秋も深まって、そろそろ今年も終わりだな、なんて気の早い声も聞こえてくる。その10月下旬から年末までがいちばん忙しく慌ただしく、そして当然のごとく疲れが溜まりがちな時期でもある。
この時期にまさに旬を向かえるのが柿と牡蠣。ボクはこれを嫌と言うほどに食らう。昨日の朝は八王子総合卸売協同組合「光陽」で牡蠣フライ定食。これが4つではもの足りない。「追加だ追加だ」となってしまう。
昼には柿5つ、子供の食べ残しのピザですませる。夕ご飯まで仕事をしながら柿3つ。
夕には生牡蠣10個、ドジョウの丸鍋、滋賀県高島市朽木村の鯖なれずし、自家製アンチョビーのスパゲッティ、茹でたキタアカリ。いやあああ、この厚岸産の小振りの牡蠣がうまいのなんのって。「ドジョウ、牡蠣、この合間に鯖なれずし、ドジョウ、牡蠣」に宮城の浦霞で満足満足。
丸煮にしたドジョウは明らかに中国産。見たところ2種類いるのを撮影しなければ
ボクがもしも金持ちになるようなことがあったら(絶対にないのだ)毎日50シェルは食いたいと思う
今日の朝には牡蠣の浅だき(ちなみにボクは関西系の言語使いなので煮ると「たく」は区別しない。したくない)、アサリのみそ汁に京芋の子と豚の三枚肉厚切りをたいたもの、マルハラフーズの「サンマたまり醤油干し」、ご飯二膳。、柿2個。
「ああ、それでもまだ柿を食べたい。昼には牡蠣の入った温かいうどんにするぞ」
なんて思いながら仕事を脇にどけて物思いに耽っている。こんなときにはブルックナーの五番でも聴きたいものだし、金原亭馬生の「幾代餅」というのもいいのだ。
さて、疲れがたまるとどうして牡蠣(マガキ)を食べたくなるのか栄養学的に述べると、「やはりタウリン」かなと思い至る。牡蠣には良質なアミノ酸が豊富に含まれる。なかでも目立つのがタウリンなのである。他にもタウリンの豊富な魚貝類はあるものの消化の良さ、また可食部での含有量を考えるとマガキに勝るものはない。
そのタウリンの機能には「貧血予防」「肝臓の解毒作用の強化」「強心作用」「不整脈の改善」「血中コレステロールの減少」「インスリンの分泌促進」「視力の回復」などがあるという。【『エビの栄養・イカの味・貝の生態』(奥谷喬司、鈴木たね子 アボック社)、『おさかな栄養学』(鈴木たね子 成山堂書店)を参考にする】
どうりで牡蠣が食べたくなるわけで昨日は生食用の殻がき、加熱用のカキとちょっと散財しすぎてしまった。その上知人隣人などからいただいた柿もなくなって、今日は近所の農協に買い出しに行かなくてはならない。
我が家では秋のこの頃、とても貧窮する。この状況を家人は人知れず「柿牡蠣貧乏現象」と呼んでいるらしい。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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