市場図鑑・市場案内: 2006年3月アーカイブ

 あまり眠っていないので朝方の冷え込みが辛い。近辺の農家では明らかに霜の心配をしている。ビニールトンネルの大根畑を見ながら市場に向かう。

 八王子魚市場、入ったところに青森県産の白貝【サラガイ 日本海、東北以北に棲息するニッコウガイ科の真っ白な貝。三陸では満珠貝(まんじゅがい、まんじゅうがい)。刺身や焼き物に使われる。市場で白貝と呼ばれるのはサラガイ、アラスジサラガイが主、他にはベニザラガイ。値段が安くて美味】。
 九州佐世保丸伊水産からは見事なイトヨリ【スズキ目スズキ亜目イトヨリダイ科の魚。高級魚なのだがこのところあまり高値ではなくなってきている。産地は九州が多い】。
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市場魚貝類図鑑のイトヨリへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/itoyorika/itoyori.html

 北海道厚岸からは砂えび【アムールエビジャコ エビジャコ科のエビは世界的に見て重要は食用海産物。日本では北海道の厚岸、鵡川など道東から噴火湾までの浅い汽水域、または内湾域に多い。小型のエビなので主に唐揚げになる】。
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市場魚貝類図鑑のアムールエビジャコへは
http://www.zukan-bouz.com/ebi/ebijako/amurensis.html
砂えび(アムールエビジャコ)の箱にはタラバエビ科の標準和名スナエビ、ミツクリエビなどが混ざっていて楽しい。この撮影時点でまだ生きているのが飛び跳ねている

 大分県鶴見から素晴らしいイサキ、他にはゴマサバ、九州からのマアジ、バラいか【スルメイカ 小振りでバラバラに箱詰めされている】。
『源七』ではケガニ【茨城、鳥取以北に棲息するクリガニ科のカニ。カニとしてはもっとも高価なもの〉を蒸している最中。あんちゃんはカニ蒸し名人である。
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 また国産のやや小さなメカジキ【メカジキは世界中の暖かい海域に棲息する大型魚。関東には銚子から三陸までのものが生で入荷してくる。生のものや国産ものは長いクチバシを切り落とし頭部をつけて流通。輸入物も多く、こちらは頭を落として流通する。主に煮つけや、フライ、ムニエルなどにしてクセがなくうまい】を若だんなが切り身にしている。1切れ140円は生メカジキとしては破格。これを3切れ購入。
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市場魚貝類図鑑のメカジキへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/kajiki/mekajiki.html

 また市場ではタカベ【房総半島以南に生息するスズキ目タカベ科の魚。関東では塩焼きの魚として珍重されて、やや高価。三重県和歌山県などから九州まで、また関東では伊豆七島が産地)の入荷が目に付くようになった。

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には久しぶりに面白い物がたっぷり。大分県佐賀関の丸昌水産からは小振りながら鮮度のいいコショウダイ【房総半島以南に生息。近年入荷が増えて刺身や塩焼きように普通に使われるようになった】。
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市場魚貝類図鑑のコショウダイへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/isaki/koshoudai.html

 和歌山県串本市出口水産からクロサバフグ【北海道南部以南に生息。無毒と思われたが、南シナ海などで有毒なものが見つかっている。鮮度さえよければ刺身、また鍋、唐揚げにして美味】、小イサキ【イサキは小さくても脂がありうまいのだ】、マアジの入り会い【数種の魚を集めて一箱にする】。
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市場魚貝類図鑑のクロサバフグへ
http://www.zukan-bouz.com/fygu/fugu/kurosabafugu.html

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』には見事な春日子【チダイかマダイの幼魚。これはチダイ。チダイは北海道南部以南に生息する。日本海では「姫だい」なんて雅な呼び名があるし、関東では「花だい」と呼ぶ。マダイよりもやや身が柔らかいが味は抜群にいい。江戸前ずしでは酢で締めてネタにする。春に春日子の握りなんて最高だ】。
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市場魚貝類図鑑のチダイへ
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 四十物【あいもの/相物 本来は産物の端境期、服などで相のものというのと同義語。漁獲期と漁獲期の谷間という意味合い。すなわち魚などがとれないときのために保存用に塩をしたり加熱した物を言う。それが市場にきて生鮮品ではなく水揚げに関係なく取り扱える、乾物、塩干物や練り物、塩辛などに当てはめた】を扱う『清水保商店』に見事な冷凍ギンダラ【主にカナダやアラスカから輸入される。我が国でも噴火湾以北でとれるが非常に希。冷凍でもキロ/2000円を超える高級魚さが生だと遙かに高くなる。脂があり、煮つけや焼き物にして美味】。
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市場魚貝類図鑑のギンダラへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/sonota/gindara.html

 八王子綜合卸売センター、『丸相』にノビル【我が国地生のユリ科(ネギなど)の山野菜、近年は栽培されている】、『ビックリ屋』にうるい【オオバギボウシ 関東でも普通に山野に見られる山菜。クセがなく美味。ただし見た目が似ているコバイケイソウ(有毒)と間違っての事故が毎年起こっている】。
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ノビルは多摩地区の土手などに普通に見られる

 ビックリ屋の前の『ケン水産』に千葉県船橋から江戸川産のヤマトシジミ【北海道以南の汽水域に棲息する
二枚貝。シジミと言えばヤマトシジミのこと。他にはセタシジミ、マシジミなども食用になる】。安いので購入。
『市場寿司 たか』でホウセキハタ、ウミヒゴイの握りを撮影。ウミヒゴイのうまいこと例えようがない。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 やはり中日(水曜日)の市場は寂しい。普通、週初めと週末では、週末の方が商店、スーパー、飲食店の売れ行きがいい。そして日曜を休日にしている商店飲食店が多い(これは個人商店最大の弱点。明らかに、これがために個人商店の衰退を招いている)。すると間違いなく月曜、木曜には鮮魚生鮮品を仕入れに来るわけであり、週3回仕入れるか、2回仕入れるかに分かれるのだが、水曜日がぽかりと開いてしまう。またなぜだかわからないが日曜に次いで水曜定休日という商店も多く、これも不思議。

 八王子魚市場、仕入れる人影まばらななか北海道室蘭からアカガレイ(アカガレイは裏側の目のない方が赤く血走っている。その赤味が強い方が鮮度がいい。産地は日本海、北海道が多く、値段はやや高めである。煮つけ、塩焼きで美味)。
 青森県からメバル(市場では「黒メバル」と書いて「赤メバル」「沖メバル」と呼ばれるウスメバルと区別される。主に浅い岩礁域に棲息している。値段は高い。煮つけ、塩焼き、小型は唐揚げ)。
 特種に赤いか(ケンサキイカ ヤリイカ科のイカ。アオリイカ、ヤリイカとともに値のいいイカ。もちもちっとした食感、甘味が特徴。産地はやや温暖な海域。産地は山陰、九州が多い)、ヤリイカ(晩春から初夏まで限定的に入荷してくる。北海道では「冬いか」なんて呼ばれる。高価なイカ)が混ざった入り合い(何種類かの魚貝類が混ざって一箱に詰められている)。これは珍しいがどうも築地でヤリイカを加えたものであるようだ。八王子魚市場の場合、親会社が築地の荷受け5社の東市なのでこんなことが起こる。
 鹿児島県串木野「大竹商店」からカンパチ(ブリの一族である高級魚。養殖されていてこれが寿司ネタなどでは定着している。最近は天然の小振りのカンパチを嫌う寿司屋も多く難しいもの。値段は高い)。
 静岡県由比町からサクラエビ(東京湾、相模湾、駿河湾などに棲息する小型のエビ。ただ漁獲的にまとまるのは駿河湾のみ。駿河湾でも漁業権の問題で蒲原、由比、大井川町などが産地。鮮度がよければ生、また天ぷらに向いている)も入荷している。
 山口県萩からはエチュウバイ(これはカガバイとの区別がどうしてもわからない。富山湾のものだけがカガバイというのだろうか、市場ではともに「白ばい」。主に煮るのだが、刺身にしても美味。産地は山陰から三陸。韓国産もよく見かける)

『源七』には見事な生ばち(メバチマグロ マグロの価格ランクはクロマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンナガマグロの順。メバチマグロはスーパーや魚屋、また寿司屋が仕入れていく。ただ生は高く、寿司屋、魚屋などでも値のいいもの。この生のメバチはうまい!)

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メバチは千葉県銚子、東北宮城県、九州は宮崎県油津などからの入荷が多い

 鹿児島県串木野から、いなだ(ブリの30センチから50センチほどのもの。関東では「わかし」「いなだ」「わらさ」「さんぱく(これは釣りの世界だけの言葉かも知れない)」「ぶり」。冬に美味)

 八王子綜合卸売センター『ケン水産』には北海道増毛遠藤水産から甘エビ(ホッコクアカエビ)。『総市水産』には静岡県焼津からゴマサバ(「丸さば」とも呼ばれる。マサバと比べると血合いが多く、脂が少ない)。
『高野水産』には、きびれ(キチヌ クロダイとともにヘダイ亜目の魚。クロダイよりもやや温暖な海域に棲息する。近年入荷が多い)。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 高石友也とナターシャセブンの「たづるさん(1970年代後半にヒットしたフォークソングであったはず。高石友也がこんな曲を出すとは思わなかったのでかなり衝撃的だった)」から「るらんるらん たづるさん……」と言うフレーズを3分咲きの桜を見ながら口ずさむ。駐車場までの階段、気持ちのいいことこの上なし。多摩地区はこれからバラ科の木々の花が後から後から咲いてきて、なんだかボアンとしてしまうのだ。

 と、いつの間にか八王子魚市場に到着。近海(市場で箱単位の鮮魚を扱うところ)に青ます(カラフトマス)の若魚。これは青森県産であるようだ。これは春たけなわの時期から初夏まで北海道、東北から入荷するもの。

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塩焼き、ムニエルなどにしてなかなかうまい。市場の職員はカラフトマスであることはどうでもよくて春から夏に入荷してくる「青ます」として認識する。「思ったより売れるな」という魚。
市場魚貝類図鑑のカラフトマスへ
http://www.zukan-bouz.com/sake/karafutomasu.html

 茨城県からは底引きで揚がったとおぼしきヤリイカ、そのとなりにバラいか(スルメイカの小振りのもの。下に氷を敷いて並べ数を合わせることが出来ないほどのサイズ。それでバラいか)。

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バラいか(スルメイカの小振りの物)は値段が安くてうまい。我が家ではこれのげそを外し、外套の部分の皮を剥いてい一瞬熱湯に通したものをワサビ醤油で食べるのが好評である。げそなどは新じゃがと煮てしまう。
市場魚貝類図鑑のスルメイカへ
http://www.zukan-bouz.com/nanntai/tutuika/surumeika.html

 長崎県からゴマサバ(マサバとは違いやや脂が少なく血合いが多い。それでもこれからマサバの味が落ちるので需要がある。ただし本来はさば節の原料になったりすることが多い。初夏から盛夏が旬。また土佐清水など高知県では珍重する)。

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ゴマサバは脂が少なく血合いが多い。鮮度がよければ土佐風のたたき(皮付きのまま、表面を強火で焼き、薬味の香辛野菜の千切りをのせて柑橘類を使った合わせ酢を振りかける。そして手などで軽くたたいて馴染ませたもの)にして葉ニンニク、青じそ、ショウガ、ニンニクスライスで食べる。また煮つけにしても思ったよりも美味。揚げ煮、唐揚げなど意外に使えるヤツである。
市場魚貝類図鑑のゴマサバへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/gomasaba.html

 北海道羽幌からは甘えび(ホッコクアカエビ)。北海道の西側、すなわち日本海側からは春から初夏にかけて甘えび(ホッコクアカエビ)の入荷が増えてくる。「遠藤水産」など荷の扱いの丁寧な荷主もおり、この時期お買い頃。

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甘えび(ホッコクアカエビ)の産地は日本海側と北海道以北に棲息する。春が産卵期にあたるので抱卵したものが多いのだが漁師さんなどは抱卵していないものがうまいという。また生まれて4〜5年はオスばかりであり、大きくなるとメスに性転換する。
市場魚貝類図鑑のホッコクアカエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/tarabaebi.html

 八王子綜合卸売センター『高野水産』にはハツメ(千葉県銚子、日本海以北にいるメバルの仲間で、カサゴの仲間なのに華奢。
市場魚貝類図鑑のハツメへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/mebaru/hatume.html

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煮つけに、塩焼きに、唐揚げに、とても美味。大好きな魚のひとつ。お父さんは晩酌はこれを魚に秋田の両関の燗酒などがいいぞ)。

 また何気なくフレッシュフード福泉を除いていると九十九里からシラウオのしらす。1キロ1300円と破格の値なので購入。ひょっとしたら去年の残りものだろうか? 冷凍もので劣化がほとんどなくうまい。当然購入。


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 慌ただしい日々が続いている。少しゆったりと構えると命取りになる。ギリギリまで画像の整理を行い、八王子魚市場に向かう。月末のせいかクルマが多く、やたらに車間距離を詰めてくるバカなベンツがいて、嫌な気持ちになる。

 八王子魚市場入ったとたん久しぶりのめごち(ヌメリゴチ)。とれたのは千葉県富津。「めごち」と呼ばれて入荷してくるのはネズミゴチ、セトヌメリ、ヌメリゴチ、ハタタテヌメリ、九州からヤリヌメリ(相模湾などのものは臭い)など。これが大阪では「がっちょ」、大阪の市場では天ごち(天ぷら用のコチという意味)と呼ばれる。天ぷらネタでは鱚(シロギス)よりうまいと思っている。

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千葉県富津さんのヌメリゴチ(めごち)。これから入荷が増えてくる

 富山県氷見からさごち(サワラの小振りのもの)、千葉県富津からはスズキも来ている。長崎のマアジ、たくさんの養殖ブリ。また養殖マダイは「4月1日から値上げだと書かれている。
 特種には宮城県からニシン。毎年「定置網」と書かれて入荷してくる。これが素晴らしい鮮度。確か去年、これを酢締め、マリネーにして楽しんだのだ。静岡県舞阪からはサヨリ。青森県下北むつ市マルコウ水産から天然のマボヤ。この時期、どのような漁法でとるのだろう。鹿児島県出水からは素晴らしいマダイ。韓国産のむき青柳(バカガイ)。『源七』には愛知県三河湾からアオメエソ。

『海老辰』には秋田県からであるらしいごり(ジュズカケハゼ)。中にトミヨが混ざっている。トミヨは確か絶滅危惧種であるはず。また我が国で「ごり」と呼ばれているのはハゼ科ウキゴリ属のジュズカケハゼ、またヨシノボリ属の魚。

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トミヨは青森県から石川県までの日本海側の川や湖に棲息するトゲウオ科の小魚。この科ではイトヨが食用魚として取り引きされている。初夏の産卵期には水草など集めて巣を作り子育てをするので有名。

 八王子綜合卸売センターに向かうときに寿司冨さんにすれ違う。八王子綜合卸売センター『高野水産』にはカナダ産養殖キングサーモン(マスノスケ)。4キロで1100円/キロ。八王子のまるみさんと半分こ。これを大急ぎで『市場寿司 たか』へ。すぐに2かん握ってもらったら素晴らしい味わい。
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カナダ、ノルウェーなどで養殖されているキングサーモン。最近はスーパーなどでも普通に見かける。また東北、北海道でとれる天然ものは高級品だ


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 朝方起きてパソコンで時刻を見ると6時前。それから1時間半ほど雑事をこなして市場に向かう。

 八王子魚市場には8時前に到着。鈴木さんのところに本みる(ミルクイ マルスダレガイ目バカガイ科 寿司ネタとして珍重される)があって1600円/キロ。1個あたり250グラム前後であるが安いので1個購入。昨年から本みるが安くて白みる(ナミガイ オオノガイ目キヌマトイガイ科 本みるの代用品といった感があったが、近年値が高く、白みるとして独立した寿司ネタとなっている)が高い。これは寿司屋さんなど気軽に本みるを使えると言うこと。ただキロ当たりの値段は接近しても歩留まりは確実にナミガイの方が上。同じ値段で重さが同じなら白みる(ナミガイ)が得なのだ。

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 ほっき(ウバガイ)、厚岸のマガキ、岡山の平貝(タイラギ)。
 近海にはマダラ、青森県産沖めばる(ウスメバル)、ホウボウ、イサキ。特種には甘えび(ホッコクアカエビ)。

 ここで八王子の老舗魚屋「天野鮮魚店」天野さんと立ち話。
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『源七』にはオオマテガイ。オオマテガイは市場では「まてがい」、他にはアゲマキも「まてがい」であるが標準和名のマテガイが入荷することはほぼない。またオオマテガイの産地は山口県が多い。
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 八王子総合卸売協同組合、『丸幸水産』にはアオダイ。これは伊豆七島産だと思う。アオダイは白身の上品な味の魚。高値安定の魚である。また山口県仙崎産だという見事なケンサキイカ(だるま これが関東では「赤いか」、山陰では「白いか」。値が高い)。
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 福島県越前港からハタハタ(これはそろそろ終盤)。

『三倉』には宮崎県からヒメコダイ、カスミサクラダイなど。ともに天ぷらにして美味。また鮮度がよければ酢締め、刺身も一興だろう。
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ほとんどがヒメコダイ、数匹カスミサクラダイが混ざる

 朝食は『光陽』で姫はラーメン、煮かつ(カツ丼の上の部分、すなわちカツを卵と甘辛い出汁でとじたのを別の器にもっているもの)。
 隣の『三恵包装』でお菓子など。『日本堂』で茨城産コシヒカリ。『河村青果』でプチベール(子持ち観覧、ようするに芽キャベツの花芽の出やすい品種)、山形県産うるい(オオバギボウシという山菜の栽培物)。
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プチベールは花芽が出た芽キャベツ。甘くてうまい

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には典型的な北海道産アサリ(1000円/キロ)。北海道産は模様がなく灰色の殻。また貝殻が分厚い。見事なマアジ(1300円/キロ)があったので購入。屋久島からのハマトビウオ、福島県からのハツメ、ヤナギムシガレイなど多彩。


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三浦半島佐島港

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 築地などに「佐島ブランド」という言葉がある。都心まで至近の地でありながら釣りもののマダイ、アマダイが豊富にとれる。また、この味わいがいいということで築地などで他の地と区別しているのだ。マスコミなどでは「関アジ」で有名な大分県佐賀関やブリの富山県氷見などが最近有名であるが関東の前海とでも言えそうな相模湾も忘れてはならない。

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 佐島港の市場前には小売りをしてくれる魚屋もあり、また少し足を伸ばせばビーチコーミング(海辺で貝や生き物、漂着物を探す)スポットも点在している。
 その上、三浦半島はここ佐島の他、長井、大漁港である三崎など豊富な魚種を誇る港が多数ある。また港の近辺には多数のレストランや飲食店があるのも特徴かも知れない。すなわち週末を利用して魚貝類を買ってくる。三浦半島ならではの魚貝類を洗練されたフレンチや中華を味わうのも楽しいだろう。
 家族で一日たっぷり遊べる三浦半島の旅はまことに楽しいのだ。

詳しくは佐島港のさかな達
http://members.jcom.home.ne.jp/shin-sajimakou/index.html


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 八王子魚市場には8時過ぎに到着。期待しないで鈴木さんの貝の売り場を見るとハマグリらしきものがある。
「これ桑名だと思うよ」
 鈴木さんが自信なげに話してくれる。
「でも熊本だっけな」
 これならハマグリであるのだが、どうしても産地がわからない。また三重県にはハマグリは漁をするほどには残存していない。研究者によっては長良川河口堰(これを作ったヤカラは愚か者である)のため絶滅したとも言われている。熊本、大分にはハマグリが残っているが、これ自体本当に「ハマグリ」であるのかいったい誰が知っているんだ。

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産地不明のハマグリ。いったいどこから来たのかな

 近海には富山県氷見からバラいか(スルメイカの小振りのもの。下氷で並べて数を合わせて送ってくるには小さすぎる)、そして隣には冷凍のスルメイカ。特種には閂(サヨリのデカイやつ)があって、どう見ても5000円/キロ以上。1本700円くらいかな。このところサヨリの入荷が多い。

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サヨリというのは刺身にして春らしさを感じる魚である。それが釣りに世界では寒風吹き荒れる冬の魚なのだから不思議だ。

 八王子総合卸売協同組合、「丸幸水産」にはアラ(ハタ科マハタ属ではなくハタ科アラ属の)が来ている。5〜6キロほどで4500円/キロ。これは見事。

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九州で「あら」というとクエ(ハタ科マハタ属)のことを差すことが多い。それが標準和名のアラ(ハタ科アラ属)もあってともに高級魚なので紛らわしい

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には釧路からウサギアイナメがたっぷり来ていて600円/キロなので撮影するために2本購入。平貝(タイラギ)の入荷は続いていて比較的値段が安定している。
『丸相』(八百屋)にはギョウジャニンニク。値段は400円だという、また新じゃががあって手頃な大きさなので購入。葉ニンニクなど野菜が動いてきている。


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 長閑な日が続いている。都心では桜の開花宣言がなされているのに多摩西部ではつぼみが膨らんでいるのを見るばかりだ。
 八王子魚市場には9時近くに到着。明らかに膝がおかしくなっていて、それがために朝のよしなしごとが手早くこなせないのだ。入ってすぐの貝の売り場、鈴木さんは黙然とアカガイを剥いている。平貝(タイラギ)、ほっき(ウバガイ)、アサリの産地がわからない。カキのむき身はまだある。特種には鹿児島県串木野からマダイ(4500円/キロ)とでっかいイサキ(2900円/キロ)。

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この大きさ、そして鮮度、見事だけど手が出ない値段だな。でも見る限りかなり売れてしまった後のようで、需要過多のようだ。

 青森県下北からのなめた(ババガレイ)もキロ/2500円。八王子でこの値段では売るに難しいだろう。それでも仕入れてきているだけで凄い。
『源七』には三番瀬のサルボウ、アカニシ。これから三番瀬のアサリ、蘇我のトリガイが来ると東京湾千葉の海は最盛期になる。

 八王子綜合卸売センターにまわって『高野水産』も魚の値上がりに苦しんでいる。それでも店頭いっぱいの荷があり、これは凄い。八王子総合卸売協同組合、『丸幸水産』に横須賀市佐島からキビナゴ。前回2月に佐島大楠漁港に行ったときキビナゴはほとんど揚がっていなかった。
 八王子綜合卸売センター、『ユキ水産』でうぐいす餅、釜揚げしらす。『大商ミート』で豚切り落とし、などを買い帰宅。
『市場寿司 たか』でテラオボタンエビ、スジウズラガイ、トリカジカ、沼津無紋のマサバの握り撮影。


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 昨日の続きの風が、それでも弱まって木々の枝を揺らし、その先にはまだ鶸色の芽が膨らんでいる。この1週間の春の進み具合はなんと顕著なことか?
 そんな春めいた風とは裏腹に市場は冬に閉じこめられたままである。荷の少ない状況にそれでも並んでいるのは、九州からのマアジ、なぜか婚姻色の出ているアイナメ、生だらのフィレ(小振りのマダラを三枚に卸して皮を取り去ったもの。このフライはまことに美味)、函館からのホッケ、キンメダイにクロソイ、なめた(ババガレイ)は連日入荷している。近海(市場の部の名前、主に箱単位の鮮魚を扱う)には春らしさが微塵もない。
 そして特種(市場の部の名前、高価な魚貝類を1匹単位で扱う)に目を移すや、やっと来たんですね、本ます(サクラマス)。青森県八戸『マルヨ水産』からのもの。見事であるが、担当の坂本ちゃんがハタのこけら引きに真剣そのもの。ハタは少し気を抜くと刺で怪我をしかねない。

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本ます(サクラマス)は塩焼きにして美味。また薄く造りマリネーというのもいいんだな。

『源七』の店頭に三番瀬のサルボウ(山梨県では「小赤」とよび刺身で食べる)。欲しいなと思うが誰も相手にしてくれそうにないので諦める。
 八王子綜合卸売センター、『ケン水産』はあらかた魚を売り切ってしまっている。ここで夫婦仲良しなのを見せつけられるのもイヤなので早々に退散。『市場寿司 たか』は臨時休業。『高野水産』に回るとニュージーランドからフエダイ科アオダイ属になると思われる魚。
 八王子総合卸売協同組合、『やまぎし』にイルカ。リクゼンイルカ、イシイルカのどちらかだろうか? もしくはまったくの別種? 切り刻まれた肉からはとうていわからない。
 八王子綜合卸売センターに戻り『大商ミート』で見事なロース厚切りを5枚。『高野水産』で小振りのヤリイカ(キロ/1500円)を3ばい、中羽のマイワシ(キロ/800円)を買って帰途につく。


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 相変わらず魚のない状況が続いている。八王子魚市場、入るとすぐに目に付くのが平貝(タイラギ)。シジミやアサリがあるものの品薄感がある。近海には解凍のスルメイカ。宮崎県「平田三四十商店」からハマトビウオ。福岡からサワラ。『海老辰』には輸入のばい(ボルネオバイ)、『源七』ではツメタガイを茹でている。
 八王子綜合卸売センター『高野水産』にははね(スズキの20センチ弱)、ニシン、大分県「丸昌水産」からカナガシラ、ホウボウ、ブダイ、高知県安芸港「小松林海産」からマダイ。これは立派。
『市場寿司 たか』でイガイ、キタムラサキイガイ?、キアンコウ、カペリンの卵の握りを撮影。
 帰宅すると一色の堀さんから大きなスジウズラガイ、ナンカイボラ、イトマキナガニシ?が来ていた。


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 昨日だっただろうか? 千葉で巻き網船が沈没したというニュースがあって、その原因がカタクチイワシの入りすぎで網上げ時にバランスを崩したという。そんなことを思い出していると八王子魚市場にもカタクチイワシが来ている。今年カタクチイワシは豊漁なんだな。
 カタクチイワシの隣には小羽のマイワシ(うまそう。この時期小羽の方がいい)、氷見からのばらイカ(小さくて下氷にして並べられない)、小アジ(マアジ)。石巻の「遠藤水産」からなめた(ババガレイ)。なめたは子を持っていて煮つけにしてうまいだろうな。ホウボウは連日まとまって入荷。後ろの塩干・加工食品売り場には柏餅。

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せぐろ(カタクチイワシ)、小羽のマイワシ、ばらイカ(スルメイカ)、稚貝(ホタテガイ)。

『源七』には茨城県ひたちなか市からボイルイカ。これが飛騨高山に行くと「煮いか」となる。隣の『海老辰』には大きなイガイ(1個300グラムを超えている。近年、これをムールと言うことがある。本来のイガイがヨーロッパからのムラサキイガイに名をかぶせられるのも変だよな)。産地を聞くと北海道長万部だという。付着していたエゾイガイらしきものとともに購入。

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には岩手県から大量のあんこう(キアンコウ)。1キロくらいから3キロサイズまで。キロ/800円は微妙な値段だが考える前に買ってしまう。
『市場寿司 たか』は予約の持ち帰りちらしでてんてこ舞い。それでもキアンコウのネタの処理、イガイの処理を打ち合わせて帰宅。


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 近海(鮮魚を扱う)のダイちゃんに「築地にもないのかな」と場内に入ってすぐに聞く。長崎県からのマアジが小山になっているほか養殖やパック入りのアサリ、解凍ばかりだ。
「まったくないんすよ。こっちも荷が欲しいんすけどね」
 しかも困ったことに値段は安いまま。これでは漁師さんも市場も大変だ。
『海老辰』に北海道噴火湾からバフン(エゾバフンウニ)。『源七』で八王子の魚屋善さん(『魚善』)と立ち話。そのまま八王子綜合卸売センターに向かう。
 八王子綜合卸売センター入り口の『ケン水産』に当別かじか(ケムシカジカ)。函館からの荷で箱にしっかり「当別カジカ」と見える。この魚も身質からして売るに難しい魚である。活けなら刺身にもなるだろうけど、野締だろ身がポロポロして煩わしい。『高野水産』には連日クリガニ(トゲクリガニ)が入荷している。八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』には釧路産ベニズワイ。
『平成食品』(最近八王子綜合卸売センターに出来た肉屋)でたかさんと立ち話。結局この日ネタは見つからないので握りの撮影は断念。

 帰途、『旗野農園』でトマトの状況を見る。まだツルは1メートルくらい。初収穫は来月になる。
 千葉でも埼玉でもハウスのトマト収穫が始まっている。これは加温ハウスで栽培されたもの。暖房をいれてハウスを温めるのはやはり産地、もしくはトマトを中心に経営している農家だ。今、盛んに栽培されているファーストにしても桃太郎にしても加温、無加温にかかわらずハウス専用種。ハウスに適した品種なのだから露地栽培よりもうまいトマトが出来る。またトマトに禁物なのが雨に打たれること、確かに明治に入ってきたポンテローザ種など路地用の品種はともかく桃太郎など雨に打たれると実の味も落ちるし病気になってしまう。
 またよく「昔の路地のトマトはうまかったな」なんてオヤジがいるが、あえて露地物を作り真夏に完熟させたトマト、そんなにうまいもんじゃない。あれは郷愁というか過去の美化である。そんなオヤジに限って子供の頃トマトが食べられなかったなんてのが真実だろう。今栽培されているトマトの旬は関東では4月から5月下旬。そして雨に当てないで育てたハウスものだと思っている。夏にうまいのはミニトマト。

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 クルマのドアを開けようとして右の肋骨から激痛。一瞬クラクラっとする。昨日こけてしまった時よりも痛いのはどうしてだろう。駐車場、近所の庭などに白梅が満開。気分は良し悪しで八王子魚市場には8時半。
 入り口に「赤とさか」と書かれた段ボール箱。これは熊本県宇土市の『高木海藻店』から。青森からホッケ、それにアカガレイも多い。そして特種に見事なアカアマダイ。
『源七』に回るとデカイ発砲に韓国産の平貝(タイラギ)。韓国の『錦昌水産』という荷主。また鹿児島県屋久島から見事なハマトビウオが入っていて、あんちゃんに聞くと300円だというので一番大きいのを購入。

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韓国産タイラギの柱が大きい。春は貝というごとく「うまそう」だ。

 八王子綜合卸売センター『高野水産』にはアカムツ、天然ヒラメ、アカアマダイ、根室から鍋こわし(トゲカジカ)。トゲカジカを一本購入。
『市場寿司 たか』でハマトビウオの握りを撮影。
 八王子綜合卸売センター、『ビックリ屋』でニンジン、鳴門金時、オクラなどを買う。今年は新じゃが(これは新じゃが用の品種。長崎などで主に栽培する)が高いらしく街の八百屋、スーパーなどの店主が右往左往している。


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 火曜水曜とあいて久方ぶりの市場行。今回はあまりの遅出に八王子綜合卸売センターから。『高野水産』を除くと福井県からハタハタ、北海道白老から灯台つぶ(シライトマキバイ)。灯台つぶにはシライトマキバイ、オオカラフトバイ、ヒモマキバイの3種がある。今、探しているのはもう一つの灯台つぶであるクビレバイ。これは白ばい(エチュウバイ)などに混ざり入ってくるだけで入荷したのを確認していない。
 八王子総合卸売協同組合にまわって『丸幸水産』にマダラの頬肉。これは見つけると必ず買ってしまうもの。ただ、あまりに慌ただしく余裕のない日々に断念。いちばん安い粉茶を幸修園で買い、『清水保商店』で練り物を見ているとお姉さんから「今日はすっきりしているわね」と声がかかる。これはいつもはだらしなく歩いているという逆ほめ言葉。
 八王子綜合卸売センターにもどり、スーパーイシカワさんからケータイ。「珍しいカレイがあrんだけど」というので『ケン水産』に向かう。これは青森県産のヌマガレイ。まあこれはありきたりとして隣に千葉県産だという2センチ足らずのハマグリ(?)がある。千葉県でハマグリというとチョウセンハマグリ(この名前早く変えるべきだ)は九十九里、鴨川などでとっているがこんな小さいものはとれないはず。「富津かな」とケンちゃんが話すがそれも考えられない。少しだけ買い調べることにする。

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これが千葉県から来たという謎のハマグリ。チョウセンハマグリなのか絶滅危惧種のハマグリなのか?

『市場寿司 たか』で鹿児島県吹上浜でとれたというオキアサリとハマグリの握りを撮影。オキアサリの方が断然うまい。鹿児島のわかしおさんにはますます感謝。
 結局、時間がなくて八王子魚市場には寄らないで帰宅。


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 目が覚めると7時近い。やっとこさ起きあがって市場に向かう。八王子魚市場には8時前。ずらりと並ぶのは富山県氷見からの、ばらいか(スルメイカの若い個体、下に氷をしき並べるには小さすぎるので「ばら」の文字がつく、相模湾では「麦いか」)。なんだかうまそうだけど、一箱買う気力がない。

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 スーパーイシカワの石川栄二さんが鈴木さんとメカイアワビを見ている。キロ/7800円は破格。その横に宍道湖のヤマトシジミがあってキロ/850円。これを1キロ購入。またアカガイは中国産。これは泥だらけ。
『源七』に開いたこはだ(コノシロ)はあって、値段を聞くと1パック1500円。「高けーぞ」と文句言うと、「よく見て見ろ」と若だんなに笑われる。身が白っぽいし、酢の香り。あんちゃん特製のこはだなのだ。「あんちゃん、ありがたく買わせていただきます」。
 八王子綜合卸売センター、まだ『高野水産』は到着していない。しかも土曜日なので一般客がウロウロしている。特にこまるのが中年以上のオヤジである。何しに来てるのかね。
『光陽』でサンマの開きで朝食。サンマよりも大根おろしがうまい。
 八王子綜合卸売センター『大商ミート』で豚三枚肉。ここで豚肉を買うようになってやっと豚肉の基礎的な知識が構築されてきている。
 帰途、八王子農協『ふれあい広場』でたっぷりの野菜、卵。コンビニで埼玉県の「神亀」を一本買って帰宅。クルマから降りようとして「神亀」についている能書きを読んでいてあまりに不遜な文句が書かれているので怒りを感じる。「神亀」のこの瓶の首に引っかけた紙、能書きを書いたヤツは大バカ野郎の、その上アホだ。


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 地面は濡れているが、空は青い。八王子魚市場には8時半に到着。やはり荷が少なくマアジなど定番のものばかり。ハマグリの山はなくなっている。それでも地はま(チョウセンハマグリ)はキロ/3600円。特種には富山県滑川からゆでホタルイカ。

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ホタルイカは富山県産が出てこそ盛期だなと思う

 八王子綜合卸売センター、『高野水産』には原釜からトゲクリガニ。宮城県石巻から生エイひれ。青森県から大量のニジカジカ。 エイひれを前に八王子のレストラン『ボン・ノブ』さんなどとひとしきり雑談。ヒレのムニエルはうまいのだ。どうもエイひれとバターはとても相性がいい。
『市場寿司 たか』で入荷2日目のブダイの握りを食べてみる。やはり身は硬いまま。うまくないか? というとうまい。
 時間がなくて駆け足で市場を駆けめぐる。何も買わないで帰途に着く。


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 海は荒れているのだ。沼津でも鹿児島でも定置網すらあげるに上がられない状況だという。八王子魚市場に入っても当然、めぼしいものはない。目に付くのは当然シナハマグリ、そして地はま(チョウセンハマグリ)。熊本や大分からのハマグリはまったく見かけない。この輸入ハマグリでは「貝新」と書かれて『山新」というメーカー、『丸一水産』などすべて三重県。
『源七』にまわるとあんちゃんがこはだを開いている。さすが船橋っ子はうまい。そして塩をして、「これ欲しいな」というと「高けーぞ、買ってけ」と怖い顔でにらむ。目つき悪いぞ。ハタハタがあって、これは山形県産。山形県産は多い。

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 八王子綜合卸売センター『高野水産』で大振りのシナハマグリを2キロ(キロ/1600円)を買う。この時期としては安い。店の端っこにイイダコがあり、これはタイ産。タイからイイダコというのは今や市場では定番的なもの。街の居酒屋などで出てくるのはほとんどがタイからのものだろう。また磯つぶ(エゾバイ)かなと何気なくみると久しぶりにコエゾバイ。
 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』に見事すぎるマイワシがあり、これがなんとキロ/3600円。この値のマイワシを店におけるクマゴロウは偉い。またこれが売れているのだ。ちなみに1本200グラム近くありそうだから700円(税抜き)となる。『清水保商店』には可愛らしいおひな様のフィルムのハマグリ。これもシナハマグリで三重県『福王水産』のもの。絵柄から言っていかにも和様であるが、当然中国産シナハマグリ。

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このパッケージングはうまい。ついつい買ってしまう。でも中身はシナハマグリである

 市場を巡りながら韓国産のシナハマグリを探しているのだが、今のところ皆無。セマングムの干拓事業の影響は明らかだ。


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 菜種梅雨とでも言うのだろうか、天気がぐずついている。曇り空、市場に向かう。
 八王子魚市場、貝も魚も少ない。めぼしいものがないなか、今年もハマグリが並んでいる。先日のシンポジウムで韓国のシナハマグリ大産地、セマングムが干拓によって瀕死の状況に陥りつつあることを知ったばかり。産地を見ると中国産ばかり。オマケに『アジアの浅瀬と干潟を守る会』の山本茂雄さんから畜養のハマグリは身が痩せていてまずいと聞いたばかりなのに四日市の『J&T』という会社のものは「活かし蛤」なんてあるし、産地も明記していない。このシナハマグリも中国産だろうな。

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ハマグリをめぐる状況は厳しすぎる。本来のハマグリは有明海、大分などに残るのみ。あとは食用とするには少なすぎる。そして韓国のシナハマグリも同様の状態に陥りつつある。また中国だって急速な経済発展がすすむなかいつシナハマグリがとれなくなってもおかしくない。後数年するとここにミスハマグリが並ぶ可能性がある

『源七』に回ると千葉県勝浦から見事なカツオ。勝浦の「十一」。『海老辰』には山口県宇部からオオマテガイ。
 八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合ともに荷が少ない状況が続く。
『市場寿司 たか』でカンテンゲンゲの握りを撮影。


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