食べる貝・イカタコ学: 2009年6月アーカイブ

ホッキのかき揚げ

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「なんだかぱっとしないね」、近所の魚屋さんと、つい愚痴をこぼしてしまう。
 このところ市場にはめぼしいものが、まったく見られない。
 なにも買わないのも寂しいのでウバガイ(ホッキ)を三つ。
 三つで一キロ近くある。
 キロ当たり800円なので一個では240円くらい。
 考えてみると、高価なものなのだ。

 しかも本日作りたいものが、かき揚げときている。
 関係ないけど、夕食のメニューというのが、「ポトフ、スパゲティ(ポトフ用)、ぺちゃトンカツ、カナダスポットの焼き物に湯引き、刺身、ホッキの湯引き、そしてヒモと貝柱のかき揚げ、生トマト」。
 ウバガイとカナダスポットは撮影用という役割もある。
 『市場魚貝類図鑑』の画像を大きくしているので、二枚貝の撮影法も変えようとしているのだ。

 さてさて、ヒモと貝柱は湯引きして、冷水にとる。
 よく水分を取り去り、ミョウガ、セロリの葉と茎と合わせて、少々塩味をつける。
 後はかき揚げに。

 二枚貝のヒモや貝柱は揚げると、なかなかいい味なのだ。
 表面かかりっとしていて、なかから旨味のある貝らしい味が出てくる。
 そこにミョウガとセロリの香り。
 夏らしいかき揚げとなって、今年初めて出してきた扇風機に当たっているのだ。

2009年6月11日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ウバガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/bakagai/ubagai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 1990年代半ばに国内(東京湾)で発見されたアメリカ原産のホンビノスガイが、このところ急速に増えている、らしい。
 なぜ、そう思うかというに市場で毎日のように見ているからだ。
 アサリがない日はあっても、ホンビノスガイを見かけない日はまずない。
 キロ当たり600円ほどだから、安いと思って買うと、非常に歩留まりが悪いので、バカガイなどと比べて、単価を二倍にして、まだ割高感がある。
 例を取ると、ホンビノスガイがキロあたり600円なら、実質的な価格はこの2倍半くらいを考えていい。
 すなわちキロ当たり1500円くらい。
 貝殻が厚くて、歩留まりが悪いというとウチムラサキを思うが、それ以上にこちらの方が貝殻が厚い。

 最近わかってきたことだが、ホンビノスに限ってはあまり大きいものはよくない。
 特に酒蒸しとか焼くとかするなら、手の平にのせて、4つ、5つというのを探す。
 手の平に2つ、3つで持てあますほどだと、身が硬くなり安く、料理しづらい。
 今回のものは5つほどで1キロを超える。出来たら買いたくない代物。
 小振りのウバガイ(ホッキガイ)くらいある。
 貝をむき身を取り出すのがちょっと大変。
 貝棒で割りながら、なんとか剥き、足の部分を半割にして、ワタはそぎ取り、捨てる。
 ヒモや貝柱と軽くゆで、水分を拭き取り、まな板の上でトントンとたたく。
 無駄な水分が抜けるとともに柔らかくなる。

 カルパッチョソースはトマトのコンカッセ、白ワイン、ワインビネガー、レモン、ハッサク、ニンニク、タバスコ少々、塩コショウ。
 まずはヒモと貝柱をトマトと和える。
 ニンニクの香りをつけた皿にホンビノスの身を並べ、中央にヒモと貝柱。
 適当にソースをかけ回し、冷蔵庫で冷やす。
 彩りのピーマンを置き出来上がりだ。
 これが予想以上にうまい。
 酸っぱいソースに、あまり旨味の感じられないホンビノスが素直に同調している。
 シコっとした食感もいい感じだ。
 もしもあったら、ここにエシャレットとかフレンチソレルがあると豪華な感じになりそうでもある。

 お父さんのために作った料理なのに、なぜか家族一同うれしそうに食べてしまった、意外な一品であった。

2009年6月7日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ホンビノスへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/marusudaregai/honbinosu.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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sazae0906.jpg

 サザエが安い。
 小振りの100グラムから150グラムで、キロ当たり1000円。
 1個100円から150円ほど。
 角のないタイプなので、日本海側でとれたものだろう。
 仲卸に聞くと「長崎産じゃない」という。

 久しぶりに壺焼きでも作ろうか?
 このとき八百屋で買ったものがハチクだ。
 ハチクを夕食に醤油味で炒め煮にして、バライカ(スルメの小さいもの)を酢の物にする。
 なんだか和に偏りすぎていて、サザエの壺焼きというのも、な。

 考えあぐねた挙げ句、バターを湯煎にかけて、エスカルゴバターを作る。
 初めから、エスカルゴバターで焼くのだ、と決めていれば、早くからバターを室温にもどしておいたものを。
 柔らかくなったバターにニンニクと、パセリがないのでセロリの葉をみじん切りにして混ぜる。
 サザエの身を取りだし、砂が気になるのでワタの部分など塩水で洗う。
 サザエの身(足)はフォークなどで取りだし、ワタが残ったら振るとほとんど出てくる。
 もし出てこなければ、軽く貝殻ごとゆでるといい。
 身を2、3等分に切り、ワタとともに貝殻に戻す。
 エスカルゴバターで蓋をして、温めたオーブンで強火にして焼き上げる。

 冷凍のバターロールと食卓に出すと、なかなか好評である。
 身には適度に甘みがあり、なによりもワタの苦みが何とも言えずいい。
 ニンニクの香りのバターにサザエのジュがたっぷり。
 これをバターロールで拭き取りながら食べても、ほんまに極楽気分となるほどに美味。

 サザエをエスカルゴバターで焼く、一見単純でありふれた料理だが、エスカルゴのいない日本で最初に考えて人はえらいな。
 いったい誰なんだろう?
 これ帝国ホテルとか、ホテルオークラあたりが怪しいと思うのだけど、調べてみなければ。

2009年6月1日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、サザエへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/kofukusoku/sazae/sazae.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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