2007年1月アーカイブ

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 桑名から来た荷で「国産ハマグリを台湾で養殖」というのを見つけた。これはいったいなんだろう? 見たところハマグリであるかどうかはわからない。だいたい我が国に標準和名のハマグリが台湾で養殖するほどにとれるのだろうか? 長良川河口堰という非常に破廉恥な公共事業を行ってから伊勢湾の海はかなり生産力を失っているはずである。
 また他の産地のものも本当にハマグリなのかが疑われているのだ。その疑惑の中心にあるのがタイワンハマグリとシナハマグリである。ひょっとしたらハマグリは我が国でももっとも絶滅を危惧しなければならない種である可能性が大である。
 桑名と言えば貝を扱う業者も数知れずあったのが廃業が相次いでいるとも聞く? その原因が伊勢湾でのハマグリや貝の激減のはず。やっぱりこのラベル、どう考えていいのか理解が出来ない。
 この桑名のハマグリには国産ハマグリと言われているもののように明確な斑紋がなく、我がデータベースで見る限り台湾産養殖ハマグリそのものに見える。これを本当に標準和名ハマグリだとしていいのだろうか?

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これは一昨年「シーフードショー」で見た台湾産のハマグリ

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 横川町『鮨忠』さんは市内現役寿司職人の最長老。70歳を超えても毎日のように市場通いをしている。まことにおだやかで、下町風の親しみやすさを感じさせる。会うたびに八王子での寿司屋の歴史や戦後の「委託加工業」のときのことなど、教えてもらっている。

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 戦後食糧難のときに「飲食店営業緊急措置令」というのが出て飲食店の営業が止められた。そのときに寿司屋にお米を持参すると加工料金(手間賃)を取り、握り寿司と交換していたのだ。地域差や店での多少の違いはあるものの握り10個分を基本にしていた。それが『鮨忠』さんによると握り六かんから八かんに細巻き半分だったのだという。これが今で言うところの並寿司の基本。

「だいたい昭和40年代半ばくらいまでかな。本来“特上”とか“上”とかはなかった。寿司下さいって言うと、今で言う“並”だね。出前でも店でもこれをひたすら握ったもんだ」
 毎日のように握りを食べるようになって、50代はじめの『市場寿司 たか』と寿司談義を繰り返している。すると寿司屋の本来の形が見えてくるのだけれど、その本質は昭和45年から50年くらいにくずれていったようだ。

 忠さん(『鮨忠』)によると
「基本的に並がよくないとダメだね。玉子焼き、〆ものなんてのがいちばん難しいわけだろ。それに料金内で隠れたところで仕事をするわけよ。だからなオレはさ、並寿司を丁寧に作るわけ」
 また当時を振り返りながら。
「だいたいね、イクラなんて昭和40年前後かな、初めて見たのは。ウニもなかったな。サーモン、カニ、冗談じゃないよあるわけない」
 ということだから本当に今で言う“上”は作れないことになる。

 そこで実際に押し掛けていって作ってもらった“並寿司1365円”がこれだ。握ったのは忠さんの義弟さん。

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1/マグロ赤身 2/メダイの昆布締め 3/茹でだこ 4/こはだ 5/茹でえび 6/薄焼き玉子 7/胡瓜の細切り入り鉄火
 現在の並はもっと寿司の数が多いのだろうけど基本的なものだけにしてもらった。それと本来は「鉄火」が「かんぴょう巻き」なのだろうけど、「薄焼き玉子」や「白身の昆布締め」「こはだ」に昔の並握りの面影を残す。

「最近の並っていやー、河岸玉(玉子焼き専門店のもの)、こはだだって冷凍ってとこもあるわな」
 基本的に『鮨忠』ではそれがない。
 この握りの特徴はすし飯の比較的酸味の柔らかいところだろう。だから薄焼き玉子や昆布締めの香りがしっかり感じられる。薄焼き玉子に香ばしさが感じられる。これはまさに玉子焼きの香ばしさ。またメダイの昆布締めは絶品なのであり、ここまですし飯と相性のあったネタによくぞ仕上がったというもの。すし飯も昼時なのでやや大きく、満足感も高い。

 今時、なかなか自家製のネタにこだわった寿司屋というのが少なくなってしまっている。その希な寿司屋なのである『鮨忠』は。店は陣馬街道沿い、八王子のやや郊外とも言える横川にある。非常に落ち着いた空間で昔ながらの手業と吟味されたネタを味わいうのは至福のときである。ボクなど陣馬高原に野の草や生き物を見に行った折には、帰り道には必ず『鮨忠』と決めてしまっている。一人前の握りに手作りのデザートで小一時間。疲れは自然ととれてくる。

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鮨忠第二支店 東京都八王子市横川町477


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 日常生活に置いてコンビニお握りに対する考え方は様々だろう。ボクなど忙しくて仕方なく食べているといった思いがあって、なんだかわびしい。あんまり美味しいとは思っていなかったのだ。
 でもサケ科のお握りをしっかり味わって食べるようになって、意外な旨さに、少々考え方に変化が生まれつつある。どうも「コンビニのお握りはうまい」と確信を持つようになってきつつあるのだ。そのとどめ的一個がこの「こだわりおむすび 紅鮭切身」である。

 ベニザケというのもは1990年代まではサケ界の大スターであった。サケ類のほとんどが日本、アメリカ、ロシアなどで消費されてきていたのだが、その3国で、もっとも高級なもっとも旨いものとされてきた。これが徐々に在り来たりな存在に成り下がってきたのは、北欧ノルウェーでのアトランティックサーモン、チリでのギンザケ、またトラウト(サーモントラウト)などの養殖サケの生産量が天然物を上回るようになってからだ。だから価格的には平凡なものとなっても市場に置いては多くの人に「高級」というイメージが確実に残っている。
 高級というイメージは身の紅色の色合いから来ている。このような付加価値をより大切にする関西では関東以上にベニザケの評価が高いという。それと、古い世代ではベニザケは「べにます」と呼ばれた時期があり、「鮭」とはサケだけを差す言葉であった名残がここに残る。

 お握りを食べていてもっとも不満に思うのは具(中身)の少なさだろう。間違ってひとかじり目に中身を食べてしまって、あとはご飯だけとなったときの情けなさと悔悟の念は名状しがたい。その点、「こだわりおむすび 紅鮭切身」ならそんな切ない思いにならないで済む。

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 お握りの山頂からベニザケの切り身が顔を出している。ここからかぶりついて、かなり底辺近くまで切り身がある。しかも幅の広い切り身で、ご飯と合わさっても旨味が塩飯に消されないで、ずんずん舌に響いてくる。なんだか幸せな味わいである。これなら食べていて北洋に心が広がっていきそう、なんだかロマンだな! なんて思うかも知れない。
 そして肝心な値段だがだいたいサケの平均的な値段が138円なのである。その質、味わいは様々だが、知り合いの女性に聞くと、「お握り2個とお茶で400円弱が目安」だという。とすると165円は高級な物だろう。でも30円ほどの上乗せでこれだけ上質のベニザケをたっぷり使っているのは凄いのではないか? やるな「わらべや日洋」。
 これは蛇足だがコンビニのお握りに、よくシールが貼ってある。今回のはミッキーマウスに1点とある。ディズニーの著作権は厳しいもので、なんかこのシール集めるともらえるんだろうか? でもお握りについているシールをわざわざ集めるなんて大変だろうな。画像を撮り始めて始めて知った事実であった。

わらべや日洋
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セブン-イレブン
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尾鷲からの魚貝類

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土曜日に我が家に来た尾鷲の魚貝類を列挙する。テングハコフグ、ゴマモンガラ、ミサキコウイカなど初めて見るのが多かった。
魚類/アカトラギス、クラカケトラギス、シロギス、イチモンジヒゲ、イトフエフキ、テンジクダイ、イトベラ、クルマダイ、ゴマモンガラ、ネズミギス、ショウサイフグ、チョウチョウウオ、テングハコフグ、バラムツ、ヒメコトヒキ、マツバゴチ、ミナミハタンポ
軟体類/ユウレイイカ、ヤワラボウズイカ、ウデボソコウイカ、ミサキコウイカ、シシイカ、ヤツシロガイ
甲殻類/エンコウガニ、ミツバキンセンモドキ、キンセンモドキ、ボタンエビ、不明のジンケンエビ、不明の根鰓類、不明のクモガニ
その他/ウミシダ?

以上
残念ながら解凍中に破損したものがあって、これはまったく自分の不注意。撮影時間6時間半というものであった。
尾鷲の岩田昭人さんに感謝。月刊「伊勢人」での連載が待ち遠しい。これは多くの方に読んでもらいたい

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これはいったいなんだろう?


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 寝床に入るとまるで墜落していくかのように眠りに落ちていく。と、その心地よい墜落感を邪魔をするヤツがいる。それが姫なのだ。
「父ちゃん、もう6時過ぎてるよ。起きろ」
「今日は市場やめたいんだけど」
「わがまま言うな。起きろ」
 眠気を堪えて時計を見ると7時近いのである。とすると1時間くらいは眠っていたことになる。仕方がないので市場に向かう。前夜は大雨、それが地面を濡らしている。その水分が凍り付いていないので、それほど気温は低くはないようだ。でもクルマを出すのは大変。クルマが厚さ数ミリの透明感のある氷で覆い尽くされ、車内にはいると氷の監獄に閉じこめられたようだ。もったいないけど貴重なガソリンを使い暫しクルマを温める。

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凍り付いたフロントグラス。冷え込みの厳しい三多摩地区ではありきたりなもの

 7時半近くなって八王子魚市場。鈴木さんは既に一仕事終えた後のようで暇そうにしている。近海には見事なアカガレイ。ダイちゃんに先日来ていたロシア産マガレイのことで聞こうと思っていたらつかまらない。
「源七」に昨日の「あん肝(キアンコウの肝を蒸したもの)全部売れちゃったの」と聞くと、
「当たり前だろ、オレが作ったんだから」
 若だんなに思いっきり自慢される。

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若だんながあきる野市の「スーパー小山」さんと納め用メカジキのさいころを作っているところ

 八王子総合卸売協同組合「光陽」で姫はラーメン、ボクはメンチカツ定食。疲れているのに食欲が落ちないのは返す返すも残念でならない。
「三恵包装」でチューブワサビ、チョコレート。
 八王子綜合卸売センター「平成食品」ではボク考案の「豚の薩摩しょうゆ漬け」を売っている。それでも暇そうなので姫にお茶をいれてもらう。「市場寿司 たか」は満員。無駄話も出来ない。
 結局、市場ではほとんど何も買わないで帰宅する。

 帰宅後、メールの返信を出来る限りして、掲示板のチェック。疲れを感じて「永六輔の土曜ワイドラジオ東京」を聞きながら、もう一度寝床にもぐり込む。時刻は10時過ぎ。いつの間にか眠ってしまっていて、ラジオからは久米宏の声がする。この方、お年の割には才気走りすぎている。それが抑えられないほどに頭が冴えているのだろう。考え方など、どちらかというと好きなのだが、その作り出す番組には墨子が城を守っているような息苦しさを感じる。
 結局、夕方になっても体調が回復しない。4時過ぎてやっと宅急便の営業所に三重県の岩田昭人さんからの荷物を取りに行く。中身は珍しい魚貝類などなど。中に2本入っていた「生からすみ」に驚喜する。冷凍便なので、明日の朝から撮影を開始。

 夕食はスルメイカのげそ入りきんぴらゴボウ、サバ水煮缶でグラタン、そのままも肴として残す。ほうれん草のスパゲッティ、ウルメイワシの干物、さごち(サワラの幼魚)のみそ焼き、塩カラフトマスで鍋。肴は尾鷲の生からすみ。これで鮟鱇さんにもらったバンビの絵柄の「若鹿ワンカップ」、中島酒造の「高尾山」。

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マグロ、サケ、サバなどの水煮で作るグラタンは家族用。新玉ねぎがあったので作ってみた。我が家ではこまったときにはグラタン

 食後、画像の整理、サイトの改訂を始めるが、やはり身体がだるい。この一週間の疲れがぜんぜん消えていかないのだ。9時から「アドマチック天国 河童橋」を見て、そのままダウン。


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 コンビニのお握りがうまいとかまずいとか、あまり考えてもいなかったので、いざじっくりサケ科を材料としたものを連続して食べるようになって、そのうまいまずい、また完成度の大きな差に驚きを感じるようになった。そして鮭お握り三昧の日々にあって、いくつものうまいお握りに出合っている。これもそのひとつ。
 ノリを包装フィルムで隔離しないでご飯と直に巻いても海藻のもつ独特の風味が生きている。「とろサーモン」という、種名のわからぬサケ科の魚の身があってワサビ醤油と和えている。「とろサーモン」の旨味とワサビの辛みの、なんとうまいことか。これはコンビニ食を毎日のように強いられていると病みつきになる品かも。
 でも「とろサーモン」または「トロサーモン」とはなんだろうか? 包装紙の裏側には材料名が明記されていない。「原材料はなんなんだ」という不明確さからくるいらだちと、加工食品にしてしまえば、こんなに表示がいい加減でもいいという行政の怠慢に呆れかえる思いだ。

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 ボクなりに「とろサーモン」を推理してみよう。「とろ」=「脂がのっている」とするとサーモントラウト(トラウトサーモン)は外してもいい。サケもベニザケも違うし、ギンザケも外そう。そうするとキングサーモンかアトランティックサーモンということになる。また八王子綜合卸売センターでこのような食料品を扱う「福泉」で聞くと「腹身じゃないの」というがそうかも知れない。しかし曖昧すぎる。
 ampmと言うのは無添加だったり自然食とかに力を入れているんじゃなかったのかな、それなのに表示に「とろサーモン」とはおかしいのではないか? どうも加工すると表示は曖昧でもいいという不問率があるのがまざまざと見えてくる。でもねampmさんよ、できれば魚種、養殖・天然くらい表示してもいいだろう。いろいろ食べる側にもこだわりを持っている人もいるかもしれないよな。それともコンビニでお握りを買うようなヤツには情報はいい加減でもいいってことかい?
 しっかし、ボクにはこの「とろサーモン」という商品名がわからん。きっと誰にもわからんだろう? だから魚種名、天然・養殖を明記しろよ。

ampm
http://www.ampm.co.jp/home.html
ファーストフーズ
http://www.ffoods.co.jp/


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 洋食界のスターのくせに知名度が低いというアンバランスな料理がイカリングである。「それじゃスターじゃないだろう」と思われる方、あなたは食卓での何気ない箸の動きを見ていない。我が家の定番料理のひとつがイカリングなのだが、いたって人気が高い。最初になくなるのに落語家に例えるならトリとはおかしだろうか。まあトリをとる真打ちでは今はなき金原亭馬生、一見平凡だがなんど聞いても味が深いというか飽きないところが似ていると思うのだ。
 そんなイカリングをいざ作るとなると、これがなかなか難しい。難しいというのは材料選びから始まる。ボクとしてはコウイカ類、アオリイカなんておすすめなのだが、どれもこれも一食分で1000円前後の、いやいやもっと原材料費がかさむ。ということでは困るので普段作るなら冷凍物のアオリイカでもいいし、アカイカ(決してケンサキイカではない)をおすすめする。もしも開いていたらおいおいリングに作り直す芸当もやらかすが、これは別の機会に。
 でも、こいつらがなくてもスルメイカだってうまいのである。スルメイカというのは重宝なもので、げそもエンペラも足も、捨てるところがない。しかも刺身でもいけるのだけれど、何気ない日常のお総菜にしてすこぶるつきにうまいのである。また食育というのが叫ばれているが、世に中にあっていかに「惣菜」というのが重要か、もっと平凡なところから始めろよとお役人さんにももの申したい。

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スルメイカの胴は刺身、イカリング、炒め物などに、げそとむいた皮(これは捨ててはいけない。煮物以外にもみそ汁に入れると味が深くなる)は何と言っても煮物に、エンペラは酢みそ合えがうまいし、ワタは凍らせてルイベ、またげそなどとワタ焼き、ワタを使った鍋にもなる

 さてスルメイカの表面の皮を剥いたら、輪切りにする。輪切りにしてなんども裏表くるくるしながらよく薄皮をとる。とったらこんどは水分をこれまたよく拭き取るのだ。そしてラップをしないまま小一時間冷蔵庫で寝かせよう。こうするとより無駄な水分が飛び、揚げているときにはねない。
 今回は長年疑問に思っていたイカの身は裏側、すなわち内臓に向かっている方を内側に向ける方がいいのか? それとも生きているときとは反対に外側に裏返す方がいいのか? を試してみた。乾燥パセリの付いているのが表は表、ついていないのが裏側をくるりと表に返したもの。
 作り方は簡単、身に塩コショウ、粉をつけて、卵と少しの小麦粉でとろみをつけた衣をつける(イカのフライのときにはこのとろみが必要。卵だけよりうまく揚がる)。これにパン粉をまぶして180度くらいの油で短時間揚げる。
 出来上がったら裏も表も変わらなかった。また普通に揚げてスルメイカは確かにやや硬いものの子供にとっても気にするほどではなかった。
 また冷凍のロールイカや高級なコウイカを使うよりも味はスルメイカの方がいいのではと思ったのである。驚いたことに熱を通したときのスルメの旨さというのは高級イカを超えてしまいそうだ。シャワサワと口の中で咀嚼している内にイカの甘味が吹き出してくる。そこに香ばしーい揚げたパン粉の香り。
「父ちゃん、これじゃ足りないぞ」
 子供は無邪気なことを言うのである。今回使ったスルメイカが3ばい。これが食卓にあった時間がものの5分でもないのだ。とするとこの2倍使っても10分持たないわけでスルメイカならお財布の心配はしなくてもいいけど「父ちゃんの輝かしい青春時代はどうしてくれるんだ」、といいたい。「あんたもう青春じゃないでしょ」と言われると五十路なので返す言葉もないが、「年を取っても燃えているんだぞ、父ちゃんは」と言いたいのである。
 閑話休題。
 手間はかかるものの、その煩わしさを忘れるほどにイカリングというのはうまい。面白いのはビールにも焼酎にも、そしてもっともっとご飯にも合うのである。今週末もスルメイカでイカリングを作るぞ!


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 東横線中目黒駅を出ると目の前にはガード下に横断歩道がある。それを渡って線路の右側にすすみすぐのビルの5階。なんだか懐かしい漁港の裏通りのような向こうにあるのが『漁師炉端 ぼうずこんにゃく』だ。駅からは数分とかからない。
 店内に入った途端に沼津や原釜、佐世保からの魚貝類が並んでいる。それがとても豊かで、うまそうな空間を作っているのである。その奥に炭火の炉。まだ若い板前が焼いているのはなんだろう。

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 今回は朝日新聞の小堀さんと鮟鱇さんとの三人連れ。初めてなのに目の前に並ぶ魚がボクの魚貝類を探す旅で出合ったものばかりというのがうれしい。そしてウキウキしてくる。
 考えてみればこの店を経営するヘンリーブロスの江嶋力さんと初めてお会いしてどれくらいだろう? ボクの「魚貝類を探す旅」になんどもご一緒した。「そこで見つけたものを丹念に調べて、経営する店に出したい」そういった話が目の前に実現しているのだ。同じヘンリーブロスの「銀座黒尊」でも多彩な魚貝類を味わえると言う意味では同じであるが、こちらの方がより多彩になっている。
 そして最初の一品に選んだのが「万腸」すなわちマンボウの腸である。これは沼津魚の達人菊地利雄さんのもたらしたもの。鮟鱇さんなど、これに感激している。

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 また原釜の大穴子の芳醇な旨味。これら焼き物に共通するのが上手な香辛料、辛味野菜の使い方だ。
 刺身盛り合わせには不漁期なのに佐世保からのハマフエフキがある。また活けのマアジのうまいこと。
 揚げ物では本えび(ヒゲナガエビ)、ニギスの天ぷら。

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 これが好漁期になると、どれだけ盛りだくさんになることかと思うとワクワクしてくる。

漁師炉端 ぼうずこんにゃく 目黒区上目黒1の22の4 中目黒勧業ビル5階


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 ここに「しゃけ」と言う言葉が登場してきた。これは「しゃけ」は関東での方言ではないかと思っていたが、「鮭」の呼び名自体がアイヌ語の「しゃけんべ」「さくんべ」からきているとなると本来の音を踏んでいるのかもしれない。でも「しゃけ」は古くより標準和名のサケを表す言葉であり、多くの辞書類にもそう書かれている。でも今回の「武蔵野」というセブン-イレブンのお弁当などを納入している会社の食品表示で見ると原料がギンザケなのである。すなわちギンザケも現代にあっては明らかに「鮭」ということになる。
 またおにぎりの食品表示には原産国と養殖か否かは明示されていない。これはどうも水産庁などのガイドラインにも含まれていないようだ。水産庁が義務づけているのは原材料名のみ。これは食べる側にとっては残念なことである。ボクの場合養殖即反対とは思っていないが、自然には優しくない存在であると思っている。例えばシャワーを浴びる、無駄な暖房を使う、レジ袋をもらってしまうなどと同じように「養殖物を食べるべきか避けるべきか」を消費者が判断できるようにした方がいい。ただしサケ科の魚ではなかなか養殖物を排除できない時代となっている。
 さて、コンビニのおにぎりがいたって味がいいのは世間一般に知られているところ。今では中身で勝負の時代となっているようだ。今回の中身は「銀鮭ほぐし身」。ボクとしてはこの「ほぐしみ」は嫌いなのだ。出来ればほぐさないで欲しい。でも原材料からするとそれじゃ高いんだろうな。また養殖物らしいギンザケに脂が感じられて、うまい。うまいのでもうひとつ食べたくなった。
2007年1月18日購入

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製造 武蔵野 埼玉県朝霞市
セブン-イレブン
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 面白いことに富山で有名だと思われる「マスの押し寿司」というものがコンビニでは定番なのである。どうして定番になったののだろうだれか教えて欲しい)。もともと富山市を流れる神通川の「マス」、サクラマスは有名で、この「ますの寿司」の原型は1717年(享保2年 大岡越前が江戸町奉行になった)に富山藩士吉村新八が藩主に献上するために作ったもの。『日本山海名産図会』1799(寛政11)年にも神通川のマスはある。これを富山市での鉄道開通とともに駅弁として売り出したのが明治の終わりで大正の始まりというややこしい1912年(受験の時に、この年のこと覚えておけよ、と言われた人おおいだろうね)のこと。
 名物となってデパートなどでも売られているので「富山に行ったら“鱒寿司”買わなければ」と思っている名物恐怖症の人も多いはずだ。この駅弁の「ますの寿司」も手軽に都内で買える。そしていつの間にか「ますの寿司」は総てのコンビニの定番と成り上がった(成り下がった? どっちだろう)ようなのだ。

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 そしてまず最初に買ってきたのがセブンイレブンのもの。ボクなんて学生の頃にはコンビニなんてなかった世代であり、やっと姿を見せたのがセブンイレブンだった。と言うことはセブンイレブンはコンビニ貝の老舗である。
 コンビニでよく見かけるのは丸い形のもの、でもセブンイレブンのは四角形であった、作っているのは富山県ではなく東京都武蔵村山で作られたもの。武蔵村山と言えば志村けんしか思い浮かばないかもしれないが、都区内への通勤圏にある中堅都市である。そこにある「わらべや日洋」が生産、セブンイレブンに卸しているようである。(この「わらべや日洋」面白そう。一度工場見学させてくれないかな?)
 さて、この押し寿司の原料は「トラウトサーモン(サーモントラウト)」でも原産国の表示がない。たぶん原産国表示は寿司に加工した時点で不必要になるのだろう。でも「サーモントラウト」は国産はまずなく、ノルウェーかチリからの輸入だろう。すなわちセブンイレブンでの「マス」は「サーモントラウト」ニジマスということになる。
 あとは甘酢に使う調味料や多少の添加物でなかなか身体には優しそう。
 この「押し寿司 ます」の特徴は表面に貼り付けた「サーモントラウト」そしてすし飯、いちばん下にもすし飯となり真ん中にコンブの佃煮が挟まっていること。この味わいはなかなか侮れぬもの。出来るだけ早く富山県産の「鱒の押し寿司」を食べてみたいと思っているが、高速のサービスエリアなんかで買い求めたものよりもセブンイレブンのほうが旨いかも知れない。また原料が「サーモントラウト」ならわざわざ富山で作る必要はないのである。

わらべや日洋
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セブン-イレブン
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参考文献/『ふるさとの味と技 いきいき富山特産品ガイド』富山県貿易物産振興会
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 まずはここでサケマスで問題となる魚種を限定しておく。まず間違いなく我が国でサケ、もしくはマスと呼ばれているのはOncorhynchus(サケ属)と大西洋に棲息するSalmo(タイセイヨウサケ属)、Salvelinus(イワナ属)のサケ科3属の魚たちである。これらが我が国ではサケ、もしくはマス、もしくはイワナと呼ばれている。英語ではsalmon(サーモン)とtrout(マス)のどちらかにあたる。
 このなかでイワナ属で「マス」と呼ばれているのがアメマスであり、陸封型をエゾイワナというが、サケマスの話から外しても問題ではないと思うのでこれを外してしまう。以下イワナを取り上げないので、ここで簡単に説明するとイワナ属で「trout(マス)」と呼ばれているのがレイクトラウト(北アメリカ、カナダ原産)、ブルックトラウト(カワマス 北米東岸)がいてともに我が国での認識は「マス」である。とすると本州に棲息するイワナも英語圏では「trout(マス)」になる。だから「イワナ」=「マス」の異名と考えても問題はないのかもしれない。

以下問題となるサケマスの仲間を列挙する。
太平洋に棲息するOncorhynchus(サケ属)
1 サケ
2 カラフトマス
3 サクラマス
4 ギンザケ
5 ベニザケ
6 マスノスケ(キングサーモン)
7 ニジマス
8 ニジマスから改良されたサーモントラウト(トラウトサーモン)
大西洋に棲息するSalmo(タイセイヨウサケ属)
9 タイセイヨウサケ(アトランティックサーモン)
10 ブラウントラウト

 さてサケとマスの使い分けはどのような法則でなされるものか。調べ始めると意外に厳密な言葉での区別はない。例えばsalmonは海性のサケ科の魚、troutは淡水性のサケ科に魚とわけるとあるが、これも陸封されれば「マス」であり、海に下れば「サケ」なのかという疑問が湧いてくる。
 それではその法則を摘要できそうなものを探すとベニザケにいきつく。ベニザケはたまに紛れて日本にまで回遊してくるものの本来は我が国よりも北に棲息するもの。でも陸封(一生淡水で暮らす)ものが阿寒湖、チミケップ湖(津別町)にいて、これをヒメマスという標準和名で呼んでいる。すなわちベニザケに関する限り、明らかに陸封、すなわち淡水型のものをマスと呼んで区別しているのだ。
 ところでそんなわかりやすい例とは違い、複雑なのがカラフトマス、サクラマスである。カラフトマスなどは川で生まれ下って一年間海で暮らす。そのやや小振りの時期にとったものを「あおます」と呼ぶが、大きくなってもカラフトマスであって、サケと同じような生活環なのに生涯「マス」なのである。またサクラマスは陸封型をビワマス、ヤマメ、アマゴと斑紋の違いなどで呼び分けられている。厳密に言えばこの陸封3型が「マス」であり、海に下ると“サクラサケ”とならなければいけないのにサクラマスと「マス」のままなのだ。ということで「マス」だからこうではなければ、「サケ」はこうだという定義がないのだ。
 この在来種、半在来種以外に「マス」という概念を明らかに我が国に植え付けた魚が登場する。それが1877年(明治10年)にアメリカからもたらされたニジマスである。ボクの子供の頃などカラフトマス、サクラマスなどのいない四国にあっては「マス」とはニジマスを差す言葉であった。これがサケのように海に下るなんて我が国の一般人には思いもよらず。淡水のサケ科で「マス」の代表格のようであったはずだ。このニジマスの海に下るタイプがスティールヘッドである。そう言えばこれは英語ではsalmon(サーモン)なのだろうか。現在ではニジマスは海で養殖されている。これがサーモントラウト(トラウトサーモン)であるので現代の食生活においてはもっとも身近なものとなっている。
 以上は太平洋のOncorhynchus(サケ属)の話である。それではこれを大西洋のサケ科の魚に話を移す。我が国で食用としているSalmo(タイセイヨウサケ属)で重要なのがタイセイヨウサケである。これはノルウェー、チリ、オーストラリアなどで大々的に養殖されて輸入ものが出回っている。市場では英語名の「アトランティックサーモン」とか「サーモン」と呼ばれている。これは世間一般では明らかに「サケ」なのではないか? でも「サケ」と呼ばれることはなくあくまで「サーモン」であるが、これは言葉としての「サケ」「サーモン」の分離だろうか。市場に見る限り「アトランティックサーモン」は明らかに「サーモン」とは認識されるが「サケ」ではない。

 さてここに始めるのは「サケの考現学」なのであるが、そんな面倒なことをやらかすわけではない。世に出回っているサケ科を材料とするお握りや、加工食品などが「サケ」と表示されているのか「マス」と表示されているのか、その標準和名は種名はなになのかを調べていくだけである。真面目なお勉強と言うよりもお気軽な読み物となるはずなので、適当に読み飛ばしてボクの混乱振りを笑っていただけるとありがたい。またくれぐれも銘記しておいて欲しいのは「表示はこうあらねばならない」という思いはまったくない。

市場魚貝類図鑑のサケマスへはここから
http://www.zukan-bouz.com/zkanmein/fish.html


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 サケとマスの違いはなにか? これに関しては一般的な辞書を数々当たってみたが思った以上に辞書制作者の混乱があり、意味不明の説明がたくさん見られた。
『言林』1986年では「サケ/サケ科サケのことで、語源はアイヌ語の“しゃけんべ”から」「マス/サケ科で“マス”とつくもの」
『大辞林』1995年では「サケ/サケ科サケのこと。別名“シロザケ”・サケ科の海水魚の総称」「マス/サケ科で“マス”とつくもの」
『広辞林』では「サケ/サケ科のサケ。しゃけ、あきあじ」「マス/サケ科の海水魚。茶色の斑紋がある」
『広辞苑』第二版1976年「サケ/アイヌ語の“さくいべ(夏の食物)”、“さっとか(乾魚)”からともいう。ニシン目の海魚。別名シャケ、アキアジ」「マス/ニシン目の海魚。北日本に多産するが陸封型は南部にも分布。サケに似、背は淡褐色で、側線下は銀白色、夏、川に遡って産卵。古称腹赤。ヤマメ(東京)、エノハ(九州)。地方によっては川に遡る海魚の大部分をマスという」
 以上を見てみるにサケは明らかに標準和名のサケだが、マスに関してはあまりにも曖昧である。比較的詳しい説明のある広辞苑の場合、マスの説明は明らかにサクラマスとカラフトマスの混乱が見られる。そこで少々詳しく、サケマスについて説明する。また大西洋や北太平洋からのサケ科の魚によって「サケ」「マス」の用途は広がっている。このあたりもここで詳しく述べる。


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「“あわびつ”てなんだろうね」八王子魚市場の貝担当・鈴木さんからとケータイに。
「どこから“来たの”」
「何言ってるの。ここは“北野だよ”(オヤジギャグ)。ええと福島いわき」
「そりゃモスソガイだな。うまいよ。高く売れば」
「売れないよ。べとべとだもん」
 と言うことで八王子魚市場に行くと、モスソガイが思った以上に売れている。でもキロ当たり500円は安すぎるだろ。
「オレなら1500円でも買うな」
「そお、じゃ、1500円で0.5ね」
「よろしく」
 一通り市場を見回って会計に回ると300円でいっぱい一円玉込みのおつりがきた。

 青森県では“おでんつぶ”なんて呼んでいる。大きいのは茹でて串に刺して売っているが、市場にあって見事と言うしかない。売っていたオバサンがいろいろ食い方を教えてくれたんだけど、そう言えば何を言っているんだか「わかんね」。困った困った、青森旅行だったのである。宮城でも、福島でも「うまい“つぶ”だよ」と定評がある。
 面白いのはこのモスソガイが決して北国の貝ではないということ。最初に見たのが青森駅前市場であったのでボクも最初はそう思いこんでいたのだ。でも生息域は瀬戸内海以北。だいたい三河湾での底引きにも入る。これはマボヤなんかと似た勘違いである。
 だいたいそもそも「perryi」とあり、記載が1855年というのは彼の黒船のペリー提督のこと。東京湾で空砲をドンドコリン、ドンドコリンと撃ちながら、こんなものアメリカに持ち帰っていたわけだ。(注/ペリー来航は1853年(嘉永6年)、と翌(安政1年)である)

 この関東では馴染みのない“つぶ”は似て食うとしみじみ「うまいんだ」。他には青森のおっかさんが言ったようにおでんに入れても旨い。そのときは1匹単位で串かなんか売って鍋で泳がして欲しい。

 しかし鈴木さん、キロ当たり500円はあまりに漁師さんに申し訳ない。ぼうずコンニャクは勝手に「モスソガイはもっと高く売れ」というファンクラブを立ち上げることにする。

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 食品表示の「ブリ」というのは標準和名のブリのことでもいいし、出世魚の行き着いた頂点としての「鰤」でもいい、と言う意味合いから曖昧な言葉なのである。でも一般的には「ブリ」といえば成長した大きな魚に対して使って欲しい。それではどれくらいから使っていいのか? これが曖昧で困る。困るけど、曖昧でいいんではないか? とも思われる。そんな現状があるのだ。
 関東では「→わかし→いなだ→さんぱく→わらさ→ぶり」となる。この“いなだ”とか“さんぱく”とか“わらさ”とか言う言葉を主に使うのは相模湾などではもっぱら釣り人たちだ。そして相模湾での“わらさ”も“ぶり”もとても小さいのである。ちなみに体長50センチを超えるか超えないかでも“わらさ”という船頭も実在する。これに対して市場では北海道から来るものなどは70センチ級でも“わらさ”と表示されている。だから仲卸に並んでもそれを踏襲する。でも真横には鹿児島の養殖“ぶり”があって、これがほとんどサイズ的に変わらない。変わるのは太り具合くらいなのである。
 そして三協食品のずばり「本ブリ照焼」の原材料に「ワラサ(北海道産)」としっかり明示されている。たぶんこれを仕入れて、その見事な魚体に「これはブリだな」と誰かが決めてしまったのだろう。ボクとしてはこの決めた人は「見る目がある」と思う、偉い。北海道は北上するブリの行き着くところ。ここらあたりで膨大な小魚を飽食してまん丸に太り、南下し始める。そしてまたまた小魚を食いながら腹に身に脂肪を付けていくのだ。だから体長からすると“わらさ”と呼ぶには大きすぎることも多々ある。また確かに佐渡島、富山などまで南下した、それこそ大ブリとは比べようもないが、ある程度脂ものっているのだ。これなら“ぶり”だと出荷しても誰も文句は言えないだろう。魚というのは最近では売るための様々な努力や工夫が必要である。だから「本ブリ」とは名付けたり、と感心する。
 なにしろ南下する以前とは言え、天然のブリなのである。決して飼料を食べている養殖物ではなく野生の小魚を追い回し、健康にすくすく北の海を泳ぎ回っていたもの。これに「本」をつけて照焼としたところに意味がある。「本」には養殖ものではない、という意味合いもあるだろう。
 最近ではブリも“いなだ”クラスは売れないで困っている。これを開いて干物にしたメーカーがあってこれがうまかった。また加工食品の世界では“ぶり”以前のブリは格安だし、工夫次第ではいい商材になるのではないか。
 こんなことを考えながら、じんわりと焼いて「本ブリ照焼」を食べてみる。これはなかなかいい味なんである。確かに脂は少なく、そこから生まれ出す甘味に欠ける。でもそれを補っているのが上手な味つけである。

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三協食品 宮城県塩釜市新浜町3-27-25

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 新年あけて、成人の日も終わった中日のこと。やや寂しい八王子魚市場で富さんに会った。新年の挨拶を交わして、暫し立ち話。この富さんの話が面白いのである。しかも若い頃に渡り職人をしながら自分の寿司屋を建てた人だから腕の方も、たかさん曰く“ピカイチ”だという。
「富さん、寒いね。この時期、子供の頃どんなもん食ってたわけ、新潟でさ」
「そうだな。粕汁だな。新潟じゃな、よく“すけそ”食ったんだ」
 二人の足元に青森県からのスケトウダラが並ぶ。
「田舎じゃな、あんまし鱈(マダラ)は使わないでな。“すけその粕汁”作ったの。これ買って帰ろかな。粕汁食いたくなっちまった」
「へえ、富さんが作ってたわけ」
「バカ言え、お袋さんが作ったの。朝なんか学校(がっこ)行く前に食べるだろ、これがいいんだ。寒いからね新潟は」
「へえ、粕汁は食べるものなの」
「そうだね。野菜いっぱい入ってたの、こんなくらい(手でお椀の形を作る)。思い出すよな粕汁のことでさ、いろいろさ、子供のときのことな」(富さんの朝青龍そっくりな細い目が遠くを見つめている)
「それと、たかさんから聞いたんだけど、富さんのとこ、中条静夫が常連だったって」
「知らないよ。中条静夫、知らない。誰」
「たかさんから聞いたんだ。違ってたの」
「うちにゃあんまり有名な人こないよ。来るのは、まあ三語楼(今の小さん)さんくらいかな」

 富さんと会うといつも無駄話に移ってしまう。でも粕汁っていうのが四国生まれのボクにはあまりわからない。作り方はだいたい想像がつくのだ。調べてみると『津軽の味』(芳賀文子 津軽書房)にも酒粕と味噌で作るのが載っている。それで我が家でも作ってみることにする。
 冷蔵庫をみると、ぶわたら(マダラ)と塩鮭(サケ)がある。そこに八王子市下恩方『中島酒造』でいただいた板粕。
 まず板粕を昆布だしにつける。粕が柔らかくなったら、ここに白みそ、信州味噌を加える。甘いのが好きなら白みそを多くするのがコツ。鱈、サケは湯通し、野菜も冷蔵庫に残る白菜、三浦大根とシメジ。
 鍋にうるかした粕と味噌を合わせたのも、そしてカツオ節の出汁を鍋に入れる。これを煮立たせてから魚と野菜を入れる。総て煮えたら食卓に。
 富さんが「粕汁は暖けーからよ」と言うごとく汁をすするたびに胃の腑がぬくまってくる。やや薄目の汁に塩鮭や“ぶわたら”の塩気がとてもいい加減である。この一塩の魚がまたうまいのである。野菜もキノコもたっぷり食べて、ご飯にも酒にも手が届かなくなる。
 粕汁を初めて食べたわけじゃない。東京の居酒屋でも陸奥料理を出す店があり、酒の後はいつもこれだったし、大阪では粕汁を名物にする店もある。でもあんまりうまいと思わなかったのはどうしてだろう。それと気がついたのだけれど、「粕汁は満腹になる」のである。

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寿司富 東京都八王子市上壱分方町224-5

中島酒造
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 日本の伝統を守りつつ新しい魚貝類の提供を模索している『ヘンリーブロス』の江嶋力さんから、「八王子に信州サーモンやシナノユキマスを扱っている養魚場がありますよ」と聞いて、さっそく八王子のもっとも西にある恩方まで行ってきた。恩方と言えば「夕焼小焼」の作詞者・中村雨紅の出生地。でもこの山里では夕焼けが見えるのだろうか? 「山のお寺の鐘がなる」というのはいかにも恩方らしいが、冬ともなると4時前には薄暗くなる。

 八王子から陣馬街道を西へ、渋滞がひどくて1時間近くかかって上恩方、「夕やけ小やけふれあいの里(この施設がなんなのかぜんぜんわからない。わからないと言えば入るだけで入場料を取られるのだ。バカじゃないの? これ作った野郎。オヤジとしては怒ってるぞ!)」というのを通り過ぎてほどなく小川養魚場に着く。
 下を流れるのは北浅川だろうか、冬の流れは澄んでおり、とても美しい渓谷である。そこから鉄の橋を渡ると養魚場となる。大小合わせてたくさんの池が並び、水音だけが聞こえる。池をのぞくとニジマス、ヤマメ、イワナが見える。八王子もここまでくると気温が低いのか歩く地面は凍り付いたままである。

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 あいにく管理者の小川さんにはお会いできなかったが、そこに一匹だけ残っていた信州サーモンを購入してきた。1キロあたり1700円だという。これは長野県内でしめてから持ってきたもの。まだ心臓が動いているくらいに新しい。
 この信州サーモンの味わいは別記するが、非常にうまい魚であることだけは明記したい。ブラウントラウトとニジマスを一世代だけ掛け合わせたF1なのであるが、ニジマスよりも病気に強く、身が美しいもの。淡水養殖の世界も深いものだと実感する。

小川養魚場 東京都八王子市上恩方町4738


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くつあんこう鍋

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 昨日から多摩地区では久方ぶりに冷え込んでいる。ということでアンコウ、すなわち「くつあんこう」で鍋を仕立てる。
 アンコウは鮟鱇、キアンコウと比べて明らかに鍋にして落ちる。なぜならば肝の味わいがもう一歩足りないからだ。でも身も皮も、ヒレも、どこをとってもキアンコウに負けず劣らずにうまい。
 ということで、それじゃ鍋の話など書かないでもいいだろうと言うと、そうは問屋が卸さない。最近、旅番組を見ていると鮟鱇鍋が出てくる出てくる。でもその作り方というのが、ほとんど一様なのだ。確かに茨城県の「どぶ汁」はユニークで面白いのだが、あとは個性がまったくない。どこでも同じものだ。
 鮟鱇鍋というと神田須田町の「いせ源」だろう。ここでは注文すると野菜とキアンコウ、そして蒸した肝、そこには汁がはってある、が来る。この汁が醤油仕立てで、たぶん酒にみりんなどで調味してある。これをコンロに置き、火をつけて仲居さんは去っていくのだ。これはあっさりして食べやすいが、実を言うとすぐに野菜がくたくたになり、よほど仲の良い気心しれぬ間柄でもないかぎり、すぐに惨状をていする。
 この作り方が、ほとんどの地方で踏襲されているのだ。またときに女将さんが脇についているときもある。その場合なにをするのか、というとまず汁が沸いてきたらおもむろに野菜を入れる。そしてアンコウの生の切り身。すぐにフタをして「少しお待ち下さい」とでもいうのだろうか? これも「えいや!」と食わないと大変な状態になる。
 どうしてこのような作り方をするのか、不思議だ、理解できない。そこで我が家の作り方を。
 我が家ではアンコウの身や粗すべてを予め湯通しする。このときに内臓についた汚れもきれいに落とす。できれば白菜など野菜も湯通し。これは慌ただしいときには省く。まず汁だが、昆布だしに酒と塩で味をととのえたもの。これを沸騰したら湯通ししたアンコウを適宜入れる。そして煮えてきたら、そのつど各人好きな調味料で食べる。我が家はみなてんでんばらばらな調味料を使う。ボクは生醤油、柑橘酢、七味唐辛子。家人はもっぱらポン酢に大根おろし。子供たちは我が家のかけ醤油(カツオ節などで作ったもの)。
 そしてアンコウをある程度食べたら野菜、豆腐などを入れる。また醤油に肝を溶かして、この野菜を食べてもいい。そして野菜が減ってきたらアンコウ、野菜と各人の好みを聞きながら食べ進むのだ。だから最後の雑炊をつくるまで汁は美しく澄んでいる。
 我が家の方が鮟鱇鍋としては異端なのだろうか? テレビを見ながら毎回疑問に感じるのだ。

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撮影のために一時ガスを止めている。

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神田須田町(連雀町)「いせ源」へ
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 最近、「鮭はサケか?」というテーマで水産加工品の画像を集めている。すなわち、世に流通する「鮭」とつく商品の原料がいったい何なのかを、見ていきたくなったのだ。

 そして知り合いの仲買で見つけたのがこの「鮭」の文字。裏を返すと原料は銀鮭(ギンザケ)であった。すなわち、このあたりが難しいところで例えば「銀鮭」は鮭がつくから「鮭」でいいのか? またそれではカラフトマスを「鮭」とつけるといけないのか。サクラマスは、例えばサーモントラウトは? キングサーモン(マスノスケ)は? とだんだんわからなくなってくる。でもこの「銀鮭」が「鮭」なのはわかりやすい。

 製造者の岡田水産と言えばシシャモで有名な会社である。また多様な水産加工品を展開しているのであろうことはシーフードショーでも見せてもらった。また過去に食べた加工品の味わいは総てうまいものばかりであった。とうぜん、期待して焼き上げる。
 これが予想以上にうまい。仲卸で分けてもらったので定価がわからないが、一般に流通するものでこれだけの味わいとなれば日本橋などの高級な店は驚異に感じるだろう。チリ銀の身にはたっぷり脂がのっている。そこに酒粕の香りが来て、身の旨さに甘味が加わる。塩分濃度もほどよい。
 家族には明らかにこれは「鮭の粕漬け」と疑問すら湧かない代物。「鮭」とは「サーモンピンクの身の魚」総てであるようだ。

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岡田水産 山口県長門市油谷伊上1755-1

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「たく」というのと「煮る」という2つの言葉を関東ではしっかり区別する。「炊く」のはご飯や豆くらいだろう。でも関西では「たく」と「煮る」の区別がほとんどない。例えば「関東煮」は「かんとうだき」と読ませるし、また「野菜をたく」とは「煮る」ことなのだ。これは徳島でも同様で、「豆腐と菜っぱをたく」とは言うが「にる」とはいわない。
 ということで「あらだき」は「あら煮」のことである。ボクは個人的には「煮炊き」するは分けない方が好き。「たき」の方がうまそうなら、そのときの気分によって使い分けることにする。

 さて今回の主役は標準和名のアンコウ、「くつあんこう」である。ややこしい(この関西弁好きなのだ)ことに一般に鍋や「あん肝」なんかになる「鮟鱇」というのは標準和名のキアンコウのこと。
 だから関東の市場でアンコウを見つけるのはなかなか難しい。静岡県沼津魚市場には毎日のように揚がっているが、それでもキアンコウと比べると少なく、なかなか手に入れられない。どうもアンコウよりも浅いところにいて、しかもやや小振りであるようだ。
 キアンコウと比べると落ちるなと思うのは肝の大きさ、味わい。ほかはあまり遜色がない。でも肝心なところで差が付くので「くつあんこう」と一段も二段も下に置かれるんだろうな。
 この粗と肝、胃袋、腸をたく。しかもmoonさんの投稿に豆腐というのが出ていて、ボクには目新しい。それで今回は脇役を増やしネギに焼き豆腐を加えてたいてみた。

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 アンコウの粗は予め湯通し、豆腐を焼く。クセのあるものは皆無なので酒、味醂、砂糖はほんの少し、濃い口醤油、水適宜を煮立たせて、そこに材料を入れる。料理屋さんでは薄口醤油と濃い口醤油を加減して煮汁の色合いを調整するが、ボクは田舎臭いのが好きだ。ちなみに色合いと塩分濃度は反比例する。そして今回は田向さんのところのを真似て煮汁を多めにしてみた。

 出来上がりは、とても煮魚とは思えないもの。目新しいところで箸を伸ばしたら、驚いたことには豆腐がうまい。思ってもみなかった脇役のうまさに、汁をすするとこれもいい味わいなのだ。そしてアンコウも、ネギもよく煮汁がしみて味がくっきりと浮き上がってきている。アンコウの皮のうまいこと、そしてネギの甘味で、全体の味わいにバランスがとれている。どうもこのバランスをとる役割をネギが演じているようだ。生姜だと、明らかに動物質の旨味を引き立たせるが、風味の広がりや奥行きがなくなる。

 さて、煮魚に脇役を増やすというのは予想以上に面白く、また味がいい。今回、ゴボウがなかったのが残念で仕方ない。また今出盛りの三浦大根、ニンジンを入れてもよさそうだ。
 こうなると関東での煮魚のイメージではなく、「煮染め」、もしくは「汁」「鍋」とも重なり合う要素が出てくる。とすると、本来「煮魚」というものが汁、鍋とも決して独立した料理ではないのではないか? とも思えてくる。

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 八王子生まれの「スーパーイシカワ」石川榮二さんに教えてもらったのがスルメイカでジャガイモを煮るというもの。八王子や多摩地区ではお祭りの時や冠婚葬祭にイカと根菜類を使って煮物(煮染め)を作るのだという。我が家ではこれをアレンジしていろいろおかずを作る。もちろん煮染め調のものも作るが、おかずとしてよく作るのが「こってり煮」なのだ。
 材料はイカとジャガイモだけ。これを醤油、砂糖、酒、みりんでコッテコッテに煮あげる。煮汁は最小限にまでつめてしまう。今回のものは茨城県大津港からきたエゾハリイカとヒメコウイカ、ジンドウイカの小イカ三種のげそ、それに秋ジャガイモである。秋ジャガイモはややデンプン質が低く、旨味に欠ける。それをいかげその出汁で甘辛くたきあげる。
 これを作ると、困ったことに数分で売りきれとなる。そしてまたもや煮汁の取り合いとなる。そして大人には煮汁をご飯にかける権利がないのである。

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イカげそはあらかじめ湯通し

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 八王子魚市場に入ったとたん、なんだか活気を感じる。実を言うと八王子の寿司屋でも「地(土着)の寿司屋」というのがあって、地域に密着している店がある。例えば冠婚葬祭とか、来客の出前とか、四季折々の祭事とか、そんなものと結びついている。そこでは年末年始店を開けていて、とくに年始3日間は書き入れ時なのだ。そうなると年始に都市化がすすんだ駅周辺の店が始動するのとは反対に、数日休むのだ。だから八王子や日野のような古くからの宿場町では寿司屋すべてが稼働し始めるのに初競りの5日から数日をようする。しかも今年のように初競りが週末にあたり、しかも成人式があって、海がしけるといったときには飲食店総ての年始の足並みが乱れる。
 そう言えば成人式はどんなんだろう? 忙しかったんだろうか? 今日聞いてみなければ?

 やっと通常に戻ったんだなと実感したのは近海に並んだ荷の山。スルメイカ、さごち(サワラの幼魚)、各地からのマアジ。
 ふと貝を扱う鈴木さんのところを見るとミヤコボラが来ている。和歌山での「泥さざえ」、大阪での「いしかち」である。これ煮たり、焼いたりしてうまいのである。そう言えば泉佐野の住吉さん夫婦はお元気だろうか?

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この値段は安すぎる。関東ではほとんど知られていないせいだ

 また隣にあるのがモスソガイ。これは福島県いわき市産。久ノ浜か四ツ倉だろうか? 箱には「アワビツブ」と書かれている。東京ではあまり知られていないが東北では味がいいので定評がある。これをおでんに入れたり、煮たりするとうまいのである。

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このモスソガイの値段も安いな。残念で仕方ない。ボクは市場での仲買の存在は非常に大切だと思っている。「仲卸なくして漁食文化も食育もありえない」と思っているのだ。だからこのようなうまい貝を高く売って欲しい

『源七』には外套長(イカの胴に見える部分)が40センチもあるヤリイカがあって、キロ当たり2300円は安い。

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今年のヤリイカは毎日特売日といった感じ。安い。今年はヤリイカをいっぱい食うのだ

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には日本海からブリ、めじまぐろ(クロマグロ)。見事だが、見ているだけ。そこに茨城県大津港からエゾハリイカとヒメコウイカ。これ欲しそうな顔をしていたら社長が「やるよ」というのでもらってきた。

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』には銚子からボタンエビ。銚子港が水揚げ日本一になったと今朝のニュースでやっていた。釧路からは「灯台つぶ」が来ていて、ヒモマキバイなのかオオカラフトバイなのか微妙だ。

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「灯台つぶ」を見るとついつい撮影してしまう。でも種の同定はいまのところ出来ない

『やまぎし』には「岬サバ」というのがキロ当たり2000円で売られていた。これは愛媛県佐多岬伊方町の三崎漁港のもの。対岸は佐賀関と言うことで、味は保証付き。

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 でもこの大分、愛媛あたりのサバが福島、銚子などに揚がるものと絶対的な味の差があるとは思えない。要するに刺身で食べられるという付加価値だろう。

 ほとんど買い物らしい買い物もせずに早々と市場を後にする。気がかりなことがあって、八王子駅前に向かう。昨日からケータイが沈黙して、作動しないのだ。auで見てもらうと、これはそろそろ寿命でしょ、と言われ、いやいやながら新しいのに変更する。まだ2年しか使っていないんだぞ。「バッカ野郎!」。


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 晴天、とても気持ちがいいのである。八王子魚市場の真横、中央線がタンク車がガラドシンガラドシンガラドシンと信州の方へ流れていく。そして八王子八王子魚市場場内へ。

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こちらは惣菜などを売るところ

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ムッシュと目白台の「三好」さん

 海がしけて、しかも水曜日。ということで市場は寂しい、閑散としている。
 そんななかに愛知県から大きなタイラギ。500円は安いが、そろそろうまい時期になる。茨城県鹿島灘からはチョウセンハマグリ(地はま)、活けする(スルメイカ)、さごち(サワラ)。さごちが高い。

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八王子魚市場は築地「東市」の系列なので、相場をそのまま反映している

『源七』には台湾のハタ。これはたぶん標準和名がない。『海老辰』にはウスメバル。

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これは台湾産のハタ。味はいいのだけれど名前がわからない

 八王子綜合卸売センター『高野水産』がすごい。和歌山県串本市「出口水産」からイトヒキアジ、カイワリ、メジナ。そして活けのウマズラハギなど盛りだくさん。水曜日なのにどうしたんだろう?

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 カイワリの口の中にカイワリノエ?を発見。

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』、いいものがあるのだが面白くはない。『清水保商店』にペルー産の“しず”すなわち「えぼだいの開き」。

 八王子綜合卸売センター『大商ミート』、『伸優』で買い物。早々に市場を後にする。

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八百屋の『ビックリ屋』に並ぶのは相模原の「はまちょう」さん、立川の「太鼓」さん

 帰宅途中、旗野農園、旗野さんにイチゴをもらう。クルマの中が甘酸っぱい。たまらず一個食べてみる。「甘い、酸っぱい、甘い!」。


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 台風一過のような市場の週明けである。場内には何もなく、とくに近海(鮮魚を箱単位で扱う)が寂しい。またかなり値が上がっているようで魚屋さんが、うろうろと仕入れるかどうか思案に暮れている。
 そんな八王子魚市場で見事なアカガレイが置かれている。産地不明であるが荷が少ない状況でキロ当たり2000円は安い。アカガレイは刺身にすることはなく、ほとんどが煮つけか塩焼き用。味のいいカレイで値がつくのはいいとしても、意外に料理屋などで扱いづらいもの。だいたい最近煮つけの価値が下がって来ているのである。煮つけは料理の中でももっとも歩留まりのいい食べ方。「もったいない精神」を大切にするなら、「食育」をすすめるなら「煮つけをもっと食生活に取り入れろ!」。

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 時化のせいか、注文なのか「源七」に1キロを遙かに超える「白川(シロアマダイ)」が来ている。香港からの輸入ものでキロ当たり2000円。やっぱり市場に魚がなくなっても値上がりの幅は小さいのだ。

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 社長の吉種登さんをつかまえて船橋でのアカニシのことを聞く。
「あんなものうまかない。あれは戦後に鎌倉に出したんだ。そしたらよ組合で江ノ島にいったわけさ。そこでサザエの壺焼き食ったんだけど、『こりゃ“にし”だろ』って言ってやったんだ。そしたら『旦那声が高いよ』っていいやがる」
「あとな“にし”は船橋の草競馬(船橋には今も競馬場あるんだろうか? それにしてもあんたフォスターかい)で売ってた。これくらい(手で形を作りながら)適当に切っだろ、それを串に刺して焼いてるの」
 アカニシがサザエの偽物に使われたというのは聞いたことがあるが生き証人が身近なところにいるなんて。考えてみると戦後などは魚自体が不足していた。だから1965年(昭和40)くらいまではこんなことがあったわけだ。よく似た話では銚子のヒラメがニゴイだったというのもある。考えてみれば今のように魚の味にうるさくなったのは、そんなに昔の話じゃない。
●これは決して現在の話ではない

 八王子綜合卸売センター「高野水産」に荷が到着している。並べ終わるまで八王子総合卸売協同組合。「丸幸水産」にもめぼしいものはない。他に店も同様なのだ。

 八王子綜合卸売センター「高野水産」に戻ってみると思ったより荷が多い。ただし養殖物が多いのは致し方ないか?

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 礼文島からのニシン、壱岐からカサゴ、マアジに「すけそ(スケトウダラ、市場ではあくまで“すけそうだら”)」。根室からエゾボラ属の入会がきている。クリイロエゾボラ、ウスムラサキエゾボラ、ドウナガエゾボラ。登別からはビノスガイ。

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 社長曰く
「明日の方が魚少ないってよ」
 煮魚用の魚を探してみたがキロ2500円のカサゴを買う気にもなれず。小さな“すけそ”を一本買う。

「平成食品」でコーヒーを入れてもらい一息。最近、疲れがとれないのだ。「伸優」で信州味噌。我が家では主に麦麹味噌を使っている。でもたまには信州味噌もいいだんべ!


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 田向商店の「さめの煮つけ」を食べていて「あ! そうだ。これ気づかなかった」と思うことがあった。それは煮魚にネギが入っているのだ。また煮汁にもネギの風味が移っている。だからただでさえまろやかな煮汁が、もっと穏やかなものとなっている。なかなかこの味わいはいいもので、晩酌にこのまったりした穏やかな煮魚が合う。
 ただし関東では鋭角的な味わいが好まれているように感じる。完全に醤油と砂糖とで甘辛く煮あげたものが多いのである。だから関東のオヤジ達がみなこのネギの甘味、風味を好むかどうかわからない。そしてこの青森のタイプは思い出してみると下町で出合っているのだ。
 それで何人かの居酒屋のオヤジに聞いてみると誰一人ネギを入れるというひとはいない。そしてついでだから田舎の幼なじみにも聞いてみた。こちらもネギは入れない。「しょうがに決まっとるだろう」と言い切るのだ。でも確か秋田県でも長ネギの入った煮魚を食べた記憶がある。そのときには煮魚にネギを使っても「いいじゃないか」と気にもとめないでいたのだ。
 そして下町のネギが入った煮魚の記憶はどこから来るのだろう。だいたい小岩に住んでいたこともあるので、下町での食事回数は非常に多い。
 しかし、どうでもよさそうで、改めて考えてみると、その土地にしかないものもあるだろう。それが東北では煮魚にネギを臭み消しで入れるという習慣にも当てはまるに違いない。また煮魚にネギを入れる地域となるとわけぎを使う西日本は無理だろうから、長ネギを使う東日本に限られそうだ。これも調べてみると面白そうだ。

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田向商店
http://www.tamukaisyoten.co.jp/


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フネガイ科を改訂

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東京のさかなにアカガイを追加
http://www.zukan-bouz.com/tokyo/nimaigai/nimaigai01/akagai.html
これにともなってフネガイかを改訂した
http://www.zukan-bouz.com/zkanmein/2mai.html


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八腕目を改訂

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タコブネのページを作成
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掲載種 1834


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初荷とその翌日

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 凍り付いたフロントグラスを日差しで溶かして八王子魚市場に向かう。到着は8時半。

 場内には初競りの旗もなく鮮魚もない。旗はどうやら先着順に配られてしまった後であるようだ。

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 鮮魚でめぼしいのは山形県からきた甘えび(ホッコクアカエビ)。墨いか(コウイカ)でも総て売り切ってしまった後。

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海老辰の前に初競りの旗がぽつんとある

 茂さん(魚茂)、善さん(魚善)も帰ってしまって、無駄話をする相手もいない。
「源七」にも鮮魚は少ない。なかに見事なヤリイカ、そして本鮪(クロマグロ)を一本。
 八王子綜合卸売センター、こちらも寂しいな。「伸優」で新年の挨拶をしていると、「味をみてください」と「かぼすこしょう」が出てくる。かぼすと青唐辛子をすりまぜたもの。とても香りが高くて味がいい。帰り際に福岡で作られたという「だんご汁」を一袋くれる。新年早々ありがとう!
「平成食品」は年が替わっても相変わらず。「きょねん買ったロースうまかったよ」というと「ありがとう」と変な顔して笑う。新年早々縁起でもない。「高野水産」にも鮮魚は少ない。
 八王子総合卸売協同組合「丸幸水産」にも本鮪(クロマグロ)。今年の市場にはマグロが溢れている。
 姫と一緒に「光陽」でラーメン。
 八王子綜合卸売センターにもどり「大商ミート」でぶたしゃぶ用のロース薄切り。姫はかってに藤原商店に入り込み正月の挨拶。「藤原商店」でお茶菓子、チョコレート。
 横川町「鮨忠」さんと正月の挨拶と立ち話。また「市場寿司 たか」でも正月の挨拶、無駄話。


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 翌、土曜日、すなわち本日は早朝から本降り。まるで秋のような雨。関東でも内陸部にあるこのあたりで一月にこのような天気であるのは不気味だ。
 八王子魚市場、本日も鮮魚はほとんどない。
 産地不明の「ぼてんえび(トヤマエビ)」キロ当たり7500円だという。青森からスケトウダラ(すけそ)、スルメイカ一箱5000円(1ぱい250円)も高め。それに対して青森県産ヤリイカ3キロ判4300円(一箱)は安いかな。生タラフィレ(マダラ)の3キロ判4200円も安め。長崎県からのキンメダイはキロ当たり1800円で普通。
「源七」には今日も見事なヤリイカ、「海老辰」にはたっぷりのマグロ。

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 八王子総合卸売協同組合「丸幸水産」では3ばい900円の大振りスルメイカ、これは安い。でもマイワシキロ当たり2500円は高い。こはだ(コノシロ)キロ/1500円、ゴマサバキロ/1300円は普通かな。クマゴロウに「今日の値段高いのか安いのかわからん」と言うと、
「オレもわからん。でもヤリイカは安いだろ」
 そのヤリイカがキロ/2000円。

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ちょっと高いなとは思うものの、鮮魚が少ないので買って帰りたくなる

 八王子総合卸売協同組合「光陽」で今日は思い切って煮かつ。

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 身体にいいわけないとは思っていても「月に一回はこれを食べないと調子悪い」。

 八王子綜合卸売センター「高野水産」にも「すけそう(スケトウダラ)」がまとまって入荷している。また活けする(水氷のスルメイカ)、香川県さぬき市から小だい(マダイ)キロ/1400円。スケトウダラは一箱で買えば2000円前後。小振りでも安い。「スーパーイシカワ」石川榮二さん、「並べる魚がないんだよ」と一箱持っていく。

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 ここで活けする(スルメイカ)キロ/1000円を1ぱい、530円を買う。
「綜市」には気仙沼「ホテイ」の北海道産サケの冷凍フィレ。「ビックリ屋」で姫がレタスを買う。そのまま寂しく帰宅。


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マクガイのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/uguisugaimoku/makugai.html
シュモクガイのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/uguisugaimoku/shumokugai.html
モンウグイスのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/uguisugaimoku/monuguisu.html
フクラスズメのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/uguisugaimoku/fukurasuzume.html
マベガイのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/uguisugaimoku/mabegai.html
クロチョウガイのページを作成
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掲載種 1833

個体を提供してくれた、南さつま市伊東正英さん、高知市の永野廣さんに感謝いたします。


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 今期も沼津の山丁・菊地利雄さんから「潮かつお(塩がつお)」が送られてきた。これを正月に向けて飾り、年が明けると少しずつ切り取り食べていくのだという。本来は保存食として作られたものであるが、新年に「勝魚」を食べる縁起の良さは、今では無病息災や開運を願って食べるのではないだろうか?
 菊地さんが送ってくれるのは「伊豆ではいちばんのものですから」と言う安良里の魚武水産の作ったもの。そのカツオは大きく、見事に脂がのっている。また干し上げたことで、カツオの身が熟成、味わいが生よりもいっそう濃厚になっている。
 この「塩かつお」、江戸時代などには一般的な海産物であった。天保期の滝沢馬琴の日記にも登場している。また沼津ではソウダガツオでも塩かつおが作られていて、こちらも美味である。
 江戸の昔から年越し魚は塩鮭と決まっていた。それが大海かけるカツオとしたところに伊豆漁民の勇壮な心意気が感じられる。ボクも今年はそれにあやかりたい。
 今年も一年がんばるぞ!

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我が家では新年に三枚に切り分け、薄切りにしておく

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これを炭火であぶって酒の肴に、お茶漬け、熱湯をそそいでお吸い物にする

潮かつおに関しては
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 年末は家人とふたりだけだったのでお節も作らず手抜き料理で済ますつもりだった。それが宇和島市の「薬師神蒲鉾」さんから、また鹿児島のわかしおさんから、うまいものをいっぱい頂いてにわかに豪勢な夕食となったのである。
 やはり薬師神さんのところの竹輪蒲鉾はひと味違う。とくに素晴らしかったのが「手焼きちくわ」である。家人がほとんど一人で食べてしまって恨めしくさえ思えた。また、じゃこ天を炭火で焼いたのがしみじみうまい。ほんのコップ一杯の日本酒が恨めしい。

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 それと鹿児島地鶏の刺身。去年もわかしおさんに頂いて感激したのだが、これは何度味わっても魅力的だ。ほかには旗野農園のパクチョイと薩摩地鶏の切り落とした端っこを使ったたきもの。ほっき(ウバガイ)の湯引き。またほっきのヒモや貝柱でおからも炒ってみた。
 明らかに胃の具合が悪くて今年は酒をほとんど飲めない大晦日なのだが口福感をたっぷり味わえた。

 家人恒例の紅白歌合戦。今年はふたりっきりなのでつき合わないわけにはいかない。でも9時過ぎまで見ていて知っている歌手というのが美川憲一と森昌子だけ。ふたりとも大大大嫌いなので憂鬱になる。ボク一人なら断然3チャンネルを見ている。
 それから11時過ぎまでメールや雑事。年越しそばは山形県の「小川屋」の乾麺を使った鴨南そば。画面は行く年来る年なんだろうか? 家人がこんどはアイドル番組にしたのでパソコンの前に戻る。少しだけ「東京のさかな」の校正をする。

 そしてまたまたテレビの前まで戻るとNHKでさだまさしがディスクジョッキーのテレビ版のようなものに出ている。これ昔の「セイヤング」のようで懐かしい。
 ここで家人がビールを出してきた。ビールくらいなら大丈夫だろうと、コップ一杯。これに沼津の「カネマル笹市」のアカアマダイの干物。これも体調からすると恐いくらいにうまい。
 久しぶりの、さだまさしのしゃべくり、非常に面白い。まったくすごい人だ。ちなみにボクの思い込みなのであるが、さだまさしの最高傑作は「交響曲(シンフォニー)」だ。この曲長すぎるのでなかなか深夜放送でもかからなかった。当然、テレビじゃ無理だよな。(これはクラシックファンの意見なのだが歌謡曲はどうして3、4分なんだろうか? それは内容は空疎だからだ。それからするといい曲なら10分だろうが15分だろうが全部流すべきだ。だいたいブルックナーなんて1曲で1時間くらいある。さだまさしの「交響曲」は10分以下ではないか)
 そろそろ2時と言うときに眠くなってダウン。

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 さて明日は胃の具合は治癒しているだろうか? 明日は安良里「魚武」の潮かつおを切り分ける日。カレンダーの前につり下げて新年が良い年であることを祈る。沼津の菊地さんに感謝しなければ。


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東京の市場などでの「さかな」、すなわち水産物の評価のページが今日から始まります。このページに関しては毎日増ページに勤めたいと思います。また総ての記事は新情報が入るたびに書き換えます。

東京のさかなへ
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