市場図鑑・市場案内: 2006年4月アーカイブ

 場内はいると北海道茅部郡森町噴火湾「ハマグチ」からのばふん【エゾバフンウニ 山形県、福島県以北に棲息する。非常に高価。市場では「赤」】、またモーリタニア産カラコロールの煮貝がある。このカラコロール、アッキガイ科だとは思うが現物を見たことがない。

 マアジ【日本各地に棲息。長崎、日本海側のもの、五島、対馬、壱岐、山口が産地として有名。「関あじ」は特種なもの。これから夏までが旬。安くてうまい】がずらりと並んでいて、福井、京都、長崎県。

fukui.jpg

市場魚貝類図鑑のマアジへ
http://www.zukan-bouz.com/aji/aji/maaji.html

 銚子からは見事なアコウ【フサカサゴ科メバル属の深海性の魚。青森から静岡県の太平洋側でとれる。価格は高値安定で、うまいうまい魚】。たしかこれからアコウの産卵期にあたるはずで入荷が増えてくるのではないか?

akoudai.jpg

市場魚貝類図鑑のアコウへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/mebaru/akoudai.html

『源七』には岩手県宮古市からマコガレイ【北海道南部から九州大分県、東シナ海などに棲息。産卵期は冬であり。暖かい時期が旬。これから味がよくなってくる。値段はやや高め。活けは非常に高価】。

miyako.jpg

市場魚貝類図鑑のマコガレイへ
http://www.zukan-bouz.com/karei/karei/makogarei.html

 兵庫県香住、「共進丸」からムシガレイ【噴火湾以南の太平洋岸、日本海、東シナ海、黄海に棲息。やや深い場所にいるもの。ヤナギムシガレイとともに焼き物用に使われ高価】。うっすらと真子が見えるのだがうまそうな!

musigarei.jpg

市場魚貝類図鑑のムシガレイへ
http://www.zukan-bouz.com/karei/karei/musigarei.html

 また見事なケンサキイカ【本州中部以南から東シナ海、南シナ海に棲息。日本海では「だるま」、「しろいか」。関東では「赤いか」。釣りの対象としても人気がある。高価なイカ】。「あんちゃんどこのだい?」と聞くと。
「どこのだろうね。萩とかあっちじゃないの。でもいいだろ。キロ/3000円だぞ」
 見れば見るほどいいケンサキイカなので1匹(200グラム)を600円で購入。

kensakiika.jpg

市場魚貝類図鑑のケンサキイカ
http://www.zukan-bouz.com/nanntai/tutuika/kensakiika.html

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には根室からきんき【キチジ 駿河湾以北に棲息。市場では北海道、斜里、根室、青森などのものを見かける。非常に美味、そして高価】。

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』には北海道羽幌からイバラモエビ【鳥取以北に棲息。鳥取では「五月えび」、新潟、石川では「鬼えび」。入荷の少ないもので高価なもの。ときにロシアなどからの輸入もみる。非常に美味】。

ibaramoebi.jpg

市場魚貝類図鑑のイバラモエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/moebi/ibaramoebi.html

 久しぶりに八王子綜合卸売センター『市場寿司 たか』でイバラモエビ、ケンサキイカの握りを撮影。ともに感動的なうまさ。たかさん、あまりのうまさに泣いてしまう。年をとると涙もろくなるんだね。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 朝から慌ただしく雑事をこなしていて八王子魚市場には9時前に到着。
 鈴木さんのところに、ばふんうに【エゾバフンウニ 山形県、福島県以北に棲息する。産卵期は夏から秋。この時期に禁漁期がある。また北海道でのウニの生産量は我が国の半分にのぼり、生食用のウニの多くが北海道産。非常に高価なもので、むいたものは「赤」と呼ばれる】があって見ていると、「噴火湾産だってよ」と鈴木さんから声がかかる。

ezobafunnn.jpg

市場魚貝類図鑑のエゾバフンウニへ
http://www.zukan-bouz.com/sonota/uni/ezobafununi.html

 岩手県大船渡市赤崎で森栄喜さん(この名前めでたい)がとった小振りの天然がき【マガキ 日本全土。養殖物が多くをしめるマガキだが、近年、天然物に付加価値をつけての出荷が目立つ】、バルダイ【オオズワイガニ オホーツク海やベーリング海に棲息。日本近海にはいない。ズワイガニ同様美味】、日本海からのばらいか【スルメイカ 小さくて形が揃わず、ばらばらに箱詰めされてくる。相模湾などでは「麦いか」】、京都府舞鶴、和歌山県有田市(ありだし)、九州長崎などからマアジ【日本各地に棲息。市場では定番的な魚】、長崎県佐世保からイサキ【本州中部以南に生息する。初夏が旬であり、市場では「夏の魚」とされる】、ワカサギ、スズキ、マコガレイ。

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』からは黒ばい【バイ 北海道南部から、九州、朝鮮半島まで棲息。「黒ばい」とは日本海での呼び名。有機スズなどのインポセックスで減少が見られたもの。近年高値が続いているが、それをある程度で抑えているのがインド洋、台湾などからの輸入もの】。

baibai.jpg

市場魚貝類図鑑のバイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/balylonia/bai.html

 また千葉県富津からアカガイ【北海道南部から九州、朝鮮半島、ロシア、中国、東シナ海などの干潟や浅い場所に生息。江戸前握りにはなくてはならないネタ。高い】、貝殻が壊れてしかも形が小さい。これは明らかに底引き網でのもの。富津や木更津のアカガイは貝殻が薄く思えるが気のせいだろうか?

akagaiff.jpg

市場魚貝類図鑑のアカガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/funegai/akagai.html

 八王子綜合卸売センター『ビックリ屋』には菊の葉。滋賀県坂本から名がきた坂本菊(花)やこれは愛知県豊橋市からの葉。明らかに食べられない刺身の妻。

kiku.jpg

 市場にはツバメが飛び交い、どこから来たのか大型のイトトンボ。

tonbo.jpg


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 布団に潜りこんだと思ったら朝だった。そしてクルマに乗り込んで八王子魚市場に到着したのが7時半過ぎ。『源七』では、ばかっけ【バカガイ 都内では青柳】を茹でている。それを見て場内に。

 入り口近くに北海道噴火湾からのキタムラサキウニ【北方系のムラサキウニ。今ではムラサキウニと言えばほとんどがこれ。むいて弁当箱につめたとき「白」と呼ばれ、「赤」エゾバフンウニと区別される。入荷は早春から夏。旬は5〜7月】。みるとよく身【生殖巣】が詰まっている。うまそうだが、まだ高い。

kitamurraasa.jpg

市場魚貝類図鑑のキタムラサキウニへ
http://www.zukan-bouz.com/sonota/uni/kitamurasakiuni.html

 ホタテの稚貝【養殖ホタテの間引きだと思われる。これをみそ汁や酒蒸しにする】、メダイ【北海道以南のやや深い場所に生息】、ビンナガマグロ【世界中の亜熱帯、温帯を回遊。ツナ缶などにされるほか、「びんとろ」として刺身も人気】、マガレイ【東シナ海、沿海州、日本海、千葉県以北に棲息。もっとも入荷量の多いカレイ】。

 北海道山越郡八雲町「ヤママル勇内山鮮魚店」からバカガイ【オホーツク海から九州、中国大陸まで広く干潟などに棲息。比較的値段の安い二枚貝。江戸前握りでの「青柳」は千葉の地名】。北海道のバカガイは大きいのだが、今回は比較的小振り。やはり北海道ものならデカイほうがいいな。

bakabakabai.jpg

市場魚貝類図鑑のバカガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/bakagai/bakagai.html

『源七』で茹でばかっけ【バカガイ】を買って八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合に向かう。

 八王子総合卸売協同組合「光陽」で姫はラーメン、レバニラ炒めで朝食。疲れているときにはやっぱりレバニラ炒めが効く。

 そして『三恵包装』でお菓子。八王子総合卸売協同組合『河村青果』で熊本県八女の竹の子、米ぬかは『日本堂』。

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には北海道から八角【トクビレ 東北以北に棲息するカサゴ目トクビレ科の魚。トクビレ科ではもっとも大きくなる】がたっぷり。札幌の「北海いずみ水産」という荷主からきたもので大小オスメス混ざって値段が安いので購入。ちなみに八角はオスの呼び名。

hakkaku.jpg

市場魚貝類図鑑のトクビレへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/tokubire/tokubire.html

 八戸の「マルゲン水産」からは吉次【キチジ この「きちじ」というのは福島宮城、岩手、青森などでの呼び名。昔はかまぼこの原料になるくらいとれたという(一説には釜石の笹蒲鉾の原料にもなったという)が今では貴重品。市場ではもっとも値の張る魚】。土曜日なので『高野水産』の混み具合凄まじく、太郎が初めて魚を卸すのだというのでスズキを買い帰宅。

marugenkitiji.jpg

市場魚貝類図鑑のキチジへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/kitiji/kitiji.html

 香川から天然マダイ【北海道以南に棲息。春が産卵期】、北海道からアツエゾボラ【銚子以北、北海道に棲息。市場ではBつぶ】。
 さて、今週は荷は少なくなかったもののめぼしいものに欠ける一週間であった。そのため寿司図鑑のネタも増えず。寿司図鑑作成では竹の子生活が続き、在庫もそろそろ尽きてきている。
 結局、八王子綜合卸売センターを出たのが9時過ぎ。大急ぎで帰宅。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 長閑な春日より。そんな晴れやかな朝に重い頭を抱えて市場に向かう。
 八王子魚市場、特種に長崎県佐世保からコモンハタ【南日本に棲息する中型のハタで美味なもの。ハタであるので当然高い】。

komonhata.jpg

市場魚貝類図鑑のコモンハタへ
http://www.zukan-bouz.com/hata/mahata/komonhata.html

 千葉県御宿からは活け締めすずき【スズキ だいたい50センチ以上。日本各地の沿岸に棲息。昔は淡水で生かせるために、保存性がよく高い魚であった。ただし今では値が落ちている。安くてうまいのだからもっと食べられていい】。神奈川県から、せいご【スズキ 30〜50センチほど】。これからが旬であり、入荷も増えてきている。

suzuki.jpg

市場魚貝類図鑑のスズキへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/suzukika/suzuki.html

 高知県からキンメダイ【北海道東部以南の太平洋側。インド洋、大西洋、また南半球にも棲息する。産地は千葉県、静岡県、高知県など】、山口県萩市から白ばい【エチュウバイ 日本海に棲息】、茨城県鹿島灘から地はま【チョウセンハマグリ 鹿島灘以南の外洋に面した砂地に棲息。やはり減少しているもので値段は高い】、みるがい【ミルクイ 北海道から九州、朝鮮半島の潮間帯から水深20メートルの砂泥地。東京湾でも健全で江戸前ずしの代表的ネタ。高価】。
 鈴木さんと立ち話をしていたらマグロ担当のムッシュが冷凍メバチの切り身を持ってきてくれる。一切れ食べたらうまい。久しぶりにいい「ばち」である。

batibati.jpg

市場魚貝類図鑑のメバチマグロへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/maguro/mebatimaguro.html

『海老辰』にまわると青森から、かき【ミネフジツボ 瀬戸内海、三河湾、浜名湖などにも棲息するが、本来は寒海のフジツボ。青森県だけで食べられていたものだが、現在は関東の市場でも見られる。非常に高価】。

 八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合とも同様の品揃え。
 八王子綜合卸売センター『ビックリ屋』には、鹿児島県からはんだま【水前寺菜、金時草などとよばれるもの。「はんだま」は沖縄での呼び名】。石川県金沢で買うと高いものが、八王子魚市場では2束100円。

handama.jpg

 帰途、旗野農園にはサンチュ【かきちしゃ 葉を手で摘みながら収穫するための「ちしゃ(レタス)」の仲間】、そして今期初めてのトマトが出ているがキズトマトしか残っていない【現在のトマトの旬は4月、5月である。これは涼やかな地方で生まれたトマトにとっていちばんいい季節なのだ。よく真夏のトマトはうまい。または昔のトマトはうまいなんて言う人がいるが、正しいとは思えない。当時のトマトの品種は少なくポンテローザなどなのだが今食べてうまいかどうか疑問。ちなみに旗野農園は無加温】、そしてこれも旬のイチゴ。たっぷり野菜を買い帰宅。

tomatto.jpg


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 風が強い。芽吹いたばかりの雑木林をぐんぐん押さえつけるような風。そこにありとあらゆる花が咲き始めてきている。冬寒く、夏熱すぎる多摩にあってももっとも美しい季節が近づいてきている。
 そして殺風景な市場に向かう。八王子魚市場、平がい【タイラギ 福島県、日本海中部以南に生息する大型の二枚貝。貝柱を食べる】、ほっきがい【ウバガイ 千葉県九十九里、日本海北部以北に棲息する】、マガキ、アサリ。
 近海には愛媛県宇和島からゴマサバ【北海道南部以南。巻き網などで漁獲する。主にさば節や加工品にして価値があるが、高知県など一部で刺身にもする。季節によっては美味。値段は安い】。

gomaaba.jpg

市場魚貝類図鑑のゴマサバへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/gomasaba.html

 四十物【塩干、加工品などを扱う】には「男前豆腐」。

『源七』には茹で青柳【バカガイ 船橋では「ばけっかい」。オホーツク海から九州、中国大陸。干潟に棲息する二枚貝で比較的安い】。これはバカガイの最盛期に船橋に本拠を置く『源七』で作ってくるもの。これがうまい。また、これが来ると春たけなわを感じる。

bakagaiyude.jpg

市場魚貝類図鑑のバカガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/bakagai/bakagai.html

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には三河からオニアサリ【北海道南西部から九州、朝鮮半島、中国。あまり食用にする二枚貝ではないが近年入荷が見られる。貝殻がきれいで大きいので出荷してくるのだろうが、食べると渋いというかピリピリする】。これを少しいただく。

市場魚貝類図鑑のオニアサリへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/marusudaregai/oniasari.html

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』ではクマゴロウが生の本まぐろ【クロマグロ 太平洋北半球の暖海域、大西洋の暖海域を回遊している。マグロ属の中でも漁獲量の少ないもの。非常に高価】を解体中。大きなクロマグロを卸すにクマゴロウが使うのは小さな柳刃。まったくこんな芸当をやれるのはクマゴロウひとり。ちょっと見物だ。

kumagorou.jpg

市場魚貝類図鑑のクロマグロへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/maguro/maguro.html

 またなぜかぽつんとイガグリガニ【房総半島から九州南部の深海に棲息するタラバガニ科の甲殻類。小型で棘だらけなので食べるのは大変だが美味。深海底引きのある産地では食べることが出来る】。同時に、ごそ【ハシキンメ 「ごそ」は沼津での方言。太平洋側の深海に棲息する。深海をひく底引きで漁獲される。美味】がきているので沼津からきたもの。

igagurigani.jpg

市場魚貝類図鑑のイガグリガニへ
http://www.zukan-bouz.com/koukakurui/tarabagani/igagurigani.html

 八王子総合卸売協同組合『三恵包装』で伊藤園の「お〜いお茶」を買い、八王子綜合卸売センター『ビックリ屋』でカボチャ、絹さや。

『市場寿司 たか』でオニアサリの握りを撮影。軽く茹でて握りにしたのだが、やはり少しピリピリする。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

hajounai.jpg

 場内に入ると、久しぶりに荷が揃っている。ダイちゃんのところに三重県紀北町(旧海山町)島勝港「中良」から黄めじ【キハダマグロの子供。日本では太平洋側、世界中の温帯熱帯域を回遊している。一昔前までは関西で「真しび」と呼ばれ好んで食べられていた。現在はクロマグロ、メバチマグロなどと比べて評価が低い。この小型の黄めじはフレンチでシュエするとうまい】。これがキロ/600円は安い。でも考えた末に買って帰るのを諦める。

kimeji.jpg

市場魚貝類図鑑のキハダマグロへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/maguro/kihadamaguro.html

 特種には北海道檜山から大きいサクラマス【市場では「本ます」。非常に美味】。
 千葉県銚子からは見事なアカムツ【日本海秋田から、太平洋福島以南のやや深海に棲息する。刺身、焼きもの、煮ても非常に美味。入荷量の少ない高級魚。日本海側では「のどくろ」と呼ばれることが多い】。これがキロ/4500円だが、これはお買い得。特種の坂本君、君は偉い。

akamutu.jpg

市場魚貝類図鑑のアカムツへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/suzukika/akamutu.html

 大きいマイワシ【北海道から南は台湾まで。日本では琉球列島をのぞいて棲息する。漁獲量に周期性があるとされ、現在は不漁期にあたる。ただし不漁と言っても生鮮品として流通に事欠くということではない。本来魚粉などの原料として産業種だったものが、成り立たなくなっただけ。養殖魚の飼料としても重要だったもので、現在のブリなどの養殖飼料はいったいなにを使っているんだろうね】が特種の端っこにあり、これがキロ/3000円。マイワシは産卵期にあたり、もっとも漁の減る時期。この時期にマイワシを食べるというのは庶民には出来ないことだ。

maiwasi.jpg

市場魚貝類図鑑のマイワシへ
http://www.zukan-bouz.com/nisin/maiwasi.html

 四十物【「しじゅうある」ことから加工品を差す。本来は「相物」、もしくは「間物」。例えば漁期と漁期の狭間に干物や乾物でしのいだことに由来する。服などの「間物」に通じる】売り場に久しぶりに山形県尾花沢の「だしっ」。これも季節を感じるものだ。

 繋がる別棟に歩いて『海老辰』には巨大なみるがい【ミルクイ 北海道から九州、朝鮮半島などに棲息。水管を刺身、寿司ネタなどにするもの。二枚貝ではもっとも値の張るもの】。

『源七』には産地不明ながら脂ののっていそうなイサキ【本州中部以南の暖かい海域に棲息。初夏が産卵期であり、これから旬を向かえる。美味な魚で、しかも値段はほどほど、お勧めの魚だ】。これがキロ/1700円。一本300円ほどで迷わず購入。お姉さんに1円負けていただいてありがとう。

isaki.jpg

市場魚貝類図鑑のイサキへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/isaki/isaki.html

 また産地不明ながらエゾボラモドキ【鹿島灘、丹後半島以北に棲息する刺身用の「つぶ」の仲間。(「つぶ」、エゾバイ科Neptunea属にはエゾボラ、チヂミエゾボラなどがある。唾液腺にテトラミンという毒を持つのが特徴)このエゾボラモドキは市場で「Bつぶ」と呼ばれるもの。刺身で美味】。「あんちゃん、産地思い出してよ」というと「船橋産だっていってんだろ」だって。まあ荷の作り方からして福島産かな。

ezoboramodoki.jpg

市場魚貝類図鑑のエゾボラモドキへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/ezobora/ezoboramodoki.html

 八王子綜合卸売センター『高野水産』の前で山梨の『双葉寿司』さんと山梨の仲卸のことで立ち話。
『高野水産』に富山から白えび【シラエビ 日本海、相模湾、駿河湾などで見られる。かき揚げに、手で身を取りだして刺身にもする】。

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』には見事なキンメダイ【釧路以南の太平洋の深海に棲息。関東では伊豆半島稲取、千葉県銚子、勝浦などが有名。脂のある白身で煮つけにされる魚であったが、近年刺身にされる。うまいぞ】。

kinme.jpg

市場魚貝類図鑑のキンメダイへ
http://www.zukan-bouz.com/kinmedai/kinme.html

 八王子総合卸売協同組合『代田清水屋』で2.2ミリのスパゲッティを探すが、「どこにもないよ、そんなもの」だと言われて2ミリのものを4キロ買ってくる。「2ミリだって使う人少ないんだよ」だって。八王子綜合卸売センター『ビックリ屋』でブナジメジ、青じそを買い帰宅。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 駐車場への階段を下りていくと、雑木林は浅黄に染まっている。これから5月にかけて季節は急ぎ足になる。当然、海の状況もいちばん変化する時期。市場に行くのが楽しいのである。
 それで入った八王子魚市場場内。貝の売り場はさすがに「貝春」というごとく楽しい。
 三重県鳥羽市からデカイ平がい【タイラギ ハボウキガイ科の大型の二枚貝。福島県、日本海中部以南の泥の海底に突き刺さるように棲息。主に貝柱を食べる。当然プロが見るのも貝柱の大きさ、決して貝殻の大きさではない。値段は安くて350円前後、高いと1000円を超える。貝柱1個の値段と思って考えるに高いものだ。ホタテは甘い味わいでクセもない、これに対してタイラギには微かな渋み苦みとともに独特の風味がある。このクセがホタテよりも値を高くしているのだ。寿司ネタにして最高にうまい】。1枚550円(これはあくまで卸値)。

tairagisa.jpg

市場魚貝類図鑑のタイラギへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/uguisugaimoku/tairagi.html

 鹿児島県阿久根市「マルホ せいうん水産」からキビナゴ【相模湾以南に棲息するニシン科ウルメイワシ亜科の小魚】の刺身。このきれいに開いたキビナゴの刺身は意外に便利でうまい。当然生を開いた方が上だが、こんなものを夕食に1パック買うのもいいのでは。近海、特種ともに荷は少ない。これは荒天のためである。

『源七』の店の入り口に、いちご【ツメタガイ 千葉県船橋では「つべた」ともいう。北海道南部以南の浅い砂地に棲息する。アサリなどを襲って食う肉食貝で、しかも値のつかないものなので漁師には嫌われている。茹でて、煮て美味】。
 奥に入ると、あんちゃんがなにか塩ゆでにしている。
「アカガイのワタだよ。うまいぞ」
 というので茹で上がりをつまむ。アカガイ【北海道南部以南、朝鮮半島、中国などに棲息。近年国産物は少なく、市場で見かけるのは中国か韓国のもの。値段は高い】は産卵期前でもっとも味のいい、身の太ったとき。切りとったワタと身がぷっくら膨らんでいる。これがうまいんだな。ワタの微かな渋み、貝臭さが身の甘さと混ざって「酒が欲しいな」という気分になる。

akawata.jpg

市場魚貝類図鑑のアカガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/funegai/akagai.html

 八王子綜合卸売センター『ケン水産』には北海道根室「カネマ 浜屋商店」から灯台つぶ【オオカラフトバイタイプ。「灯台つぶ」にはシライトマキバイ、クビレバイ、ヒモマキバイ、オオカラフトバイの4種があり、非常に紛らわしい。中でもヒモマキバイ、オオカラフトバイの区別は至難。大産地の厚岸から来るのはヒモマキバイが多く、根室はオオカラフトバイが多い。値段は安い】。キロ/700円なので5個買い150円くらい。

ookarafutobai.jpg

市場魚貝類図鑑のオオカラフトバイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/buccinum/ookarafutobai.html

『高野水産』に14キロのクロムツ【北海道南部以南から本州中部太平洋側に棲息する深海魚。非常に値が高い】。

 八王子総合卸売協同組合、八王子綜合卸売センターともに荷は少なく、それなのに値は安い。市場の天井を滑空するツバメが喧しい。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 八王子魚市場には7時過ぎに到着する。『源七』のトラックはまだ荷を下ろしたばかり。場内に入ると、こちらも荷を整理しているところでやや遅れ気味ではないだろうか?
 特種【やや高価なものを小分けにして売る。対象は飲食店】に宮城県本吉郡三陸町志津川湾「大清」から岩がき【イワガキ 日本海、陸奥湾以南に生息する大型のカキ】を見る。鹿児島内之浦湾からは、いとより【ソコイトヨリ 房総半島以南のやや深い場所に生息する。市場では「ばけ」と呼ばれるが値段はイトヨリ同様に高く、区別をしないで取り扱う】。また小振りの青ます【カラフトマスの若魚。カラフトマスは三陸、北海道に棲息。「マス」とはサクラマスと本種を差すことが多い】。
『源七』に本まぐろ【クロマグロ 大西洋の暖海域、太平洋の北半球暖海域に広く棲息】の中骨が置いてある。これをかきとって300円置いてくる。社長に「先日のテレビ東京、船橋を見たよ」というと「昨日再放送したんだ」という。やっぱり息子が出ると再放送まで見るんだな。

 八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合、明らかに一般客と思われる人出。駐車場はやっと一台分を見つける。八王子総合卸売協同組合『河村青果』に高菜【十字科植物。辛みのある漬け菜の一種で、主に漬物になる。三池高菜など品種多し】。
 朝ご飯は『光陽』でもやしそば。

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』に根室から灯台つぶ【ヒモマキバイ 同定の難しい「灯台つぶ」のひとつ。殻皮に火焔模様がある、また螺肋が太いなどで見分ける】、横に北海道八雲町「ヤママル勇内山鮮魚店」からベニザラガイ【北海道以北に棲息するニッコウガイ科の二枚貝。市場で「白がい」と呼ばれるもののひとつ】らしきもの。またこれも北海道産だというオオミゾガイ【東北地方以北に棲息する大型の二枚貝。ただ三河湾でも見ており、生息域は図鑑通りではない。とても美味な二枚貝でもっと食べられていい】。

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には静岡県舞阪からアコウダイ【青森県から静岡県の太平洋側の深海に棲息する。フサカサゴ科では大型のもの。主に釣りで漁獲され高値で取り引きされる】.

akoudaiii.jpg
市場魚貝類図鑑のアコウダイへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/mebaru/akoudai.html

 また産地不明のサクラマス【熊本以北、日本海、太平洋側では神奈川県以北の川に遡上。市場では「本ます」】を大量に持ってきている。
 春に入荷が多くなるタラバエビ3種のしまえび【モロトゲアカエビ 福井県以北、北海道、サハリンなどに棲息する。タラバエビ3種ではもっとも入荷が少ない】、甘えび【ホッコクアカエビ 朝鮮半島東岸から日本海以北、また噴火湾に棲息する。ロシアなどから輸入も多く、もっとも市場で見かける機会の多いもの】、ぼたんえび【トヤマエビ 日本海、北海道以北に棲息する。タラバエビ科では大きくなるもの】。

simaebi.jpg
画像はモロトゲアカエビ

市場魚貝類図鑑のモロトゲアカエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/morotogeakaebizoku/morotogeebi.html

市場魚貝類図鑑のホッコクアカエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/tarabaebi.html

市場魚貝類図鑑のトヤマエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/toyamaebi.html

 八王子綜合卸売センター『河辺ハム』に安くてしかもうまそうな牛肉を見つけて100グラム/200円で500グラム。八王子総合卸売協同組合『河村青果』で竹の子、ワラビを買う。隣が米屋の『日本堂』なので米ぬかもすぐ手に入れられて便利だ。クルマに乗り込んで重曹がなくなっていることに気が付き、『マルヤ薬品』で重曹150円。ついでに『ビックリ屋』でレタスでも買おうかと思ったが、なんと10メートル以上もレジを待つ客。これは当然諦める。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 2日あけての八王子魚市場。キンメダイやマダイなどがあるものの慌ただしくてじっくり見ることが出来ない。
 特種に三重県的矢湾蛸島町「的矢湾あだこ岩がき研究会」からイワガキ【日本海。陸奥湾以南の太平洋側に普通に見られる。昔は産地が限られて高級なものであったが、近年産地が急増、やや値が落ちてきている】。的矢湾といえばマガキの養殖で有名。イワガキを出荷するにマガキの出荷技術を生かすことが出来る、ということか? またマガキと合わせると年間を通してカキの出荷が可能となる。

iwagakiiiii.jpg

市場魚貝類図鑑のイワガキへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/iwakaki.html

『源七』には三番瀬からアカニシ【北海道南部から中国大陸までの干潟に棲息するやや大型の巻き貝。味がよいのだがあまり一般には流通しない。値段は安い】、サルボウ【東京湾以南から韓国、南シナ海の干潟に棲息。小型で煮つけなどにされるが刺身も美味】。

sannnbannse.jpg

 時間がなくて、『総市商事部』でジャイアントコーンを5缶購入して市場を後にする。
 帰途、旗野農園でサンチュ【かきちしゃ 結球しないタイプのレタス。韓国でよく栽培されるもので焼き肉などを巻いて食べる】、サニーレタス【結球しないレタス。品種が出来たとき、当時売れに売れていた日産サニーにあやかって「サニーレタス」と名付けた】、スティックセニョール【分枝するタイプのブロッコリー。分枝した茎が軟らかくうまい。これは品種的にも素晴らしいもの。確か「サカタ」の品種だったかな】、小町かぶ【小かぶの代表的なもの】、ラディッシュ【二十日大根。赤い小型の大根であり。生で食べるもの】、たらの芽【タラノキの芽。春から初夏までの新芽を天ぷらなどにする】。旗野農園は無加温のハウスなのでトマトはまだである。それでも日々楽しくなってくる。

saradannn.jpg


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 我が家から甲府までは高速で、上り坂だとはいえ1時間前後しかかからない。海のない県、山梨の市場を一度見てみたいと思っていたので、善は急げで中央高速にのる。早朝のETC割引で甲府南まで1時間弱、料金は1100円。ここから山梨中央市場までは10分足らずである。インターを下りてお茶を買ったのがヤマザキデイリーストア、それから各所で見かける。山梨にはヤマザキデイリーストアが多いのだろうか?

 中央市場の門はすんなり通過。駐車場も空きが多く、すぐに場内に入ることができた。中央市場に入って左が青果棟、右が魚市場、青果棟を背にして入り左が山梨中央水産の競り場、右が仲卸である。当然競りは終了しているので仲卸を見て回る。

ymanasi.jpgyamanasi02.jpg

『菊島商店』、『金源商店』、『東香水産』、『富士水産』、『ヤマカ水産』などの店名が読みとれる。甲府の仲卸の特徴は鮮魚、塩干、加工品をともに扱う店舗がほとんどであること。また値つけが手堅いということか、品揃えは豊富でバッタものがなく、とても山国とは思えないいいものも見られる。

fujisuisan.jpg

 ここで富山からの白えび【オキエビ科のシラエビ。日本海、太平洋など広く分布するが、流通するに足りるほどとれるのは富山湾だけ】、青森県から本ます【サクラマス】、北海道根室からロシア産オオズワイガニ【市場ではバルダイと呼ばれる。ズワイよりもより北方種。我が国領海ではとれない】。

 6時過ぎから8時過ぎまでいて、あまり一般客はいないな、と思っていたら山梨中央水産の加藤さんから仲卸が別に東隣に店舗を構えているのだと教えていただく。東にあるいて『山水協(山梨水産物商業協同組合)』の建物。これは2階が事務所で1階が店舗。ここも鮮魚塩干加工品を売る。また歩くと東西に細長く数棟の店舗が並び、多くはシャッターを閉めて寂しいなか乾物、アイスクリーム菓子、水産などの店舗が見える。面白いのはダンス教室まである。空腹感を感じて食堂を探すが見つからない。「そば」の旗を見つけたが、どこにも暖簾がない。

 市場のいちばんはずれに活気のある仲卸を見つける。『千里水産』であり、断って中を見せてもらう。すると、これがなかなかの品揃え。今まで見てきた中、鮮魚ではもっとも品揃えが豊富。たぶん九州からであろう、鮮度のいいテンジクタチ【和歌山以南の太平洋側、九州西岸に棲息する大型のタチウオ】がある。大分産のマテガイ【マルスダレガイ目マテガイ科の干潟に棲息する二枚貝】、アマダイ、クロムツ、キンメ。長崎から天然もののマダイ。

senrisuisan.jpg

 そしてここで見つけたのが沼津佐政水産のアカムツ【スズキ目ホタルジャコ科のやや深海性の高級魚。日本海側では「のどくろ」という】。今回の目的のひとつが沼津と山梨の繋がりを見ること。やっとここで一箱みつけることが出来た。沼津は漁が少なく、それでもこれほどのアカムツを仕入れているのは立派。

akamutu.jpg

 山梨中央市場の競りは早く、そして今回はすっかり荷が仲卸などに渡ってしまった後。富士吉田や河口湖など甲府からすると一山超えたところからの仕入れも多いという。だとすると市場内の仲卸でみる荷はほんの一部なのかも知れない。また山梨ならではというものはほとんど見つからない。それでも探しに探すと「煮いか」「酢いか」など、また冷凍物を取り扱う業者も多そうだ。荷受けに並んだ塩鮭塩ますの量も多いようで、これも山梨らしさかな。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 市場を歩いているときがいちばんのんびり出来る。そんな慌ただしい時を過ごしている。それなのに市場はやや停滞。春休みも終わり、そろそろ会社でも新入社員を迎えて飲食店などが忙しくなる。それまでの停滞に違いない。
 八王子魚市場について最近思うのは四十物【あいもの 干物や乾物、加工食品】に面白いものが見られること。この日もヨシダシーフーズの「酒香干し」があり、これを持ってくるとは偉いとしか言いようがない。すかさず5本購入。
 特種には「バルダイ」と書かれたオオズワイガニ。根室の「マルコウ水産」のもので、表記もしっかりしており荷主として誠実。またオオズワイガニ【Chionoeceten bairdiはベーリング海やアリューシャン列島にいるもので日本近海ではとれない】は味わいはズワイガニと勝るとも劣らない。けっして偽物扱いしてはならない。実際食べてもうまい。

bairdi.jpg
市場魚貝類図鑑のオオズワイガニへ
http://www.zukan-bouz.com/kani/kumoganika/oozuwaigani.html

 千葉県勝浦【勝浦は生のカツオの水揚げで全国一にもなったところ】からカツオ【世界中の温帯熱帯域に棲息する。日本では太平洋側が産地となり、日本海側ではほとんどとれない】。身の色合いに曇りが出て脂がのってきているのがわかる。切り身を見ていていかにもうまそうな。横須賀からせいご【スズキの30センチから50センチほどのもの。大きさの定義はまちまち。日本各地の内湾などに多い。昔は淡水で生かすことが出来るために冷蔵庫以前では高級魚であった。それが現在では値の安い、しかもまことに味のいい魚。もっとどんどん食べていい】、富山県氷見からはバラいか【スルメイカの小さな物】、北海道室蘭、根室からマガレイ【北海道、日本海、福島県など産地はやや北方系。値段も手頃でうまい】。

『海老辰』には熊本県天草郡苓北町【この町名好きだな。苓とは漢和辞典で調べると「きのこ」とか薬草の名だという、合併して無粋な地名になるのが嫌な感じだ】から美しいヒオウギガイ【房総半島以南に生息するイタヤガイ科(ホタテガイなど)の二枚貝】。

hiougi.jpg

市場魚貝類図鑑のヒオウギガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/itaya/hiougi.html

『源七』には養殖のもののアユ【北海道南部から九州まで棲息。稚魚の時期は内湾や川の河口域でいて、春には川を登る】。養殖でもこれを見ると季節の進んでいることを感じる。

八王子綜合卸売センター『高野水産』には和歌山県串本市「出口水産【市場で見る限りもっとも面白い魚を送ってくる】」から「ムギメシ」とかかれてクロサギ【千葉県外房から九州の浅い沿岸部に棲息。産地で消費されることが多い。煮つけ、塩焼きにして美味。刺身は色合いが悪いが鮮度さえよければうまい】。

kurosagi.jpg

市場魚貝類図鑑のクロサギへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki3/sonota/kurosagi.html

 それからコロダイ【イサキ科の魚。南日本、たぶん千葉県外房以南に生息。あまり見かけない魚であったが近年入荷が増えている。非常に美味な上、刺身にして血合いがうす紅色で美しい】、福島県からエゾハリイカ【小型のコウイカ。日本海、東北、北海道に多く。市場では福島県のものをよく見かける。年中とれるが産卵期である春にまとまる】。

 また驚いたのは活けのサクラマス【本マスと呼ばれることが多い。ヤマメはこれの陸封型。サクラマスの産地は新潟、山形、などの東北地方、北海道】が入荷していて、福島県産だという。これは当然確保。

sakuramasu.jpg

市場魚貝類図鑑のサクラマスへ
http://www.zukan-bouz.com/sake/sakuramasu.html

 その隣にはマツカワガレイ【茨城県以北の太平洋側、日本海では東北以北に棲息する。非常に高価なカレイで、とうぜんやたらにうまい】、宮崎県からカツオ。カツオは半分に卸したものがあり何人もの飲食店主が真剣に品定めをしていく。ここで八王子の「スーパーイシカワ」石川さんとスルメイカが高いという立ち話。スルメイカは値が手頃で魚屋でも刺身で売りやすい。しかも美味なんであるから高くなりすぎると困るわけだ。

『市場寿司 たか』でクロサギ、サクラマス、エゾハリイカの握りを撮影。サクラマスがうますぎて「困っちゃうな【1966年山本リンダのヒット曲。昭和20年30年生まれはついつい「こまちゃうな」と言ってしまう】」。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 月曜日の市場であるが、活況を呈しているか? と言えば否である。どうしてこのように停滞しているかと言えば明らかに流通が大型スーパー、コンビニに取って代わられているためである。ともにあまりにも人間味に欠ける上、魚貝類でも食品でも文化を喪失させる原因となっている。ここに新しく参入する個人商店や飲食店があらわれないと市場の基盤自体が危うくなりそうだ。

 その落ち着き払った八王子魚市場、特種に佐世保「丸伊水産」からコモンハタ【南日本の岩礁地帯に棲息する。市場で見かけるのは圧倒的に九州物である。ハタとしては小型であるが値は高い】、ヤリイカ【北海道南部から九州の対馬海峡付近まで棲息する。スルメイカが夏に多いのに対して秋から初夏にかけてとれる。値の高いイカ】、スルメイカは下氷【箱の下に氷を敷きで数を決めて並べたもの】、マダイ、アカガレイ【日本海と宮城県以北に棲息する。味のいいカレイで定評がある。裏側が血液で赤く染まっていて、鮮度のいいものほど赤い。値は安定してやや高値】、根室からマガレイ【日本海、茨城県以北に棲息する。やや高値の味のいいカレイ】。
 能登半島西岸羽咋郡志賀町平野剛志さんがとったイワガキ【日本海側、陸奥湾から九州までの外洋の岩礁やテトラポットにつく。一昔前までは産地は少なかったが、今では全国各地から入荷してきている。そのため値段が落ちてきている】が特種に。

iwagakihihi.jpg
市場魚貝類図鑑のイワガキへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/iwakaki.html

『海老辰』には愛知県常滑市「肥田商店」からアサリ【北海道から九州、朝鮮半島、中国の干潟に棲息している。干潟の減少が著しく、早晩食べられなくなる】。
『源七』には青森県下北「川内水産」からワカサギ【北海道から東京、島根以北の湖、ダム、河口に棲息。山上湖などは人口移植したもの】。

 八王子総合卸売協同組合『丸幸水産』からは、ぼたんえび【トヤマエビ 日本海福井以北、北海道からオホーツク海、ベーリング海に棲息。値段は高値安定。ロシア、アラスカ、カナダなどからの輸入も多い】。イボダイ【松島湾、男鹿半島以南に生息。「えぼだい」というのは東京周辺で疣のことを「えぼ」と発音していたところからくる。関西では「しず」と呼ぶ】、ハタハタ【日本海、北海道からアラスカまで棲息。鮮魚が入荷してくるのは秋から初夏。値段は安い】。

marukooo.jpg
丸幸水産の店頭。やはり値段は全般に安い

 八王子綜合卸売センター『高野水産』にもハタハタ、ヒオウギガイ【イタヤガイ科の美しい貝。房総半島から沖縄までの岩礁域に棲息する。養殖されていて観光地などで食べられたり、貝殻が売られていたりする。値段は安定しない】。
 市場の八百屋にはグリーンピース、そらまめ、竹の子などが目立ってきている。ギョウジャニンニクも安くなってきていて、そろそろ買えそうだ。

『市場寿司 たか』でザルガイ、シリヤケイカの握りを撮影。ともにどえりゃうめー。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 八王子魚市場には8時半過ぎに到着。入った途端に大分県からマテガイ【マルスダレガイ科マテガイ科の二枚貝。干潟などに棲息する】、福岡県からはわらさ【ブリの50センチから80センチほどのもの】、富山県氷見からはバラいか【スルメイカの小振りのもの。まだ大きさが揃わず、軟らかいので下氷で並べないでくる】。
 千葉県勝浦からはビンナガマグロ【小振りのマグロであり胸びれが著しく長い。身の色合いがクリーム色であり、脂があるものの他のマグロよりも安い。回転寿司の「びんとろ」というのはこれ】。
『源七』には有明海弥永水産からこはだ【コノシロの8センチから15センチくらいのもの。値段は安いが寿司屋としては手間がかかる】。
 宮崎県からイシダイ【イシダイ科の磯魚。白身でやや硬い身質。これを薄造りなどにする。縞模様のはっきりした幼魚を「三番叟」、大きくなって縞模様が消えると、口の周りが黒いので「口黒」と呼ばれる。非常に高価】。

isidai.jpg
市場魚貝類図鑑のイシダイへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/isidai/isidai.html

 八王子綜合卸売センター『ケン水産』には根室から小振りの北帰【ウバガイ】。
 八王子総合卸売協同組合『やまぎし』に回ると根室のマルダイとう荷主からロシア産の活けオオズワイガニ。そして八王子綜合卸売センター『高野水産』にも北海道紋別市「マルイチ鈴木水産」から活けオオズワイがあり、そのとなりに根室「福島商店」の茹でオオズワイガニ、なかにズワイガニも混ざっていて不思議な入り会い。オオズワイガニはズワイガニ同様にうまくて大振りなので食べ応えがある。

yudezuwai.jpg
上がズワイガニ、下がオオズワイガニ

市場魚貝類図鑑のオオズワイガニへ
http://www.zukan-bouz.com/kani/kumoganika/oozuwaigani.html
市場魚貝類図鑑のズワイガニへ
http://www.zukan-bouz.com/kani/kumoganika/zuwaigani.html

 明日は三河なの豚肉、野菜などを買い、そして帰宅。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 しとしとと雨が降っている。その湿り気のなか山桜の美しいこと、例えようもない。クルマで通り過ぎるあちらこちらに花開く木々。これは総てバラ科のいわゆる桜のお仲間だろうか?
 真新しいラーメンショップの赤いカンバンを見ながら駐車場に入る。ラーメン屋の名前は「ラーメンショップ 椿」。ここはすでに一度味見に立ち寄っているが、もう一度行くかどうかは微妙だな。

 八王子魚市場、今週いっぱいの超品薄状態が未だ続いていて中日【水曜日のこと。ちょうど商店飲食店の仕入れの間に挟まれる。市場が一番暇な曜日でもある。ただし一般客がゆっくり買い物をするにはこの日がいい】でもありほとんど荷が来ていない。

 特種には墨いか【コウイカ 千葉県以南に生息する。冬から春が旬。関東では漁獲したものをできるだけ墨を落とさないで出荷。関西や四国では洗って出荷する。このあたりにも東西の差があって面白いのだ】。

sumika.jpg
市場魚貝類図鑑のコウイカへ
http://www.zukan-bouz.com/nanntai/kouika/sumiika.html

 千葉県外房天津小湊からは、わらさ【ブリの50センチから80センチほどのもの】、同千葉県富津からは本みる【ミルクイ バカガイ科の二枚貝。「本」とつくのは「白」とつくオオノガイ目キヌマトイガイ科のナミガイと区別するため。水管を江戸前握り、刺身などにして美味。二枚貝では高級な物】、北海道長万部から北帰貝【ウバガイ 「姥貝」というのは福島県での呼び名。北海道では「ほっき」。千葉県くらいから見られるが産地は福島以北。特に北海道の内浦湾(噴火湾)から室蘭までのものが有名。貝殻が黒い物がこのまれる】。

『海老辰』に回ると大分県からマテガイ【普段市場で「まてがい」と呼ばれるのは山口県などからくるオオマテガイや韓国中国からくるアゲマキ。マテガイの入荷は非常に少ない。マルスダレガイ目マテガイ科。北海道南西部から九州、朝鮮半島、中国の干潟などに棲息。東京湾でもいまだに健在である】。キロ/1500円だというので500グラム購入。

mategaiiiiii.jpg
市場魚貝類図鑑のマテガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/mategai/mategai.html

『源七』には佐賀県から養殖のサワガニ【サワガニは今や居酒屋の定番的なもの。本州四国九州の棲息する我が国唯一の純淡水(総ての生活環を淡水で)のカニ。市場に来るのはほぼ養殖されたもの】。

 八王子綜合卸売センター『高野水産』には九州長崎五島列島からサワラ【スズキ目サバ亜目サバ科の魚。我が国ではやや暖かい海域に棲息する。産卵期は春から初夏。春が旬で大型のものは年間を通して高い】。

『市場寿司 たか』でマテガイを茹でて握りにして撮影。あまりうまくはない。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 市場の殺風景な入り口から、貝の売り場にまできて、そのとなりに鈴木さんが集めてきているのが葉蘭【はらん 弁当で食べ物のしきりにする。また寿司や刺身の飾りに使う】、ヒバ【魚などの盛り合わせ、また贈答用の鮮魚の下に敷く】、坂本菊【坂本とは滋賀県比叡山入り口の坂本であると思える。明智光秀が初めて城持ち大名になった場所。ここでとれた小菊ということか? 食べられないのでまったくの飾り】、穂紫蘇【青じその花芽である。これは香りがよく、刺身の妻。青じその穂は本来夏か秋に出る物。総て温室での栽培】、大葉【青じそ】、赤芽【タデの芽、これも刺身の妻】、笹【寿司などをもるのに使ったり、蒸しものをのせたり、また料理を巻いたりもする】などが所狭しと並んでいる。これは明らかに荷が少ないため。

harannnn.jpg

 近海、特種ともにめぼしいものが皆無。

 諦めて『海老辰』には、青森産かき【ミネフジツボ 青森ではこれを「かき」と呼ぶ。本来天然物をとっていたが細々とだが養殖もされている。大きくなるフジツボでキロ/3000円もする。この重さのほとんどは食べられない周殻と呼ばれる部分、可食部の値段は魚貝類一高い】。

minefujituboo.jpg
市場魚貝類図鑑のミネフジツボへ
http://www.zukan-bouz.com/koukakurui/mankyaku/fujitubo.html

 脇に大分産だというハマグリ【昔は日本全国の内湾に無数にいた二枚貝。現在では絶滅危惧種。まさかハマグリが絶滅するとは思っていない人が多いかも知れぬが、このまま自然破壊の大好きな国土交通省や農林水産省のやり方を通すと間違いなく死滅する】があり、種がわからない。大分ならハマグリであるかも? でも形からするとなんか変だ。
hamaguriririr.jpg
市場魚貝類図鑑のハマグリへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/hamaguri/hamaguri.html

 青森県八戸市「かねと水産」からキタムラサキウニ【北方系のムラサキウニ。身の色合いが薄く黄色い。剥いた物は弁当箱型の木箱にはいって「白」と呼ばれる。高価なもの】。

 八王子綜合卸売センター『総市水産』には千葉県鴨川から巻き網でとったと思われるわらさ【ブリの50センチから70センチほどのもの】。この天然のブリの若魚もっと食べれれていいし、値段が安すぎる。

 八王子綜合卸売センター『河辺ハム』の前を通ると見事な和牛がある。どうせ高いだろうなと冷やかさずに通り過ぎる。『河辺ハム』は目立たない肉屋だが凄い和牛を持ってくる。過去にここで凄いステーキ肉を買ったことがある。うまいぞ!

kawaawa.jpg

『市場寿司 たか』でエゾフネガイ、ホッカイエビの握りを撮影。ともに美味。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 真っ白な富士山が浮かんでいる。素晴らしい朝だ。手にはヒオウギガイ【イタヤガイ科の中型の貝。南日本で盛んに養殖されて観光地などで食べられたり、貝殻が売られたりしている】。

 八王子魚市場、目に飛び込んだのは冷凍スルメイカの箱。スルメイカ自体少ない時期ではあるが、これは荷が少ないせいである。秋田県八森【はちもり 青森県北部の町。ハタハタの水揚げで有名。面白いのは地元の方に「ここはハチモリですか?」と聞くとハツモリと発音をなおされた】産のウスメバル。ウスメバルは秋田県、青森県のものがいちばん目立つ。脇に青ます【カラフトマス】。
 特種【市場にあってやや高価な魚貝類を扱う。単位は重さであり、寿司屋・飲食店などが取引相手】に北海道厚岸の「マルヒロ」からスナエビ【タラバエビ科のエビでアマモなどがある汽水域に多い。北海道、日本海、瀬戸内海にも棲息する】。これがキロ/1200円。スナエビの中からミツクリエビ【スナエビと同じところに棲息。棲息する北海道東部では「青えび」と呼ばれ食用とされている】、ホッカイエビ【「ほっかいしまえび」と呼ばれるもの。野付湾尾岱沼では打たせ網と呼ばれるエンジンを使わない帆での漁が行われている。市場ではあまり多くないが茹でたもものが流通する】。これを撮影用に購入。

ebiiiii.jpg

市場魚貝類図鑑のスナエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/sunaebi.html
市場魚貝類図鑑のミツクリエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/morotogeakaebizoku/mitukuriebi.html
市場魚貝類図鑑のホッカイエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/hokkaiebi.html

『源七』には九州の「タカスイ」という荷主から小振りだが見事なマアジ。この「タカスイ」は宮崎県臼杵郡北浦、串木野、阿久根などに営業所、本社があるようだ。

 八王子綜合卸売センター『総市』にタカベ【スズキ目スズキ亜目タカベ科の魚。千葉県外房以南の暖かい海域に棲息。関東では伊豆七島のものが多い。値段は最低でもキロ/1200円くらいする。旬は初夏から夏】が来ていてなんとキロ/500円。小振りなので1匹35円程度しかしない。聞くと千葉県産で小振りなのととれすぎで値崩れしているという。

takabe.jpg

市場魚貝類図鑑のタカベへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki3/sonota/takabe.html

 隣の『高野水産』には岩手県雄勝港「叶屋水産」からウミタナゴ【北海道中部以南に生息するスズキ目スズキ亜目ウミタナゴ科の魚。卵胎生。岩手県や宮城県では漁があり、よく見かける】。

umittanana.jpg

市場魚貝類図鑑のウミタナゴへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/umitatago/umitanago.html

ケムシカジカ【北海道では「当別かじか」。カサゴ目カジカ科のゴジラの様相をした魚。石川県東北以北に棲息。関東には福島県などからの入荷が多い。活けなら刺身でうまい。またみそ汁などにもよい】。

kemusii.jpg

市場魚貝類図鑑のケムシカジカへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/kajika/kemusikajika.html

『市場寿司 たか』でミツクリエビ、スナエビ、ヒオウギガイの握りを撮影。ぜんぶ美味であった。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

「どうしようもないな」と首をフリフリ八王子の魚屋が八王子魚市場を後にする。入れ替わりに場内にはいると確かに「どうしようもない」。どんなにがんばったところで海が荒れ模様では魚が来るわけがないのだ。こんなときにマグロ屋だけは元気いっぱいである。

 宮崎からのカツオ【スズキ目サバ亜目サバ科の回遊魚。まだ冬ではないかと思える1月には遠洋物、御前崎などから梅が咲き始めると宮崎、はたまた外房の沖合から釣り物が入荷してくる。この春のカツオはまだ皮が軟らかく、また脂も少なく、旨味も薄い。出来れば皮付きで食べるべきだ】、サワラ【スズキ目サバ亜目サバ科。今が旬である】、サヨリ、クロガシラガレイ【北海道から冬から春にまとまって入荷してくる。クロガレイと区別しないで、ともに「黒がれい」】。

 茨城県鹿嶋市「小原水産」からイワガキ。鹿島市と銚子とは関東を代表するイワガキの産地。また今見られるイワガキの産地の多くは本来イワガキを食べない地域であった。古くからイワガキを食べていたのは山形県から新潟県、鳥取県、千葉県銚子など。イワガキの旬はこれからである。

iwagakiiii.jpg
市場魚貝類図鑑のイワガキへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/iwakaki.html

『源七』にやや大型のマイワシがある。これがキロ/1500円と高値である。でもうまそうなので3匹購入。これで435グラム。

maiwasiii.jpg
市場魚貝類図鑑のマイワシへ
http://www.zukan-bouz.com/nisin/maiwasi.html

 八王子綜合卸売センター『市場寿司 たか』で朝ご飯。最近、朝が空いていて、ねらい目なのだ。朝の「豪海投げ込み丼」500円、姫は玉子焼き2かん、本マグロの赤身2かん、甘エビ2かん、イクラ2かん、以上合計で1200円。

donnnnn.jpg
これで500円也、あとは一銭もいただきません

「もっとすし飯仕込んどきゃよかったかな」と持ち帰りの多さに悲鳴を上げる。持ち帰りの「豪海投げ込み丼」は600円。これ市場のお土産には最適

『高野水産』は土曜日で2台のトラックで太田市場からもどってきている。仕入れしてきたものは多いのだがめぼしい物は少ない。やはり荒天には勝てないのだ。

 八王子総合卸売協同組合『三恵水産』でチョコレート、四十物【「しじゅうある」の洒落でこの字を当てる】の『清水保商店』で鰯のみりん干し、桜餅。その正面の『ヤマサン』で安い日高昆布1キロ3500円。
 八王子綜合卸売センター『河辺ハム』で上州牛のパック2、豚ロース1パックともに350円だけれど3パック買ったので1000円。『ビックリ屋』でもやしとニラ。

 市場を後にしたのが9時前。疲れているのに長居をしすぎてしまった。帰り道、浅川土手を歩く人多し。しかし浅川は川の様相を変えてしまうほどに凄まじい工事中なのだ。これ工事をするための工事ではないことを祈る。また私的には、自然を愛する国土交通省というのに生まれ変わってほしいな。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 睡眠不足も限界に来ていて、頭がぼわ〜んと幻聴も聞こえてくる。とぼとぼと歩く駐車場脇に諸葛菜(しょかつさい)の紫が美しい。クルマに乗り込むとやたらにフロントグラスが汚れていて気になるが外にもう一度出て拭く気になれない。

 八王子魚市場、場内に入って驚いたのは、まったく荷が置かれていないこと。この寂しいコンクリートの床に真っ黒なアサリ【マルスダレガイ科の二枚貝。北はサハリンから北海道、本州四国、九州、朝鮮半島、中国まで棲息する。我が国では棲息域である干潟の減少のため漁獲量が減っている。その減少分を補っているのが北朝鮮、中国産、また韓国産。ただ韓国の乱開発の動向が気になる。味わいは二枚貝でももっともよく、値段も手頃。我が国での産地は北海道厚岸、東京湾内房、浜名湖、三河湾、有明海】。これが『源七』にまわると千葉県内房産のアサリ。ともに大きくやや平たい【アサリは厚みのあるものよりも平べったい方が身入りがよいとされる】。

AASARI.jpg
我が国の役人、政治家さんは、もっとも身近なアサリの減少すら本気になって対処しようとしていないのでは?  どうもこれは自然保護や資源管理などでは票も稼げないし、利権も手に入らないからであるようだ。自然保護に感心のある政治家っているのだろうか? いたら一票あげるけどな
市場魚貝類図鑑のアサリへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/marusudaregai/asari.html

 また大分県佐賀関から「豊後のさば」とラベルが付けれれた活け締めのマサバ。これは「関さば」なのか違うのかあんちゃん困り顔。

「ほんとうに、どうしたの荷がまったくないじゃないか」
「そうなんすよ、川崎でも場内がガランとして、注文分も確保できなかたんすよ」
 八王子綜合卸売センター『ケン水産』で立ち話。

 八王子総合卸売協同組合『コリアフーズ』でエゴマ【日本全国で栽培されていたシソ科の野菜。戦国時代から江戸時代中期までは食用油をこの植物から主にしぼっていた。それが江戸時代初めから徐々に菜種に代わる。葉を食べるほか、身はゴマのように摺ったり、煎ったりして食べる】の醤油漬け。

koriaf.jpg
韓国のエゴマやとらじなんて、食卓に一品あると楽しいぞ!

 八王子綜合卸売センター『総市水産』にはカンテンゲンゲ【げんげとしか箱書きされていない。これは三陸産。非常に水分の多い魚であり、唐揚げにして非常に美味。他には水分が多いので煮つけぐらいにしかならない。また吸い物にも出来るが鮮度によっては生臭い。その場合、ふりショウガを】。

kanteenngenge.jpg
市場魚貝類図鑑のカンテンゲンゲへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/gengeamoku/kantengenge.html

また鮮魚が少ないので「とろがつお」【カツオの一番脂のある時期に漁獲した物を船上凍結したもの。「とろがつお」は当然商品名】が出ている。

torogatuo.jpg
気仙沼「ほてい」の商品

『高野水産』も荷が少なく天然ヒラメやキンメなどもやや鮮度が今イチ。さすがのハッスル社長も荒天には勝てない。そんなときにもあるのが、まつぶ【エゾボラ 「Aつぶ」とも呼ばれる。北海道に棲息するエゾバイ科エゾボラ属の巻き貝。主に刺身にされる。また唾液腺にはテトラミンが含まれるので取り除く必要がある】。

matubu.jpg
エゾボラは身色も美しくエゾバイ科ではオオエチュウバイにつぐ高価なもの。貝殻を割らないでも身が取り出せるので人気がある。
市場魚貝類図鑑のエゾボラへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/ezobora/ezobora.html

 八王子綜合卸売センター『八王子淡水』に立ち寄ると、すでにウナギ割きが終了している。作ったばかりだという大ヤマメの剥製を見せてもらう。考えてみると渓流釣りの季節になってしまっている。
yamameaa.jpg


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

月別 アーカイブ

このアーカイブについて

このページには、2006年4月以降に書かれたブログ記事のうち市場図鑑・市場案内カテゴリに属しているものが含まれています。

前のアーカイブは市場図鑑・市場案内: 2006年3月です。

次のアーカイブは市場図鑑・市場案内: 2006年5月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。