愛知県一色は三河湾での漁業の一大基地である。そこにあるのが毎味水産。三河湾の小エビ、世界中から輸入した冷凍エビの加工販売や三河湾の魚貝類を各地に送る荷主でもある。この毎味水産の藤井社長は、ボクに三河湾の魚貝類のことを教えてくれ、また一色での魚貝類調べにはひとかどならぬお世話になっている。
その藤井社長がときどき送ってくれるのが三河湾の海の幸である。
それは5月のある日、
「あのよ、今ここでトリガイがとれてての」
ようするに「トリガイが三河湾でいっぱいとれて、毎味水産で加工しているから食べて見ろ」ということだ。
送られてきたのは簡便なパッケージに入った湯通しのトリガイだった。これが在り来たりのものなら、別にブログに書くこともなかったのだが、驚くべき代物だったのだ。例えば市場には活けのものは春から夏に多く、年間を通しては冷蔵物の湯引きトリガイがくる。それがキレイに並んではいるものの、味は今イチなのだ。でもこれは違う。うまいのである。ボクだけがうまいといっているなら尻高鰤さんなど眉につばを塗るかも知れない。でも今回、「うまいねー」と感激した人間がもう一人、それが『市場寿司 たか』の渡辺隆之さんである。
「この火の通し方は、プロだね。これが出来るというのが凄いよ」
毎味水産の藤井社長が言うように今年はトリガイが大豊漁、当然安い。でもこの安い活けのトリガイを自分で仕込んでもなかなか毎味水産のものほどに至らない。
「甘味がいいね。身の弾力性もいちばんいいところになっているし、寿司ネタとしても使いやすい」
たかさんの評価がまったく僕の評価だと思って欲しい。これは毎味水産が取り引きするサミットなどで手にはいるのだろうか? 藤井社長に聞かなくては……。
毎味水産の水産物は一色さかな広場『一二味』へ
http://www.katch.ne.jp/~ishikisakana/KOTOMI/kotomi.html
毎味水産のことは
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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