水産会社、加工品図鑑: 2008年8月アーカイブ

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 徳島県の練り製品を特徴づけるものは一に「竹ちくわ」、二に「かつ」だと思っている。
「かつ」はトンカツ、メンチカツの「かつ」で古くはフランス語の「コートレット」が「かつれつ」と変異したもの。要するにフライのことだ。
 徳島で「かつ」というのは「フライ」、「とんかつ」などをさすのではなく魚肉をミンチ状にしてカレー風味で味付けし、パン粉をつけて揚げたもの。

 このようなものは島根の「赤てん」、山口県、大分県の「ギョロッケ」など似たようなものが各地にある。
 総て現在もある「魚肉ソーセージ」の誕生したとき、非常に人気がでたために多くの練り製品の加工状が打撃を受ける。
 それならと工夫開発されたものたちなのだ。
(開発したメーカーなどについては今回は省く)
 練り製品としては戦後生まれだから比較的新しい。

 昔は単に「かつ」と呼ばれていたはずだ。
 振り売りのオバサンの油揚げや竹輪の横に必ずあったもの。
 子供の頃のものは表面が油で滲んでいて、じめじめしていて、完全にぺったんこ。
 決して上等の食べ物とは言えなかった。

 なぜなんだろう。
 ボクは、幼稚園に通っていた頃、45年ほども前から、この「かつ」が大好物だ。
 だから徳島に帰ると、いろんなメーカーのものを買ってしまう。
 今回のものは「かつ」に「天」とあるが、徳島での「天ぷら」は関東では薩摩揚げのこと。
 この練り製品の地に味付けして揚げた物という意味合いだろう。
 要するに名前はどうでも「かつ」は「かつ」でしかない。
 ただし、あの昔の油でギロギロしたイメージは消え去っており、厚みがある。
 ちょっと下級食品としてのよさが失われて残念に思うのだが、味はいい。
 カレーの風味はやや控えめ、味付けも控えめなのではないか。
 それでもカレー風味で甘味のある練り物の味が惣菜風で親しみやすく、ご飯に合う。

 さて、徳島に帰るとついつい買い求めてしまう「かつ」。
 懐かしい「かつ」。
 今朝は生醤油にスダチをたらしていただく。
「かつ」にソースはいけませんなー。

谷ちくわ商店
http://www.tanishouten.co.jp/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 石巻への旅で天佑丸冷凍冷蔵株式会社社長の尾形清雄さんに何気なくいただいた漬け魚が非常に美味であった。
 頂いたものにコメントをするのはいけないことなのだけど、もっともおいしいと思ったギンダラの仙台味噌漬けにだけは触れておきたい。
 天佑丸冷凍冷蔵株式会社の製品のこだわりは石巻周辺の産物を材料に取り入れることのようだ。
 今回の仙台みそも地元の会社のもの。

 原料のギンダラのよさもさることながら、この仙台味噌の漬けダレが素晴らしい。
 甘からず、塩辛すぎず。
 焼くと芳醇な香りがする。
 脂ののったギンダラに、香り高い仙台味噌の味わいが加わって最上級の焼き物となった。
 食べていて贅沢に感じる加工食品といえるだろう。

 他には粕漬け、塩ダレなど、漬け魚の商品ラインナップも豊富であるが、すべてうまかったということを明記したい。

天佑丸冷凍冷蔵株式会社
宮城県石巻市魚町(さかなまち)1の10の8 電話0225-22-3847


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