市場図鑑・市場案内: 2006年2月アーカイブ

 昨日夜、鹿児島県笠沙の、わかしおさんから荒天が続いていたというメールをいただいた。今年は東京湾内房でもうさぎの跳ぶ日が多く、漁も例年より少ないと聞いている。また沼津でも同様だとしたら日本中おしなべて魚が少ないということか?
 八王子魚市場、荷は久しぶりに充実している。小振りだが素晴らしいサワラ、島根県浜田からブリ、根室からなめた(ババガレイ)、小柴からなかずみ(コノシロ)。
 市場内『海老辰』には茨城県日立市久慈浜港からメスのベニズワイガニ。珍しいので1ぱい150円を4。

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ベニズワイは近年、丸のままで見るより、むき身で見る機会が多い。また意外にメスは少ない

 八王子総合卸売協同組合、『丸幸水産』には生本ま(クロマグロ)、博多からイボダイ、小だるま(ケンサキイカの子供)、シラウオにうまそうな小柱(バカガイの貝柱)、シバエビ。久しぶりにトゲクリガニが来ていてクマゴロウに聞くと松川浦(福島県相馬市)だという。1ぱい200円なので2購入。市場を見ていると石狩湾厚田「上山貴彦」という個人名でデカイ腹太のニシン。
『十一屋ジャパン』で漬物を見ていると元本郷の「鮨忠」若だんなが通りかかり、「オレ漬物つけるてるんだよね」と呟く。白菜を漬けて水が上がったところだという。元本郷「鮨忠」は毎日のように親子で仕入れに来る。出来上がった漬物をもらう約束をする。
 八王子綜合卸売センター、『高野水産』に鹿児島県阿久根市からタテフエダイ。「やっぱり“たかさご”買った」とスーパーイシカワ、石川さんに声をかけられる。箱には「たかさご」とあった模様。これはキロ/1000円で1.4キロを確保。
 ダウンを着ていると暑くて、クルマに乗り込んで脱ぐや汗みずくだ。


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 八王子魚市場について感じたことは、明日が休市なのに動きがないこと。またこれといった商品がないのも寂しいな。どうもこれは荒天のためであるらしい。
 朝、外に出ても冬らしさが薄れてきて、湿度のある風は春の気配すら感じられる。これなら人間も動きが出てきそうなものなのに。
 鈴木さんのところには三重、岡山、広島とむきがきが並んで、1900、1400、1600と値段がついている。いちばん高いのは三重、あらしま。近海にはぽんだら(マダラの小振りのもの)、アカカマス、イトヨリ(佐世保)、イサキ、クロソイ、マコガレイ、ホウボウ。ゆでホタルイカはやはり山陰。
 八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合とも似たような状況。そんななか総市にシイラ。これが和歌山県串本、「出口水産」。
『市場寿司 たか』によって無駄話。寂しく市場を後にする。
 帰途、「旗野農園」にはイチゴ、ブロッコリー、ターサイ、ほうれん草。
 


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 週明けの市場は思ったよりも活気があった。太平洋側では先週末にかけて荒天続き、それが日曜日には水揚げがあったということだろう。
 八王子魚市場、横須賀東部漁協から本みる(ミルクイ)キロ/1850円、北海道長万部から白がい(サラガイ)。

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これが長万部の白がい(サラガイ)。市場で「白がい」と呼ばれているのはベニザラガイ、アラスジサラガイ、サラガイの3種

「あのさ、長万部の白がいってさ、こうゆう風に黒い筋が出るのが特徴なんだって」
 鈴木さんが呼び止める。見るとキロ/1000円はやや高値。せっかくだから500グラム買う。
 銚子からやや小振りのヤリイカ。八王子の善さん(魚善)を見つけて「イワシ、子を持っているかな」と聞くと、
「持ってる、持ってる」
 八王子綜合卸売センター、『市場寿司 たか』に千葉県行徳三番瀬福田海苔店の海苔と三番瀬の塩を預ける。「三番瀬の塩をどうにか使いたいんだけど」と話して千葉県のふっこ(スズキの40センチほど)探す。
 八王子綜合卸売センター『高野水産』にちょうど船橋産ではないかと思えるふっこがある。その隣に大分「丸昌水産」から活け締めにされたマトウダイ。このふたつを購入。

『市場寿司 たか』でマトウダイ(ゆでた肝をのせる)、ふっこ(三番瀬のにがりそのままの塩を天にのせる)、三番瀬産海苔(スサビノリ)でかっぱ、以上3種を撮影。今日の寿司は総てうまい。うますぎてもっと食べたくなる。たかさん、今日の一押しは千葉県産ふっこ。

『行徳・三番瀬の江戸前海苔 福田海苔店」へは
http://www.fukudanoriten.ecweb.jp/index.html

『ビックリ屋』に葉玉ねぎ(これは結球後すぐに葉ごと収穫した若い玉ねぎ)、もやし。『大商ミート』で肩ロース(これは焼くためのもの)。お金を支払い「またね」と手を振ると店長が突然、牛アキレス腱の煮込みをくれる。「味噌でも醤油でもいいから味つけして食べてね」だって。これうれしいけど、また酒がすすみそう。


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 しとしと雨が降っている。なんだか寂しい朝である。それでも八王子魚市場場内には活気がある。そんな中、八王子のそば屋「まつ浅」が駆けている。そして近海には福岡から小さなマナガツオ(このサイズは中華で揚げてあんかけに使えるので意外に人気)、サワラ。そろそろサワラが最盛期。また外洋が荒れているためか内湾に多いスズキが目に付く。
 そんななか特種に今年初物のシロウオ(素魚)。佐賀県唐津の「飴源」からであるのは当然のことだ。

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佐賀県にある川魚料理店『飴源』は関東の市場で見る限りシロウオ(素魚)の最大の荷主である

 他には能登半島富来港からカゴ漁での甘えび(ホッコクアカエビ)、抱卵しておらずとても鮮度がいい。

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には宮崎から3キロクラスのサワラがたっぷり。鮮度的にも身の手触りでも最高級のもの。なのにキロ/1500円は安い。思い切って買ってしまう。他には鍋こわし(トゲカジカ)、ニジカジカ。ニジカジカは撮影用と握り用に2匹購入。
『市場寿司 たか』でサワラとニジカジカの握りを撮影。サワラがうまいうまいうまい。たかさんのあまりの旨さににやついている。気持ち悪い。


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. 市場に入った途端にほとんど空の発砲が目に飛び込んできた。火曜であるが、明日は休市。奥の近海にもなにもない。ダイちゃんに「ほとんど売れてしまったの」ときくと、首を横に振って「アジなんか7500円(箱)なんすよ」と指を差す。京都からのもので半箱だけ残る。さごち(サワラの幼魚)、マダラ、キンメダイ、屋久島のハマトビウオなどがあるが、今日入荷したものなのかわからない。

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この値段がつくと魚屋は商売にならない。それでもマアジは必須アイテムなので、我慢して仕入れるわけだ

 八王子綜合卸売センター、「高野水産」に久しぶりにアカドンコ、そして、ごっこ(ホテイウオ)。やはりここにも魚はない。何気なくビックリ屋をのぞくと中国産の竹の子。1箱650円というので買ってみる。
『市場寿司 たか』に行くと、たかさんスズキを卸している。そこに神奈川県横須賀市佐島の魚を持ち込む。ナガニシ、佐島・大楠漁港でいただいたヒラメ、のれそれ(アナゴのレプトケファルス)の握りを撮影。のれそれ、思った以上に美味。ヒラメも小振りなのに旨味がある。そげ(小さなヒラメ)が好みであるという、たかさん曰く「これなんかお客にはあんまり出したくないな」だって。
 そんなやりとりをしていると神奈川県津久井町の居酒屋『浜長』さんがやってきてお土産に握りを注文する。店は休日なのだが明日が休市なので来ているのだ。また、この『浜長』さん、どうもかなりの愛妻家のようである。


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 極端に荷の少ない状況が続いている。マアジやマダラ、キンメダイなどはあるものの目にとまるものがほとんどない。これは海が荒れているだけでなく、実際に荷が動いていないからだと見る向きもある。
 比較的暖かな朝、八王子魚市場場内は今日も荷が少ない。そんな入り口に久しぶりに灯台つぶ(オオカラフトバイ)。これがキロ/150円。こんな値段あっていいものか? 鈴木さんに聞いてみると、まったく空の貝殻が混ざっているんだという。あまりの安さに300グラム買ってみる。支払は50円ほど。
 青森の「大映」という荷主からアカガイ。この青森のアカガイ。明らかに海底に吊した状態で畜養しているはず。貝殻の表面についている環形動物やキヌマトイガイなど青森産だけに見られるもの。これサンプルに1つもらってくる。

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青森「大映」からくるアカガイには表面に環形動物などが付着する。普通、アカガイにこのようなものが付着することはなく。これだけで青森産だとわかる。また青森産アカガイの身の色合いは赤が薄いという評価が一部にある

 八王子綜合卸売センター、『市場寿司 たか』は臨時休業。『高野水産』には大量のごっこ(ホテイウオ)。オスメス混ざりなのでキロ/500円。八王子総合卸売協同組合、見るべきものなし。寂しいな!


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 市場に魚のない状態が続いている。昨日は雪のため、一昨日は海荒れ、そして本日は中日である。
 八王子魚市場、特種に茹でホタルイカが目立ってきているがいずれも鳥取のもの。やはり富山が来なくては。カワハギ、クロガシラガレイ。『源七』ではあんちゃんがせっせとこはだ(コノシロの12センチほど)を開いて、塩をしている。これも暇なのだ。『海老辰』にあるトリガイも昨日のもの。
 八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合ともども寂しいな。業者よりも一般客の方が多いくらい。『丸幸水産』に地だこ(国産のマダコを茹でたもの)があり、安くしてくれるというので半分買う。だいたい2000円。『ケン水産』には200グラムくらい甘えび(ホッコクアカエビ)があり、「持っていきませんか?」というのでいただく。だいたい350円くらい。安くしてくれてありがとう。

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八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』にあった八戸のむき鮫。今年は青森市田向商店は見かけない

『市場寿司 たか』で地だこの握りを撮影。「やっぱりうまいな」と旬を外してもうまい国産に感激する。ただ外房や東京湾横須賀では冬にとるマダコ漁があったはず。また「マダコは冬がいい」と言っていた漁師さんもいたはずで、マダコの旬はいつなのだろう。高いものだけにじっくり調べよう。


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 八王子魚市場、場内に入ったら発砲のフタにこの文字。そして、養殖マダイがいっぱい。そんななか目に付いたのが本みる(ミルクイ)、鳥取境港からの白ばい(エッチュウバイ これをカガバイとするかどうか今のところ不明)。後は新潟のマアジやスルメイカ。『源七』に回り「行徳の海苔業者さんもがんばってるね」と話すと、あんちゃんと若だんなに「ぎょうとく、(アクセントがどこにもない)と言い換えされる」。

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これは八王子魚市場のダイちゃんの書いたもの。「そうなんすよ」だって

 八王子綜合卸売センター、『高野水産』には「出口水産」からウスバハギ、アカササノハベラ、ホシササノハベラの入り会い。これは買い(365円)。また大きなムシガレイがキロ/2000円は安いな。
 場内の寒さは今年一かも知れない。ジワジワと身体が冷えてきて『市場寿司 たか』に逃げ込む。
 ホシササノハベラ、オオホモラの握りを撮影。
「なんか体調悪いし、気が乗らない。鬱なんだよね」
 と言うと、
「まあ、やけ酒飲むんだね」
 ちなみにたかさんの場合、気分がむしゃくしゃするとパチンコ一筋。パチンコをするには最低1万円はいるそうで、お小遣いが少ない身には無理だな。


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 トイレに行きたくて起きあがったのが6時前。お腹が痛みは続いているが空腹感がある。もう一度横になり7時過ぎに市場に向かう。
 八王子魚市場、場内は人影多し。ただし活気があるというのではない。仕出し屋さんが不祝儀の焼き魚を探している。青森から、ごっこ(ホテイウオ)、長崎からいなだ(ブリの幼魚)。宮城県石巻からは見事と言うしかない大振りのニシン。幾らなんだろうと坂本ちゃんを探すが見つからない。富山県新湊から大きなスルメイカ。今時、木箱というのがいいな。新湊市「正印商店」の荷いい感じ。
 八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合に回るが、あまりじっくりと見る暇がない。慌ただしく『光陽』でもやしラーメン。ラーメンを注文する客が多いのは寒さのせいだろう。8時を超えても間違いなく零下だと思われる。
 慌ただしく『三恵包装』でお菓子、『大商ミート』で豚ロースを購入して帰宅。


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 八王子魚市場はいちばん暇な水曜日。当然、場内は静かである。塩干、練り物、麺などの売り場の方が賑やか。そんななか目立つのが長崎県佐世保からの荷。ヒラメ、コモンハタ、メダイ。北海道礼文島からはたっぷり卵を抱えたニシン。キロ/1000円だというので2匹購入。1匹220グラム・220円ほど。『源七』のあんちゃんは小鰭(コノシロの12センチほど)をせっせと開いている。
 八王子総合卸売協同組合、『丸幸水産』には西伊豆仁科からヒラスズキ。同静岡県相良からはデカイイトヨリが来ていてともに値段は高め。でもこの鮮度からすると安いくらい。
 八王子綜合卸売センター、『高野水産』に福井からハタハタ。山陰のハタハタはここに来て増えてきている。これを八王子小宮の『スーパーイシカワ』に「酢締めがうまいんだよ」というとなかなか信じない。食べてみないとわかってもらえそうにないが、それでも一箱もって行った。そして隣の『総市』には静岡県下田から平きんめ(ナンヨウキンメ)。キロ/1000円なので1本購入。ナンヨウキンメはあまり鮮魚では見かけないもの。
 八王子綜合卸売センター『東洋冷蔵』は相模原に撤退する。安西さんがせっせと引っ越しのため電動ノコギリ、荷造り器などをクルマに運ぶ。「こんど相模原に遊びに行くからね」と言うと「お〜お!」と一言。

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『市場寿司 たか』でお茶をいっぱい、無駄話をして帰宅。雨はしとしと寂しい市場行。


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「暖かいな」、八王子魚市場の入り口で荷を運ぶ職員がポツリ。まだ雨は降らないが天気予報は雨。荷をクルマに積み込む八王子の魚屋『魚善』さんを見て、『源七』のあんちゃんを見て、鈴木さんはまな板の前。
 こちらを見つけると小走りに近寄ってきて、
「このさ、“安楽島”って三重から来たカキがうまいんだよ」
 と言いながら1個剥いてくれる。
 これが確かにいい味である。鈴木さん曰く。
「厚岸よりも塩分が薄くないかな。値段も100円くらいだし、よく売れたよ」

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鈴木さんが剥いてくれているのは三重県鳥羽市安楽島のもの。「うまい」。

 こちらはそこまではわからないが「週末にもまた持ってきて」とお願いする。特種には諫早からのカキ(マガキ)もあって、産地巡りが出来そうだ。
 貝では岡山県産の本みる(ミルクイ)がキロ/1450円(1個500円弱)は安い。高知からキンメダイ(キロ/1400円)。長崎からさごし(サワラの幼魚)、鹿児島県内之浦からはソコイトヨリ。
『源七』には鹿児島県串木野から立派なタチウオ。
 八王子綜合卸売センターに回って『ビックリ屋』に蕗が並んでいる。思わず買いたくなるが、忙しすぎて料理が出来ない。『高野水産』にはイスズミが並んでいるくらいでめぼしいものはない。ひっそり「新もの」と書いてある茹でたホタルイカを見るが山陰ものかな? 社長が「イスズミ安くするから持っていきなよ」というので1本。いったいいくらなんだろう?
 八王子総合卸売協同組合、『丸幸水産』には九州産らしいシバエビ。この中からキシエビらしいのとトラエビらしいものを発見。五体満足なトラエビ?をもらってくる。ここには福井県産のハタハタ(キロ/900円)。
 帰りに『市場寿司 たか』で無駄話。「今日はなんにもなかっただろう」と先回りして言われる。「だいたい水曜日は休みにすべきだな」と言う。


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