市場図鑑・市場案内: 2006年5月アーカイブ

 今日から絶食、そして通院。最悪の週後半が始まるのだ。それでも市場を見て回りたいのだから我こそ真の市場好きなんである。
 八王子魚市場、やはり中日だという深閑とした場内。それでもよくみると中日ならではのお買い得商品が並ぶ。北海道産ほっき【ウバガイ 茨城県以北に棲息する大型の二枚貝。産地は北海道太平洋側、青森、福島など。非常に美味なしかも値の安い二枚貝である】がキロ/700円。白みる【ナミガイ 中国韓国、九州から北海道、アメリカ大陸まで広く分布する二枚貝で2キロ以上になる大型の二枚貝。食べるのは長い水管部分で甘味があって美味】がキロ/850円は安すぎる。

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市場魚貝類図鑑のウバガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/bakagai/ubagai.html
市場魚貝類図鑑のナミガイへ
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 特種には静岡県由比から生のサクラエビ【東京湾、相模湾、駿河湾などの深海に棲息。まとまって漁獲されるのは富士川、安倍川、大井川河口、戸田沖。戸田や沼津の深海底引きでも混じるが、サクラエビには厳しい出荷規制があり、蒲原、由比、大井川漁協などが独占的に漁をし出荷している。また禁漁期をもうけるなど資源保護の努力もなされている】。

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市場魚貝類図鑑のサクラエビへ
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『源七』にはでかいアサリがあってこれが東京湾三番瀬のもの。これを見ていると、あんちゃんが「クジラ食ってみろよ」と声をかけてくる。
「明日検査だからダメなんだ」
 しんなりした声で言うと、奥に意地悪で元気いっぱいのおじいさんがふたり。

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「なんだケツからカメラか」
「ありゃ、痛いんだよ」
 八王子の食料品店「小山」さんと『源七』の社長。
「おれも来週、胃カメラなんだけど、腸の方が辛いな飯食えねえからな」
 あんちゃんもいろいろやってるんだな。

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』には今年も岩手県宮古の伊藤水産からマテガイ【北海道西南部から九州、朝鮮半島、中国に棲息。干潟が未だに減少しているために年々少なくなっている】。

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市場魚貝類図鑑のマテガイへ
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 明日は入院なので大急ぎで帰宅。腹を空かせてじっとしているのだ。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 .市場にもやっと活気が出てきた。なんだか職員も生き生きしている。
『源七』のあんちゃんはアカガイを開いては卵巣の大きさを見ているし、「(東京湾の)トリガイ、今年は少なかったな」なんて言っている。いつの間にか夏近し、といった雰囲気になってしまっている。
 八王子魚市場、入って目に付くのは北海道根室からのエゾバフンウニ【馬糞海胆 福島、山形以北に棲息する。市場には北海道産がいちばん多く、青森、岩手などからも入荷がある。これを剥いたものを市場では「赤」と呼び、「黄」または「白」と呼ばれるキタムラサキウニよりも高い】は1個430円で今年は高い。

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市場魚貝類図鑑のエゾバフンウニへ
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 近海には、日本海山形産のさごち【サワラの小さなもの】、このさごちは八王子の魚屋の総てが持ってきていた。

『源七』には見事なキダイ【やや暖かい海域に棲息する。関東では相模湾などで釣りで漁獲される。産地としては以西底引き網、また日本海の島根県、山口県などでの底引き、延縄など。春から夏にかけてが旬】。これから入荷が増えてくるはずだ。

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市場魚貝類図鑑のキダイへ
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 三河湾から、ながらみ【ダンベイキサゴ 男鹿半島、鹿島灘から九州までの砂地に棲息。塩ゆでにして美味】が来ている。「ながらみも少なくなったね」とはあんちゃん。

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市場魚貝類図鑑のダンベイキサゴへ
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 八王子綜合卸売センターに回って『ケン水産』にもさごし。

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には活けの、ほんだがれい【サメガレイの福島、三陸での呼び名。表の表面がザラザラと鮫肌であることから名がきている。白身で脂の多い身質は非常に美味。現代の嗜好にマッチする魚である】。これがキロ/2500円。

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市場魚貝類図鑑のサメガレイへ
http://www.zukan-bouz.com/karei/karei02/samegarei.html

『高野水産』にずらりと並んだ物を挙げるとマアジ、カツオ(値段が下がってきた)、アイナメ、たっぷりのサヨリ、せいご【スズキの30センチ前後】、イサキ、アカカマス【これからが旬。うまそう】、チダイ、マコガレイ(身が分厚くなってきてうまそうだ)、ヒレグロ【福島では黒やなぎ】、カワハギ(産卵期近い)、天然のカンパチ、ヒラメ。活けではケムシカジカ。マボヤ、ウチムラサキ、北海道産アサリ、エゾアワビ。

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 またオホーツク海大武からはBつぶ。このオホーツク産のエゾバイ科エゾボラ属の種名がまったくわからない。アツエゾボラ、マルエゾボラなどに当たるのだろうか? 「スーパーイシカワ」さんと話をしていても身質に何種類かあるとのこと。実際、黄色い(アツエゾボラ)、やや白い(マルエゾボラ)、真っ黒(不明)と3種類。

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 八王子総合卸売協同組合『やまぎし』には大きなコノシロ。キロ/800円は高いが卵が欲しいので購入。広島県倉橋島の「日美丸」さんはコノシロの卵巣を美味だという。それで昨年食べてみたら味がなくてまずいものだった。どうもこれは時期があるのだろうと再度チャレンジ。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 連休明け2日目でやっと市場が動き始めたようだ。八王子魚市場、並んでいるのは長崎県松浦市松浦港のマアジ【日本各地に棲息。沿岸を回遊する魚で我が国でもっとも流通量の多いもののひとつ。市場では必須アイテム。とくに八王子など海から比較的離れた地域では古くから「鰺と鰯とスルメ」というのが魚屋の3柱。木の芽時かた脂がのりはじめ、初までが旬。うまいし安い】。この松浦のマアジは市場では定番的なもの。魚屋なども「松浦のあじ」として確実に認識されている。

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市場魚貝類図鑑のマアジへ
http://www.zukan-bouz.com/aji/aji/maaji.html

 近海には久しぶりに青森県青森市「田向商店」のむき鮫。場内にのこるは後一本。これはアブラツノザメ【世界中の寒い海域に棲息する。東北北海道では重要な漁獲対象である。その昔は練り製品にされたが、現在では量が少なく「むき鮫」としても高級。煮つけて、ムニエルで非常に美味】の頭をとり皮をむいたもの。そう言えば田向さんのところの箱、今期はあまり見ていない気がする。またアブラツノザメ自体が年々入荷量が減っている模様だ。ちなみに東京都でも山沿いの八王子多摩あたりでは昔からサメはよく食べられていた。

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市場魚貝類図鑑のアブラツノザメへ
http://www.zukan-bouz.com/sameei/tunozame/aburatunozame.html
田向商店のサイトへは
http://www.tamukaisyoten.co.jp/

 北海道増毛からは甘えび【ホッコクアカエビ】、檜山郡上ノ国町「幸徳丸」から見事な、ぼたんえび【トヤマエビ 日本海中部以北ロシア海域、また噴火湾、オホーツク海などに棲息する。産地としては日本海が多く安定している。値段は高値安定。大きいほど高い】。この檜山から留萌にかけてのトヤマエビは鮮度も取り扱いもよくて値が高い。

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市場魚貝類図鑑のトヤマエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/toyamaebi.html

 北海道茅部郡森町「マルイチ 上平水産」からミズダコの足【福島から北海道周辺、日本海に棲息。大型のタコで近年値が上がっている。旬はこれから夏】。なかなか見事なものであり、つい買ってしまいたくなる。

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市場魚貝類図鑑のミズダコへ
http://www.zukan-bouz.com/nanntai/tako/mizudako.html

『源七』には宮崎の「北浦灘アジ」と鹿児島県串木野の「大竹商店」から活け締めにしたマアジ。近年、商標をつけたり、締めて出荷したりと荷の差別化が目立つ。当然締めてあるとうまそうに感じるよな!

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 八王子総合卸売協同組合「丸幸水産」には山形県山形漁連から黒ばい【バイ 北海道南部から九州、朝鮮半島まで。我が国ではもっとも親しまれてきた貝であるが、これも有機スズや乱開発によって減少してしまったもの。居酒屋や加工食品の「ばい」というのは間違いなく総て輸入もの】。値段を聞こうとクマゴロウを探すが忙しいのでやめる。

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市場魚貝類図鑑のバイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/balylonia/bai.html

 八王子総合卸売協同組合『十一屋ジャパン(漬物、珍味、調味料などの店)』には国産のザーサイの漬物。ザーサイはキャベツなどに近いもので茎が肥大化する。茨城県などで栽培されている。これを2、3切れ試食。うまい!

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 八王子綜合卸売センター『高野水産』に来て「スーパーイシカワ」さんを見つけてスルメイカのことで立ち話。
「スルメイカ、困っているでしょ」
「そうなんだよ。1ぱい350円なんていっちゃ商売にならないよ。でも今日は200円くらいだろ。ちょっとよくなってきたね」
 ここには岩手県石巻「木村水産」から、ボウズイカ【島根県、茨城県以北に棲息する。春から初夏にかけてまとまってとれる。イカなのかタコなのかわからないためか「耳蛸」なんて呼ばれている】。久しぶりなので購入。

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市場魚貝類図鑑のボウズイカへ
http://www.zukan-bouz.com/nanntai/dangoika/dangoika.html

『市場寿司 たか』でボウズイカとトビウオの握りを撮影。ボウズイカ、トビウオともにうまい!


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 大型連休の開けとなる日。場内に入った途端に床が見える。これは荷が少ないためだ。どうも不漁とともに連休明けというのは業者も仕入れに苦慮するらしい。それでも八王子魚市場の凄いところは基本的なものは揃えているところ。これが個人の仲卸にはなかなか出来ない。

 岩手県大船渡からは「青ます」というよりもカラフトマス【茨城県、日本海以北に棲息する。成熟には2年しか要しないので成長は早い。「鮭鱒」と呼ばれて流通するものではもっとも資源の多いもの。値段の安い「塩ます」などに加工されることが多い】。先月と比べてかなり大きくなっている。

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市場魚貝類図鑑のカラフトマスへ
http://www.zukan-bouz.com/sake/karafutomasu.html

 神奈川県佐島からは鮮度抜群のトビウオ【南日本を回遊する。関東では入荷の多いもの】。佐島の魚は定置でも釣りでも至近の地にあるために鮮度抜群。また関東の市場では「佐島」というのはブランド化している。1本200円というので2本購入する。

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市場魚貝類図鑑のトビウオ
http://www.zukan-bouz.com/fish/tobiuo/tobiuo.html
佐島に関しては、しんさんの「佐島港のさかな達」へ
http://members.jcom.home.ne.jp/shin-sajimakou/

『源七』にはまた産地不明のハマグリが来ていて小さいので種名がわからない。あんちゃん「銚子だったかな? 有明海かな?」という。おいおい大丈夫かよ!

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市場魚貝類図鑑のチョウセンハマグリへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/hamaguri/chousenhamaguri.html
市場魚貝類図鑑のハマグリへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/hamaguri/hamaguri.html

 八王子綜合卸売センター『高野水産』もがんばって荷を持ってきているが変わったところはない。八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』には北海道樽前から白ばい【クシロエゾバイ】が来ていて珍しいので購入。

 久しぶりに『市場寿司 たか』でチョウセンバカマ、アカヤガラ、ネズミギスの握りを撮影。たかさん、連休明けで絶好調に見受ける。羨ましい。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 5時前から画像の整理を始めていて、気が付いたら姫が横にいる。「市場に行こうよ」ということ。時刻は7時過ぎになっている。慌ただしくジャージーを着たら上下色が違う。
 八王子魚市場には8時前に到着。近海にホウボウ【北海道南部以南に生息する。この時期産卵期に当たり、腹がぱんぱんにふくれているものに出合う。近年入荷が増えているように感じるが気のせいか?】、クロダイ【市場ではなぜかさえない魚である。値も思ったほど高くない。鮮魚よりも釣りの対象として人気がある】、ウスメバル、マアジ、マコガレイ、メジナ【新潟、房総半島以南の浅い磯周りなどに棲息する。鮮魚としては雑魚的な扱い。刺身でも季節によってはうまいのだが、むしろフレンチなどに使われることが多い。釣りの対象魚としては人気が高い】、キンメダイ。
 産地表示のない箱に、ばらいか【スルメイカの小さなもの。関東では「麦いか」と呼ばれる。小型でばらばらに箱詰めされる。日本列島周辺に棲息する】が並んでいる。今年はスルメイカが高く、魚屋が苦労している。この脇に立って「早く大きくなってくれないかな」なんて言ってる人がいる。八王子など海から遠い地ではもっとも馴染みの深い海産物であり、祭の煮物などにも使われている。もともと値が安いイカであり、高く売るわけにもいかない。それが卸で1ぱい250円から350円であるから仕入れても「儲けにならないよ」と言うことだ。

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市場魚貝類図鑑のスルメイカへ
http://www.zukan-bouz.com/nanntai/tutuika/surumeika.html

 北三陸とある発砲には切り昆布【マコンブ 北海道の南部渡島半島周辺から東北まで見られる。渡島半島では肉厚の値の高いものが生産されるが、東北のものは薄く、出し昆布としてはいいものがとれない。これを茹でて細切りにしたもの。惣菜などの材料として重宝する】。

 千葉県鴨川からはゴマサバ【「まるさば」ともいう。鮮魚としてよりさば節などの材料として重要。マサバよりも暖海を好んで回遊する】。本来安いはずなのだがマサバが少ない時期なので値がいい。

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市場魚貝類図鑑のゴマサバへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/gomasaba.html

『源七』には愛知県知多半島師崎【知多半島の最先端。漁港として有名】からイボダイ【「えぼだい」と呼ばれることが多い】、同師崎「マルカワ水産」から見事なサヨリ。

 八王子綜合卸売センター『光陽』で姫はラーメン、モツ煮込み定食で朝ご飯。『光陽』のラーメンは市販のスープをつかった簡便なものだが、製麺所としては有名な『岩村製麺』のものを使っている。それで400円なのだから人気抜群なのだ。食後『三恵包装』で姫の買い物におつき合いしていたら八王子のそば屋『まつ浅』さんに「たまにはヒゲを剃れよ。みっともないぞ」と言われる。大きなお世話だ。「ばっかやろー」。

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』に豆あじ【マアジの稚魚】、噴火湾森町から白ばい【これがキヌカツギバイに見えるが同定できていない】。

 八王子綜合卸売センター『高野水産』に回ると既にそこは戦場とかしている。その光景を前にある『フレッシュフード福泉』で見ていると、そこにコンビニなどで売られているもりそばがある一人前200円だというので購入。これはお昼ご飯用なのだ。

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 八王子綜合卸売センター『藤原商店』で姫がとどめの「ぷっちょ」という変なお菓子を買い、前の『大商ミート』で合い挽き肉を1キロ。これで買い物は終了。
 連休中のためか一般客が多い。その一般客がもっとも混雑する『高野水産』に渋滞をもたらして、まったく手の着けようがない状況となっている。これは大変と早々に退散。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 ぐっすり眠って目覚めは爽やか。やはり少しハードでも自然の中で遊ぶと違いうのだ。家族はまだ眠ったままの7時過ぎ市場に出かける。
 八王子魚市場に到着すると『源七』の前であんちゃんが、にし【アカニシ 北海道南部から日本各地、中国沿岸の干潟などに棲息する。大型の巻き貝で美味】を茹でている。これをきれいに水洗いして店に出すのだ。

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市場魚貝類図鑑のアカニシへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/sinfukusoku/akkigai/akanisi.html

 八王子魚市場はやや荷が少なく、そんななか鈴木さんのところに宍道湖産のしじみ【ヤマトシジミ 北海道から本州四国九州、朝鮮半島、中国の汽水域に棲息。単に「しじみ」と言えば本種を差す】があり2キロ1800円で購入。ヤマトシジミは価格の安定した二枚貝で産業的にも重要なもの。
 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』には宮城県石巻からむきかすべ【ガンギエイの仲間のヒレをむいたもの】がありキロ/900円だというので購入。
 八王子綜合卸売センター『高野水産』には本ます【サクラマス 日本海、三陸東北北海道などが産地の高級魚。非常に美味】、千葉県鴨川からは、えぼだい【イボダイ 「えぼだい」というのは東京などで疣のことを「えぼ」と発音したため。宮城県、男鹿半島以南に生息する。鮮魚として干物として高値で取り引きされる魚。非常に美味。初夏など酢締めにして握りというのもいい】。

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市場魚貝類図鑑のイボダイへ
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 佐賀県唐津から、よこわ【クロマグロの1メートル以内のもの】、また福島県相馬市の「ヤ印 八巻水産」からマコガレイ【北海道南部から九州大分県までの浅海に棲息。これから晩秋までが旬。刺身で塩焼きで煮つけで美味極まりない】、マガレイ【東シナ海北部、日本海、本州中部以北に棲息。マコガレイよりも値は安い。気軽にご飯のおかずに食べて欲しい魚】、どんこ【エゾイソアイナメ 北海道南部以南の100メートル以浅の海に棲息。身質は繊維質ではなくぽろぽろしているが肝と合わせて、みそたたき、煮つけ、焼きものにして美味】が来ている。『高野水産』は「ヤ印」デー。

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市場魚貝類図鑑のマコガレイへ
http://www.zukan-bouz.com/karei/karei/makogarei.html
市場魚貝類図鑑のマガレイへ
http://www.zukan-bouz.com/karei/karei/magarei.html
市場魚貝類図鑑のエゾイソアイナメへ
http://www.zukan-bouz.com/taraasiro/tigodara/ezoisoainame.html

 他には北海道えりも「カネダイ」から、まつぶ【エゾボラ 北海道以北に棲息する。大きくなる巻き貝で主に刺身になる。値は高値安定】、これが小さいとはいえキロ/1000円は安い。イイダコ、天然マダイ、サヨリ。サヨリは連日たっぷり入荷してきている。

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市場魚貝類図鑑のエゾボラへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/ezobora/ezobora.html

 休日中の開市で一般客が押しよせてきた。これは逃げるにしかず。

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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 久しぶりの沼津魚市場。でも底引きの一角は船が少ないせいか寂しい。いつもいちばん早くから選別している「太共丸」がいなくて、「大成丸」さんと「慈愛丸」さんが本えび【ヒゲナガエビ】を選り分けている。他には、でんでん【ワキヤハタ、オオメハタ、ナガオオメハタの総称。深海性の魚で関東などの市場には九州から入荷してくる。市場では「白むつ」】、のどくろ【ユメカサゴ やや沖合の深い場所に生息するもので九州では「沖かぶ」。味は抜群にいい】。

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 戸田からの船が来るまで他の地域の魚を見る。ばしょういか【アオリイカ 北海道南部以南の浅海に棲息する高級なイカ。非常に美味】が明滅している。

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市場魚貝類図鑑のアオリイカへ
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 イセエビ、活けのマダイ、タチウオ、めじまぐろ【クロマグロの幼魚】、アオダイ、ウメイロ、活けの水槽にぽつんとホウキハタ【やや大型になるハタで南日本以南に生息。高価なもの】。

 西浦の定置網には、はまごいわし【キビナゴ たぶん東京湾以南の浅海に棲息する。生でも天ぷらでも干物でもうまい小魚】。

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市場魚貝類図鑑のキビナゴへ
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 定置では他にケンサキイカの子、カタクチイワシ。漁は少ない模様だ。

 底引きにもどると、ごそ【ハシキンメ 深海性のキンメダイ目ヒウチダイ科の魚。味はいいのだが、とれる量がすくない】。

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市場魚貝類図鑑のハシキンメへ
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 本えび【ヒゲナガエビ 三重県、愛知県では「がすえび」と呼ばれる。深海性のクダヒゲエビの仲間で味がいいもの】を選り分けている「慈愛丸」さんに、「漁が少ないから値がいいでしょ」と聞くと「今期は形が悪いから安いのよ」という。

 ちなみに値が張るのはボタンエビ【本州太平洋側から南に棲息する深海性のエビ。市場で「ぼたんえび」と呼ばれるのは同じタラバエビ科のトヤマエビなので紛らわしい。美味であり値も高い】。

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市場魚貝類図鑑のボタンエビへ
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 アカザエビ、サガミアカザエビ【ともに高級なエビであるが区別されることはない。サガミアカザエビの方が駿河湾ではやや小振り。フレンチなどでは「てながえび」とも呼ばれる】。

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市場魚貝類図鑑のアカザエビへ
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市場魚貝類図鑑のサガミアカザエビへ
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 底引きには他にはチヒロダコ、あぶらごそ【ヒウチダイ 東京湾以南の深海に棲息。非常に美味。高級】、クロムツ、イボダイ、キアンコウ。

 7時前には、しらす【主にカタクチイワシの稚魚。春と秋に漁がある】の船が帰り着く。ここで仲買、また漁師さんがやや活気を見せてくれる。

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 沼津は底引き、巻き網、定置網、釣りなど様々な漁で上がる魚がわんさか集まってくるのだが昨年以来低調である。これには沼津魚の達人、菊地利雄さんも寂しそうである。でもこれからはカツオ、またゼニスや金洲からの魚などより多彩に入荷してくるに違いない。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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