島根県浜田市のブランドアジ、「どんちっち」は旬の時期に、脂質を計測して出荷しているというもの。
古くから春から夏にかけて島根西部で揚がるマアジの知名度は高く、加工業界(干物)などで最高のランクを得ていた。
ここに価格的な根拠、また証明を与えたのが、「どんちっちあじ」なのだ。
ちなみにボクはマアジのよしあしを判断するとき、もっとも信頼が置けるのが干物業界の基準だと思っている。
ついでに言っておくと、雑誌・テレビ・グルメ旅ライターの書いていること、言っていることになんの価値もない。
干物のプロは、本当にいいマアジしか買わない。
千トン、二千トンと買いつけるとき、宣伝文句や見た目のよさだけで仕入れていたのでは大損しかねない。
その干物業界が最高のランクをつけるのが浜田のマアジなのだ。
「どんちっち」はここから、なお脂質を計測することでマアジを厳選する。
さて、沼津市千本にあるサスヨ水産の工場は、外見からは干物工場であるとは思えない。
レンガ造りの瀟洒なもので、なかに入っても、近代的な衛生管理がなされている。
沼津っ子の言葉に「干物は小さい店の方がうまい」というのがある、一瞬、これはダメなんじゃないか、と思う。
今回のサスヨ水産の工場見学は浜田産「どんちっちあじ」が「アジ開き生産で日本一」を誇る静岡県沼津市に嫁いできた、その結婚後の状況を見に来たのだ。
ただ干物を探してきたなら、こんな大きな新しい工場は避ける。
仕事だからと入ったら、中は昔ながらの職人の世界だった。
職人さんも地元の方達で、その開くのを見て、あまりの手練に感激する。
うまそうだったので、案内の渡辺さん(専務)に「ちょっとわけてくださいな」とお願いする。
「どんちっち」はそんなに大きなマアジではない。
大西洋産のニシマアジと比べると重さで半分くらいだろう。
干物好きなら、マアジの開きでは、もっとも味のいいサイズなのがわかるだろう。
そして実際食べてみたら期待以上にうまかった。
たっぷり頂いた干物が焼いても焼いても、あっというまになくなる。
脂がのって表面が唐揚げ状となっている。
でも国産マアジなので脂がさっぱりと上品。
だから箸がとまらないのだ。
サスヨ水産おそるべし。
こんなうまい干物屋(干物工場)だとは思わなかった。
「どんちっちあじ」も沼津に嫁いできてよかった、よかった。
サスヨ水産さん、もっと食べたいな!
なんておねだりしたい気分なんですな。
サスヨ水産 静岡県沼津市千本21
どんちっち
http://www.city.hamada.shimane.jp/kurashi/nousui/suisan_don/suisan_don01.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑・マアジへ
http://www.zukan-bouz.com/aji/aji/maaji.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
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