水産会社、加工品図鑑: 2006年3月アーカイブ

 カペリンの卵の醤油漬けである。カラフトシシャモ(カペリン)の卵はけっしてシシャモに負けず劣らずうまいのは知られているが、どうやって卵を集めてくるのだろう。まあそんなことは置いておくとして、この醤油漬けはうまい。魚の卵巣でときに感じられる渋みがほとんどない。またご飯に合うのは甘味が適度に添加されているからだろう。
 この商品があるとご飯のなくなり具合が顕著になる。そんな名品だと思う。カネカシーフーズのものは「朝飯めかぶ」も大好きである。ホームページにもっと商品情報を載せてもらえるとうれしい。

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カネカシーフーズ 宮城県気仙沼市字赤岩港13番地の2
http://www.kaneka-sf.co.jp/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 浅草橋にはときどき立ち寄るが、なかなか柳橋までは行かない。なぜか行き止まりというか、目的がないように思えてならない。
 その昔、柳橋というと粋筋の街。また古きよき情緒の残った街だったはず。それが戦後、完膚無きまでに破壊が進み、その南に位置する両国とともに忘れ去られてしまった。江戸名所図絵の両国、それは今で言う東日本橋。そして神田川が隅田川に合流するところが柳橋である。
 今では殺伐とした柳橋にあって唯一江戸の情緒を残しているのが小松屋。小松屋には佃煮屋と船宿があるのだが川を挟んで南が船宿、北の浅草橋に近いのが佃煮屋。これは長い間、同じ店が二業種を営んでいるのだとばかり思っていた。
 どうもふたつは親戚筋ではあっても別の店であるという。過去に舟遊びはしたことがなく、遠い昔に佃煮屋で故郷への土産を買ったことがある。そして30年振りの小松屋。迷った末に海苔、あみなどを買ってきた。これがどれも絶品である。値段は1つ700円前後と高めながらどれをとっても過不足ない味つけ。特に海苔の佃煮などまさに昔ながらのしょうゆ辛さ。また買ってきた佃煮すべてがうまい。
 ちなみにこの海苔の佃煮、やはりヒトエグサが原料だろうか? 興味深々なれど聞く勇気がない。
 有名店は避けてきたのであるが。そろそろ考え直してみるかな。

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佃煮 小松屋
http://www.tsukudani.net/shop/


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 青森県や秋田県など東北で出合うものに麹を使った海産物がある。これが甘く、そして塩辛く、なかなか東北の甘く重い酒に合う。この麹をつかった海産物の漬物では秋田の三五八漬けは昨年、市内のなべ婦人にいただき。どうせなら秋田の酒をと飛良泉の山廃を合わせてやった。
 そして今回来たのが青森市の田向商店が通販している『内海商店』、「鰊の切込み」である。「切込み」というのは東北では塩辛にあてた言葉であるという。でも今回のものは麹を加えている。しっかり塩味がついているので、内臓が入っていなくても塩辛なのだろうか。鰊の細切りの塩漬け。これに麹を加えて甘さとアミノ酸を膨らましたもの。これが青森県での「切込み」の定義ならそれはそれで発見だと思える。
 味わいはまったり、少し甘味が感じられて塩辛い。すなわち複雑な味わいである。余韻のように旨味が後を引く。当然、肴にして合わせたいのは甘口、もしくは旨口の酒。残念ながら青森では思いつかなくて、秋田の両関の熱燗。家人はご飯にのせてもいいと話すので〆はまだ暖かい白飯にのせてみた。う〜ん、確かにご飯にも合う。
 このような珍味佳肴が年々減少傾向にあるように感じる。すなわち大手食品会社が作り出す、無難な味わいばかりで土地土地の個性派がいなくなっていこうとしているのだ。『内海水産』の「鰊の切込み」も末永く作り続けて欲しいな。

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青森市田向商店
http://www.tamukaisyoten.co.jp/


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