八王子魚市場にキロ当たり3100円の香川産のアカガイが来ていた。取り扱っていた鈴木さんに
「大きさにバラツキがあるね。それでもこの値段?」
聞いてみる。
「国産は今、高いんですよ。これも大きさが揃わないからこの値段なの。これみてよこんなのがある(いちばん大きいのを計りにのせる)」
量ってみると350グラムもある。だから1個1085円となる。この大きさでは1個1かんの握りにもならない。半身を使えばいいんだろうか? そこへちょうど通りかかった寿司屋に聞いても
「(半身じゃ)形がきれいじゃないよ」
横に手を振っていくのだ。これは一個のアカガイを開き、その開いたウネを生かして形を作るのである。半身ではそのウネが出来ないということ。
発泡の前に座ってアカガイを手に取ると、みな持ち重りがする。これは間違いなく刺身にしてうまそうである。お金があるときなら好奇心に駆られて買ってしまっただろう。
でも1個1085円のアカガイは買いだろうか?
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