市場図鑑・市場案内: 2006年8月アーカイブ

 起きたのはいいのだけれど、考えてみると眠ったのだろうか? 時刻は6時過ぎ、布団にもぐり込んだのが4時半過ぎなのだ。それでも意外なことに体調はすこぶるつきにいい。
 大急ぎで鹿児島県笠沙の、わかしおさんにもらった醤油でタレを作る。これをペットに詰め込んで八王子綜合卸売センターに向かう。今回は八王子魚市場には寄れないのだ。
「平成食品」に飛び込んで「豚肉の薩摩しょうゆ漬け」を作る。それから「市場寿司 たか」で朝ご飯と寿司図鑑用のオニカサゴの握りを撮影。まだ7時前だというのに店は満員御礼。

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 もう一度、「平成食品」にもどって「薩摩しょうゆ漬け」を店頭に並べる。隣の「フレッシュフード福泉」で久しぶりに八王子横山町の魚屋「天野商店」の社長に会う。
「お久しぶりですね」

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「おお、生きていたか。長いこと会わないと死んだのかと思ったよ」
「それはこっちの言うせりふってヤツ」
 日焼けして健康そうに見える。


 そこへ松ちゃん(八王子のそば屋「松あさ」)がボクを見つけるや、
「やっぱりいたよ。イワナ、イワナ、おいでよ」
 イワナをくれるんだなと、のこのこ付いていく。そしてクルマの荷台には40センチオーバーのイワナがドデンといるのである。当然、「早くくれよ」と思って我慢して自慢話を聞いていると、ばたんとクーラーを締めてしまう。

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「な〜んだ、くれないの」
「そうだよ。それでさ、昨日は粘ってね。小さいのはいっぱい釣れたんだけど。川のもっと、奥の、意外に浅い場所に入れたらコイツがきたわけよ。これ取り込むの大変だったの」
 なんだ自慢話の聞き損かよ、と思っていたら
「来週、鮎釣りだから釣れたらあげるから」
 だと言うことで大急ぎで逃げる。

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八王子綜合卸売センター「高野水産」は大混雑、大繁盛

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八王子綜合卸売センター「ビックリ屋(八百屋)」の名物である大行列

 八王子総合卸売協同組合「やまぎし」でマイワシ1キロ、八王子綜合卸売センター「大商ミート」で豚ロース豚カツ用8枚、「伸優」で相生本みりん1本を買う。「伸優」では東肥の「赤酒」の小瓶をくれる。

「大商ミート」で豚ロースを真剣に選んでいたら、
「どこがうまいと思う」
「ここだ」
 ロースの頭に近い方を指さすと、
「ブブー」
 まったく外見的には変わらないのを持って
「ここが正解でした」
 これはまったくボクにはわからない。

 帰宅は9時前。シャワーを浴びて新聞を読んでいたらいつの間にか深い眠りに落ちていた。目覚めたのが1時前。慌ただしく服を着替えて八王子川口の「誠寿し」に向かう。秋山街道は電気店や有名回転寿司などが多く、思ったよりも渋滞していて、川口に着いたのが2時。たっぷり握りをご馳走になり、コーヒーまでいただいて失礼したのが4時のこと。

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 同じく川口の「豆腐工房 三河屋」で柚豆腐、木綿豆腐、おからを買い、帰宅は5時半。
 6時半まで画像の整理。
 夕食にトンカツを揚げて、マイワシのなめろうを作る。焼きナス、ツルムラサキのお浸しで、ボクの晩酌は「庭の鶯」。このトンカツの味わいだが、うまいのかうまくないのか? ぜんぜんわからなかった。なぜなら揚げ終わったときには一切れも残っていなかったからだ。
 8時には前後不覚となる。疲れ果てた。


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 朝方は曇りでほっと一息。八王子魚市場場内に入ってもやや落ち着きを感じる。

 鈴木さんのところには噴火湾から「真つぶ」と書かれてエゾボラモドキ。これは単に澤田水産の誤りだろうか、これがキロ/1100円。

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 近海にはサンマが壁を作っている。どうも大型船のものであるよう。1本100円から200円。これくらいで値段が推移すると漁師さんも困らないだろう。

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 また片隅に今年も大阪湾から「ベッコウシジミ」、そして愛知県弥富市木曽川からもシジミ(ヤマトシジミ)。

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 特種には北海道羽幌から「しまえび(モロトゲアカエビ)」。これがキロ5500円であり、1匹35グラムだから約190円。いい値段だがうまいのだ。

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『源七』ではあんちゃんがにし(アカニシ)を茹でて貝殻から出している。「あんちゃんの茹でたにしはうまい」と言うと一個くれた。

 八王子綜合卸売センターにまわる。「高野水産」には噴火湾から大量の小ハタハタ。大分県「丸昌水産」からメイチダイ。

 八王子総合卸売協同組合「丸幸水産」に根室から「真つぶ」に混ざってクリイロエゾボラ。
 八王子総合卸売協同組合「恒川」でバナナを買うべきか悩むもやめる。どうも最近の子供はバナナが食べたいと思わないらしい。ちなみに「恒川」では大きな室を持っていて自家熟成をしている。

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 ミンミンゼミが鳴いている、アブラゼミも、そしてエンマコオロギも鳴いている。そして息苦しいほどに猛暑なのである。そんな八王子魚市場に入るとムッシュと寿司義さんがあらぬ方を見ている。保健所から来ているお姉さんがなかなか可愛らしいので「見とれてるの」ときくと持っている「温度計が便利だな」と言うことらしい。でも保健所のお姉さんの方にボクは惹かれるけどな。

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 ダイチャンのところには北海道から山のようにサンマが来ている。でも値段からすると23日に解禁になった大型サンマ漁船のものではないようだ。

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 鈴木さんのところには福井県小浜から大きなイワガキ。

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 八王子綜合卸売センター「市場寿司 たか」に立ち寄ると、たかさん老眼鏡をかけながら新子を下ろしている。この姿、なんともじじ臭い。

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 八王子総合卸売協同組合、「三恵包装」で500ミリリットルペットの水55円を4つ。「清水保商店」にはうまそうなオクライカがあったがなんだか買うまでにはいたらず。「やまぎし」の入り会いにメイチダイかタマメイチかわからないものが1本。これは購入。
 八王子綜合卸売センター「平成食品」で豚ロース冷凍肉を1キロ930円。「高野水産」に鹿児島県阿久根市松永水産からオニカサゴが来ていて1本購入。

 そろそろ帰ろうかなと思ったら、なんだか八王子総合卸売協同組合「河村青果」オジサンの漬けた梅干しが食べたくなって一個もらいに行く。これが酸っぱくてうまい。オジサンありがとう。

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 ついでに卵を2パック購入。八王子綜合卸売センター「伸優」で卵かけご飯のしょうゆを1本かうとオマケに昆布醤油をくれた。ありがとう。


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 朝方から既に猛暑の気配がある。八王子魚市場の駐車場に荷を乗せる人の背中がびっしょりと汗で濡れている。もう手の施しようのない暑さなんだとクルマを降りたとたんに熱気が全身にまとわりつく。
 場内は今日も荷が少ない。これでは職員がどんなにがんばっても、「どうしようもないっすよ」となる。
 青森県から下氷のスルメイカ。これが15入りで3500円と高い。でも身がはっていてうまそうだ。豆あじ(マアジの稚魚)も定置のサバもいつもは場内の隅っこに置かれているはずが、今日は主役となっている。
『源七』にも青森県三沢市漁協から下氷のスルメイカ。

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今日は青森産スルメイカが多かったのだ

 八王子綜合卸売センターに回ると駐車場が満杯に近い。八王子総合卸売協同組合に回り、『丸幸水産』にサンマがあって、1匹450円。

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これでもここ数日の値段からすると落ち着いたところ。この丸幸水産のサンマはいいものだ

 場内を奥に進み『清水保商店』に太田さんがぽつんと立っている。「おいおい」というので一枚撮影。

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 その奥には西八王子の『魚善』さん、並木町の『魚茂』さんが世間話をしている。八王子では人が仲の良きことを「善さん、茂さんの交わり」と言う。これは誠の話なのだ。

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 その『清水保商店』の前で山梨県秋山村の『一二三寿司』さんに会う。


 朝ご飯は『光陽』で他人丼。改めて驚いたのは豚肉が他人であること。

 八王子綜合卸売センター『高野水産』ではお千代と『千代寿司』さんが袋に氷を詰めている。『千代寿司』さんは今年65歳。

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 そこに八王子市川口の『誠寿し』さんが来てまたまた無駄話。あんまり暑いので肉屋の『平成食品』お茶の飲み、またまた無駄話に耽る。


 8時半に『高野水産』のクルマが帰ってくる。クルマから降りるなり、社長が「今日もダメだったよ。荷がない」と言う。しかし下ろす荷の量はやはり多く、また多彩である。

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 ここでショウサイフグ、甘エビ(ホッコクアカエビ)、富津の活けだこを買う。
 もう9時を過ぎて貝の荷が下りてきた。そこに白がい(サラガイ)があって、西八王子のフレンチレストラン『モンモランシー』さんが持っていく。モンさんの魚貝類を使ったフレンチは素晴らしいのだ。

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 お盆明けの市場はどないなっているのやろ? とわくわくしながら場内に入ると、鈴木さんなど鮮魚を扱う部署は「しーん」と閑古鳥が鳴く。どうしてだろう? と見るまでもない。荷がないのだ。
「売れちゃったの」と、ダイちゃんに聞こうかとして顔つきからして控える。そこに鈴木さんがのこのこ来て「このサンマ見てよ」と指さす先にあったのが2キロ12本入りで6500円の箱。「1本500円超えてるじゃない」。確かそろそろサンマの中型船が解禁である。解禁したら暴落するだろうサンマがこの時期にこんなに高値を付けるなんて驚くほかない。

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「昨日のサンマ船がやられたでしょ。あれが影響してるんじゃない」
 これは鈴木さん、明らかにハナサキガニの小型カゴ漁船が貝殻島の沖合で銃撃、拿捕されたことを誤解しているのだ。脇にある同じく北海道産の下氷のスルメイカも1ぱい190円であるから決して安くない。

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 八王子綜合卸売センターに回ると『ケン水産』では解凍サンマを1本70円で売っている。『ビックリ屋』は相変わらず混んでいるし、その先の『伸優』で立ち話。内房に遊びに行ってツチクジラの「たれ」を買ってきたという。
 八王子総合卸売協同組合には根室産のハナサキガニを置いている店がある。最盛期とは言え、小振りのもので1ぱい1500円は安すぎないだろうか? 昨日の事件でもわかるようにロシア海域近くでのカニカゴ漁は命がけなのである。これなど輸入ものがなければ倍はするはずだ。

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 安売りの『三恵包装』に立ち寄ると日南市伊比井の「中野商店」の「むかでのり」のみそ漬けが来ている。そして原料にキリンサイ。『三恵包装』の凄いところは、何気なくこんなものを置いてあることだ。


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