関東で「白ばい」と呼ばれているものの多くは能登半島以西のエッチュウバイ。
それに能登半島以北のカガバイ、オホーツク海のアニワバイ、オサガワバイが加わる。
圧倒的なエッチュウバイの量からするとその他3種は目立たないし、「白ばい」は一般人はおろか築地場内の仲卸さえ、区別がつかない。
巻き貝、とくにエゾバイ科エゾバイ属アニワバイグループを見分けるには、軟体類の専門家の目、もしくは職人技ともいえそうな能力を必要としている。
ボクは最近、この能力を会得しつつある。
間違いなくアニワバイとエッチュウバイの違いはわかる。
今回のものも築地場内で貝殻の色合い光沢の度合い、形から「オホーツク産」であると予測し、ちゃんと斜里からの荷であった。
アニワバイをどう料理するか、刺身に良し、酒蒸し上々、煮て良し。
なんだけど、今回は天ぷら。
やや重めの衣を受けて、ワタも滑りもとりさったアニワバイを開いて高温の油で揚げた。
衣はやや香ばしく、ネタは柔らかくという揚げ方になる。
このアニワバイの身がなんとも甘い。
甘い甘いと、旨そうには思えないだろうが、軟体類のうまさたるやアミノ酸由来の甘みだとしたら、これこそアニワバイのうまさではないだろうか。
アニワバイグループの良さは熱を通しても硬くなり過ぎないところ。
「白ばい」の天ぷらは、なんど作っても絶品である。
意外に知られていない料理だとは思うけど確信している。
面白いのは、酒のアテにもなるけど、ご飯のおかずにした方がいい。
禁酒の夜なんか、刺身にするよりも天ぷらとなる。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、アニワバイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/aniwabai/aniwabai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
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