お魚三昧日記: 2011年5月アーカイブ

5月24日の日記風

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このところ家にこもりっきりの毎日だ。
これがなんともつらい。
昨日やっと、熊本・福岡の旅の画像を整理し終わる。
枚数にして2千枚ほど、だから沖縄のときと比べて少ない。
でも難問がいっぱいある。
有明海関連の書籍を読み返し、産地に問い合わせる。
児童書の企画をもうひとつ作り、疲れると国会中継とか、テレビを見てしまうのだけど、「菅下ろし」というけれど、「他にだけがおるんじゃー! 今権力抗争やってる場合か!」と怒りを感じる。
しかも、しかもだよ。
原発推進者が誰も責任をとらない、あやまりもしない。
だれもこれに言及しないのはなぜだ!
推進派の代議士、行政、電力会社幹部など家財総てを投げ出し、全責任を取り総ての職をやめ、公民権も放棄すべしなのだ。
ついでに電力会社に天下りした役人は早急に逮捕した方がいい(これって国民総てが感じてるに違いない)。
避難民の方達も今回だけは黙っていないでいただきたい。
本当に悪質な人たち、法律にふれなければ何をやってもいい、と平気で言い切っていそうなヤカラを許さないようにしなければ。
今回の事故は人災で、殺人罪よりも遙かに重い。

ボクは今まで「原子力に関してはわからん人」だったが、今度のことでわかったことがあって、「人類はまだ原子力を制御する能力がない」ということ。
福島原発だけで日本人は全滅。
たぶん他国にも多大な悪影響を及ぼすのであると知ると、全身からやる気が失せるのだ。

朝7時に起きたはいいがぜんぜん身体が動かない。
昨日10時前になんだか気分が悪くなり、ベッドに潜り込んで、眠れず、むやみに小説を読んだ。
動けないのだからと、また朝っぱらからヒグチユウスケを読む。
30分くらい本を読んでいると、トイレに行きたくなり、排泄するとだんぜん気分がよくなる。

パソコンを起こし、9時まで画像の整理。
改訂の準備をする。
食欲が出てきたので米をとぎ置く。
朝食は11時。
ハナサキガニの鉄砲汁、蒸しハナサキガニ、ぶり姫そぼろ、納豆、卵、ご飯に清美オレンジ1個。

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午後1時まで有明海関連書籍を読む。
4冊同時読みなので、頭がこんがらがってくる。
長崎大山口先生の活躍振り、すごいな! なんて思う。
午後3時半までウシノシタ科、ヒラの改訂。
「デンベエシタビラメ」の「でんべえ」の古い記載が見つからない。
アマゾンその他で九州の漁撈関連の書籍を探し、買う。
たった30分で4万円以上使ってしまい、来月の生活に不安を感じる。
ヒラ以外をアップロード。

4時前、京王堀之内の三和へ。
海産物の値段を見て、八丈島産の塩トビウオと握りずし松を買う。
このまずい握りを撮影、遅すぎるお昼とした。
コノシロが混ざっているのが、面白い。

本の企画書を作る。
午後11時過ぎまでかかるが、この間いろいろ。
酒も少々。
熊本で買った焼きエビ、干しエビ、七島飛び魚、ワラスボ乾物の撮影。
八丈島の塩干しトビの撮影。 
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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徳島中央市場を土地の人間は「沖洲市場」という。
「沖洲」は「おきのす」と言う。
ここに徳島で揚がる総ての水産物、農産物が見られる。
6時前から魚貝類を見て、野菜を見て回ると、かなり歩く。
このとき7時を回っている。
歩き回ること1時間半。

疲れ果てて飛び込むのが『サッポロ』だ。
中央にコの字型の厨房があって、これがオープンタイプ。
オッチャンが揚げ物を作っているのやら、煮ものを作っているのやらが言える。
今回もおかずケースには数々の小鉢や皿が並ぶ。
が、残念ながら魚貝類よりも卵焼きや揚げ物が多い。
ので、地味なものばかり、ようするに低カロリーのものだけを選ぶ。

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厚揚げとナスの炊いた(徳島では「煮る」という言語がない)もの。
シラス干しにしじみ汁。
このところ吉野川河口域のシジミが豊漁に思えて、これは間違いなく地物なんだろう。
徳島県の料理能力は高い。
基本的にはんなり、「うまいでよ」。

しらすにぎゅっとスダチを絞り、ご飯をかき込む。
「ああ、メンチカツが食いたいな」と思うものの、我慢する。
久しぶりの『サッポロ』は軽い朝ご飯でやめておく。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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福岡県柳川の隣町大和町中島の朝市が楽しかった。
西鉄天神大牟田線で柳川から4つ目の小さな町なので、毎日開催されているということは、あくまで生活に密着したもの。
中島は矢部川の北岸にあり、有明海に面している。
朝市は地元で上がった魚貝類と野菜などを、駅近くの商店街にそって、ござや発泡の箱、海水を満たしたバットなどを並べて売っている。

ここでいろいろ加工品を買い求めた。
なかでも、ありそうでないのがアカニシのゆでたもの。
「ひとつ試食できますか?」
というと、オカアサンがささーっと洗って手渡してくれる。
無造作に口に放り込んで噛むと、じわりと甘みと貝らしい味わいが舌の上に広がり、まったくクセとか臭みがない。
これを10個ほど袋に入れてもらって、200円とは安いね。

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酒の肴用に小さなボウルにごろんと入れて、ささっと水洗い。
真半分に切り、皿に盛る。
脇にはtakさんにいただいた福島県の「福柚子みそ」を添えてみた。
この「北限 信夫山」でとれた柚で作った甘味噌がなかなかよかったのだ。
普通、甘みのあるアカニシなので、甘みを抑えた合わせみそを添える。
逆の甘い、甘いもよいのだな、と小さな発見をする。

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酒の肴にゆでアカニシというのもなかなか乙なものである。
酒は山形の菊勇、「三十六人衆」で淡麗辛口、杯がすすむのだ。
お土産をいただいたtakさんに感謝多々。

中島朝市

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、アカニシへ

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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今回、ボクが食べ歩きの世界の目標としているブロガー、つきじろう風にやってみたいと思う。
常々、つきじろうさんの撮影法、もうひとりナベヒロさんの探求心に学びたいこと多々、と書いておく。

5月15日、16日と熊本県上天草市にいた。
上天草市大矢野は彼の天草四郎の生まれ故郷。
この大矢野には、ものすごく下品な天草四郎の記念館がある。
だいたい天草四郎の残したものなど皆無であるはずなのに、なぜ記念館があるのか?
こんなもの造るくらいなら、美輪明宏の写真を飾った方が数千倍増しだ。
こんなものがあること自体不思議だし、美しい天草の景色を汚しているし(景色を汚す建築物は一刻も早く破壊せよ!)、いやな気分になるが、その正面にある「さんぱーる」という道の駅がよかったのである。
(天草って、本当に美しいところなのだよ)

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道の駅評論家のボクをしても全国でトップクラスと思えるもの。
お宝どっさり、ここでいるとどんどん時間が消えていく。
だた、「さんぱーる」ってのはなんだろう?
地元の出口さんに言わせると、昔天草は真珠養殖の盛んなところであった。
そのパールに「さん(太陽)」をかぶせた模様だが、「上天草物産館」を主にして「さんぱーる」は脇の方にどけてはいかがかな。
ボクはこのような子供っぽい、言葉遊びが大嫌いなのだ。
旅人にはわけがわからん。
施設名は親切な方がいい。
いけませんね。つきじろう的ブログから逸脱している。

さて水産物を売る建物にあったのが地元産のウニ。
ムラサキウニだというが、色合いがバフンウニのようだ。
これがうまそうで、思わず買ってしまいそうになるが、天草から関東では宅急便でも中一日かかる。
落胆していたらレストランにあったのが「うに丼」。
品書きの写真を見たら、くだらない脇役を排除したウニだけ丼で、このまま写真のままならうまいに決まっている。
しかも定食で1500円というのが素晴らしい。
「うに丼」と「この四郎魚〜ざ(300円)」と、ビールの小瓶なんぞはありませんか? と聞くと地元風のオバチャンがいかにもイヤな顔で「ビールは大きいのしかない」という。
「おーい! オレは車では来てませんよ!」
最初に「この四郎魚〜ざ」。
地元で上がるコノシロをミンチにしてスパイスなどともに餃子にしたもの。
そして本命が期待通りの姿でやってきた。

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くだらない工夫がないのがいい。
ご飯の上にほどよい量のウニがのり、食う前にうまい、のがわかる。
いきなりそのまま本命を箸でひとすくいしたら、すぐにウニの甘みがどーんと来て、ウニならでは味わいが、これまたどどどーんとくる。

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ウニには九州特有の甘い醤油が合う、これも大発見だ。
味つけはこの地元の醤油だけ、いいのだよ、いちばん、これが。
ボクがお金持ちなら、3000円出してもいい、そう思えるくらいにうまい。

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「この四郎魚~ざ」もよかった。
当初の予定では、こちらを肴にして、川本流を決め込みたかったのだが、残念。
ビールをあまりたくさん飲めない、自分が腹立たしい。
さて上天草市ではコノシロを好んで食べる。
鮮度がいいものはなんと言っても刺身がうまいという。
コノシロ一尾を使った「このしろずし」は名物ともなっている。
残念ながらこの餃子、コノシロを使った意味はあまりない。
でも、間違いなく餃子として美味。
やっぱりビールが欲しいな。

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さて「うに丼」の脇に着いてきたのが「かんちょそば」。
漢字で書くと「甘藷そば」で、こっちの方がわかりやすい。
サツマイモの粉で作ったそばのこと。
少々、洗練されすぎて、本来の良さはないと思えるものの、これも名脇役としておこう。
「さんぱーる」のレストランの品々、品書きを見る限り地元の産物をよく生かしている模様。
上天草に行くなら、ぜひ立ち寄るべし。

上天草物産館 さんぱーる
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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2011年5月1日、朝。
ツチタニの車で貞光町南町(現つるぎ町)へと貞光川にかかる潜水橋を渡る。
我が町は剣山に登る登山口に当たり、二層うだつの家並みは、鄙には希な美しさだろう。
しかも、この町並みは生きている。
暮らしがあるからこそ、町並みは生きていける。
死んでしまった町並みなど、何の意味があるのかわからない。
ボクは博物館と化してしまっている町が大嫌いなのだ。

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二層うだつの家並み、ボクは勝手に「つるぎ街道」と名付ける。

生まれた祇園小路入り口にある家に入り、自分の残してきたものがないか見る。
屋内は生まれたまま、そのままに近い。
母が死んだ座敷、奥の部屋。
離れにあった勉強部屋には、ボクが張ったサイモン&ガーファンクルのポスターがそのままある。

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隣の家との間にある溝。貞光では「いでんこ」と行った。この狭い空間によくはまり込んで遊んだのだ。

家はかなり危険な状態であり、とても足を踏み入れることの出来ない場所が多々あった。
いちばん奥にある蔵など、今にも崩壊しそうだ。
とにもかくにも生まれた家に「さよなら」を言い、外に出る。
町の文化財となって生まれ変わったら、また来るからね、なんて無住の家に別れを告げる。

お昼は当然、うどん。
お昼過ぎには徳島に向かう。
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15日、日曜日には熊本県天草、翌日は熊本市、最終日17日水曜日には福岡県柳川にいます。
魚貝類だけを見る旅に行ってきます。
その間、メールの返信などは出来ません。
お急ぎの方はケータイへ。 
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沖縄県読谷村のスーパーで思わず買ってしまったものなのだけど、中身は薩摩揚げであった。
甘辛く煮た薩摩揚げがごろんごろんと入っている。

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ロゴの漢字からすると中国製ではないかと思われるが、不思議な缶詰。
このまま画像を仕舞ってしまうにはもったいないので、公開する。 
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東日本大震災のことが頭から離れないので、なんとなく憂鬱な毎日である。
ニュースを見ていたら、こんなときにも「●●党がどうした、こうした」なんてことを言っている大バカ者がいる。
国家的な危機に、こんな愚か者がいることからすると、「政党とは薄汚いもの」に思えてくる。
1日にできるだけたくさんの魚貝類料理を作る、と決めてからヘトヘトの日々が続いている。
あまりにたくさん撮影しているので、昨日撮影したものすら思い出せない。
昨日(5月7日)は画像整理が深夜1時までかかってしまったので、目が覚めたら7時を回ってしまっている。

あわただしく、本モロコの酢漬けの撮影、試食。
干しエビの撮影。
起き抜けのぼんやりした頭で、メールチェック。
ものすごい量の未返信メールがあるので気分が悪くなる。
急ぎのメールのみ返信して、家を出る。
ビックリ屋のアッちゃんにおはようを言い、総市のタヌキオヤジに「元気がないね、今日も」と言われて高野水産。
店の前にはムスシャモさん、そしていちろうさん。
非常に荷が少ない。

撮影用に養殖シマアジを確保して、マルコウに向かう。
マルコウにキロあたり1400円と手頃で、しかも見事なチダイがある。
結局、チダイ、養殖シマアジ、徳島県産イワガキを購入して帰宅。
帰り際にムスシャモさんから伏見の酒をお土産にいただく。
ムスシャモさん、「ありがとう」。

帰宅後、『あけぼの』で買ったおむすびを食べながら、ブログを書く。
ファイルメーカーも追加、改訂。
魚の展鰭をして11時に外出。
ラジオから「民主党石井副代表が震災でたいへんな折であるのにフィリピンでゴルフをしていた」と。
だいたいゴルフ自体が大自然破壊の元凶、必要悪かもしれないが「あってはいけないスポーツ」。
代議士はゴルフをしてはいけない、という法律を作って欲しいくらいだ。
それなのにこの石井というろくでなしは。
即刻、代議士だけではなく、人間自体をやめるべし。

まずは電動アシスト自転車を見て、唐木田にあるかなりマジそうな自転車屋に。
明らかに電動アシスト自転車を買うべきだ、と思いながら、トレックというメーカーのバイク(自転車ではないらしい)を買う。
ボクの場合、デブなのだけど、実は自転車に乗るのが大好きなのである。

帰宅後、真新しい自転車にのって出かける、が曇り空からいきなり大粒の雨。
這々の体で逃げ帰る。
シャワーを浴びて、5時過ぎまで仕事。
雨が上がったのを確認して、またサイクリング。
5キロほど走ったところで、なんとまた雨。
またまた全身ずぶ濡れになり、帰宅。

シャワーを浴びる前に展鰭しておいた養殖シマアジ、チダイの撮影。
撮影後、水洗い、下ろす。
今日2回目のシャワーを浴びたら、どっと疲れが来てベッドでキリノナツオ。
いつの間にかうとうとしていたらしく、気がついたら7時半。
タマガンゾウビラメの干物をドツキ、オーブントースターで焼く。
そら豆をゆでて、まずはキリキリ冷えたシャブリ。
養殖シマアジ、チダイの身色の撮影。
チダイの刺身の撮影。
イワガキの撮影。

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徳島県徳島市北沖洲津田町沖(これはまさに市街地)で上がったイワガキがうまい。
酒をムスシャモさんにいただいた伏見『松本酒造』の「桃の滴」にかえる。
甘口だが、なかなかいい味である。

チダイの塩焼き、養殖シマアジの煮つけ。
養殖シマアジをマリネーにする。
なんとなくテレビをつけたらアド街ック天国をやっていて、見ながら試食。
本日撮影した画像をPCにコピー。
撮影枚数、少ないなー、とこれが415枚。
桃の滴をちびちびやりながら、11時半に画像整理が終了。
本日3度目のシャワーを浴びながら、「魚臭いので仕方がないよなー」と独り言い訳をする。
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大正時代から、鹿児島県錦江湾で行われている漁に「トントコ網」というのがある。
底曳き網でも深海にまで網を下ろす、かけ回しである。
獲物のなかでとくに目立つのが3種のエビで、ダツマエビ、シタエビ、グラマンエビという。
いちばん大きいのがダツマエビで、標準和名をナミクダヒゲエビといい。
シタエビはジンケンエビの仲間ではあるが、まだ和名がない。
そしてもっとも小型のグラマンエビとはイズミエビのことだ。
グラマンとは第二次世界大戦以来活躍したアメリカの小型戦闘機のこと。
なんだか時代を感じるのである。
垂水市の浜島さんから、たっぷりトントコ網のエビが送られてきた。

三種のなかではナミクダヒゲエビがもっとも大きくなる。
そしてこれだけが根鰓亜目、すなわち大きな意味でのクルマエビ類にあたる。
送られてきたなかから大型のものを選んで、根鰓亜目にもっとも向いた料理、天ぷらにしてみる。
これが名状しがたいほどの美味。
ついつい箸が伸びるという代物であった。
あまりにうまいので、デブには禁断の「アレ」が作りたくなった。
けだし「アレ」だけはやめた方がいいのではないか?
もだえ苦しみながら、冷蔵庫をのぞき、肝心のものがないので、近所のスーパーに車を走らせる。
買い増したるものは玉ネギと卵、そして市販のストレートタイプのそばつゆである。
最近、いろんなメーカーのそばつゆを試しているのだけれど、今回買ったのは永坂更科のストレートタイプ。

さて小型のテフロンフライパンにそばつゆと玉ネギを放り込む。
ここまでくれば「アレ」の正体は見え見えである。
ようするに天とじ丼なのである。
別名、天玉丼などともいうと思うが、他にもあるかも知れぬ。
世に三大丼などというものがあり、言わずもがなだが「カツ丼、天丼、親子丼」のことだ。
でも料理法からすると、実は天丼はおかしい。
むしろ天とじ丼にかえるべきだと思うのだけど、いかがだろう?

ボクはこの自宅で作る天とじ丼が大好きだ。
なぜだろう、そば屋などで食べるこれが、まったくうまくもなんともない。

ややつゆだくなので、しゃわしゃわとかき込み、ときどきエビの尾の部分を集中的にかみ砕く。
またシャワシャワ、しゃわしゃわ、なのだけど、あっけないのだよね、ほんの5分で丼の中はご飯粒ひとつない状態になってしまう。
甘くて、エビの旨みと風味があって、それを卵が包み込み、抱え込み、ご飯と一体感を生み出している。
強く強く「飯を食った感」を感じ、そしてデブは強く強く後悔するのであった。

材料/天ぷら(エビ)、玉ネギ適宜、卵適宜、そばつゆ
そばつゆは自家製してもよい。ある程度のものを作るのは簡単至極。どんなに料理音痴でも作れる。ただし毎回同じ味わいに作るのは至難。また天とじ丼にはそばつゆなどだし系を使うが、親子丼にはだし(旨み)系は不要。
作り方
1 テフロンフライパンにそばつゆを好みで入れ、玉ネギを加えて煮る。
2 ある程度玉ネギが煮えたら、エビ天を入れる。
3 つゆとエビがややなじんだら卵を半量入れ、完全に火を通し、最後にまた半量を入れる。最後に入れる卵の火の通し加減は好み。好き勝手にやるべし。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ナミクダヒゲエビへ
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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フェリーに向かうアプローチに動く歩道があって稼働していた。
乗客数の少なさ、また距離が短いのになぜ? と思うし、また東日本大震災の影響に関しては和歌山県は遠いのだな、と思ってしまう。
とともに震災がなくても、「ムダなものはやめるべし」、と思っているのでやや不快感を覚える。

船内は決して混ではいなかった。
ごろんと横になるやいなや姫がどこかに行こうとする。
外海は大荒れである。
「絶対に甲板に出るな」
と言ったのに、出ていたらしい。
そろそろ徳島港というときにずぶ濡れになって帰ってきた。
バカな娘だ、と思うし、またなぜ南海フェリーは荒天時甲板に出られないようにしないのか、不思議に思う。

港からバスで徳島駅に。
時刻表を見ると、次の汽車(ディーゼルカー)まで、あと30分くらいしかない。
徳島本線には1時間に1〜2本しか池田方面の列車がない。
駅前のデパートそごうに駆け込み。
大急ぎで姫にカーデガンを買う。

徳島本線貞光駅には夕方に着いた。
友人のツッタニが迎えに来てくれる。
本日はツッタニ邸で一泊。
ほどなく幼なじみのツルノ、カッコがやってきて、いつものように意味もなく盛り上がる。
なぜかコヤツラと飲むと故郷に帰った気持ちになりきることができる。 
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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関西、瀬戸内海などでボラは重要な食用魚である。
徳島県でも同様、いろいろ利用し、そのおいしさをよく知る。
切り身などの加工されているのだろう、沖洲市場(徳島中央卸売市場)でパック詰めされているものを発見した。
1パック250円で、まことに安い。
関東では「臍(へそ)」、もしくは「そろばん玉」というが、徳島では「臼(うす)」なのである。
地域によって、形の表現がこのように違っているのが、まことに面白い。
ボラの胃の幽門部なのだが、これ以外の呼び名も多々あるに違いない。

このようなパックは関東では見たことがない。
珍しいので買い込んできて、あれこれ料理してみる。
山椒との相性がいいので、煮もの。
たたきに塩焼き、炒め物。
なかでも中華風の炒め物がうまかった。
料理法はいたって簡単しごく。
分葱と塩味で炒めただけ。
老酒とニンニクを使ったところが、中華風といえば中華風。

こりこりとして、ネギとの相性もいい。
まるでホルモン炒めのようだが、明らかに旨みは魚のもの。
やはり老酒が合う。

材料/ボラのへそ、わけぎ(分葱)、すり下ろしたニンニク、塩、コショウ、太白ゴマ油
作り方
1 ボラのうすには横に細かい切れ目を入れる。ネギは適当に切る。
2 太白ゴマ油をフライパンに熱し、七部通り火が通ったらネギを加える。
3 ニンニク、老酒を加えてまた炒め、塩コショウして出来上がり。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ボラへ
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午前7時前の新幹線自由席に乗り込み、ほとんど埋まっていない座席を見て、ビックリする。
「今日は間違いなく連休の二日目(4月30日)だよな」
座席を確保するために早朝に家を出たのはムダだったようだ。
途中、ややぼやけ気味だが、富士山は見えた。
ややぼやけ気味だが、富士山は見えた。
姫に「富士山だよ」というと、「なんだそれ」といった態度で携帯画面から顔を上げようとしない。
まことにこんな娘に育てたつもりはない、のだけどね。
大阪駅着が10時前。
御堂筋線に乗り換えて、心斎橋へ。
このようなザワザワしたところが姫は大好きなのだ。

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お決まりの『かに道楽本店』のズワイガニ

道頓堀を越え難波に抜けて久しぶりの南海電車。
特急に乗り込んだら両側に長い座席で、どうにも特急に思えない。
心配になったので駅員に聞くと、「これですよ」というので発車を待つ。
南海電車に乗る人は、ほとんどが関西の人だろうけど、マナーの悪い東京人よりも明らかに数倍マナーが悪い。

和歌山市駅到着が10時45分。
11時40分の徳島行フェリーまでの時間を市内で過ごす。
和歌山市駅前に「小鯛雀ずし」の看板がある食堂がある。
この食堂に後ろ髪を引かれながら、ぶらくり丁へでも行こうかとタクシーに乗り込むと、「あそこは何もないなー。和歌山駅の方がまっしゃわ」と言われ、素直に「そうしますわ」と返事する。
注/このあたりから関西弁にいたしたく存じまする
この和歌山駅周辺にもなにもない。
まったく空白地帯というか、和歌山らしさが爪の垢ほどもないし、その上まったく活気がない。

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だいたい、駅前に「これぞ和歌山ならではだ!」と思った「小鯛雀寿し」の看板を見つけたら、その下にあるのはコンビニだった。
「ガクガク、ガックンでんがな!」
確かフランキー堺の「喜劇シリーズ」に「和歌山と言えば小鯛の雀寿し」という台詞があったはず。 
思い出すと、10年近く前にも同じ事を感じている。
「和歌山市に和歌山らしさはまったくない」のであると。
そして区画整理とか、再開発をやり、土地ならではの財産をただ無意味に破壊してくれた役人や企業などに「お前らは無能で愚か者である」と心の中で、またまた思い切り叫んでしまうのである。

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近鉄デパートの地下で県産の水産加工品を買い込み、自宅に送る。
焼きアユ、干しガレイ、ウツボの小明石煮、サンマの丸干し。
焼きアユ、干しガレイは観光客目当てに作られた、それらしいものではあるが、素直に「釣られました」のである。
魚売り場にハモの皮、焼き穴子がある。
見事な天然マダイやカツオもある。
なかなかお魚は豊富でおますなー。

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お昼ご飯は姫が選んだ食料品売り場の店で、ボクはきつねうどんと炊き込みご飯のセット、姫はカレーうどん。
「なかなかうまいやないか!」、おいしく食べながら品書きを見ると、ここは讃岐うどんの店らしい。
和歌山で讃岐うどんとは「とほほ、とほほ」と泣けてきます。
姫は友達用のお土産を、早くも買い込んでいる。
ムダに楽しそうである。
むしろ「その土地らしさ」を探すのは無意味なこと、なのかも知れまへんなー。

気がつくと、時間はあっと言う間に過ぎていたらしく、慌ただしくタクシーで和歌山港へ。
風がビュンビュンと吹き荒れる中、約30年振りの南海フェリーに乗り込む。
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