魚貝類を探す旅: 2010年10月アーカイブ

koikobaya.jpg

鯉のあらいと鯉こくがやってきた。
と思ったら雷電神社にお参りしたらしき方達が、神社方向の入り口から入ってきた。
小林屋は参道と、雷電神社に向かってと2つの入り口がある。
あまり広い店とはいいがたいのだが、決して窮屈に感じないのはこのせいだ。
ちょうどそのとき、こちらはヤブ蚊との格闘中で、なんだかヘンテコリンに見えたんだろうね。
ご婦人達に受けに受けた。

koitotigi111.jpg

栃木県の方達で、ヘリコプターに乗ってきたのだ、という。
板倉町はこの時期、コスモス祭をやっている。
水郷とコスモスとヘリコプター、雷電神社にナマズ料理、とても暖かみを感じる栃木弁、なんていい取り合わせだろう。
さて、この栃木県人との出会いが、長年追い求めていた課題を解決してくれそうだ。
こんなことがあるから旅はやめられないのだ。

koikoku111.jpg

さて、小林屋の鯉こくには豆腐が入っている。
濃いめのみそ汁にコイと豆腐があって、粉山椒がふっている。
このややひなびた鯉こくがうまいのだ。
ビールの後に冷や酒をお願いしていて、鯉のみそ汁が酒の肴としてこれほどよいのだ、とは知らなかった。
ここでふと考えたのだけれど、鯉こくのような料理は、古くさいやりかたで、無造作に作った方がうまいようだ。
こんど鯉こくを作るときには、このように作りたいものだと思い至った。

koiarai111.jpg

そして洗いも素朴でうまい。
キリリとしまったコイの切り身に臭みはなく、シコシコと心地よい。
お隣に陣取っている栃木市から来たという団体さんがいかにも楽しそう。
あんまり楽しそうなので、ナマズの天ぷらを食べているところを撮影させてもらった。
このような、ぼんやり無為な時間もまたよいのである。
今度の板倉町来訪は12月初旬だ。
当然、小林屋に寄らないなんて考えられなくなってきた。

さて、板倉町は車などで通りすぎても、なんの印象も残しそうにない。
しかも最寄りの駅の名前に町名が入っているのはいいとして、私立大学の名がわざわざ付け足してある。
そして町の中心地から非常に遠い。
ようするに陸の孤島のようなところ。
オマケに商店街もなく、めぼしい名物もない。
ここまで来ると見事なくらいの田舎であるが、どっこい大きな財産があるではないか、豊かな淡水域という財産が。
これこそ他の町が望んでも、望みようのない地域力というか、地域資源。
これなどは有名企業がひとつ来るよりも長く利用できる資源財産、そして力だろうな。
しかも雷電神社という古式ゆかしい、しかも美しい社がある。
その境内にはうまい淡水魚を食わせる店があて、旅の〆として文句のつけようがない。

板倉町にきて美しい水辺を散策。
季節季節の情景を楽しみ、雷電神社で美しい彫刻を愛でる。
当たり前だけど「地震雷避け」を祈願。
最後に名物のナマズ料理を鱈腹食らうというだけで、楽しい一日が送れようというもの。
このちょっと田舎くさいけど、どこか懐かしい板倉町って、一日観光の穴場だと思う。

小林屋 群馬県邑楽郡板倉町大字板倉2335

参考にさせていただきました グッドグンマ

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、コイへ


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
namakoba000.jpg

時計を見ると午後3時を回ろうとしている。
品書きを見るに、いちばん魅力を感じるのは、なぜか「カツ丼」。
考えてみると4時前に起きて、摂取した糖質といえるものは御殿のような川魚料理店でのナマズの握りだけ。
そのあまりにもつたないすし飯に、悲しい思いをしたが、それでも我が腹の虫は、これでなんとか治まってはいるわけで、不幸中の幸いとはこのことだ。
「カツ丼」を食いたいという衝動を抑えて、本日2度目の川魚料理を注文する。

namakoba111.jpg

予め、『聞書き 群馬の食事』で予習した、天ぷらに、たたき揚げ。
腹の虫が「これでは少ない」というので「鯉こく」に「鯉のあらい」。
この「とにかく淡水魚食ってやるぞ」という注文にお姉さん二人は淡々と反応。
待つ間に、ビールをグビっとやり、大量の藪蚊を追い回す。
そういえば蚊の同定が出来たら面白いだろうな。
昆虫の分類は最近ますます細分化され、また発見が発見を呼ぶ状況らしい。
魚貝類を見るとすぐに分類地図が浮かんでくるわけだけど、昆虫の分類地図がカに刺されるたびに浮かんだら、O型人間なので人生観が激変しそう。

さて、まずやってきたのが、板倉町名物のナマズの天ぷらと「たたき揚げ」。
腹の虫が「撮影などしないで早く食え」というのを抑えて、ゆっくり何度も撮影。
そしていきなり、半分くらいかぶりついて腹の虫をなだめる。
これが実にうまい。

namakoba222.jpg

腹が減っていたせいではなく、そこには分厚いクセのない白身があって、豊潤かつ旨みありありの大満足的美味が現実に存在する。
私、ここに小林屋のナマズの天ぷらは名物にしてうまし、と言っておこう。

namakoba333.jpg

そして「たたき揚げ」だが、外見からするとサクっとした食感を予想してしまうが、実はムチッである。
このムチッとして妖艶な食感が蠱惑的だ。
味わいはまことに上品、淡々としたものだが、ナマズの真価はこの食感にあるのだろう。
みじん切りのニンジンやゴボウがこれまた脇を固めていい味出している。

ボクの故郷は徳島県の山間部に位置する。
吉野川水系の貞光川というのがボクの家のようなものだったのだけど、商店街に本当の住まいがあって、この地区には実は川魚を食べる習慣がなかった。
ナマズは夜行性なので、昼の魚取りではなかなかとれない獲物。
それでも淵に潜って、えぐれた洞のようなところを狙えば、とれなくはない。
あのときナマズを食っていれば、ボクの人生も変わっていたかも知れないな、なんてふと思うのだった。

さて、小林屋の昼酒はまだまだ続くのだ、の心だ!

小林屋 群馬県邑楽郡板倉町大字板倉2335

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ナマズへ

参考にさせていただきました グッドグンマ



ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
ナマズを見に群馬県板倉町に行ってきた。
群馬県と言えば首都圏内ではないだろうか?
特に県南部にある水郷地帯は通勤圏内でもあるだろう。
ただし八王子からは遠い。

京王線、新宿線、半蔵門線から東武日光線。
そういえば鉄道会社にもインフォメーション力の差がある。
例えば、事故が多いせいか、中央線の車内アナウンスは適切でていねい。
まだまだ何を言ってるのかわからない、発音の著しく悪いダメな車掌もいるが、乗っていて安心できる。
そこへいくと京王線は非常に劣っている。
京王線は明らかに乗客を軽視している。
車内アナウンスがおざなりで発音が悪く、非常に程度が低いのだ。
そしてそしてもっとひどいのが半蔵門線。
何を言っているのかぜんぜんわからない。
半蔵門線は明らかに乗客をバカにしているのである。

閑話休題。
遠路はるばる板倉町に到着して、まるで御殿のような川魚料理店に入る。
ナマズの刺身から、天ぷらなど気になるものを全部注文してみた。
が、そんなにうまくはない。

その後、ナマズ漁に地元の方と出かけて、あれこれ話をお聞きして、最後に町を歩いてみる。
残念ながら板倉町は歩いて楽しいところではなかった。
そして行き着いたのが雷電神社なのである。
ここがなんとも素晴らしい場所だった。
だいたい神社自体が美しい。
これはまた後々書くことにして、その神社前の参道に2軒の川魚屋があった。
その神社に向かって左にあったのが小林屋だ。
2軒ある川魚店だが、旅人は昔ながらの情緒を残した店に入る、これは致し方ない。
それほどに小林屋の外観には魅力がある。

kobayasiya1.jpg

kobayasiya2.jpg

店の隅っこに陣取って、まずはビール。
久しぶりのアルコールがうまい。
脇についてきたのが「くちぼその佃煮」。
よくよく見ると、間違いなく「くちぼそ」すなわちモツゴの佃煮だ。

kobayasiya3.jpg

店のお姉さんはてきぱきとして、一見優しくなさそうだったが、実はまことに親切なのがわかってきた。
これは期待できそうだ!

小林屋 群馬県邑楽郡板倉町大字板倉2335

参考にさせていただきました グッドグンマ

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

月別 アーカイブ

このアーカイブについて

このページには、2010年10月以降に書かれたブログ記事のうち魚貝類を探す旅カテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブは魚貝類を探す旅: 2009年7月です。

次のアーカイブは魚貝類を探す旅: 2011年1月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。