海老名の海老さんから、たっぷりと山椒(さんしょう)の葉をいただいた。
自宅の庭に山椒の木があるなんてうらやましい。
いただいた山椒の葉をむしり取り、まな板に置くと、小山のようになった。
これを八王子総合卸売センター『総市』のさぶちゃんから買い求めたカツオの中落ちとたく(ボクの言語は関西系なので、煮ると炊くは分けない)。
その昔、市場の仲卸というのは、それこそ買い求めていく人が、箱単位だったり、最低でもカツオなら1本だった。それが最近では、「おろしてくれ」とか「半分ほしい」とか、どんどん専門家(魚屋、料理店)といっても少ない単位で買うようになってしまっている。
そんなこんなで仲卸で板前をやっている、さぶちゃんの目の前には中落ちが山になってたまっていくことになる。
その小山を「いくらだい」と聞くと、「100円でいいよ」。
市場の楽しみはこんなところにある。
中落ちは、まず湯通し、冷水にとり汚れを落とす。
水からあげた中落ちの水分をよーく、よーく拭き取る。
深めのテフロンフライパンにたっぷりの味醂(みりん)と水を入れて煮立たせる。ここに醤油(しょうゆ)を入れて味加減を整える。
煮汁が何度か煮たってきたら、中落ちを入れる。煮汁がよく馴染んできたら、大量の山椒を加えて、アルミホイルの落としぶたをして、後は一気に煮上げていく。
この料理の肝心なところは、「勢い」だと思った方がいい。煮汁は常に中落ちを覆うように火加減を強くする。
最後に煮汁の粘度が上がったら落としぶたをとり、煮汁をからめるようにして出来上がる。
煮汁の残り具合も微妙なもので、完全になくなるとダメ。我が家では、鍋のまましばらく置き、またなんどもなんども煮汁をからめて鉢に盛る。
料理店ではないので、天盛りは気恥ずかしい気がするが、青い山椒をこんもりと。
カツオの山椒だきは「季節を食べる」如く感じるものだ。
海老名の海老さん、香り高い山椒をありがとう。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、カツオへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/katuo.html
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