食べる貝・イカタコ学: 2007年2月アーカイブ

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 八王子魚市場にキロ当たり3100円の香川産のアカガイが来ていた。取り扱っていた鈴木さんに
「大きさにバラツキがあるね。それでもこの値段?」
 聞いてみる。
「国産は今、高いんですよ。これも大きさが揃わないからこの値段なの。これみてよこんなのがある(いちばん大きいのを計りにのせる)」

 量ってみると350グラムもある。だから1個1085円となる。この大きさでは1個1かんの握りにもならない。半身を使えばいいんだろうか? そこへちょうど通りかかった寿司屋に聞いても
「(半身じゃ)形がきれいじゃないよ」
 横に手を振っていくのだ。これは一個のアカガイを開き、その開いたウネを生かして形を作るのである。半身ではそのウネが出来ないということ。
 発泡の前に座ってアカガイを手に取ると、みな持ち重りがする。これは間違いなく刺身にしてうまそうである。お金があるときなら好奇心に駆られて買ってしまっただろう。
 でも1個1085円のアカガイは買いだろうか?


市場魚貝類図鑑のアカガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/funegai/akagai.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 船橋を本拠地として八王子魚市場に店を持つ『源七』、本来は千葉県産のアサリなどを扱っている荷主でもある。だから東京湾三番瀬のアサリやサルボウ、アカニシ、千葉市蘇我のトリガイなどが季節季節に店頭を飾る。そこにここ10年くらい頻繁にやってくるのがホンビノスガイである。これは本来アメリカに棲息するもの。たぶん船のバラスト水なんかに幼生が紛れ込んで日本各地に広がったもの。本来ハマグリなどが棲息していた地域に汚染が進み、多くの二枚貝や生物が消えてしまった。そこに汚染に強い本種が進入してしまったのだろう。また、これだけのホンビノスが船橋周辺でとれるというのは、東京湾がきれいになった証拠かもしれない。
 とにかくアサリに混ざってとれてしまうホンビノス、かなり大きくなるし見た目もうまそうだ。とれているんだから食べないと言う法はない。と船橋ではいろいろ試行錯誤をしている。茹でても、青柳(バカガイ)のように半生でも、そこそこイケルが、もうひとつ味わいに個性がない。そこで『源七』社長でそれこそ貝の中で育ってきたという、吉種登さんが「佃煮にでもしてみっけ」と最近商品化に踏み切ったのである。
 これはなかなかうまいのだ。しょうゆと砂糖で「さささーと煮るんだ」とせっかちな老人は言ってくれるが、なかなか貝の佃煮は作るのが難しい。だから登老人が作り始めると煮上がるのを待っている。そしてできたてをちょいと頂いてくるのだ。やっぱり貝を扱って六十有余年になると佃煮の味もそんじょそこいらのとは違っている。うまいな『源七 ホンビノスの佃煮』は。
 そう言えば登老人、最近「白はまぐり」と呼ぼうかな? なんて言っているが出来れば販売するときにはカッコをつけて(ホンビノスガイ)とどこかに入れないとダメだよ。

市場魚貝類図鑑のホンビノスガイへ
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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