管理人: 2006年6月アーカイブ

ぼうずコンニャクです。「お魚三昧日記」があまりにも膨大になったためにブログを5つに増やしているところです。酒、うまいもん、野菜などを独立させます。まあ独立完了に1年くらいかかると思いますのでご容赦を。
またうまいもんの情報お待ちしてます。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 東京湾などではアサリの産卵期は春と秋に2回ある。それで春に産卵を終えたアサリが盛んにエサの浮遊有機物を食べて、身を太らせてくるのが夏なのである。だから「春は貝」というがアサリに限っては「夏も貝」なのだ。
 源七の若だんなの前、ザルにある黒っぽいアサリは船橋沖三番瀬でとれたもの。東京湾も三番瀬、木更津、富津と産地が続き、今さかんにアサリ漁が行われている。

 三番瀬でアサリの漁があると船橋っ子の若だんななどは時間を見つけてはアサリをむくのだけれど、このむき身が絶品である。市場では産地不明のアサリのむき身が袋に入れられて売っているのだが、時間が経てば経つほどに苦みが出る。だからアサリはむきたてがいい。

 剥いたばかりのを育ちすぎた梅雨三つ葉の茎と合わせてかき揚げに、醤油、味噌仕立て好みのままに汁にしてぶっかけめしに、また炊き込んで深川めしに。深川めしに二通りの作り方があり、汁かけめしというのもそう言えば「深川めし」であった。めしと言えば、アサリのむき身をゴボウ、ニンジン、油揚げなどと酢(これは好みだ)、醤油、酒、砂糖で煮て、混ぜご飯もうまいぞ。
 またまた軽く茹でて和え物や、今風ならサラダもいい。また単に茹でて生醤油・ショウガというのもうまいのだ。酒がすすむ。ついでについでにスパゲッティを茹でながら、トマトをコンカッセ(やや小振りの角切り)に切っておく、アルデンテ以上に硬めに茹で上がったばかりのスパゲッティに大量のむき身を混ぜ、少し置き、オリーブオイル、コンカッセを投入というのもうまい。アサリの柳川、みそ焼き、茹でてなめろう、グラタンもうまいぞ。
 いかん朝飯を食ったばかりなのに腹が減った。

「若だんな、うまそうだな」
「うまそうなら買ってけよ」
「だめなんだ。さっきアサリ買ったばかりだ」
「おめーはいつも間の悪いヤツだな」
 大きなお世話だ。

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八王子魚市場内『源七』にて

市場魚貝類図鑑のアサリへ
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リンクのページを改訂しました。まだリンクしなければならないサイトは多いのですが、今回はこれまで。

http://www.zukan-bouz.com/zkan/zkan/rink/rinkmokuji.html


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 八王子並木町、甲州街道沿いの『魚茂』さん、マサバの前で悩みに悩む。結局、一箱分のマサバを取りだして、また悩んで「どうしようかな」。

「茂さん、悩むことないだろ。もうよくなってきてないか」
「そう思うだろ、ほらこれ見てみな」
 2本箱から出して見せる。左は腹が軟らかく、
「これはまだ産卵してないか、したところ。こっちはいいだろ」
 この問題ありのマサバが2本、3本混ざってる。

「これ使えないよな」
「でも茂さん(先代)待ってるだろう」
「そうなんだよ、おじいちゃんのこと考えると」
 並木町『魚茂』の「茂」は先代の名前。面白いのは当代・和智潮は市場では「茂」さんっと呼ばれ、帰ったら締め鯖名人の茂じいさんが待ちかまえているのだ。
「仕方ないな。じいさんのために仕入れるかな」
 ここで市場のダイちゃん、
「お買いあげ、ありがとうございました〜」

 春に産卵するマサバやマイワシは産卵期が場所や群によってずれていて、本来この時期には回復しているはずでも「遅れているヤツがいるんだよね」と魚屋の目は厳しいのだ。しかも魚屋にとって致命傷なのはマサバなどで産卵間近、産卵直後のものは煮つけや塩焼き用にも売れない、まるまる損をしてしまうもの。その分を値段に転化出来るかと言えば、茂さんなんて出来ないタイプなので悩んでいるのだ。
 こんなささいなことだが、大型スーパーにはできないこと、こんなことを大切に「魚選び」をするから魚屋の存在理由があるのだ。
 ちなみに『魚茂』の締め鯖、こはだはまことにうまいのだ。

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市場魚貝類図鑑のマサバへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/saba.html


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 なぜなんでしょうね、居酒屋で竹輪の天ぷらを食べてから大好物になってしまって、独身なのに朝ご飯にちくわの天ぷらを食べていた。考えてみると学校を卒業してすぐのことだからかれこれ25年も前のことだ。
 徳島で竹輪というと竹ちくわ。弾力のあるもので生のまま食べるのが普通。それが上京して出合ったのが地が灰色で皮が火ぶくれになって焦げているもの。これは生じゃまずい。でもおでんの竹輪はうまいんだな、とは思っていた。そんなときに四谷の居酒屋で食べたのが竹輪天である。
 この竹輪天、近所の居酒屋「開花」がイヤイヤ作ってくれるが、その言い草がいい。「嫌だね。オレ嫌い。こんなもの料理じゃない」。それじゃメニューから外せばいいようなものの「意外に人気があってさ」だって。それほどにざっかけない庶民的な味わいなのだ。
 竹輪は斜めに輪切りにする。居酒屋などでは経て半分に切っているが、あれは嫌い。それに小麦粉をつけて、小麦粉だけの衣で揚げる。出来るだけ衣を厚くつけて揚げるのが好きなのだけど、最近はカロリーが高くなるのでやめた。これにウスターソースが合うのだ。絶対に醤油や天つゆなどで食べてはいけない。ちくわ天には絶対に、間違いなくウスターソースをじゃぼじゃぼかけて食わねばならない。うまいぞ〜!

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愛媛県愛南町深浦の中田親さんからキハッソクをいただきました。
ありがとうございました。
さっそく撮影するとともに掲載をさせていただきました。
市場魚貝類図鑑のキハッソクへ
http://www.zukan-bouz.com/hata/sonota/kihassoku.html

掲載種1774


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 市場で「鯛の粕漬け」と呼ばれるものがあって、この原料がアラスカメヌケ、もしくは大西洋でとれる「目抜け類」のモトアカウオなのである。これらはカサゴ目メバル属の魚であって間違ってもタイの仲間ではないが今でも下町の食堂などに行くと「鯛かす定食850円」などと品書きにある。
 この「鯛かす」は決して商品名でもなければ、実際に市場で「鯛粕漬け」というものを探しても見つかるわけがない。これは40代以上の市場関係者、もしくは昔ながらの食堂だけで通用する言葉。今では「鯛かす」はなくて総て「赤魚の粕漬け」となっている。すなわち食堂でも「あこう」、もしくは「赤魚」くださいと言うところ、未だに昔のまま「鯛かす」でも通用する。
 この「赤魚の粕漬け」が「鯛の粕漬け」と呼ばれていたのは、どれぐらい前までなんだろう。明らかに戦後北洋漁業が盛んになってアラスカメヌケなどがふんだんにとれていたとき、加工されていろんな商品名で流通したのだろう。そこで粕漬けにしたときに……アラスカメヌケ=アコウダイの仲間=あこう鯛の粕漬け=「鯛」の粕漬け……と言葉が推移した。「あこう」が小さくて「鯛の粕漬け」が大きく表示されて「鯛かす」と呼ばれていた例は実際にみている。これは彼のJAS法以前までのこと。それ以前に堂々と「鯛の粕漬け」という商品名があったのかは実は知らない。この歴史も面白そうだ。
 さて、この「鯛かす定食」もしくは食堂で「鯛かす」を注文するのは年間一度か二度。めったに食べないのだが、ないと寂しい。そしてなぜか自宅では決して食べないのが「赤魚の粕漬け」である。粕漬けは焦げやすく家庭では焼けないなんて思っている方も多いかと思うが、魚焼き器にレンガを乗せて金ぐしを使うといとも簡単に美しく焼ける。もっと自宅で食べてもいいのに不思議なことだ。
 味わいは、さすがにカサゴの仲間だけあり白身の上品な味わいで、脂がのってうまい。ご飯にもあうのもで、自宅でももっと食べようかと思っている。でもこれが朝ご飯に出るとふと下町の場末の食堂を思い出しそうで嫌かも知れない。

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八王子総合卸売協同組合「光陽」にて

市場魚貝類図鑑のアラスカメヌケへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/mebaru/arasukamenuke.html


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 八王子総合卸売協同組合、丸幸水産の店頭に驚くべき大きさのアカヤガラが鎮座している。これぐらい大きいと白身でも脂ものっていそうだ。また初夏から秋にかけて比較的水揚げをみるのがアカヤガラ、旬もこの時期である。
 クマゴロウに、
「どこから来たの」
 と聞くと、ごそごそとパッチを取りだしてきて
「魚林だって、沼津だよ〜ん」
 このアカヤガラの重さが4.4キロ。大きさをみようとして持ち上げようとすると
「それ幾らするか知ってる。言わないけど、なんかあったら買ってもらうからな」
 嫌なこと言うなよクマゴロウ。

 パッチの「魚林」が気になって沼津の仲買「山丁」菊地利雄さんに問い合わせると、
「それは三宅島近海の引き縄であがったやつですね。『魚林』というのは会ったことあるでしょ。そのー、林家こぶ平に似ている」
 と言われてすぐに顔が思い浮かんだ(注/魚林さん、いい男なので誤解なきよう)。「魚林」さんというのは凄い魚を持ってきてくれるんだな、と改めて知る。またこれほどのアカヤガラがとれていると思うと、途端にまた沼津に行きたくなる。
 今、何があがってるんだろうな沼津では。ちなみにこの魚、前日沼津魚市場にあがり、翌日には川崎の市場、そして八王子総合卸売協同組合に来ているのだ。

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市場魚貝類図鑑のアカヤガラへ
http://www.zukan-bouz.com/fish/togeuo/akayagara.html


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 福島県で捕れる貝は主に北方系のもの。ホタテなど南限に近いし、またチヂミエゾボラなどエゾバイ科が多いのも特徴である。今回は底引きで揚がった貝を列挙していく。

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 まず二枚貝。
●ホタテガイ/東北以北に棲息する。天然養殖と市場で見かけるものは総て稚貝を人工的に生産したもの。福島では量はまとまらないが、総て純天然ものなのではないかと思う。
市場魚貝類図鑑のホタテガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/itaya/hotate.html

●ウバガイ/ほっきがい 鹿島灘、日本海北部以北に棲息。市場では色が黒くて大きい物が高い。また寿司ネタにするときに湯引きするのだが、熱で赤くなる。この赤身が強いのがいいとされる。

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市場魚貝類図鑑のウバガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/bakagai/ubagai.html

 巻き貝は今回は総てエゾバイ科だった。
●シライトマキバイ/今回いちばん多く見かけた。銚子以北に棲息。北海道では「灯台つぶ」と呼ぶ。値の安いもので、味がいいのでお買い得。刺身にも煮物にもなる。

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市場魚貝類図鑑のシライトマキバイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/buccinum/siraitomaki.html

●ネジボラ/銚子以北道東くらいまでの太平洋側に棲息。これも福島県では漁獲量の多いもの。刺身、煮ものになるが値は安い。
●ネジヌキバイ/銚子以北ベーリング海まで棲息。味わい、値段などはネジボラと同じ。

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市場魚貝類図鑑のネジボラへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/japelion/nejibora.html
市場魚貝類図鑑のネジヌキバイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/japelion/nejinukibai.html

●ナガバイ/銚子以北の太平洋側、オホーツク海に棲息。大型になる割に人気がない。味はよくお買い得。

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市場魚貝類図鑑のナガバイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/sonotaezobai/nagabai.html

●チヂミエゾボラ/日本海、鹿島灘以北の太平洋側に棲息。新潟などでは評価が高く値段もいい。またNeputuneaエゾボラの仲間としてももっとも味のいいもの。福島では新潟などと比べて値段が安い。

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市場魚貝類図鑑のチヂミエゾボラへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/ezobora/tidimiezobora.html

●ヒメエゾボラ/日本海、鹿島灘以北、北海道の浅い場所でとれる。北海道で単につぶというとこれ。福島から三陸、根室にかけてもっともありふれたもの。焼きつぶなどは、ほとんどこれが材料。関東などでは「焼きつぶ」をあまり作らないがもったいない話だ。
市場魚貝類図鑑のヒメエゾボラへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/ezobora/himeezobora.html

●エゾボラモドキ/鹿島灘、丹後半島以北に棲息。北海道などではBつぶとされるもの。非常に味はいいものの真つぶ(エゾボラ)よりも安い。

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市場魚貝類図鑑のエゾボラモドキへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/ezobora/ezoboramodoki.html

●モスソガイ/瀬戸内海以北に棲息する。一般的にはおでんや煮つぶにする。
市場魚貝類図鑑のモスソガイへ
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 朝方、市場を歩いていて突然都心に出なくても済むこととなった。こんなときには無駄歩きの旅に出るのだがあいにく家人が家にいる。仕方なく「今日、出なくてよくなったんだけど」というと何も言わないで外出の支度。当然、クルマを用意しろ、と顔がもの申している。向かうのは檜原村である。午後に予定があり、限られた時間ではあるが家人の頭脳にはもう木イチゴのことだけ。

 秋川街道を五日市(あきる野市)に。秋川ではアユ釣り師の姿が見える。檜原街道、黒茶屋を通り過ぎて杉木立の中を檜原村に入り、南秋川にそって遡る。

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これは種はわからないがウツギ科の花

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これはたぶんマタタビ

 いつもの谷沿いの道まできてクルマを止めて歩き始める。モミジイチゴ、クマイチゴを探して登るが一向に見つからない。谷沿いの道にはガやチョウがが飛び交い。ふっと甘い香りがして見上げるとスイカズラが満開だ。そのスイカズラに大きなクロアゲハがしきりに蜜を吸っている。マタタビのつぼみがふくらみ。ウツギの白い花が放恣なまでにほころびて見える。

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つかまえたトンボの種がわからない

 少し歩くと汗ばむほど、木々草木からは大量の湿度と甘い香りが吐き出されて、まさに夏至前日である。

 散々、木イチゴを探したが見つからず、谷川に下りる。すぐに網を岸沿いの草の下に差し入れてガサガサと足で踏むとアブラハヤが2匹飛び出してくる。上流に上がるたびにアブラハヤをすくい、きれいな個体を撮影しては逃がしてやる。

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この谷にはアブラハヤしかいない

 ほどなく目に前に現れたのが大きなクマイチゴの木。鋭い棘に手首をひっかかれながらもひとつぶ。深紅のイチゴを一年ぶりに口に入れる。酸味と甘味が舌の上ではじける。そしてクマイチゴ独特の渋み。この渋みがあるからこそクマイチゴはうまいのだな、と改めて思う。枝にあるイチゴを6割ほどつんで、またクマイチゴの木がある。そしてまた上流に登ると右手にモミジイチゴ、左手にクマイチゴ。
 モミジイチゴは、ただただ芳醇で甘く酸っぱい。渋みがない分、もの足りなく感じるが家人はモミジイチゴを目差してここまで来たのだ。このモミジイチゴ年々とれなくなる。

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クマイチゴ

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モミジイチゴ

 両手いっぱいの木イチゴをすぐにホワイトリカーに漬けて山を下りる。

 途中、檜原の特産物を売る柏木野の『やまぶき屋』でハチクの竹の子を買う。そのままゆっくり道を下って五日市(あきる野市)のもどり戸倉の『山味茶屋』でおいしいうどんを食べて空腹感を満たした。ここのうどんは絶品である。

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ハチク、マダケが並ぶ、『やまぶき屋』

 ついでに近くの『喜正』で辛口本醸造1升、八王子市川口の豆腐工房『三河屋』でもめん豆腐2丁を買い2時半に帰宅。


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 久しぶりの晴れ間、こんな時に限って忙しい。やるべきことは多く、しかも寝坊してしまって寝床から抜け出したときには、すでに夜は明けている。こまったことだ。
 まあ、やっと6時に画像整理をすすめて福島県相馬市原釜港の保存を始める。思ったほどに収穫はない。むしろ、画像を見るに原釜漁港で働く「女達(こう表現するしかないのだ)」の魅力に圧倒される。彼女たちを見て街に出ると、そこら辺の女性達が色あせて見えてしまう。いい女を見たければ早朝に原釜に行くしかない。
 朝食を作り始めてテレビをつけると、ワールドカップが行われているのを改めて知る。日本クロアチア戦引き分けなんだ。ははん? という感じ。
 朝食は塩銀鮭、納豆、漬物、炒り卵、若布のみそ汁、ご飯。
 明らかに手抜きだ。

 八王子魚市場には8時半。驚くほど静かだ。まあ業者は帰った後で仕方がないか? 『源七』から『海老辰』にくると面白い物発見。なんとウミニナ、ヘナタリなどが発砲に蠢いている。「大分だよ」としかわからないが荷でウミニナなどを見るのは初めて。
 八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合でいろいろ買い物。魚貝類にめぼしいものがなくて『ビックリ屋』で赤ジソを見る。季節はまさに夏なのだ。『ビックリ屋』で水菜(旬ではないが)、博多長なす、厚揚げ。その前の『ケン水産』で麦いか(スルメイカの小さいもの)。
『市場寿司 たか』で無駄話をして帰宅する。

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荷としてヘナタリ、ウミニナなどを見るのは初めて。ヘナタリなどは年々減少していて、大分は凄いなと思う

 帰宅後、ウミニナ、ホソウミニナ、フトヘナタリ、ヘナタリを撮影。麦いかをさばいて、「いしる」と塩で漬ける。これを干すつもり。
 昼食は麦いかをコチジャンで和えて、出汁をかけ回したもの。面倒なときはこれ便利。

 11時過ぎに外出。蒸し暑くて自転車をこぐと汗ばむ。タケニグサはもうかなり大きくなっている。中央線では熟睡。気がつくとお茶の水の緑が目に飛び込んでくる。文化学園は工事のための覆いが造られ、解体間近のように見受ける。これでお茶の水の文化がひとつ消えるのだなと不愉快な気分になる。

 お茶の水には9時前まで。やっと豊田に帰り着き、近所の『開花』。なんとこれが超満員。
「腹減ったな。ポテサラと刺身なにがある」
「さあ、なんだろうね」
 奥の団体さんからたっぷり注文が来て無視。女将さんが
「近頃、こんなに混んだことないから、慣れないのよ。ごめんね」
 やっと帰ってきて
「めじがあるじゃない」
 顔で「ダメダメ」。
「ポテトサラダ」
「もうないよ」
「じゃあ、このトマトソースはなに」
「これ使ったのだす?」
「まあ、よろしくお願いします」

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 出てきたのはマカロニと鶏肉のトマトソース和え。さすがに洋食系はうまいな。でも後が続かない。なんとか冷や奴が出てきて、そこでまた出てこなくなる。
「ごめんね。ほんとにこんなにお客が来たの、久しぶりなのよ」と言われて帰宅する。


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 福島県相馬市原釜にあがっていた魚でもっとも種類の多かったのはカレイ目の魚。市場数十メートルに渡って並ぶ白い腹は壮観としか言いようがない。これを見たままに列挙する。

 まず、カレイ目ヒラメ科のヒラメ【千島列島以南、南シナ海まで棲息。市場で見られるのは養殖、天然ともに少なくない。値段は2000円(キロ当たり)以上。いいものでは1万円を超えることもある】。大は10キロ上が目白押し。産卵からやっと回復したばかりだろう。

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旬ではないと思うが肉厚で寿司ネタなどにも充分使えそう(ヒラメ)

 形のいいマコガレイ【九州は大分県、東シナ海から北海道南部まで棲息。初夏から秋までが旬。値段は状態によりマチマチ。活けものには非常に高価なものもある】。

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こちらはこれからが旬(マコガレイ)

 福島で「あかじがれい」と言われるマガレイ【中部日本から北、カラフトまで棲息。マコガレイよりも値が落ちる。味はいいのだがあまり刺身になることはない】はとれすぎと言った状況。

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ちょっととれすぎかな(マガレイ)

 卵を持っているのも見受けられる「やなぎ」ヤナギムシガレイ【北海道南部以南、東シナ海のやや深い海底に棲息。冬から初夏までの子持ちは非常に高価。主に焼き物にする】は非常に多く、「黒やなぎ」ヒレグロ【東シナ海から日本海、銚子から北、千島列島まで棲息。ヤナギムシガレイと比べて値段は遙かに安いが味はいい。三陸や北国では干物などに加工される】は少ない。「なめた」ババガレイ【東シナ海、日本海、駿河湾以北カラフト千島列島まで棲息。旬は秋から冬。この時期は高価。主に煮つけになる】も多い。

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これは「黒やなぎ」と呼ばれるヒレグロ。場所によっては「ばばがれい」と呼ばれるから紛らわしい

 またビックリするほど大きい「ほんだがれい」サメガレイ【日本各地で見られるがやはり東北以北に多いもの。味がいいのに外見の悪さから値が安い。今もっとも注目して欲しいカレイ】を揚げている船があって、見ていて壮観。

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サメガレイはこれから売れ筋になる隠れたスター。今がお買い得

 後は少ないながらイシガレイ【カラフトから台湾まで広く分布。旬の夏から秋にかけての活けは非常に高価なもの。ただし野締め(締めないで死んだもの)は値が安い】、ヌマガレイ【霞ヶ浦、福島県以北の汽水域、また浅い砂泥地に棲息。ほとんどの個体の目が左にある。ときにまとまってとれるが値段は安く味は今イチ。ただし活けの刺身は美味】、マツカワガレイ【茨城県以北の太平洋側と日本海北部から北に棲息。近年漁獲量が激減。養殖も行われている。カレイ中もっとも高価なもの】。

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左がヌマガレイ、目の位置に注目。右がマツカワガレイ

 以上10種が16日の原釜港で目に付いたもの。もっとあったかも知れない。


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ツマリツノザメのページを削除
ヤモリザメをニホンヤモリザメに改訂
http://www.zukan-bouz.com/sameei/torazame/yamorizame.html
ウチワザメのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/sameei/ei/sakatazame/utiwazame.html
マダラトビエイのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/sameei/ei/sonota/madaratobiei.html
ホシエイのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/sameei/ei/akaei/hosiei.html

掲載種 1773


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 倉敷市の陶芸家武内立爾さんから小振りだけれど活きのいいナミガイ(白みる)とミルクイが送られてきた。明日は旅という日でたった1杯の酒のアテとしてじっくり味わってみた。
 水管、軟体、足と総て軽く茹でて、またミルクイとナミガイを並べて食べるなんてめったに出来ないこと。
 さて、どちらがうまいか? なんてじっくり、じっくり味わってみて、おやっと気がついたら皿には一片の刺身も残っていない。
「おいしいと言えば、こっちかな」
 家人が差すのはミルクイ。
「でもこの軟らかい部分もいいね」
 これはナミガイの軟体部分。結局うまいうまいと食べてしまって「比べる」までには至っていない。
 でも、やっぱりともに「うまい」のである、とだけ再確認。倉敷市児島高洲での潮干狩りではタイラギが終了して、これからはナミガイなんだな、と心巡らすと「倉敷に行きたし」とぞ思う。
 武内さん、ありがとうございました。

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市場魚貝類図鑑のナミガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/oonogai/namigai.html
市場魚貝類図鑑のミルクイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/bakagai/mirukui.html
●倉敷市児島高洲の「からこと丸」のサイトへ
http://www.tamano.or.jp/usr/karakoto/siohigari.html


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 今回の原釜へは日本全国から魚貝類を取り寄せて、新しい流通の世界を造り出そうとするヘンリーブロスの江嶋さん、石川さんにのこのこついていく形である。すなわちお二人の産地を見て回る旅についていったのだ。ヘンリーブロスの起点のひとつ、銀座「黒尊」を出発したのが深夜0時過ぎ。さすがに銀座といえどもこの時刻は華やぎが冷めて、そこに雨が降りしく。

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底引き網の船は早朝5時半、すでに入船していた

 常磐自動車道、国道8号線と遠路原釜に到着したのが5時半のこと。すでに底引きの大型の船が着岸していて、元気いっぱいの原釜女たちが魚貝類を選別している。そのカゴには膨大な甘だこ(ヤナギダコ)、ヤナギムシガレイ、マガレイ、マコガレイ、ヒラメ、ウスメバル、アイナメ、カナガシラ、ホウボウ、マアナゴ。場内のあちらこちらにどろっと広がって置かれているのがマナマコ。なんどもなんどもぬめりをとる作業は繰り返されても、まだドロリとしている。これはどうも干しナマコになるのではないか? もしくは切りナマコだろうか?

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 甘だこはザルカゴに入れられ足でなんども踏みつけられ海水でぬめりを取る。かなりハードな作業を美しい女性がもくもくとこなしている。来るたびに思うのだが福島の港で見かける女性はみな魅力的。

 このなかにマダラ、ケムシカジカ、とどき(サブロウ)、マフグ、ヌマガレイ、マツカワガレイ、ホシガレイ。大きなアカムツがあるかと思えば、ぽつんとアマダイ、
 原釜では巻き貝は総てが「つぶ」となるのだが、この日見られたのはヒメエゾボラ、チジミエゾボラ、ヒメエゾボラモドキ、シライトマキバイ、ナガバイ、ネジボラ。いつもたくさん落ちているチシマガイが今日は1個だけ、ホタテガイが少し。スルメイカはやはり少なく、形のいいのはすでに発砲に並べられている。
 原釜の底引きも6月一杯で2ヶ月の禁漁に入る。言うなれば最盛期ではないのだが、いちばんたくさんの底引き船が入船するのが金曜日である。7時過ぎにはだだっ広い底引きの競り場が隙間なく埋められてしまっている。
 その端っこに、ほっき(ウバガイ)の水揚げが始める。ほっきの船がもどるたびに大急ぎで貝殻にキズのあるもの壊れているのを選別される。そして壊れているのはこれまた大急ぎで貝殻を剥かれる。この作業はなんだか見ていて楽しそうだ。老いも若きも、男女関係なく黙々と貝殻を剥いているのだが、そこには穏やかな笑顔が浮かんでいる。今日は豊漁なのだろうか?

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 L字形の縦長の広い部分に当たるのが底引き網の選別競り場だとしたら、底辺のややこぢんまりした場所に入ってくるのが刺し網の小型船。こちらには活けのマコガレイ、マサバ、いなだ(ブリの幼魚)、ヒラマサ、ガンギエイの仲間、マガレイ。

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 底引きの魚の競りが始まっている。競りは並んだカゴに競り人が番号つきの紙に値段を書いて入れていくもの。魚貝類を整理、並べる喧噪から、競りが始めると底だけに静寂な時間が訪れる。競りの結果も入れた値の紙をたんたんとひっくり返して終了となる。競りが終わると、すぐに片づけられ、また後から入港してきた船が魚貝類を並べていく。

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 そのなかで競り場の端っこに集められてきたのがアブラツノザメ。これを剥きざめにして出荷するのだ。

 漁港には11時前まで外は大雨。慌ただしく南下する国道は深い水たまりが出来てしまって、危険極まりない。また睡眠不足で疲れはピークとなっている。楢葉町まで来て、「道の駅ならは」の温泉につかって一休み。銀座まで帰り着いたのが5時前である。疲労困憊で有楽町に向かう途中、ちょいとガード下でいっぱい。
 帰宅は7時過ぎとなる。疲れたぞ!


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明日は福島!

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明日は福島県相馬市松川浦漁港に行ってきます。雨の中、底引き網の水揚げをじっくり見てきます。さてどんな魚貝類に出合えるのか? 楽しみです。


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 いつ頃から好きになったのかわからないものは多い。例えば宮沢賢治、例えば山口瞳、例えばマーラーとブルックナー、例えば東君平の絵。東君平の本を持っているわけでもないし、またそれほど熱狂した時期もない。でも雑誌の挿絵をしおりに使っていたり、またなぜか古いネガフィルムアルバムに貼っているのは君平描く猫である。どこから切り取ったものなのか? なぜかしら、やなせたかしを見ると東君平を思い出すのは関連があるのだろうか。
 そして毎日使っているのが東君平のマグカップである。このマグカップ、3種類ほど持っているのだが東君平だけはボク専用である。この絵から湧いてくる不思議な気持ち、また言いしれぬ思いは子供にはわかるまい。
 東君平は1986年に逝去している。

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くんぺい童話館
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 さて、北国でよく見かける灯台つぶに関してまとめてきたが、この仲間は銚子を回って、東京湾、相模湾、駿河湾に南下しても棲息している。「灯台つぶ」、ヒモマキバイグループの巻き貝は北はオオカラフトバイ、ヒモマキバイ、クビレバイときて太平洋を南に下がるにしたがって一番下の巻き(層)に丸みをおびてくる。この丸みをおびたのをシライトマキバイという。そして南限である銚子などに上がる、シライトマキバイなどはその典型的なもの。これが相模湾、駿河湾にくるとこの最下層の部分がもっと丸くなり、これをスルガバイというのだけれど、これを銚子にあがるシライトマキバイで丸みの強いものと区別するのは至難である。そのスルガバイにまで南下する前に忘れては行けないのが東京湾に多いサガミバイだ。
 これは東京湾、駿河湾の水深200〜300メートル前後に棲息している小振りの巻き貝。東京湾、相模湾でのエビカゴ漁などに入る。あまり多くとれるものではなく、まあどちらかというと貝収集の対象とされることが多い。
 この小振りのサガミバイ、味がよく北国の灯台つぶに決してひけをとるものではない。ほとんど望み薄だがもしもコンスタントな漁獲さえあれば、東京湾の幸がひとつ増えることになる。ただし貝マニアは珍しいと思っていた貝が、食卓に上ることになったらがっかりするだろう。

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市場魚貝類図鑑のサガミバイへ
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 晩春から初夏にかけて主に西日本でとれるのがカミナリイカ。昔は「紋甲いか」と呼ばれていたが、輸入ものの大型コウイカにこの名を使ってから、紛らわしいので標準和名で通したい。ちなみに高知県高知市浦戸湾では「真いか」と呼ぶ。
 このカミナリイカ、コウイカの仲間でも大きくなるもののひとつ。この時期の漁は産卵で岸に寄ってきたイカをとるのだが、2キロ、3キロ近いものまである。肉厚で甘味のある身は刺身にして最高にうまい。また分厚い身であるので煮る焼くも、より甘味が増してうまいものだ。
 これを永野廣さんにいただいて、湯引きにしたり、和え物にもしようか。いろいろ考えていたら子供達から「ステーキがいいな」とリクエスト。この料理法は表皮に切れ目を入れて、サラダオイルを垂らしたフライパンを強く熱して短時間でソテー、イカを取りだして、ここに酒、醤油、バターを入れてモンテ(泡立つように)する。これを焼いて置いたイカにソースとしてかけるだけ。いとも簡単な料理であるが、家族はこれがいちばんうまいという。
 さて、浦戸湾のカミナリイカ漁も終盤となる。味わってみたい方はお早めに。

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高知市「土佐の日曜市」土佐の廣丸
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市場魚貝類図鑑のカミナリイカへ
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ハゼ亜目を改訂

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ヒメハゼ属ヒメハゼのページを作成
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掲載種 1771


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 目覚めたら7時過ぎというのは深夜に一度起きているとはいっても寝過ぎだ。
 姫に起こされて市場に出かけるが天気がいいので自転車をこぐ。我が家から八王子魚市場までは自転車で飛ばすこと40分。到着すると汗びっしょり。かるく場内を回ると坂本君に「昨日のハナサキうまかったでしょ」と声がかかる。

 8時半、八王子綜合卸売センターに入って麺の『南京軒』の前に自転車を置いて『光陽』に向かう。
 八王子総合卸売協同組合を抜ける間に知り合いからやたらに呼び止められる。『丸幸水産』のクマゴロウから「これな〜んだ?」と言われてみるとアミモンガラを手にぶら下げている。「銚子からの荷に混ざっていたんだな」というので「ありがとう」と言って確保。

『光陽』で姫はラーメン、煮カツで朝ご飯。やや大盛りのご飯、それでももの足りない。お母さん(『光陽』の)の顔を見て、姫を見てお代わりを諦める。まったくオヤジは寂しいぞ!
『光陽』の隣の『三恵包装』で水ようかん。水ようかんを買うと「夏だな」と痛感する。しかもなんだか懐かしい気分に浸ってしまうのだ。『河村青果』をのぞいてスダチの値段を見る。お姉さんがニコリと笑うので高そうだな、と勝手に解釈。『丸幸水産』でアミモンガラをタダでゲット。銚子で大量にとれるアミモンガラは皮が硬いのですぐに丸裸にされてしまう。この丸のアミモンガラは貴重なのだ。ありがとうクマゴロウ。
 八王子綜合卸売センター『高野水産』には「ヤ印」八巻水産からナガバイ。キロ/1000円で3個514円で購入。

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福島県松川浦港の八巻水産は「ヤ印」と言った方が市場では通る

『ビックリ屋』でつくね芋、オクラ、ニンジン、青じそ、はんだま(水前寺菜)。『伸優』で徳島県池田、「天真」のみりん。『大商ミート』で豚トロ。

 浅川縁を大荷物を抱えて自転車をこいでいると姫が思いきり転倒。どうして転んだのだろうと思ったら頭上に実をたっぷりつけた桑の木。姫は泣かないでボクの背中に乗って桑の実を3房。当然のごとく、ひとつも分けてくれないで一度期に口に放り込んだ。グラウンドでは泥んこのラガー、野球少年、風に乗ってハムシが飛ぶ。

 帰宅は10時前。坂道が多くて疲れ果てる。帰宅後、少しダウン。
 お昼はサバの文化干し入りの炒飯。

 2時過ぎに高知の永野廣さんからのマダラトビエイが到着する。解凍を待って4時前から撮影。2時間ほどでマダラトビエイ、アミモンガラ、ナガバイをじっくり撮影。

 マダラトビエイのヒレを取り、煮つけに。アミモンガラは昆布締め、ナガバイは刺身。トンとろを焼いて、はんだまのごま和え、マダラトビエイと一緒に入っていた浦戸湾産のカミナリイカを湯引きにする。
 マダラトビエイの煮つけ、アミモンガラの昆布締め、ナガバイの刺身、カミナリイカとはんだまのごま醤油、ゆでそら豆、ご飯。酒は福井市田嶋酒造の「福千歳 山廃仕込み」ワンカップ。

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マダラトビエイのヒレ、皮を剥ぐのが至難。煮つけにすると軟骨が硬いのが欠点だがまずくはない

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アミモンガラの昆布締めは美味。さすがにフグ目

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浦戸湾産カミナリイカ(紋甲いか、高知では真いか)は木の芽時から初夏までが旬。はんだまと合わせてごま醤油というのが、うまくて取り合いになる

 食後、画像の整理・保存。スズキ目ハゼ亜目のページを整理・改訂。11時過ぎに眠くなってダウン。


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 毎日、必ず魚貝類を食べる。それどころか毎日魚貝類にまみれて暮らしている。そんなときのオアシスがカツ丼、カツ煮である。この2種の料理は、同種2名の典型である。まあ同じ物なので、味は当然同じだ。そんなことはダレでも知っている。そして市場で朝飯の土曜日のこと。

「あのな、カツ丼はやめた方がいいぞ」
 我が親友の肥満体が近寄ってきて突然宣うのだ。
「なぜだ」
「あのな。ご飯とカツ、そして卵や下地(タレ)を一緒にすると体に悪いんだよ」
「嘘つけ、この肥満体」
「お前はすぐにワシのこと肥満体と言うけど、お前も肥満体、デブだろ。あのなあ、お前もカツ丼をやめられない体になってるわけよ。だからカツ煮で我慢する努力が必要だっていうの」
「だから、この大デブの肥満体め。カツ煮とカツ丼、同じだろう。カロリー同じなら、一緒だろうが、ワシはカツ丼がすきなんだ、っっっっっと、バカ野郎」
「バカはお前だ、カツ煮とカツ丼を年間100回食うとするだろ。そうするとカツ丼食うヤツは死んでるわけだ。カツ煮は生きている」
 こいつせっかく市場で朝飯、っと意気込んでいるのに何言うてけつかるのじゃ。
 と向こうからマイクロミニを見事に着こなした、それはそれは可憐な娘が来て
「ゆうちゃん帰えろ」
 そしてこの腸肥満体は帰っていくのだ。なんだか人生むなしくなる。この肥満体の大バカ野郎ーーーーー!

 つまらない立ち話をして、「仕方ない、レバニラ炒めにするかな」と独り言を言うと、突然、目の前に恐〜いお姉さん。
「あのね。あんたバカだから知らないでしょうけど、動物の肝臓は危険よ。知らないのバカね」
 おいおいバカはよしてくれ。バカの二乗はもっとやめてくれ。
「今、世の中は、重金属や放射能、アスベストがいっぱいなの。これはね動物の肝臓に全部たまるのよ。だからレバニラ炒めはやめなさい」

 オウ! ノー! カツ丼とレバニラ炒めが食えなくなって、どうして楽しい人生が送れるものか。そして八王子総合卸売協同組合『光陽』に到着。思わず注文したのが「カツ煮」。

 カツ丼よりももの足りないけど、煮汁も全部飲めば満足度は同じであった。ハハハハ………。

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八王子総合卸売協同組合『光陽』
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 それは昼過ぎにこと、宅配便のお兄さんがなにやら重そうな荷物を持ってピンポ〜ンっと来た。ぼうずコンニャクがその荷物を受け取ると腰が抜けそうになった。だがなんとか堪えて、エンヤラヤノウヤっと唄いながら、大きな玉手箱を開けると、そこには、マ、マ、マ、マダラトビエイ君が入っていた。
 これは高知市の浦戸湾で漁師の永野廣さん、昌枝さんの刺し網に、哀れにもかかってしまったものじゃ。そう言えば去年のは100キロあったそうだから、親の敵を討ちに来たのかも知れぬ。言うなれば返り討ちにあたんじゃな。哀れなことよ。永野夫妻も無益な殺生は大嫌いなんじゃ。エイの国の殿さんよ、浦戸湾に入ったらいかんという法律でも作るんじゃ。あたら若い身を、惜しいな。
 そして宅配便に乗せられて100里の旅。「おう、これがマダラトビエイか!」なんて言われながらパシパシ撮影されて、挙げ句の果てにはヒレをバッサリじゃ。顔を真っ赤にしてヒレの皮を剥ぎながら「これ食えるかな」なんて、まことに人間とは残酷な生き物だな。
 最後に、若きマダラトビエイ君よ、成仏しなされよ!

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高知市の永野廣さん、ありがとうございました。
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 高知市の永野廣さんは日曜市に店舗を持っている。そこで売られているのは永野夫婦が漁師としてとった「えがに(トゲノコギリガザミ)」や浦戸湾のアサリに、また近隣の漁師仲間から仕入れた魚貝類。そんななかから、うまいものを厳選してときどき送っていただく。そして今回が仁淀川のシジミ。
 このシジミがなんとも美しい。形からマシジミに見える物もあるが、汽水域でとれたものであるならヤマトシジミであるようだ。しかし、どうしてこんなに美しいのか? それは仁淀川の水質のよさのためだろうか。かなり大きなものが混ざっていて、本来なら真っ黒で傷だらけになっていてもおかしくはない。でも仁淀川シジミは貝殻にキズひとつない、美しい。
「仁淀川のシジミはいっちょんうまいけね。食べてみてくださいよ」
 永野さんが棟を張るだけあって、味わいも「美しい」。驚いたことにシジミのクセがほとんどなく、あっさりしているのに汁に旨味がある。これは「汁のお代わりができるね」と我が家の子供も喜んだ。シジミにはときどき泥臭いのがあって、子供達はシジミというと警戒線を張ってしまうのだ。

 ヤマトシジミの棲息する汽水域は、美しい日本の国土を愛するという「愛国心」の欠片もない自民党議員や役人たちのために未だに破壊の危機にある。コヤツらが愛しているのは一時的に回る資金だけ。「愛国心」も人への優しさもない。うまいシジミを食うたびに「愛国心」のまったくない役人と自民党はダメだなと思うのだ。

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 7日の朝、市場で寿司職人の渡辺隆之さんとバカっ話をしていたときに、沼津の仲買・山丁 菊地利雄さんからケータイ。
「この前、今の時期のサバがまずいって書いてたでしょう。それで今日、頭屋分店さん(沼津の魚屋で、定置などの面倒も見ている)からサバをもらったんで送ります。思ったよりいいと思うんです」
 沼津に上がったといっても伊豆半島は反対側相模湾からのもの。8日に到着したのを見るとマサバとゴマサバの特徴があわさった平ごまと呼ばれるものと、マサバなどで3本。大急ぎで八王子綜合卸売センター『市場寿司 たか』に持ち込む。2本は、たかさんが「なかなかデカイな」と声を上げてさっさとおろして締め鯖にした。1本だけ持ち帰って、締め鯖、サバの若狭焼きにして夕食に出す。
 沼津に上がる魚を知り尽くしている山丁さん、そして頭屋分店さんがいいというんだから、このサバには太鼓判が押されている。

「6月のサバは味は今イチだろう」
 たかさんも、仕事を終えたばかりの市場仲間も声を揃えるが、おろすとともに
「思ったよりいいかも知れネーな」
 市場仲間から
「1本、オレたちが食っていいかな」
 と言うのに、
「1本だけだぞ」
 くぎを差して帰ってきた。コヤツらの前に芋焼酎の1升瓶、これがが不気味だな。

 我が家でも半身を締め鯖にして、半身に塩を振って置いた。この締め鯖がいいのだ。やはり最盛期には及ばないがトロっとした食感がある。これは旬に向かって旨味脂をそろそろためてきている証拠だ。もちろん「若狭焼き」もうまかたのだ。

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 東京都の北、隅田川をわたって千住にある足立市場を見てきた。残念なことにミニ築地でしかなかったものの、少なからず収穫もあり、という不得要領な市場の旅となる。
 さて、東京都中央卸売市場足立市場は日光街道千住大橋を北千住に渡ってすぐ、隅田川に面してある。電車を利用するなら、京成千住大橋駅から日光街道を南に下ることしばし、左手がこぢんまりした入り口となっている。正門前にたどり着いたのが7時過ぎである。この時間なら仲卸が品物を並べ終わっている。

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 千住に市場が出来たのは古く徳川以前の1500年代の半ば。主に近郊の野菜、また川魚などを取り扱っていた。そして江戸期、明治、大正、昭和とやっちゃ場(青果市場)として名をはせて、日本橋にあった魚市場から関東大震災時に分派してきた東京北魚市場と合わさって1979年まで賑わいのある市場であった。これが、やっちゃ場が同じく足立区入谷(決して江東区ではない)に移転してからはやや低迷しているのであるという。

 正門を過ぎてすぐに食堂が並ぶ小さな棟がある。そこを通り過ぎると右手に八百屋、また加工品を売る小さな店舗があり、先に進むと金比羅宮がある。その右手に建物があって、入ってみると妻野菜や昆布、乾物などの店がある。その建物を通り過ぎて正面が水産仲卸の棟である。店舗数は69、そこにあったのは築地のミニ版とでもいったものである。

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 見回して足立市場ならではといった特色のある店舗は見あたらない。箱単位で取引をする店、特種とこの箱取引を兼ねる店などどの店も築地にあるものと寸分変わらない。また塩干が場内の端にあるのも築地と同じだ。ただし八王子などと比べると遙かに上物が多い。また値段も築地よりも一段安いように感じる。結局2回ほど回って、残念なことにコレといったものに出合えなかった。やはり、ここにあるのはミニ築地でしかない。
 仕方なく、優しく声をかけてくれたマグロ屋の『樋倉』さんに「足立市場らしい店はありませんか? 例えば川魚問屋さんとか」と聞くと。旧日光街道沿いに2軒あるという。場内で探すのを諦めて、旧日光街道を北に歩く。この狭苦しい道にクルマが連なり、そのクルマを縫うように、川魚問屋を探すがなかなか見つからない。歩く内に見つけたのが「青物問屋」の古いカンバン。これがあちこちに散見する。これはこの日光街道沿いにやっちゃ場があり、青物問屋が軒を並べていたよすがとして飾ってあるのだろうか? それとも今でも青物問屋なのか?
 千住仲町に入ってやっと見つけたのが『鮒輿』。中を撮影させてもらって、創業のことを聞くと、なんと現当主が16代目、創業380年になるという。それなら芭蕉が奥の細道で千住の宿に来たときにも『鮒輿』はあったということだ。

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 もう一度だけ足立市場にもどって場内をざっと見て回る。すると茶屋が数列並ぶなかに面白い建物を見つけた。これは行商の人たちが下ごしらえをするところ。冷蔵ケースを乗せたトラック、それにバイクで引くリヤカーが建物を囲む。リヤカーには氷のケースがはめ込まれていて、老人がパックつめした魚を並べている。

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「これはなんというものですか?」
 バカな質問だが、こう言うしかないのだ。
「『りんたく』っていうね」
 屋号を聞くと『魚敏』であるという。
「これはもう許可が下りないんだよ。このバイクで引くのはオレの代までだね」

 この行商の茶屋で聞いたのはやっちゃ場が一緒にあったときの賑やかだったこと。足立市場の旅の終わりは、なんだか寂しいものとなった。


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 市場通いは毎日のこと。毎朝、8時過ぎに八王子魚市場、八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合と全部回るので顔なじみも半端な人数じゃない。そして市場を一通り見て回って最後に『市場寿司 たか』で面白いネタを撮影するのが日課。そこに市場仲間が参加するのも、また楽しくて、そしてその意見も貴重なものだ。
 今日、たかさんに握ってもらったのは、高知県浦戸湾のヤイトハタ、気仙沼のmakoさんから送ってもらったオオカミウオの生とさらっと煮たもの。そして今日市場で見つけた壱岐のハチビキ。これを、たかさんと、ああでもない、こうでもないと静かに話していると、ちん入してきたのが市場の面々。せっかくmakoさんがくれた秘密兵器「もうかの星」をなんとか握ってみようと相談していたのに仕方のないヤツラよ(結局「もうかの星」は握りにできなかった)。
「うまそうなもの食ってるじゃないか」
 という獰猛な目つきにたかさんがどんどん握って行く。

「高知だっけ、ヤイトハタうまいぞ」
「オオカミウオってのは名前の割に味がないな」
「ハチビキ、キロで600円だっけ。オレすぐ買いにいくわ」
「お〜い、酒はないか」
「ないない」

 店長を捜して、また従業員を捜してどんどん『市場寿司 たか』に集まって来る。こんな大勢での寿司図鑑撮影は初めてだね。
 まったく、市場の困った連中だが、みな人なつっこくて優しいんだよ。

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気仙沼のmakoさんのサイトへ
http://www7a.biglobe.ne.jp/~Fish-Fish/
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 7月1日から9月3日まで千葉県立中央博物館において私の大好きな深海生物の企画展が行われます。我がサイトも微力ながら手伝いをさせていただいたもの。よろしかったら見に行ってください。

「驚異の深海生物 未知の深世界をさぐる」
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/

千葉県立中央博物館
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 宮城県気仙沼のmakoさんのところからオオカミウオ、もうか(ネズミザメ)の星(心臓)が送られてきた。その上、高知市の永野廣さんから仁淀川のマシジミ、浦戸湾のアサリ、土佐湾のオオシタビラメ、キダイ、ヤイトハタ、ホウボウ、まで到来して昼過ぎてから大わらわ。撮影した枚数も200枚を超えて、やっと今、オオカミウオをおろし、キダイの塩焼きにかかっている。あとは仁淀川のシジミのみそ汁、アサリの酒蒸し、オオシタビラメの煮つけ、もうかの心臓の刺身、塩コショウ焼きなどを作ろうかな。

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市場寿司 たか

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市場寿司 たか
ページを改訂しました。
http://www.zukan-bouz.com/zkan/zkan/rink/gest.html


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長い間ほったらかしであった八王子市場案内を改訂しました。ここ数年で廃業した店が多く寂しい限りですが、また開業した店舗もあります。なにしろスーパーなどにはない下町気分、きっぷのよさと、激安の買い物が楽しめます。

八王子市場案内
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html


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「お父さん、イワシが一匹3000円だってニュースやってるよ」と子供が呼びに来た。忙しいのでニュースは見なかったが、本当に3000円という値段がついていたんだろうな? と昨今のイワシの値段を見ていてそう思った。先月の八王子でのイワシの最高値は4000円(1キロあたり)である。この同じ日のキチジ(きんき)のキロ当たりの値段が3800円だからそれを上回ったのだ。ちなみにキチジはもっとも値の張る魚の代表選手である。
 気になって築地の尻高鰤さんにマイワシの最高値を聞いてみた。すると「相対取引(競りをしないで話し合って値を決める)ながらキロあたり7500円見当かな。まあこれで突出した値段が出ても(キロあたり)8000円だろうね」という。この高値を呼ぶマイワシというのが大羽イワシと呼ばれる大型のもの。24〜5センチ、230グラムから250グラムのもの。これなら5キロで25匹入っているわけで1箱4万円として1匹2000円である。これは荷受け(全国から魚貝類を集めてくる会社)での値段であり、仲卸(卸)で利潤を乗せる。高すぎる物にはあまり利潤は乗せられず、けっして得にはならない商売であるが、1匹2000円代の前半、2500円くらいにするとして、小売りでは3000円以上になる。とするとニュースは正しいということになる。でも正しくないんだね、これが。
 だいたい1匹250グラムというのは特別なマイワシである。築地だと店先に飾って拝みたいくらいの代物。この特の上の特上でマイワシの値段を考えるのはおかしいのだ。この特上の真下はせいぜいキロあたり3500円(魚体もやや小振りなので一匹700円)ほどだ。しかも春から初夏はマイワシの味がいちばん落ちる時期。産卵期の大量に漁獲しても卵を抱えたまずいマイワシが出回る。そして産卵後、脂も漁獲量も落ちているのが今なのだ。この時期に特のつくマイワシを食うなんて愚か者だ。賢い料理人は当然そんなものはやめて、旬とは関係しない、しかも味のいい小イワシ(小羽 50〜70グラム15センチ前後)でよしとする。これならキロあたり600〜1200円である。仮に高値の1000円だとしても高くて一匹70円なのだから、初夏には小イワシを食えということだ。そして6月下旬にはマイワシの値段も沈静化する。うまい時期に、あまり無理をしないで食いましょうね、うまいものは。
 渡辺栄一の名著『江戸前の魚』に「マイワシの旬」という項がある。そこにいちばん脂ののってうまい時期は6月下旬から1月までとある。しかも漁獲量と合わせてもマイワシは夏から秋にかけての魚なのだ。またマイワシは一定の周期性をもって豊漁、不漁を繰り返しているとしたら、今がどん底。マイワシを食べる時期にもっと気を配れば一匹3000円のマイワシに驚く必要もないというのがわかる。
 また、この高値に浜は決して喜んでいるわけではない。結局とれないのだから、浜の寂しさは変わらない。この詳細は気仙沼のmakoさんのブログにも出ていた。しかし浜値でキロ/5500円というのはダレが買うんだろうね。

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アングラな魚日記
http://macoco.at.webry.info/


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海藻ナガマツモ科イロロのページを改訂
http://www.zukan-bouz.com/kaisou/kassou/nagamatumo/iroro.html
チガイソ科ワカメのページを改訂
http://www.zukan-bouz.com/kaisou/kassou/tigaiso/wakame.html

●今回イロロの商品に関しての情報は千葉県立中央博物館菊地則雄先生からいただきました。感謝いたします。
また市場魚貝類図鑑では海藻食、海藻の情報を集めています。お心当たりの方はメールにて


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Kashihara Aquariumと倉敷市「からこと丸」のリンクを追加
リンクのページへ
http://www.zukan-bouz.com/zkan/zkan/rink/rinkmokuji.html


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 我が故郷、徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)での子供時代、たぶん昭和30年から40年にかけて毎朝乳母車のようなものに菓子パンや総菜類を行商する人がいた。昔の記憶で顔もぼにゃりとしか思い出せないのだが「きたぐっつぁん」と呼んでいた。多分、北口さんというのだろうけど、オバサンが押してくる乳母車のようなものにはアサリなどの貝や干物、菓子ぱんなどがぎっしり入っていたはず。我が家は商家である上に母親がいない家庭だったので朝食はいたって簡単に「きたぐっつぁん」から買った菓子パンなんてこともあった。その毎朝の買い物でとくに大好きだったのが「カツ」である。
 考えてみれば昭和30年代、祖母が主婦となっていた我が家では豚カツなんてものは食べた記憶がなく、洋風のものといったらライスカレーか我が家の前にあった前田精肉店のコロッケだけだった。そのため「カツ」の味わいは子供心に油っこくてうまいかった。
 これが魚のすり身で出来ているのを知ったのは、すでに小学校に上がって買い食いを始めてからのこと。自転車で遠出をしてお腹が空いたために食料品店に立ち寄った。「サンリツパン(これまた食べてみたい。懐かしい)、あったら買(こ)うて食べんで」というのが友との約束。その店にはすぐ食べられるものがなにもなくて、木の陳列だなに見つけたのが「カツ」なのだ。それを仕方なく自転車を押しながら食べたのはうまかった。指に着いた脂をなめて、そのうまさにまだ口寂しい思いをしたんだった。そのとき店のオバサンが勝手に「カツ」は魚で出来ているというのを教えてくれた。なぜ、このような話になったんだろうね。まだ自転車を三角乗りしているような子が、どうも隣町から遠出をしてきたらしいと気が付いて、いろいろ聞かれた記憶もある。これもまた帰郷したらそのときの友に聞いてみたい。
 この「きたぐっつぁん」の「カツ」はどこから来たのだろう? これを教えてくれたのは徳島県阿南市の角元さん。小松島の「津久司蒲鉾」が初めて作ったのだという。たぶん肉が高くて乏しい時代に、肉の代わりに魚のすり身を使い、試行錯誤の末に作りだしたのだろう。また取り寄せでもしてみようかと思うが、なにしろ徳島県人にはあまりに日常的な惣菜。これを取り寄せるのがちょっと恥ずかしいような気がする。
 さて今回画像で載せたのが徳島市中洲市場で買ったもの。楕円の薄っぺらなカツの中身は魚のミンチ、これにぴりっとカレーの風味。このぴりっとしたのが絶妙。表面のパン粉はしっとりと油がまわってザラザラしている。これに甘いイチミツボシ加賀屋のソースをかけて、当然炊きたてご飯のおかずにする。これも忘れてはならない典型的徳島のご飯なのだ。
●この「カツ」の正式名は「フィッシュカツ」という。ただしボクは一度も使ったことがない

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津久司蒲鉾
http://www.tsukushikamaboko.com/
三立製菓
http://www.sanritsuseika.co.jp/comp/
阿南市の橘水産魚市場
http://www.kakuhati.co.jp/top/index2.html
徳島市中洲市場
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/tokusimaken/nakasu.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

平貝には2種あり

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 知らなかったな、まさか市場での平貝(たいらがい)に2種あるなんて。考えてみれば図鑑には答えがあったわけで、それを愚かにも見落としていた。これを教えてくれたのが倉敷市児島の「からこと丸」さんのホームページ。ここには大小のタイラギの画像が載っていてよく見ると表面に筋状に棘がみえる。最初これはハボウキガイかなんかだと思っていて、それで何度も見返して。海の極道さんにも見てもらい、千葉県立中央博物館の黒住先生になんどもケータイを入れて「だいたいどの産地のタイラギにも2種あり、市場にも2種のタイラギがいるはずです」という答えを得た。
 それでデータベースを改めて見直すと貝殻の表面が滑らかで模様がないタイラギと、貝殻の表面に筋状の盛り上がりがあり、ときに棘立つリシケタイラギがちょうど半々にある。またときに混ざっているのも面白い。
 貝柱だけになるとまったく見分けがつかない。微妙な色合いの違いが出てくるが、まあだれも気にしないだろうし、味わいにはまったく違いがない。まあ、貝に興味のある方、蘊蓄好きのお父さんが知って無駄ではないだろう?

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画像は昨年、築地で撮影したもの。これはリシケタイラギ

市場魚貝類図鑑のタイラギへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/uguisugaimoku/tairagi.html
市場魚貝類図鑑のリシケタイラギへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/uguisugaimoku/risiketairagi.html

●岡山県倉敷市児島「からこと丸」のホームページへ
http://www.tamano.or.jp/usr/karakoto/siohigari.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

ウミギク科を改訂

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ウミギクのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/itaya/umigiku.html

掲載種 1767


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

リシケタイラギのページを作成
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/uguisugaimoku/risiketairagi.html

掲載種 1766


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シーフードショー

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 シーフードショーは毎年夏の盛りに、ビックサイトで行われる水産物の展示会です。大日本水産会というまがまがしい組織はまあどうでもいいのですが、一般客も入場できます。ただし高い。まあ尻高鰤さんや田向さんと行くのが無難かな。優待券もあるし。
 会場にはいるとたくさんの水産会社、水産加工業、水産物加工機械、パッケージ、また輸入代理店のブースがあり、なかなか趣向をこらして面白い。また試食も楽しめます。会場で優遇されるのは明らかに買う側のスーパーのバイヤーや経営者で、なかなか会社を背負ってないと説明もそぞろ、あまり相手にされません。でも本来丸のままで見ることの出来ないチリのウニやアラスカの魚などがそのまま見ることが出来るのは最高に面白い。エビの大栄太源ではやはりバナメイが並んでいて、木枯らし平社員さんが東京にいたらよかったと痛感したのも去年のこと。
 去年、一昨年と初日、2日目に行ったのですが、本当はどの日に行くべきか? また今年は水産会社の方で、ぼうずコンニャクにいろいろ案内してくれる方いらしたら、ピーアールもしますのでよろしくお願いしたい。たぶん、今年は時間の都合がつけば尻高鰤さん、田向さんのお尻に付いていくつもり。また一緒に行く方大歓迎です。鮟鱇さんも行きましょう。大勢で行った方がなにかと便利です。

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シーフードショー
http://www.exhibitiontech.com/seafood/


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 しかし、年をとるごとに忙しくなる(これは実質的なものだろうか? ちあみにお金とはまったく縁がない)なんて思いもしなかった。確かに30代なんて徹夜も日常茶飯事であり、机の上で寝たこともある。でも休日は千葉県勝浦の防波堤や磯でのんびり釣り糸をたれる時間はあったのだ。50歳を前にして加速度的に分刻みの生活の時間が増えている。この深夜も2時間ほど机に向かって雑事をこなして、朝っぱらから強烈な頭痛に悩まされている。これは海の極道さん、沼津の飯塚さんなど先輩方に50代の生き方を学ばねばならぬと思う。

 朝方、朝食を作っていると築地の尻高鰤さんからケータイ。2日の木更津のバーベキュー一緒に行きませんか? というのと河合智康さんの死の話。一瞬、「河合……」と思い浮かばないのが真横の本棚に『日本人とさかなの出会い』があり、「イワシの予報官」の河合さんのことだと気づく。押っ取り刀で朝刊を見るとお子さんに奥さんともども殺害されたと掲載されている。これで一気に眠気がさめてしまって、朝食作りは家人とバトンタッチ。河合智康さんは水産関係だけでなく分野を広げて今もっとも良質な本をだしておられる。残念と思うとともに痛ましい。

 朝食を済ませて市場で一時間ほど。いろんな人に声をかけられて、立ち話ばかりしている。八百屋の『ビックリ屋』で家人のために今期初のアメリカンチェリー。

 帰宅は10時。せっせとメールの返信。ブログ・掲示板に悪質ないたずらが相次いでいて、世の中こんなバカがいるんだな、と嘆く。人としてまともに、誠実に生きたらどうだい、大バカ野郎。そうしたら人に悪口を書く暇なんてないだろうに!

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 正午過ぎに外出。よしなしごと8時台に終了。うれしい。あんまりうれしいので四谷の『鈴傳』で立ち飲み2合。高知の「しらぎく」、石川の「獅子の里」ともにウマイ。肴は鶏肝の甘煮、そら豆。これで1800円也。

 帰宅は10時。風呂に入って第一回目の眠りに落ちる。


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