうまいね。久しぶりに食べるツバメコノシロの塩焼きはやっぱりいい味だ。
 酒は宮城県の「一ノ蔵 無鑑査辛口」。9時過ぎに「アドマチック天国 田端」を見ている間に眠くなる。その後1時間だけ画像の整理。11時過ぎにダウン。

●みなさん、市場に来て遊びませんか? ボク、ぼうずコンニャクが気軽に御案内しまーす。
八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 昨日は疲労困憊。朝はやっと7時になって布団から抜け出した。そしてまったく食欲がない。この睡眠時間が少ない朝、腹がジクジクするのは年のせいだろうか?
 このままズルズルしていても致し方ないので、市場まで。八王子魚市場などいろいろ見て回る。

 八王子魚市場の棟を出て『源七』のあんちゃんが開いているのは「なかずみ(コノシロの14〜15センチほどのもの)」、ああもう秋なんだなと、こんなことに感じてしまう。
 家庭も仕事も最低の状態にあるので、秋深まるにしたがい寂しさがつのる。その他、八王子魚市場では見るものなし。

 八王子総合卸売センターにまわる。『大商ミート』の店長と八王子の食堂『いち川』さんが立ち話しているのに出くわす。もとプラカロ、現『ジャック』の冷凍部店長が心臓で緊急入院したという。心配だ。

 市場を回るが今日は本当に魚が少ない。八王子総合卸売センター「総市」のミノルちゃんがマガキを剥いている。「これくれー」というと「300円でどうだ」というのでヘタクソな剥き方で気に入らなかったが、いやいや300円払う。次回はもっとまけろー。

 大急ぎで八王子綜合卸売協同組合『河村青果』、お姉さんの朝ご飯を中断させてスダチ2個を買い(お姉さん最近朝ご飯のときにばっかり行き合わせてご免)、『市場寿司 たか』に持ち込んで、たかさんと食べる。

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「たかさん、疲れたときはカキだよな」
「うーん、そうなだ。オレは疲れてないけど。しかしこのカキ剥いたの誰だ。ヘタクソ」
「ミノルちゃんだよ。部長のバカ野郎」
 しかし岩手県山田湾産の生ガキはうまいね。これが11月、12月になるともっと身がふっくらしてくる。楽しみだなー。

 午後9時半過ぎとなってやっと空腹感がわいてきた。ネタケースなかのサンマ、こはだ、キュウリ、野沢菜、それとマガキ1個分で「豪海ぶつぶつ丼」を作ってもらう。ボクの場合「ぶつぶつ丼」は親戚価格で600円、普通は1000円。
 このサンマを青じそ、穴子をキュウリ、こはだをガリで和えたのを、びっちり丼に敷き詰めたのがうまい。このうまさは表現しようがない。名作だ!

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刻んだキュウリの下にはつめのかかった煮立て穴子。これって贅沢かな?

 ここにマグロ屋のコトヤさんが来て、
「今日は暇だな。コマちゃんが寿司食べたいってさ。ええと玉子焼きと、穴子とオレの持ってきた中トロ」
『カワベ』のコマちゃんには歯がない。まるで80歳の爺様みたいだからこんな注文となる。
「たかさん、そこにいかげそでも入れてやれ、オレのおごりだから」
「面白い、いかげそ入れようかな」

「コトヤさん、中トロって何?」
「中トロさ」
「だからなんの中トロ」
「生ばち(メバチマグロ)のだよ。オレはこの時期のばちの中トロがいちばん好きだな」

「たかさん、ばち中トロ1かんね」
 味見に握ってもらったら、これがどえりゃうまい。トロっと舌の上でとろけたときに、チンと旨味がくる。そしてそして後に心地よいうまさの余韻が続くのだ。
「コトヤさん、あんたは偉い」

 ほどなくコマちゃんスペシャルが出来上がり。これは市場人価格で●●円である。

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「たかさん、一カ所開いてるよ。どうして?」、「ガリのせようと思ったんだけど、ヤツはガリがかめない」。自家製玉子焼き、煮立て穴子、生ばち中トロ。

 このとき午前10時過ぎ。朝方の強烈な頭痛も解消。お隣に出来た『さくら』のことなどを3人で話す。どうもこの『さくら』という店、市場人には人気薄であるようだ。この店、材料から作り方からいろいろこだわっている。それが店のあちこちに見えている。でも市場人というのは作り手のこだわりにはまったく興味を示さない。むしろ嫌悪感を抱きすらする。(そう言えば、ボクも最近、店のこだわりを自慢されるのはイヤだな。これ市場人からの影響?)。結局彼らは出てくるものを自分好みかどうかで判断するし、あえて言うと肉体労働だからたっぷり安く食べたいという欲求がある。とするとお隣は難しい。ボク自体は『さくら』が好きであるだけに、がんばって欲しいな。

 コトヤさんを八王子総合卸売センター内『伸優』に案内する。ここでコトヤさんは焼酎を買う。市場人にとって、これから正午過ぎになると一般人の夕方といった時間帯になる。本格焼酎が好きなコトヤさん、酒のつまみは生ばちということだ。
 たかさん、コトヤさんと分かれて市場を後にする。帰途、日野にわずかばかり残った田んぼが黄金色になっているのを見た。その隣では柿がたわわに実っている。しみじみ思うのは市場というのは人情溢れるところだな、ということ。この市場が無ければ生きていけない人のなんと多いことか?
 また市場に興味のある方はボクに、また『市場寿司 たか』に気軽に声をかけてくだされ!

『市場寿司 たか』
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八王子市場案内
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