牛の小腸を「しろ」というが、これをよくよく掃除して、オイスターソースと炒めたのが好きだった。
けれでも魚貝類以外のものを食べることを原則的にやめてしまったので、もう遙か彼方にある幻の味になってしまっているのだ。
残念ではある、が魚貝類、食の勉強に没頭している限りは、これくらいの極端さは致し方ない。
そんなとき目の前にあったのがマンチョウである。
「マンチョウ」とはボクの造語である。
わかりやすい造語なので、ボク以外にも使っていそうだけど、「翻車魚腸」を「マンチョウ」とした、その実績は確かに私にもある。
まあ、くだらない話はよして、っと。
マンボウは定置網などに入ると、身と肝と腸を切り取ってしまう。
肝と身を合わせて、しょうゆをぶっかけて食うのが浜ならではの楽しみ。
だが、やはり消費地ではなかなかこんなことは出来ない。
マンボウ三種の神器(みくさのかむだから)が身、肝、腸だとして、実はもっとも流通上で価値があるのが腸なのである。
焼き鳥風にする、みそと炒め煮にするなど、いろいろ使い道がある。
さて、マンチョウだが、よく見れば、これがまごう事なき「しろ」ではないか!
買い置いてあったにんにくの芽、セロリ(大好きなのだ)、ニンジンなどとオイスターソースで炒める。
よよよ、おおおお、食ってみたら「しろ」とはまったく異質なものだが、その旨さ、醍醐味は、ここにもちゃんと存在するのだ。
うまい!
ロックで傾ける紹興酒が、これがまたうまい!
さて、私的偏愛食物でホルモン関連といえば、もうひとつある。
それは「まめ(腎臓)」である。
魚貝類に代用品を探しているのだけど、まったく見つからない。
材料
マンチョウ10センチ四方、にんにくの芽、セロリ、ニンジン
ソースに
オイスターソース、紹興酒、砂糖少々、にんにく、コショウ、ラー油
作り方
1 マンチョウは細かく切れ目を入れて、一瞬湯通し、冷水に取り、水を良く切っておく。
2 野菜は適当に切る。紅花油をフライパンに注ぎ、野菜、マンチョウを炒める。
3 マンチョウに火が通ったら、ソースを回しかける。あまり炒めすぎないように。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マンボウへ
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