市場図鑑・市場案内: 2006年1月アーカイブ

 八王子魚市場には8時半に到着。あまり知り合いを見かけない。貝の場所で香川の殻トリガイ(キロ/850円)というのが目に飛び込む。このところトリガイは安い。隣には青森県から、ほっき(ウバガイ)キロ/750円。愛媛から大きなアカガイが来ていてキロ/1800円。これは1個で2かんの寿司をとってもあまりそうな代物。ネタの大きな寿司屋ならいいのかも知れないが。

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 愛知県からムールガイ(ムラサキイガイ)。近海には新潟から大量のマアジ。形は25センチくらいあって1箱2500円は安すぎないだろうか? 
「新潟から凄い量のアジだね」とダイちゃんに声をかけると「こっちのスルメも全部佐渡からっすよ」という。見ると「ばらいか(下氷で並べていない。形もまちまち 1箱1900円)」と20匹入り(1箱2200円)でまとめているのがある。宮城県からは生ワカメ。和歌山県有田市からはタチウオ。
 特種には留萌港から甘えび(ホッコクアカエビ)。これが『源七』に回ると増毛の遠藤水産からも来ている。みな北海道の日本海側でとれたもの。この「遠藤水産」のものは品質的にも優れている。
 八王子総合卸売協同組合、『やまぎし』には新潟県佐渡相木からハタハタ。ここに来て日本海のものを見かけるようになった。八王子綜合卸売センター、『高野水産』にはデカイ、ユメカサゴがあり、握りに出来そうだったが、考えた末に断念。

『市場寿司 たか』でボイルしたサガミアカザエビ、オキアマダイの握りを撮影。ともに味わいよし。


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 外に出ると、まるで冷蔵庫にいるような寒さだ。八王子魚市場、『源七』のストーブを囲む人多し。なんだか楽しそうだ。
 その『源七』に40センチくらいはありそうなアカカマス、産地は境港なのだけど鮮度ともに一頭地を抜きいでている。値段は恐いので聞けない。松浦「久保田商店」からイボダイ。こはだ(コノシロ)、マサバ、そして当然たっぷりのアカガイ、青柳(バカガイ)、アサリ。
 八王子魚市場、福島県請戸「マタイチ活魚問屋」からヒメエゾボラがたっぷり。確か去年の福島行でこの店の前を通った。この店(荷主)のヒメエゾボラはよく見かける。
 愛媛、京都、長崎県松浦からマアジ。値段はキロ/1000円(1箱5000円くらい)なので高いのではないか?

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安いもので1箱3000円、高い京都で5000円。マアジはなくなると魚屋が困ってしまう。えらい魚なのだ

 なかずみ(コノシロ)、千葉のマイワシ、富山県氷見のヤマトカマス、長崎県佐世保のイトヨリ、産地不明のアイナメ、マダラ、マコガレイ、北海道「和田商店」からチカ、青森県八戸からなめた(ババガレイ)、伊勢湾答志島からシロギス。特種には活けのしまえび(モロトゲアカエビ)、甘えび(ホッコクアカエビ)、長い箱に1匹ずつ入れられたクロムツ。魚が揃ってきていて楽しい。
 八王子総合卸売協同組合に回ると『丸幸水産』には今日も見事なだるま(ケンサキイカ)、函館からごっこ(ホテイウオ)。『光陽』でもやしラーメンを食べて朝食とし、『三恵包装』でチーズを買う。
 八王子綜合卸売センター、『高野水産』には大分からたっぷり荷が届いていてホウボウ、小だい(マダイ、チダイ)、香川県産ではないかというサヨリ(キロ/1500)も2箱。そんなときに社長が特売だよと持ってきたのがタイラギ。1個200円とは破格すぎないだろうか? 伊勢湾篠島「マルキ商店」からだが貝殻が小さいのに貝柱は大きい。素晴らしいタイラギに思わず買ってしまう。福島県からはヒメエゾボラ(キロ/800円)、これも少々買い。
 喧噪甚だしい『高野水産』の前にあるのが『フレッシュフード福泉』。先日買ったうますぎる目ざしを探していると店頭に輸入(アメリカかカナダ)のイワシの丸干し、うまそうだが1箱単位なので断念。ついでに目ざしを買うのも忘れてしまった。

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輸入マイワシは斑紋が大きいのですぐにわかる

 寒いを通り越して冷たい市場である。なんだか疲れて脚が凍ってしまったように硬い。『南京軒食品』でチャンポンと焼きそばの麺を買い、『大商ミート』で豚三枚肉を買う。
 そこに八王子のそば屋「松あさ」が来る。
「あのさジャパネット高田でねニコンのデジカメ、600万画素の交換レンズがついているやつ。12万くらいかな、売ってるんだけどどう思う」
「やめな、デジカメ買うなら398(さんきゅっぱ)か5〜6万ので充分」
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『大商ミート』のおじさん。いつもオマケしてくれてありがとう

 こんな話に時間を取られて『大商ミート』の時計を見ると9時。『ケン水産』でチャンポン用のスルメイカを買ってやっとクルマまで帰り着く。


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 睡眠不足の日々が続いていて市場の前に立つと頭がくらくらする。凍り付いたクルマに置いてあった「お〜いお茶」が完全に氷になっていて、おでこに当てると気持ちがいい。
 八王子魚市場、場内にはいって目に付いたのは千葉県産の大きなトリガイ。むき身が10センチ近くでデカイ。6つで1300円。ただこんなに大きいと握りには大きすぎないだろうか? 剥いたバカガイ、タイラギなど、春近しかな。近海には宮城県から「めかぶ(ワカメの成長点)」。

 場内『海老辰』に伊勢湾三重県村松町からであろうイワガキが来ている。夏が盛期となるイワガキの先頭を切っての入荷はいつも伊勢湾村松町である。
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 八王子綜合卸売センター、高野水産には和歌山県串本市「出口水産」からの魚。ミナミイズスミ、オキナヒメジなどの入り会い、アイゴ。コブダイ(かんだい)の入荷も増えてきている。
 八王子総合卸売協同組合の魚屋を回り、漬物屋で菜の花漬けを見つけて、値段を聞いてやめる。
 八王子綜合卸売センターにもどって『河辺ハム』の店長に「おはよう」と言うと、バットにうまそうな牛筋を並べている。「これうまいぞ!」というので値段を聞かないで買うと「1000円だしな」と全部くれる。
「1キロ以上入っているからな、高い和牛のだから、煮込みかカレー作るといいよ」
「煮込み作れるかな」
「作ってやろうか」
「まあ自分でやってみるよ」

 ビックリ屋でメークイン1袋、脇にうるい(オオバギボウシ)があって値段を聞くと「2つで250円よ、安いでしょ」。本当に安いので買う。

『市場寿司 たか』でアイゴの握りを撮影。厳寒のアイゴは身に臭みもなく、旨味があってまことにうまい。


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 市場に着いた途端に「魚が高いらしいよ」と知り会いの寿司屋に声をかけられた。そして場内に入ってもそんなに値が上がっているとは思えない。これは「魚が高いと八王子まで持ってこない」ということなのだ。
 貝を扱う鈴木さんのところに諫早からマガキが来ている。これは珍しい。北海道厚岸、釧路、佐呂間、そして岩手、宮城などから来るが殻付きカキのほとんどで、九州は初めてではないか?
 あんちゃんのアカガイを剥いているのを見て『源七』を通り過ぎ、『海老辰』にくると、また韓国からコケライシガキガイが来ている。キロ/1200円でこれはお買い得。
『源七』には鮮度のいいコノシロ。これがキロ/1000円なので購入。
 八王子綜合卸売センター、『高野水産』には九州からマルアジ。八王子総合卸売協同組合『やまぎし』には山陰からハタハタ。『ヤマサン』でウルメ削り節を買おうとしたら品切れ。
 八王子綜合卸売センターにもどって『フレッシュフード福泉』に三河湾からまことにきれいな目差し(カタクチイワシ)。一串4匹×3で120円。2パック買って帰る。忙しい時でなければ肴なのだが、これは朝ご飯用である。『丸相』にうるい(オオバギボウシ)。1パック300円なので諦める。
 新しく市場に入った『伸優』には炭が山積み。その産地はミャンマー(ビルマ)なのに驚く。

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『市場寿司 たか』でアズマニシキ、ごっこ(ホテイウオ)の卵、鹿野川産モクズガニの握りを撮影。気仙沼からきたアズマニシキがうまい。
 何気なくネタケースを見るとハタハタの酢締めがある。「これがうまくてさ。あまったら持って帰ろうと思うんだけど、全部うれちゃうんだよ。家の娘が食べたいって言うのに困ったよ」。これは困っていない。お客には皮をつけた方が人気があるという。

 帰宅途中、浅川沿いの旗野農園で白菜、水菜、壬生菜、だいこんを買う。


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 快晴、そして地上は雪が目映ゆい。そこに我がクルマは凍り付いていて、ばりっと音をさせてドアを開けると車内も外と同じ気温となっている。エアコンの温風でフロントグラスの氷を溶かす、ほんの数分が一日でもっともゆったりした時間である。
 八王子魚市場、やはり近海に魚は少なく、また定番的なものが足らない様子だ。特種にコモンハタ、こんどは北海道噴火湾から、ごっこ(ホテイウオ)。
「これオスだろ」と坂本君に聞くと「メスっすよ。今日築地に3箱しかなくて、いちばんに1箱押さえたんすよ」という。それで値段はというとキロ/750円。1本購入して1120円。
『源七』にはタラバガニ。やっと値が下がって来ている。

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このところ韓国国産ともに平貝(タイラギ)の入荷が多い。しかも安いぞ!

 八王子綜合卸売センター、『高野水産』の店頭で八王子中野居酒屋『稚内』さんが青つぶ(ヒメエゾボラ)を見ながら「焼きつぶするっかな」と独り言。
 八王子総合卸売協同組合『やまぎし』に山陰浜坂港からハタハタ。『丸幸水産』にはシバエビ。シバエビはキロ/2300円。だいたい1本25円で6本購入。『三恵包装』、丸美屋の「のりたま」、永谷園の「お茶漬け海苔」、ザクロを買う。これで625円。

 八王子綜合卸売センターにまわって『市場寿司 たか』でボイルしたシバエビを撮影する。たかさんは「イマイチだな」といい、こちらは「うまいな」と思う。
『大商ミート』で豚こま300円分購入してクルマにもどる。


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 カーテンを引くと外は真っ白。ベランダまで出て行き交うクルマを見ると積雪はそれほどでもない。ただし、気温は零下だろう。雪の日に急ぐことはないとゆったり着替えていたら、姫が起きてきたので長靴を履かせて市場を目差す。
 八王子魚市場、気がかりであった千葉県船橋からくる『源七』はすでにトラックをしまっている。場内にはいるとやはり人は少ない。八王子のそば屋『まつ浅』さんがいる。忙しそうだ。近海には養殖物以外ほとんど荷がない。築地になかったのではなく、この雪のために仕入れを控えたようだ。八王子という土地は山梨県や藤野など神奈川県、奥多摩、あきる野、秋山など東京都の山間部から仕入れにくる業者が多く、雪には弱いのだ。
 特種には青森県産だろうか見事なシラウオ(キロ/3000円)がある。うまそうなので100グラムほど購入する。隣には、ごっこ(ホテイウオ)。ごっこは抱卵しているメスが高く、オスは安い。目の前のごっこはオス。値段を聞き忘れた。

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ごっこ(ホテイウオ)。青森県むつ市「マルコウ水産」から

 八王子綜合卸売センター、『高野水産』はすでに到着している。客の少ない日にがんばって店一杯の荷。それでもめぼしいものは少ない。八王子総合卸売協同組合も同様である。いつの間にかいなくなった姫は『日本堂』でおむすびをもらってうまそうに食べている。朝ご飯はこれでいいと言うので姫を『日本堂』に預けて光陽に回る。朝ご飯は考えた末にモツ煮込み定食。
 北野公園はすでに銀世界である。雪の降りは勢いが増してきている。きれいだなと思っているのは一般人だけで市場の人たちは雪の中を走り回っている。

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八王子綜合卸売センター、『高野水産』

 八王子綜合卸売センター、『高野水産』で小ヤリイカ(キロ/800円)を1キロ。『大商ミート』で100グラム/150円の牛肉500グラム、100グラム/85円の豚こま300グラムを購入。八百屋の『ビックリ屋』でしいたけ、トマト。その前の『ケン水産』で1キロ/800円のアサリを1キロ購入。
 9時には市場を退散する。体中、特に脚が冷たくなって硬く動かない。気温は午後にはもっと下がるという。帰宅すると雪だるまを作ろうと姫を誘いにくる子供達。


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「明日は雪だってね」、市場にはいると知り合いの寿司屋に声をかけられる。「知りませんよ、気象予報士じゃないし」。こんなことを話していると、市場のそこここで雪の話。どうも今日は荷が少なくてみな暇を持てあましている。
 近海にはマダラ、白子、キアンコウ、むいたウマズラハギ、スズキ。特種で八王子上一部町『鮨富』さんがうまそうになにやら食っている。
「うめーな、これ」、見ると三重県鳥羽産のしらすの釜揚げ。「これひとつもらうよ」と一枚坂本君に差し出す。坂本君が下のにしますというと「おれいっぱい食ったからこれでいいよ」。こんなところが富さんのいいところ。「でもこれ試食用なんすよ、コレ」というと「そうか、もっと食うか」だって。この鳥羽産しらす、うまい。
 そのとなりに500グラムパックの白子(根室「マルカツ 福島商店」)があり、1500円。これを選んでいると、また富さんが「おれにもくれ」といってニコリ。白子、しらすが人気の場内である。

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タラがいっぱい。冬だな!

 八王子総合卸売協同組合、『丸幸水産』に見事なだるま(ケンサキイカ)がある。ケンサキイカは夏が旬だと思うが冬もうまい。産地などを聞こうとクマゴロウを探すがいない。八王子綜合卸売センター『総市水産』には船橋からスズキ、青森県下北半島からクロソイ。

『市場寿司 たか』でマダラの白子、アブラツノザメの煮つけ、酢締めの握りを撮影。アブラツノザメは煮つけた方がうまい。ワサビの代わりに山椒を使う。白子は当然のことだがうますぎる。

 帰途、高幡不動の『三河屋豆腐店』で木綿豆腐と木の葉がんもを買う。帰り、高幡橋を渡り、浅川沿いを豊田に入る。ここは道幅の狭い不便な通りだったのだが、新しく出来た住宅地にむかって広い道路がつながっている。この辺りは東豊田と地名はあるものの、一面の田園地帯であった。


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 八王子魚市場、場内に入ると目に付いたのが韓国から来た、むきたいらがい(タイラギ 6個で2400円)。これを加工しているのが「東 中央」という業者で静岡県大井川町というのも興味深い。アラスカ産マダラの白子、北海道からのチカ。千葉県大原からのチダイ、瀬戸内海からだろう赤したびらめ(イヌノシタ)。値段は安めだ。
 八王子綜合卸売センター、高野水産には、むきざめ(アブラツノザメ)。小振りだがキロ/600円は安いだろう。これでむく手間賃など出るのだろうか? 心配になる。やはり魚はもっと高くていいのだ。八王子総合卸売協同組合も回るがどこも荷が少なく寂しい。
『市場寿司 たか』でハタハタの酢締め、クサカリツボダイの握りを撮影。ハタハタがうますぎて困る。たかさんなど「冬はハタハタを酢締めにして出そう」と決めたくらいだから、ちょっと事件とも言えそうなうまさ。

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アブラツノザメでは青森の田向商店にお世話になった。田向商店のものはもっと大きくて立派である。サメの中でももっとも味のいいアブラツノザメ。魚屋の、青ちゃんが早速仕入れて帰った。この手のものはベテランが真価を知っている。これを若い世代に伝えなければいけない。じっと見ていると高野社長が「一本持っていきなよ」とくれる。「ありがとう」。


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 八王子魚市場、入った途端に「明日は休みだというのに、こんなに人が少なくていいのかね」といいながら歩く人あり。毎日、遅い時間に来ているので考えてもいなかったが、ここ数日閑散としている気がする。入り口で『源七』の若だんなたちが、ツメタガイをゆでて貝殻から出している。これを辛子酢みそで食うのがいいのだ。
 場内、韓国から白ばい(エッチュウバイ)、特種に甘えび(ホッコクアカエビ)、キンメ。近海にヤリイカ、スルメイカ、皮をはいだウマズラハギ、キアンコウ。値段はどれも安い。
 八王子綜合卸売センター、『高野水産』には荷が揃っている。ここで小さくてきれいなコチ(まごち キロ/1000円)があったので購入。鹿児島県屋久島からハマトビウオが来ているのは例年通り。

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屋久島からのハマトビウオは大きく、味がいいと人気がある。例年新年明けると入荷してくる

 八王子総合卸売協同組合、『丸幸水産』には久しく見なかった日本海舞阪港『隆栄水産』からハタハタ(キロ/900円)。これも購入。

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鳥取、兵庫、石川などからのハタハタが今年はぜんぜん入荷してこない。これは久しぶりの鳥取県。

『市場寿司 たか』でメナガガザミ、ホンコンイシガニ、モンツキイシガニの握りを撮影。同じようなカニの味わいでも、たかさんはメナガガザミがうまいという。確かに甘味がいちばんなのはメナガ。しかしモンツキイシガニの旨味コクは侮れない。
 たかさんと少し世間話をして帰宅。


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 八王子魚市場に入った途端、重い荷物を引いていく八王子並木町『魚茂』に会う。忙しそうなので話しかけないで、近海を見る。相変わらず香川の養殖マダイ、鹿児島・香川の養殖ブリが山を作っている。量的には天然のものを凌駕してしまっているのは寂しい限りだ。韓国から白ばい(エチュウバイ)、新潟からマアジ、むきたいらがい(タイラギ)は国産なので6個入り2400円。そろそろタイラギを食べたい。北海道礼文からは見事なニシンが来ていて、これも魅力的だ。

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北海道礼文島船泊のニシン。これは鮮度もよくてうまい

『源七』を通り過ぎて『海老辰』には5キロのタラバガニ。これは見事。キロ/3500円は安いのかも知れない。『源七』の前で西八王子『魚善』さんがチダイを見てしきりに「いいな」を連発している。千葉県勝浦市からきたものでこれだけ美しい花だい(チダイ)も珍しい。仕入れていったので西八王子の『魚善』ではこの刺身が買えるというわけだ。

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「このさ、十一と書いているメーカー、いいもの出してくるんだよ」と撮影のセッティングをしてくれる善さん

 八王子綜合卸売センター、『高野水産』、今日はやや押さえ気味。それでも安い。『総市』には北海道増毛からニシン。八王子総合卸売協同組合に回り、『三恵包装』でマヨネーズとチューブわさび、焼麩。八王子綜合卸売センター、冷凍食品の『プラカロ八王子』で冷凍ハンバーグ。

『市場寿司 たか』で高知県高知市浦戸湾産、ヒラメ、タイワンガザミ、イシガニの握りを撮影。どれも浦戸湾の漁師、永野廣・昌枝夫妻が送ってくれたもの。昌枝さんはカニ漁師としては名人級。今日のピカイチはタイワンガザミの真子。「握らないで食べたい」と言う、たかさんをなだめるのに苦労した。


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 曇り空、気温は久しぶりに高く穏やかな日だ。道はすいていて16号に出てもクルマが見えない。
 土曜日にしてはやや遅めの7時半に八王子魚市場に到着。少し活気があるように思える。
 特種に千葉県銚子から見事なアカムツ、ヤリイカはたっぷり来ている。香川県漁連の活けじめ養殖マダイが箱でキロ/500円なのに驚く。『源七』には国産の生メカジキがドデーン。

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八王子魚市場のダイちゃんや鈴木さん。こちらにはあまり一般客は来ないのでホット一息

 八王子綜合卸売センターに回わると駐車場はすいている。八百屋のビックリ屋が最近混むので早めに三つ葉、水菜などを購入しておく。八王子総合卸売協同組合に回り『丸幸水産』に来ると三河湾からアオメエソ(目光)。マイワシが驚くことにキロ/1800円もする。ただものはずば抜けてよく、思い切って買いたくなる。それを見ていたクマゴロウが「こっちを見てみな」と開けた箱には超大羽(25センチほど)がある。クマゴロウ偉い! またよく見ると輸入あんきも(キアンコウの肝)がキロ/600円である。『丸幸水産』は水産加工品も多く小売り用に切り身もあるので一般客にも面白いかも?

 朝食は『光陽』でモツ煮込み定食600円。店の前には激安の白菜(100円)を待っている人の折り畳み椅子。「白菜に並ばなくてもいいんじゃない」と光陽のお母さん。

 八王子綜合卸売センター、『高野水産』に来ると、土曜日恒例の膨大な荷が下ろされている。またこれが安い。活けのウマズラハギがキロ/1500円なので購入。ふと見ると徳島県沖洲『徳島魚類』からシログチ。ここにぽつんとコイチが混ざっていたので撮影用に購入(キロ/500円)。マコガレイ、わらさ(ブリの60センチほど)、ヤリイカ、千葉県富津の白みる(ナミガイ)、青つぶ(ヒメエゾボラ)、ムール(ムラサキイガイ)、まつぶ(エゾボラ)なども安い。見ていて漁師さんが気の毒になる。
 ぼんやり眺めていると高野社長が「どうだ凄いだろう」と自慢する。間違いなく凄い。

 卵屋で卵を購入。ふと前の『市場寿司 たか』の横を見るとカップの自動販売機が入っている。卵屋のお姉さんが「やっぱり温かいコーヒーはいいわね」というのでつられて一杯。確かにうまい。『南京軒食品』でラーメン玉、スープ。ここのお姉さんに「オマケして、またオマケするからね」と言われる。とにかくありがとう。『大商ミート』で豚三枚肉。考えてみると『大商ミート』なんていつもオマケしてくれる。時々買った肉よりもオマケでいただいたものの方がよいときもある。ありがとうのありがとう! 『藤原商店』にうまそうなおせんべいがあって、これに惹かれて立ち止まっていると、おじさんが「おはよう」というので「おはよう」と言って帰途に着く。我が家は揚げ餅だらけなのだ。


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 八王子魚市場には8時半。荷が揃ってきている。日本海からのものも見かける。ソコイトヨリ、長崎のメダイ、福岡のさごち(サワラ)など九州からの魚が目立つ。青森からウスメバルは毎日入荷している。『源七』には見事な、めじまぐろ(クロマグロの幼魚)。中骨から身をかきだしている。「くれないの?」と聞くと「だめ」と一言。嫌な感じ。

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若だんな、中落ちのかきだし欲しいよ!

『海老辰』には焼津小川から大きなアカザエビ。
 八王子綜合卸売センター、『高野水産』には荷が並びきれないほど。メダイを買い、小さなマサバとマイワシを1匹ずつもらってくる。八王子総合卸売協同組合、『丸幸水産』に愛媛からカタクチイワシ。半分購入。カタクチイワシは冬から春が旬。
『市場寿司 たか』でヨシノゴチ、マダラの昆布締め、カタクチイワシの握りを撮影。
カタクチイワシのうまいこと抜群。

 帰途、旗野農園に立ち寄る。雨が少なく野菜が育たない。その上、旗野さんは風邪。おじいちゃんと、お姉さんが楽しそうにおせんべいを食べている。寒いのに、この人達きっと超人である。
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 7時にはクルマにたどり着く。駐車場までが遠くて不調のときには辛いのだ。凍り付いたフロントグラスのを溶かし、やっと発信。
 八王子魚市場には7時半に到着。やっと荷の量が増えてきた。特種に見事なヤリイカがあって、1本500円である。迷うことなく購入。久しぶりに石川県からエチュウバイ(白ばい)、釧路からエゾバイ(磯つぶ)。甘えび(ホッコクアカエビ)は北海道留萌産。

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久しぶりの白ばい(エチュウバイ)。それでもキロ/1500円しかしない。(八王子魚市場)

 八王子綜合卸売センター、『市場寿司 たか』で、千葉の海人つづきさんに会う。つづきさんに会うとついつい口数が多くなり、絶不調であることをどんどん話すことでかなり癒される。朝ご飯は「おまかせ握り1000円」。

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『市場寿司 たか』のおまかせ握りは私が考えるに日本一お手ごろ価格の1000円。これに2〜3かん「今日のお勧め」を頼んでくれると満腹になる。また珍しい魚や、季節のネタを注文しても決して高い値段とはならないので安心してもらいたい

 八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合を回るがやはりいいものが入荷してきている。『丸幸水産』には見事なカサゴ(キロ/2500円)、ヤリイカ(キロ/2500円)、だるま(ケンサキイカ キロ/3500円)、アオリイカと並んでいる、見事。
 八王子総合卸売協同組合『清水保商店』には桜餅の道明寺と小麦粉?の生地を巻いたものの2種。子供の頃には道明寺しか知らなかった。ロール条の桜餅を見たのは上京して小岩の和菓子屋であった。

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だるま(ケンサキイカ)、ヤリイカが並ぶのも冬ならでは。値が張るイカだがうまい(丸幸水産)

 八王子綜合卸売センター、『高野水産』で並ぶ荷を見ていると山口県下関産のマゴチの中に見慣れぬコチを発見。模様からヨシノゴチ間違いない。これがキロ/1300円、また福島県相馬市松川浦の八巻水産からは手頃(2キロほど)なマダラがキロ/600円。ともに購入。
 つづきさんと『市場寿司 たか』にもどって、ヤリイカ、マツカワガレイの握りを撮影。またまた話し込む。結局つづきさんに目一杯時間をいただき、やっと少しだけ不調解消。帰りに沖縄の「げっとう餅」とワンカップ多数、つづきさん自家製の梅干しをいただく。


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 凍り付いたフロントグラスの氷を溶かして、駐車場から脱出。慌ただしく市場に向かうが道がふさがっていて浅川を渡れない。8時半になろうとしており焦っているのだが先の状況がわからない。10分近く止まったままで、やっと動きだしたら住宅を建てる業者の車が道をふさいでいるのだ。遅くなったので八王子綜合卸売センター『市場寿司 たか』に先に向かう。
『市場寿司 たか』でトコブシ、イイダコ、ヤツメウナギ、「えがに」の内子、タカノハダイの握りを撮影。「えがに」の内子のあまりのうまさに感激。
 八王子綜合卸売センター、『高野水産』も中日なのでやや寂しい店頭。それでも産地不明ながら小振りのマツカワガレイが入荷してきている。これがキロ/800円は安い。『フレッシュフード福泉』には「からふとししゃも」と書かれた干物があって「『ししゃも』(の表示)はダメになったようだね」と聞くと「知らなかったの」と言われる。

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 八王子綜合卸売センター『丸幸水産』に根室から「わかさぎ」と書かれてチカが来ている。ワカサギとともに冬の味覚。
 八王子魚市場に着いたのが10時過ぎ。さすがにこの時間ではなにもない。『源七』の若だんなに「なにをやってんだよ」と言われる。
 そういえば沼津の菊貞・菊地利雄さんが「成人式の後は市場の相場が落ちるし、毎年ダメなんですよ」と言っていた。どうも需要が冷え込むようなのだ。とするとこの時期魚貝類が安いわけで「買い頃」とも言えるだろう。


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 8時半は遅いかな、と思えるほど魚屋などが少ない。「魚善」さんがいるだけ。魚は揃ってきていてキロ/2500円のマダラがある。ほとんど5キロだから1本1万3000円税込みになる。これぐらいの鮮度のマダラはうまいだろうな。岡山からは大きな平貝(たいらぎ)。台湾産のトコブシがキロ/3500円だったので1000円分購入。

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 八王子綜合卸売センター、『高野水産』には膨大な荷。特に和歌山県串本、「出口水産」からミナミイズスミ、三の字(ニザダイ)、メジナ、タカノハダイ。輸入の鮟鱇の肝(キアンコウの肝臓)がもの凄く安い。イイダコ(キロ/1300円)、タカノハダイ(キロ/600円)を購入。
 八王子総合卸売協同組合、『丸幸水産』にはキロ/6500円のホシガレイ。見事に太っていてうまそうだ。今日も生マグロがある。メスがに(ズワイガニのメス)はどこでも見かける。
 八王子綜合卸売センター、『ビックリ屋』(八百屋)はやっとお客が少なくなった。ここでシメジ、シイタケ、芹。『ビックリ屋』は八王子でももっとも値の安い店である。それでも値段が高い。ちょうどここで隣り合わせた八王子中野の『稚内』さんが仕入れ値を見てビックリしている。
 帰途、旗野農園。旗野さんが風邪のために収穫が遅れている。それでも初物のイチゴを買ってくる。


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 室内にいても震えるほどに寒い。午前7時の青空の下、車には氷の結晶がついている。
 八王子魚市場には7時半。やや魚が増えてきて、その割に値は高いとは思えない。キンメ、瀬戸内海のイヌノシタ(赤したびらめ)、ヤリイカにスルメイカ。スルメイカが安い。活けのヒラメ、香川からはトリガイ。香川のトリガイは値がいいはずなのにキロ/1000円。『源七』に山口県のオオマテガイ。
 八王子綜合卸売センター、『総市水産』に沼津から小イワシ(マイワシ)がたっぷり入荷している。『高野水産』にはシロギス、ニジマス、サヨリ、メスがに(ズワイガニ)、大分のコショウダイ、ヤリイカはキロ/1800円。みがきのトラフグ。青森からのスルメイカ25尾で一箱2000円は安すぎないだろうか? ホウボウ、サヨリ、シロギス、ヤリイカ、サクラエビ1パック1500円を半分購入。八王子総合卸売協同組合、『丸幸水産』にもサクラエビ、沼津の小イワシ。
 いつものように土曜日は『光陽』で朝ご飯。今日は考えに考えて煮カツ。煮かつとはカツ丼のご飯とカツの卵とじが別になっているもの。
 八王子綜合卸売センター、ビックリ屋で野菜を買おうと思っていたらお客が並んでいる。これは異常低温のための野菜不足のせいだろう。

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青森産のスルメイカ。1ぱいが100円を切っている。これでは産地が困らないだろうか?


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 厳しさ寒さであるが、車は氷つかない。それほどに乾燥しているためか、市場でも風邪引きを見かける。
 八王子魚市場、依然魚のない状態が続いている。日本海側の荷は遅延続きで山陰の白ばい(エッチュウバイ)、富山県氷見などの荷が見あたらない。キンメ、マアジ、中国からのキアンコウ(あんこう)、北海道からの甘えび(ホッコクアカエビ)。『海老辰』にまわると韓国からイシカゲにしては黒っぽいものがある。コケライシカゲガイである。これをキロ/2000円で購入。『源七』のあんちゃんがツメタガイをゆでていて、これがなかなかうまい。これも少し購入。
 八王子綜合卸売センター、高野水産に魚がたっぷりある。ヤリイカはキロ/2500円、サクラエビ、アンコウは中国か? マアジ、めすがに(ズワイガニ)。八王子総合卸売協同組合、丸幸水産にはタコの口(水管)。
『市場寿司 たか』でコケライシカゲガイ、ツメタガイの握りを撮影。

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八王子総合卸売協同組合、丸幸水産で見つけたミズダコの水管。キロ/600円は安い


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1月5日 初荷

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 初荷が特別なものであったのは、いったいいつ頃までだろう? 関東の市場で競りが行われているのは大物(マグロ)だけであり、初競りというと、まずこの光景がテレビに映し出されている。市場関係者もテレビ局も、明らかに映すぞ、映られてやるぞ、という雰囲気が大物の競り場には充ち満ちていて、映像を見るとみんなベテラン俳優のようではないか。それでは、他の魚貝類はというと日本海側の大雪のせいもあるだろうが初荷には肝心の「荷」が揃っていないのだ。

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三番瀬のバカガイを剥いて「バカ始め」

 八王子魚市場に到着したのは8時過ぎで、近海にも特種にも魚がない。また初荷の旗がないのはどうしてだろう。ダイちゃんに声をかけると「そうっすね」と不思議そうに首を傾げる。これは東市だけのことかと『源七』に回るとこちらもない。船橋市場にもないのだ。『源七』にも荷は少なく店の前には立派なメキシコマグロ。若だんなはバカガイを剥いていて、あんちゃんがアカガイ。やはり初荷らしさが見られない。気になって店先にあったヤリイカの値段を聞くとキロ/2800円だという。値はけっして上がってはいない。
 八王子綜合卸売センター、高野水産は根性を見せてまとまった荷を持ってきている。八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』もがんばっている。でも初荷の旗はない。
 どうも関東の市場では今年から初荷の旗を廃してしまったようだ。これは残念。

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フレッシュフード福泉さんと太田さん。しかし太田さんは絵になる男


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