食べる貝・イカタコ学: 2008年12月アーカイブ

KAKINABE081212.jpg
●クリックすると拡大

 最近市場でみかける日生産の小粒ガキ。
 これがやたらにうまい、ついつい買ってしまう。

 備前市日生町は隣はもう兵庫県赤穂で、岡山県でもっとも東に位置する。
 島と複雑な入江が、豊かな魚貝類を育てるのだろう。
 全国的にも有名なカキの産地となっている。

KAKINABEHH081212.jpg
●クリックすると拡大
この小さなパックマガキがうまい。

 仕事を終えて帰宅が11時半。
 小腹がすいているし、軽くいっぱいやりたいところ。
 さて、冷蔵庫に1パックの生ガキ。
 生食用だけど、すでに夜遅い時間なので鍋に仕立てる。
 ねぎをたっぷり刻んで、マガキを大根おろしで洗う。
 日本橋にある新潟県アンテナショップで買い求めた麹の多い甘口米味噌。
 これを酒と味醂でねり、少量の昆布だしを加える。
 鍋は業務用の最小のもの。
 弱火に掛けて置いてシャワーを浴びるのだ。

 さっぱりしたら、小鍋がぐつぐつと煮えている。
 酒のアテなのでここにカキを全部放り込み、すぐに刻みねぎも盛り上げるようにする。
 この甘味のある味噌とカキのなんと相性のいいことか?

 カキには適度な渋みがあり、その渋みがあるから甘さが感じられる。
 また甘味と渋みにふっくらした身の食感。
 これらが相まってマガキのうまさとなっているのだ。
 マガキとみそ味の汁とねぎを一緒くたに、れんげですくいながら食べていく。

 合わせるのが多摩自慢の本醸造。
 ぬる燗にして二合ほど。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マガキへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/magaki.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

ツバイはうまいよ!

0

tututututbai081141.jpg
●クリックすると拡大

 エゾバイ科の巻き貝にはエゾバイ属とエゾボラ属があって、前者は刺身にもなるが主に煮ものに、後者は煮ものにもなるが主に刺身になる。
 ともに煮ても刺身でもうまいのだけど、エゾバイは刺身にして柔らかく、煮て柔らかい。
 エゾボラ属が煮ても刺身にしてもコリコリしているのとは大きな違いである。
 柔らかいのが好きか、コリコリしたのが好きなのか、これは人それぞれである。

 さて、最近煮てうまい巻き貝というと関東の市場に氾濫するが如く、また欠かすことの出来ないものとなっているのがエゾバイだ。
 市場ではもっぱら「磯つぶ」と呼ばれている。

ezobai081010.jpg
●クリックすると拡大
これが「磯つぶ」と呼ばれるエゾバイ

 これがまことにうまいのだけど、それに匹敵して、柔らかさの点で上回っているのがツバイなのだ。
 島根県では揚がってくるものが黒く汚れているので「黒ばい」なんて呼ばれる。
 関東では小振りのエッチュバイと一緒くたになって「白ばい」。
 なんて対照的な呼ばれ方なんだろうと、人の印象づけられ方の多彩さに呆れる。

 エッチュウバイが殻長(高さ)20センチ近くなるのに対して、こちらはせいぜい5〜7センチほどの小振りのバイである。
 小振りだから煮る、酒蒸しにするなどに向いている。

 今回のものは八王子綜合卸売協同組合『マルコウ』で見つけた産地不明のもの。
 面白いことにツバイの頭はいつもだいたいはげている、はげて頭がちょん切れていたりする。
 めったにきれいなのにはお目にかかれないのだ。
 そんなべっぴんさんのツバイだったから買い求めた。
 これほんまにツバイなんだろうか?

 撮影して、よく見て、眺め回す限り、やはりツバイに違いない。
 醤油と酒で煮あげて食べても、やはり甘味があってうまい。
 この柔らかくて甘味のある端正な味わいはツバイ以外ではありえないのだ。

 島根県では近年ツバイの水揚げが減っているという。
 エッチュウバイよりも深いところにいるのだけど、地域によっては幻の貝だね、なんてことになっている。
 そのためだろう、市場でもあまり見かけない。
 見かけたら、絶対買って食べて欲しい巻き貝のひとつだ。
 
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ツバイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/buccinum/tubai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、エゾバイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/ezobai/ezobai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

magaki081010.jpg
●クリックすると拡大

 八王子総合卸売センター『さくら』で話し込んでいると、カキフライが出てきた。
 ボクはけっしてお客じゃない。
 敢えて言えば、店にとっては迷惑極まりない怪しい存在だ。
 この日も、場所を借りて仲間と話し込んでいただけなので、つくづくすまないね、と思いながらカキフライを口に放り込む。
 今年は慌ただしくて、これが何度目のカキフライなんだろう。
 ひょっとしたら初物ではないだろうか?

 まるで洋食屋のように盛りつけられたカキフライ。
 脇にあるのは自家製のソースではないか。
 揚げたての香りに、誘われるように箸がでる。
 かりっと揚がったパン粉が香ばしい。
 そしてなかから、濃厚な旨味の塊とかしたマガキの剥き身。
 カキフライはフライとスープを同時に食べているかのごとき料理なのだ。
 その味わいは複雑で芳醇である。
 けだし、まささんの揚げ方の絶妙であることよ。

「まささん、カキフライって品書きにあったかな」
「ないよ、ウチは中華だから」
「じゃあこれは賄い(夫婦の食事用)なの」
「頼まれればお客にも出すけどね」

 中華料理屋のオヤジがつくったカキフライが、そのへんの洋食屋で食べるものよりも断然うまいなんて、困ったものだ。
 とは思いながらも、お代わりが欲しくなるほどうまい。
「まささん、お代わり」
「いやだよ、オレら夫婦の分がなくなるでしょ」

 さてさて、今年の師走も猛スピードで日付が替わっていく。
 すでに旬日が過ぎてしまっているのだ。
 気がついたら2009年になっていたなんて、そんなこともありえそうだ。
 雑木林の階段を登ると、カサカサと落ち葉の音がする。
 よく見ると灌木で裸木となってしまったものがある。
 毎年この早く葉を落としてしまう木の名前が知りたいと思う。
 思いながら、調べ忘れて、また次の年もそんなことを考える。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マガキへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/magaki.html
八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

月別 アーカイブ

このアーカイブについて

このページには、2008年12月以降に書かれたブログ記事のうち食べる貝・イカタコ学カテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブは食べる貝・イカタコ学: 2008年11月です。

次のアーカイブは食べる貝・イカタコ学: 2009年1月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。