久しぶりの築地である。しかも新年早々、築地場内巡りと「築地で“つきじろうする”」のが目的という豪華版。
さて、場内でのここまでのことは、はしょりまして、場内食堂棟の「かとう」の前に来たら、今回の“築地で外食の案内人”つきじろうさんが店内を睨んで仁王立ちしている。そして新年の挨拶もしないまま、店内に。そこで食べたものは別の機会に書くが、恐ろしい皿数が並んだことだけは明記したい。
ちなみにボクの場合、いつもは場内に入る前には軽く麺類とか、場内売店でパンと牛乳とかで腹を少々落ち着かせるだけにしている。
かなり食べ過ぎの感があって、歩く足取りが思い。ただでさえ体が重いのに大丈夫だろうか?
場内に入る前に「ドライアイスを買い込みますので、ちょっと氷屋に寄ります」と言うと、つきじろうさん「私も寄りたいところがあります」と言うやいなやかけだして、食堂棟『センリ軒』でカツサンドを買い込んでくる。
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この店でトーストとコーヒーという朝ご飯も魅力的だ。
「歩くとき何か食べないとダメなんです」
つきじろうさん、カツサンドを食べながら茶屋を抜け、ターレ(ターレットトラック)や人をヒョイヒョイと避けていく。凄い!
この方意外に運動神経が優れている。しかも場内に入り、振り返るとカツサンドはすっかり消えてしまっている。魔法のようだ。
残念ながら場内は荷が少なく面白いものはほとんどなかった。ここで気になったのが、白ばいである。山口県から大量に入荷してきている。対するに島根県は皆無なのだ。
マダラ、本あんこう(キアンコウ)は素晴らしいものがある。値段の方も、新年なのであまり高くはない。マダラのオス、キロ当たり1800円というのがあり、3キロ程度である。やや小振りなのだが、これは買ってもいい。また場内に1本だけ、バラメヌケを見つける。でも2キロほどの大きさで、キロ当たり4400円には手が出ない。
『中里』という仲卸で「山口県産」と書かれた白ばいがある。しかし中に混ざっているのはやや北方系のエゾボラモドキ、しかもツバイが混ざっている。横から見ると産地は新潟である。この間10秒も立ち止まっていない。しかも店員さんにことわっているにも関わらず、店長らしき人に「どれくらい買うの」と、不快な口調で追い払われる。
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大きいのがエゾボラモドキ、ツバイがひとつ画面下に、後はエッチュウバイもしくはカガバイの若い貝
この店は一般客には優しくない模様だ。ちなみにそのときツバイの混ざり具合によっては「ある程度、買ってもいい」と思っていたのだ。なんだか新年から不愉快な場内巡りとなってしまった。
この日、場内は人が少なく、やや低調だった。だいたい荷が少なすぎる。仲卸半分を見回ったところで荷受けに入り、ちょっと雑談。その雑談、つきじろうさんには退屈だったかも知れない。
場内を大物競り場方面からはいるが、やはり面白いものが見つけられない。唯一、生け簀にセミエビを生かしている店があるが、何度見ても探しているコブセミエビはいない。
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総て大型のセミエビ
また真冬なのに野間池(なんと鹿児島県南さつま市笠沙)からのボラ子を見る。でもそんなにモノはよくない。
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こんなものを見ると、ヒモマキバイさん達が秋に恵洋丸さんから買い求めたのが、いかに正解であったかがわかる。
途中、『イリヤマ斎藤』を探すが迷う。そこで鮟鱇さん(この方、場内の店舗に関しては本当に詳しい。しかもボクのように方向音痴ではない)に『富士恭』の位置を教えてもらって、なんとか史郎さんの元に辿り着く。
相変わらず、史郎さんはリーゼントでピシっと決めている。
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「これに変わりました」
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史郎さんがハンドルを持っているのが“エレトラック”。市場名物でもあるターレ(ターレットトラック)であるが排気ガスが健康に及ぼす影響が問題になっている。そこで電動化が進んでいるのだ。
さて、『イリヤマ斎藤』に行くと「小笠原の魚は来ていない」という、そこで『大音』に回る。
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店先の魚が粒ぞろい、上物が揃っていて思わず買ってしまいたくなる。残念ながら、昼から仕事なのである。『大音』さんにはお年賀のタオルをいただいて、場内を出る。
ボクの場内巡りは、土曜会などのときは一般受けする形をとっているが、一人っきりのときには非常にマニアックなものだろう。そんな場内歩きについてきた、つきじろうさん、少々退屈ではなかったか、不安。
場内食堂棟『大和寿司』には行列が出来ている。でもいつもよりは少ないように思える。海幸橋に向かわないで、駐車場方面から長崎県漁連直売所に。
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壁は少々すすけているが、店頭の魚は素晴らしいし、入江さん他、みなさん元気そう。「明けましておめでとうございます」。言い忘れた新年の挨拶をここに!
新年明けましておめでたいはずではあるが、店内にはいると年末の火災跡が壁を黒くして残っている。でもケースの中は魅力的なモノがいっぱい。新年明けで荷の揃わない場内よりも、今回は明らかに長崎県漁連の方が勝っている。
天然カンパチ、ヒラマサ、平鰺(カイワリ)、ひげだら(ヨロイイタチウオ)、アヤメカサゴ、カサゴ、ウッカリカサゴ、ウスバハギ、カワハギ、ウマヅラハギ、マハタ、コモンハタ。
そんなとき入江さんが「オオグチイシチビキ」であると取って置いてもらった魚がハチビキであることがわかる。さて今回の築地行は魚に関しては“つき”に見放されている。気を取り直して割安であるコモンハタを2500円で購入。
ここに今回の築地市場巡りは終わる。
さて、時刻は11時を回っている。そろそろ「築地で“つきじろうする”」第二段といきますかね、つきじろうさん。
ターレットトラックに関しては朝霞製作所
http://www.marusen.co.jp/know/knowledge.htm
『千代田水産』のページで
http://www.marusen.co.jp/know/knowledge.htm
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/