マボヤの産卵期は冬から春。産卵のために秋から、産卵期、そして産卵後の回復期は旨味が減り、また身がやせ細ってきてしまう。そして産卵後、盛んに海水中の微生物、プランクトンなどを吸い込み初夏には旬を迎える。さて夏の最盛期から、秋になって、寒くなってもマボヤの入荷は続く。いつまでこのマボヤのうまい時期が続くのか、ボクは市場で定期的に購入して試しているのだ。
今回のものは青森県産の小振りの天然もの。マボヤに関しては、味と大きさはあまり関係がないようだ。これがうまい。養殖と天然ものの違いはその食感だと言われている。天然ものの方がシコっとしているのだという。確かに言われてみれば、さすがに天然だけのことはある、と思うものの、それほど大きな違いは感じられない。むしろ味わいよりも天然ものの姿のよさを愛でながら、ぐさっと半割にして刺身にする。
これを塩とスダチで食らうのだ。マボヤに三杯酢とか醤油とかいろいろ好みはあるだろうけど、ボクは塩と柑橘類以上にうまい食い方を知らない。またマボヤには甘口旨口の酒が合うように思える。だから石川の菊姫を1本買ってきて、その肴とする。
そろそろ朝晩は肌寒さを感じるようになってきた。この個性派の肴と旨口の酒がしみじみいいのであるよ。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑のマボヤへ
http://www.zukan-bouz.com/sonota/hoya/maboya.html
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