食べる貝・イカタコ学: 2009年9月アーカイブ

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磯遊びは楽しい。
ボクなどもっとも興奮するのが磯に出たときだろう。
思わず我を忘れて、息苦しくなる。
磯にひそむものが膨大にある。
実は磯遊びの経験をつむほど、磯の生き物の多彩さが見えてきて、そして何度も何度も圧倒されて、そのうち気持ちよくなる。

さて、その膨大な生き物にはカニやエビといったわかりやすいものから、プラスティックの破片に見えるもの。
色付きの泡(あぶく)のようなものや、岩と見分けのつかないもの。
非生物と生物の区別すら難しいものがいっくらでも存在するのだ。
そのひとつがオオヘビガイだ。

磯の岩場に管状のくねくねしたものがある。
楊枝ほどの太さから、子供の箸くらいのもの。
その楊枝くらいのものを、何かで壊してみる。
中から出てくるのはミミズのような生き物だ。
これは環形動物といって確かにミミズの仲間ともいえる。
そして子供の箸くらいのを壊すと、なかなか出て来ないけど生き物らしい存在を見る。
壊さないで潮の満ちてくるのを待とう。
なかからカタツムリの頭のようなものが、ゆらゆらとヒモ状の唾液のようなものを出す。
これが巻貝の仲間なんてわかる人はいないだろうね。
今回の主役のオオヘビガイなのである。

実は伊豆半島なので夜釣りをする。
真夜中に釣りどまり(釣れない時間)がくる。
そんなときにみそ汁を作るのだが、コッヘルに放り込むのは海藻(ワカメなど)、磯の巻貝(ニシキウズガイ類)やカメノテ、そしてこのオオヘビガイなどである。
このみそ汁がうまいのだけど、ゆでて軟体(中身)を食べてみようなんて考えたことがなかった。

それを今回オオヘビガイを送ってくれた、日美丸さんの棲む広島県倉橋島では食べているのだという。
倉橋島での呼び名が「吸い口」。
長い管状なので軟体部分がなかなか出て来ない。
管の反対側を壊して、空気が通じるようにして、片側から吸い出して食べる。
それで「吸い口」と呼ばれるのだという。

面白そうなので、酒蒸しにして、吸い出してみる。
これが思ったよりも難しい。
でも思案することもない。
楊枝でつつきだすと、それほど面倒でもなく出てくる。
この軟体がなかなうまいのだ。
思ったよりもたっぷりだし、管状のなかから出てくる汁とすすると、甘みがあって、旨味が強くて、磯の香りがある。
こんな食べ方、知りませんでした。

まことに日美丸さんには感謝!

広島県倉橋島、日美丸へ
http://ww5.enjoy.ne.jp/~kogera0401/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、オオヘビガイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/bansokurui/hebigai/oohebigai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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落語でいう小話をおひとつ。
秋の夜長の、深夜となりまして。
ちょっと酒の肴が欲しいなんてことになりまして。

冷蔵庫にありましたものが、スルメイカの胴半分、倉橋島日美丸さんにいただきました麦みそ、海老名の海老さんにこれまたいただきましたる柚。
疲れて帰りましたもので、シャワー前に、1分と経たない間にアテを作りたい。
スルメイカをとんとんと切り、ささっと炒りつけて、出来上がり。
酒は本醸造を冷凍庫で冷やして、シャワーを浴びる。

お湯をあびた火照りを冷ましながら朝刊を読みまする。
八ツ場ダム、いろいろ揉めていますな。
地域のこれまでの経緯はいろいろあれど、古里をまったく無意味にダム湖に沈める。
こんな状況に追い込んだこれまでの政府はダメでしょう。
ダムを作る余地のない他の地域はどないするの。
このつまらない自然破壊に、福祉もこれからの世代へのあてがいも総て犠牲にしてしまう。
ダムを作る条件を満たした地域のわがままで、国内の多くの人を不幸にしたらあきません。
政権を失った自民党って、ものすごく大きな犠牲にもかかわらず、窒素をかばった水俣病の頃からなんら成長していない、怖いですね。
恐れ、おののきますね。
このダム計画で不幸になった人たちに篤い手当をしても、国民のひとりとしてゆるせます。
でも最低限、無駄なダムでも公共事業でも無理強いした方たちには、お詫びの言葉が欲しい。

さてダウンするまでのひととき、桂米朝の落語話などを読みながら青磁の碗にいっぱいの酒を飲む。
炒りましたるスルメイカに柚をたっぷり搾り、麦みそをからめからめ食べる。
秋らしく、ひとり酒盛りで酒二合。
外からは切れ切れにコオロギの声。
今年は急速に秋が来てますね。
五十路男の寂しいときなんです。
かんてきで燗つけて、くれるひとの欲しい今日この頃でありまする。

作り方
1 スルメイカの胴の部分を縦に適当に切る。
2 テフロンフライパンでから煎り。
3 火がとおったらみりんをかけ回して火をとめる。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、スルメイカへ
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巻貝の形は多様だ。
普通巻貝らしい巻貝であるアッキガイ科にアワビモドキがあり、これなどお椀を伏せたような格好をしている。
「磯のアワビの片思い」のアワビも巻貝には思えない。
そして極め付きがカサガイの仲間だろう。
まったく巻くのをやめて、すんなり陣笠の形になってしまっている。

さて、この奇妙なカサガイ、どこにいるかというと、海辺に出ると、どこにでも見つかる。
岸壁、磯など、波打ち際に出るとまずカサガイが目に入る。
そのどれもが食用なのだが、意外に知られていない。
まあ資源的には人気が出ても致し方ないだろう。
なかでもマツバガイは大きくなる。

松葉貝というのは、筋状の松の葉の文様があるからだが、彩りといい、大きいことからも、ついつい食べてしまいたくなる?
この貝との出合いが衝撃的だった。
千葉県外房の防波堤でクロダイ釣りをやっていて、底潮のとき近所のオバアサンが張り付いたマツバガイを取りにきていた。
「どれどうやって食べるんですか?」
と聞いたら、いきなり貝殻から外して、食えというのだ。
ワタを海水で洗ったものだろうが、完全ではなく生臭かった。
よく洗えばいいのだ、とわかるのはかなり先のこと。
みそ汁のうまさをまずは知って、夜釣りのときによく作ったものだ。

さて、倉橋島ではいかなる食べ方をするんだろう?
聞こうとして、忙しすぎて、聞けなかった。
だから最初に戻れ。
と刺身にしてみる。
貝殻から外してワタをとり、塩をまぶしてぬめりをもみだす。

これをコリコリと噛み締める。
塩とスダチで、これが非常にうまい。
そんなにたくさん食べたいものでもないが、磯のほどよい香り、甘みもある。

辛口の本醸造を片手に、倉橋島の磯は面白いだろうなと思う。
日美丸さんが、忙しいなかマツバガイをひっぺがしてくれているのが、目に浮かぶようだ。

日美丸
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マツバガイへ
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