魚貝類を探す旅: 2006年4月アーカイブ

 トイレに起きて時計を見ると8時となっている。驚いたな3時に寝て、5時間熟睡。疲労はとれている気がする。慌ただしく朝食を作る。カナガシラを煮つけに、サラダも作る。
 朝食はキハダマグロの心臓の煮つけ、カナガシラの煮つけ、ハンバーグ、サラダ、きんぴらごぼう、めかぶ、具だくさんみそ汁、ご飯。

 11時前に家を出て、歩いて北八王子の駅を目差す。ゆっくり歩きすぎてやっとこさ11時20分の八高線に間に合った。八王子、高崎間をぐるっと回る単線、八高線は拝島を後にすると武蔵野をゆったりゆったり進んでいく。その原っぱ、川、山の美しいこと。そんなときに飯能の手前で駿河台大学の異様には驚かされる。
 川越駅を出て、バスで行くべきか、歩くべきか……、考えるのも煩わしいので、とにかくだいたいの方向を決めて歩き出す。そして道を尋ねながら、そして迷いながら喜多院(徳川家光と関わりが深いんだったかな? また松平信綱が川越藩主だったはずだから、松平家の墓所なんだろうか?)に至る。

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 喜多院を出ると、もうここは「小江戸」である。大正・昭和のスレート造りの建物、江戸の蔵が立ち並ぶ道筋。かなりの人出、その混雑にどんどん深入りしていく。家族はこんな人混みが大好きなのだ。喜多院を出てすぐの和菓子やでさつまいもソフトを買い、どらやきをぱくつき、またまた和菓子屋に入る。古い蔵の街並みを過ぎて、駄菓子屋横町。子供達はソースせんべい、鯛焼きにたこ焼きと、ず〜っと食べてばかり。これを味見させてもらうと、みな味わい良し。やるな! 川越。

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みそだれの焼き鳥は埼玉ならでは。発祥は東松山

 中央通りの「大松」でみそだれの焼き鳥(埼玉では東松山風という)。時の鐘の入り口の酒屋で「小江戸藏の街 地ビールNo.1」をぐいっと飲み。駄菓子屋横町では古めかしい店内でしょうゆ味の「焼きだんご」を肴に「さつまいもラガー」を2本。街を歩きながらどんどん酔っぱらっていく。

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駄菓子屋横町は大混雑。オヤジは息苦しい

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古めかしい駄菓子屋の奥でサツマイモラガーを飲む。ちょっと気分が浮いてきたぞ

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川越の焼きだんごはさっぱりしたしょうゆ味。これは肴になるのだ

 駄菓子に夢中になり家族はてんでんばらばらに楽しんでいる。ひとりっきりで街をそぞろ歩き「深井屋」といううなぎ屋で熱燗を1本、鰻重。この鰻重、けっしてうまいもんじゃなかったが、こんな一人っきりの午後、小江戸で昼酒というのは極楽極楽。
 うなぎ屋の前の「さいたまco-op」をのぞいて、あまりにばからしい品揃えに怒りを感じて、家族に合流する。「さいたまco-op」はたんにつまらないバカスーパーでしかない。だいたい「co-op」ってなんのために存在するのか?
 結局5時過ぎまで街歩き。喜多院にもどり、「小江戸巡回バス」に乗りもう一度街を巡りながら川越駅に帰り着く。お菓子に豆腐に豆、駄菓子、納豆、ワンカップ。「これ以上持てないよ」と泣く太郎の頭を殴りつけて、やっと八高線に乗ったときにはほっとしたな。ここで今週溜まりにたまった疲労感がどっと押しよせてくる。
 帰宅は7時過ぎ。やっと風呂に入って家族全員ダウン。


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 仕事が早く片づいて、神保町の古本屋を回るには懐具合が気がかりであるし、考えた末に「無駄歩き」をすることにして地下鉄に下りる。半蔵門線で曳舟に行くにはもう5時前で遅すぎる。それで仕方なく運賃が高すぎる都営地下鉄新宿線に乗る。買った切符は170円。(都営地下鉄が高いのは明らかに「役人」が経営しているからだ。間違いなく都庁にも天下り先があって、これが地下鉄や都でつくる建物などの運営費、建築費を押し上げている。間違いない)

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 その170円行ける最長の駅が森下町である。池波正太郎の鬼平、すなわり長谷川平蔵は本所で若きを過ごし、近くの竪川は永井荷風の小説に出てきてお地名だけはお馴染みの感がある。森下町駅を出ると清澄通り、とりあえず両国を目差して歩く。歩く右手にパン屋を見つける。ここのカレーパンは何度か買ったことがあるな、と思って店に入ってカレーパンを5つ買う。1個145円也。そのまま清澄通りを歩いていると正面に橋が見えてきて、左に漫画「のらくろ」が笑っている。

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「あっ!」、またやってしまったようだ。北を目差して南下していたのだ。これだから方向音痴は困る。それでも「のらくろ」の高橋商店街は面白そう。古い帽子屋、お総菜屋、赤いラーメンの暖簾。見て楽しいが、なにもうまそうなものが見つからない。ちなみに高橋商店街近くに田川水泡が住んでいたということにちなんで「のらくろ」が出迎えてくれる。

 気を取り直して清澄通りを北に進むと有名な「魚三」。そーっと覗いてみると5時を過ぎたばかりなのに満員。うまそうな匂いをかぐととたんに腹の虫が騒ぎ出した。考えてみると、お昼にはほとんどなにも食べていない。もう一度「魚三」をのぞくが、やはり席があいているようには見えない。新大橋通の交差点に来ると向こうに「山利喜」が見える。ところが、ここも満席のように見える。
 その隣、馬肉の「みのや」の手前に「喫茶・洋食 鍵」というこぎれいな店を見つけてハンバーグライスを食べる。この店、取り立ててうまいとは言えないが、清潔で雰囲気のいい店だ。
「鍵」を出ると夕暮れが迫り、街に灯がともりだした。裏通りに入り、八重桜満開の通りに出る。暮れなずなかにうす桃色の八重桜がぼんぼんと垂れ下がる。なんともきれいだ。しばし散策。
 古い建物の奥に畳敷き、そこで金網を編む人が見える。そして向こうに明るい光が見えてスーパーがある。小さいが繁盛して夕食の材料を買い求める客で混雑している。その「フジマート森下」へ入ってみる。このスーパーはなかなか面白い。並ぶ食料品は平凡なものばかりだけど、魚売り場に養殖もののシマアジが丸のまま置いてある。お総菜売り場はすぐ奥で揚げ物を作っていて、客の注文を聞いてから揚げるのだろう。ここで見つけたのが「四ツ目納豆」。真っ赤なラベル、書体も古めかしくいい感じ。しかも1個60円は安い。これを2個買って通りに出ると既に日はとっぷりと暮れているのだ。

 そのまま清澄通りにもどる道すがら見つけたのが、木造の八幡造りを思わせる銭湯「大正湯」。きっと大正期に開業したんだろう。

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 ネジの問屋を過ぎて清澄通りを北に歩く。

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 竪川を渡ると左手にひっそり明かりをともした茶屋、そして相撲番付を貼っているミシン店。

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 京葉道路を左折。向こうに相撲小物を売る「高はし」、そして小さな明るい通りを見つけて、その先に電車の通るのが見える。両国駅にたどり着いてスイカでホームにあがって無駄歩きの旅は終了する。


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