水産会社、加工品図鑑: 2008年9月アーカイブ

 魚貝類を調べていて、常に壁となるのが水産会社なのだ。
 国内に水産会社は凄まじく多く、しかも規模が大きい。
 特に大手などは外部から見て、いったい何をやっているのかぜんぜん理解できなかったりする。

 そんなときシーフードショーで見つけたのがマリンフーズという会社である。
 水産加工の世界にうといボクでも名前だけは知っているという、知名度の高い企業だ。
 ただし実際にどのような商品を取り扱っているのかなど、まったく未知の世界といえる。

 そのマリンフーズの展示会に行って来た。
 そして圧倒された。
 いろんな人から「すしだねを中心とした会社だね」と聞いていた。
 実際に製品をみせてもらって、ゆでエビとかイカのゲソなんかだったので身近な小規模なものを想像していたのだ。
 ところが取り扱う商品の多種多様なこと、また魅力的であることに驚かされることとなった。
 展示会とはいうなれば試食会なのである。
 多種多様なものが食べてくださいと並んでいる。
 この会場をマリンフーズの方に案内して頂いて、どんどん食べて、食べて食べまくってきた。

 その初っぱなが冷凍鍋・スープなどのパックなのだが、このような商品はまず買わないだろうもの。
 だいたい「お湯をそそぐだけ」という簡便さだ。

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 インスタントに抵抗があるので、期待はゼロで食べてみたら、これがよくできている。

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 次に、冷凍寿司だねで、すでに切り付けしてあるので解凍するだけで、あとは握るだけだ。
 いろいろ食べたが、マダイの湯引きが素晴らしい。
 冷凍刺身と同じと思えるもので、解凍しても、これほどに美味なのに驚く。
 また家庭向けといっていいのか、冷凍すし飯があり、これを加えると、気軽に家庭で握りずしが楽しめる。
 我が家もそうだが、子供が大きくなるごとに別々に食事をとるように変化していく。
 これは現在の普通の生活をしている限り、避けては通れない道だ。
 こんなとき、この冷凍ずしってありがたいな。

 今話題の「CAS」があった。
 ここでホタテ、ウニを生、冷凍で食べ比べてみたが、これがほとんどかわらないうまさだ。
 将来漁師さんが減り、ますます漁業が衰退していくだろうけど、この冷凍技術はその歯止めになるかもしれない。
 また日本各地の魚貝類を冷凍したものもある。

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島根県産魚も取り扱っていた

 千葉県産マダコの足、長崎産サザエ。
 もちろん中国産であったり養殖魚をフィレにして冷凍したものもある。
 これを見ていく限り、ますます魚貝類を在庫化できる状態にする傾向が強くなりそうだ。
 なぜなら解凍した刺身、加工品などの味が抜群にいい。

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家庭で簡単に刺身盛り合わせが食べられる

 冷凍寿司ネタ、新しい寿司ネタのコーナーなども見物だった。
 北海道産チカ、三陸産のイラコアナゴ、キンメダイは輸入物だったように記憶するがとてもうまい。

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 昆布締め、酢締めにすると、すでに冷凍食品であることは誰もわからないだろう。

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お総菜、おつまみなどの新しい食べ方の提案もあった

 最後に今年の恵方巻きのコーナーを見て会場を後にした。
 実をいうと多くの人たちが家庭の荒廃とか、自宅で料理をしなくなった、とか喧しい。
 ただ、それは普通の人々が怠慢になったわけでも、食に無関心になったわけでもないと思う。
 この現代があまりに複雑な価値観をもたらし、また膨大な情報を垂れ流しており、普通に生きているだけで、なかなか忙しくも大変なのである。
 ましてやこの不況であるけど、共働きは当たり前だし、子供だってアルバイトに塾に、クラブにと忙しい。
 どうやって家庭でうまいものを食うのだ?
 そんな解決法がマリンフーズの作り出すものにも見つけられそうに思える。
 「食育」も現在の社会の状況に合わせたものに変えるべきだな。

マリンフーズ
http://www.marinefoods.co.jp/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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