食べる魚類学: 2009年4月アーカイブ

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 築地場内『ヤマセ 村清』には面白い食いものが大量にある。
「さすがは天下の築地だ」と店頭を見るたびに考える。
 つけ加えると盛りだくさんである上に、発見がある。
 今回の浜浦水産の「幻魚」などその最たるものだ。

 近年「幻魚(ノロゲンゲ)」も人に知られるようになってきている。
 テレビなどでもたびたび取り上げられるようで、鮮魚が築地などで見られるようになっている。
 ただこの魚は鮮度落ちが非常に早い。
 鮮魚で食べるとき汁ものや鍋物にするのだが、気をつけないと生臭い。
 だから新潟県など日本海側ではたくさんとれると干物に加工する。
 干し加減は産地によって様々だけど、ボクの好みはカラカラに干し上げたもの。
 昔「上乾」といったもので、「あぶって食べる」もの。
 近年の一般的な干物は「焼いて食べる」。
 新潟県上越市の片岡鮮魚店さんに、かなり昔のことだが、この「上乾」のノロゲンゲをいただいたことがある。
 あまりのうまさに感激したものだが、それとおっつかっつのものが、浜浦水産の「幻魚」だ。

 やはりこんがりあぶって食ったら、ビックリするほど味わいが深く、香ばしさにうっとりして、幸せな気分となる。
 いちばん印象に残るのが最終的に口に残る渋みだ。
 これを冷酒で洗うようにする。

 やはりノロゲンゲの干物は酒の肴として最上のものだ、改めて感動する。
 困ることは酒が進むことくらい。いいとこだらけの浜浦水産の「幻魚」だ。
 
浜浦水産
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 八王子総合卸売センター『土谷食品』のオヤジさん、オバサンが新潟からたくさんの蕗のとうをとってきた。
 そして振り向くと『高野水産』に“メゴチ”。
 産地は福島県原釜なので、間違いなくセトヌメリだ。
 底曳網でとったもので、東北のものは選別が悪い代わりに安い。
 買い求めたら、仲卸のまな板で、せっせとおろしていく。

 水分を切るように紙に包み。
 夕方、からっと天ぷらに揚げる。
 ともに揚げるのは新潟県産蕗のとう。

 蕗のとうの苦みに、セトヌメリの上品な白身の味わい、ネズッポ科ならではの皮目の風味。
 冷や酒がうまい。

「今年はこれが最後だね」
 蕗のとうをひとつ手に持ち、オヤジさんが呟いたっけ。
 そう言えば天ぷらという料理にも春を感じるな。 

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 魚を調べていると、また撮影したいと思っていると、なかなか手に入らない種がある。
 なかには本当に珍魚といえるもので、努力しても無駄なものもある。
 でもむしろ平凡だけど、産地に行かないと見られないものが大部分なのだ。
 北国のカレイ類などその最たるものだろう。
 今回のコガネガレイ、シュムシュガレイ、ウマガレイ、トウガレイ、ツノガレイなど、北海道に通っても手に入れたい。
 そんなとき手をさしのべてくれるのが紋別にある『まるとみ 渡辺水産』。
 今回のコガネガレイは北洋ガレイ3種のひとつ。
 冷凍のみすぼらしい画像しかなくて、なんとかちゃんとした画像が欲しいものだと悪戦苦闘していたのだ。

「今日、コガネガレイが揚がったので送ります」
 こんなケータイがかかってきて、その荷物の届いたときにうれしかったこと。
 思った以上の大きさ、全体を櫛鱗で被われていて、ザラザラしていること。
 なによりも、その黄金色の鮮やかなことに感激する。

 さて、こんなに感動をもたらすカレイなのだから、さぞやうまいのだろうと思われるだろう。
 残念ながら、水分が多く、マコガレイなどと比べて、そんなにうまいカレイではない。
 いろいろ作ってみて、いちばん味のよかった料理がフライであった。
 ようするにクセのない白身である、という平凡な評価しかできない。

 こんなありきたりな評価だけど、コガネガレイのちゃんとした自己評価ができるまでの、長き歳月を思うと、食べていて喜びがこみ上げてくる。
 改めて『まるとみ 渡辺水産』さんには感謝いたします。

まるとみ 渡辺水産
http://marutomi-kani.com/
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 一般に「オコゼ」といわれる高級魚はオニオコゼのこと。
 図鑑などでの基本的な名前(標準和名)には「オコゼ」はいない。
 つけ加えると東北での「オコゼ」はケムシカジカのこと。
 また釣りなどをやっていて、「オコゼだから気をつけて」なんて注意喚起される、その魚はハオコゼだろう。
 ここで登場する主役は当然オニオコゼだ。

 市場で活けのオコゼを見ると、「夏も遠くないな」と感じる。
 本来五月のことだが、最近では四月の中旬に、もうこんなことを思うようになった。
 夏と言っても、その気配なのであって、「風立ちぬ」で冬の入り口の秋を感じるのとは違っている。
 身体が冬の寒さを忘れたころに、寒がもどってくる。
 四月五月の寒の戻りは、まことに身に染みる。
 この寒の戻りの春に出てきたばかりの活けのオニオコゼを、魚屋と値段の駆け引きをして一尾だけ買う。
 これは味見。
 キロ3000円と小振りにしても安すぎる。やはり不況なんだな、と改めて感じる一瞬だ。
 これを『市場寿司 たか』で握ってみて、また活けの歯ごたえを楽しむ。
 そして本当の「お楽しみはこれから」なのだ。

 オコゼを買って、握りを食べたのは午前10時前のこと。
 それから半日以上が経っている。
 疲れ果てて仕事から帰ってくる。すでに深夜である。すぐには眠る気になれず、かるく酒をあおる。
 ここにオコゼが汁となって登場する。
 オコゼのあらは湯引きして冷水で汚れを取り去る。
 小鍋に水、酒をたっぷり、刺し昆布、オコゼを入れて一煮立ち。
 アクをすくって、昆布を取りだし白みそを加える。
 ここからアクをすくいながらことことと。
 時間は20分くらいかも知れない。
 この間にシャワーを浴びて、着替えして。

 冷や酒をちびちびやりながら、つゆショウガをふり、碗にオコゼの白みそ仕立て汁をそそぐ。
 ここに和辛子があるといいのだけど、今回はなし。

 白みその汁がうまいのは当たり前だけど、それ以上に汁の中でトロリとなったオコゼのあらがうますぎて、うますぎて、酒が一瞬とまってしまう。
 オコゼの身は柔らかく、ゼラチン質の鰭まわりは白みそと渾然一体となってしまっている。
 名状しがたいものだが、あえて表現すると、くみあげ湯葉のような状態で、そこに甘みがあるのだけど、それは魚の旨味からくるもの。また適度に繊維を感じるのだが、これも口の中でほどけるような、とろけるような。

 ボクが、これこそ最上の酒の肴と考えているものは、「最上ながら数知れず」ある。
 これは矛盾、人生は矛盾だらけなので、その最たるものである。
 なかでも、もう一回選抜して、残るだろう最上の酒の肴が「オコゼの白みそ仕立て汁」なのだ。

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 ヒメジは北海道から九州までの前浜にいたって普通の、平凡極まりない小魚だ。
 この小魚の真の価値を知る人は少ないんじゃないのだろうか?
 刺身よし、煮てよし、干物にしてうますぎるし、その上、だしをとっても特上だった。
 ヒメジのうまさを知らないヤツは「くいしんぼ失格」だなとつくづく思う。

 さて今回の「ひとぼし(ヒメジ)」の煮干しは京都市舞鶴市にある『長谷川巳之助商店』のもの。
 「舞鶴にヒメジの煮干し」があると教えてくれたのは誰だっけ、忘れてしまって申し訳ない。
 ここで改めて感謝致す。
 秋に取り寄せて、キロ当たり2600円ほどだから、煮干しとしてはそんなに高くない。
 近年ではカタクチイワシの平均的な値段と同じだろう。
 干し具合も上々で、見た目からして期待感が湧いてくる。

 これを昆布と一緒に沈めて、半日ほど待つ。
 ことこと火に掛けて、煮立ったところで昆布と、「ひとぼし」を取り出す。
 だしは微かに黄金色をしており、非常に澄んでいる。
 味をつけずに口に含むと、ヒメジならではの風味が浮かんできて、そして後から旨味がくる。
 ここにジュンサイなどを入れてみたいものだ。
 もしくはマツモ。
 ネギや三つ葉は香りが強すぎてだめだ。
 いろいろ考えた末に千葉県佐原の「白味醂」と塩味だけで、この「ひとぼし」の汁を楽しんでみたが、これで充分だった。

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 沖縄では具のないただの汁を「んなしる」というらしい。(『沖縄料理物語』(古波蔵保好 作品社)
 貧しいゆえの具がないということだが、「ひとぼし」のような上品で繊細な汁に具は無用かも。
 そしてむしろ具のない汁の方が上等ではないか。

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 そして里芋とたき、大根と炊き、生麩とたいてみる。
 里芋とたいたら、うまかったのなんのって。
 名状しがたい味わいとなった。
 ヒメジのどこか淡白で軽い旨味が、里芋と合わさって、なかなか不思議な調和を見せている。
 画像は使った「ひとぼし」も添えてみたが、これは蛇足だな。

 徳島の片田舎で育ったがために、だしに使った煮干しなどはそのまま煮てしまう。
 例えばみそ汁のときなら、そのまま取り出したりはしなかった。
 これがいやでいやで仕方なかったのだけど、五十路になっても嫌いだな。
 
長谷川巳之助商店 京都府舞鶴市浜318
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ちぬ飯をたく

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 クロダイの入荷が盛りを迎えている。
 それこそ活け、締めたクロダイを見ない日はないだろう。
 味がいいのに値段が安い。
 市場に入荷してきているクロダイを見ると、どんどん腹がふくれてきている。
 産卵期間近。
 はやく食べないと、春の旬を過ぎてしまう。
 刺身、カルパッチョ、サラダに塩焼き、うしお汁。
 さすがにタイ科の黒い鯛はうまいものだ。

 さてそれでも残った半身をご飯に炊き込む。
 瀬戸内などでやくやる「ちぬ飯」だ。
 半身にべた塩をする。
 塩をべたべたとたっぷりまぶす。
 時間を置き、半身から水分が染み出してきたら、水洗い。
 水気をよくふきとって、水加減を終えた釜に入れる。
 味つけは酒と塩と醤油少々、ショウガのせん切り。
 普通に炊いたら出来上がりだ。
 今回のものは刺身用に三枚に卸して、残ったものなので、血合い骨もとっている。
 このまま釜の中でほぐす。
 突然、作り始めた「ちぬ飯」なので薬味は三つ葉の茎のみ。
 あるものだけで作るのが家庭料理だ、と思っているので、「これでいいのだ」。

 やや塩っ気の聞いたご飯。
 これを腹減り状態を癒すべく、フンガふんがと書き込む。
 ご飯にじわりとクロダイの旨味が浸透している。
 これだけで、おかず、飯、酒の肴の役割をこなす、優れた料理だ。

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 「ちぬ飯」は瀬戸内では、「ちぬ」丸ごとを炊き込む。
 現代の家庭ではとてもこんなことは出来そうにない。
 朝な夕なに炊くご飯の、たぶん多くの家庭で2合、3合といったところだろう。
 この程度の炊飯にはクロダイ半身で充分だ。
 例えば、刺身の残ったものを、そのまま使っても簡単至極だろう。
 さて我が家では「作る料理に行き詰まったら、魚貝類の炊き込みご飯」となる。

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 三度目の正直というではないか? 有楽町「わした」でまたまた「グルクン」を買う。
 やっぱりタカサゴではなくクマササハナムロだった。
 よくグルメ雑誌などに沖縄旅行が掲載される。
 そこに必ず出ているのが「グルクンの唐揚げ」。
 これが明らかにクマササハナムロであることがしばしばある。
 クマササハナムロは尾鰭の文様からすぐに区別がつく。

 とすれば「グルクン」=タカサゴではない。
 ここにニセタカサゴというタカサゴぞっくりさんを加えて、「グルクン」は三種類の魚の総称に違いないと確信する。
 どうでもいいことなんだけど、テレビや雑誌で明らかにクマササハナムロを指さして「タカサゴ」です、と説明するタレントとかグルメライターには魚を見る目がないということだ。

 さて、今回の沖縄県のアンテナショップ「わした」の「グルクン」がベトナム産クマササハナムロというのに別の疑問が沸き上がってくる。
 なぜ県のアンテナショップなのに輸入魚を売っているのか?
 ひょっとするとタカサゴ、ニセタカサゴがあまりとれなくなっているのではないか?
 昔、沖縄出身の方と酒席で一緒になって、「グルクンの蒲鉾(確かこう言ったと思う)がうまいんですよ」と聞いたことがある。
 すり身にするほどとれたはずの「グルクン」を輸入しなければならないのだ、これも驚きを感じるところ。

 三種ともクマササハナムロ属、その特徴は身質が水っぽいこと。
 ようするに単に塩焼きにしても、そんなにうまくない。
 逆に唐揚げにすると、かりっと香ばしい。
 やっぱり「グルクン」の唐揚げはうまいな、と思う一瞬である。

 最後になってしまったが、こんど「わした」に寄れたら、沖縄の蒲鉾買ってみなければならない。
 原材料はなんだろう?
 
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 魚を料理するに、「メバルは煮つけ」でしょう、とか「もしくは塩焼きも定番ですね」なんて言われると虫ずが走る。
 わけもわからず抵抗したくなってしまって、ムニエルだ、昆布締めだとか、新しいから刺身でいこう、なんてことになる。
 そう言えば、小振りのは唐揚げにしてもうまい。

 でも本当はメバル類は素直に煮つけたり、塩焼きにするのが、もっとも最上の料理法なのだと、実際に作るたびに思う。
 そして都心に出なくてもいい、夕食の時、やっぱり塩焼きでしょ、となる。
 水洗いしたウスメバルは水分をよく拭き取って、切れ目をいれて、振り塩。
 小一時間、できれば数時間寝かせる。
 魚焼き器の上にレンガを置き、金ぐしを刺したウスメバルをこんがりコンと焼き上げるのだ。
 塩焼きというもっとも単純な料理を作るたびに、理想通りに作り上げるのが、いかに困難であるかを痛感する。
 だから上手に焼き上がったときのうれしさは一入大きい。

 後は食べるだけだけど、なぜかメバルに大根おろしをつけないでいる。
 たんに柑橘系を一切れ、スダチ、かぼす、レモン。
 何度食べても、感動できるウスメバルの塩焼きをまさに食べんとす。

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 新年から入荷し始めているのが屋久島産のハマトビウオだ。
 トビウオ類ではもっとも大型になるもので、味もいい。
 いつもは、たたきにする。
 たたきには色々あって、相模湾真鶴、小田原などから広まった、アジのたたきをまねたもの。
 まずはハマトビウオを三枚に卸して、血合い骨を抜き、細かく切る。
 これに青じそとかショウガをざっくり混ぜると、これが我が家の定番料理となる。
 でも、たまには洋風に。

 まずは白ワインビネガーと太白胡麻油を合わせ、塩コショウ。
 タイムとニンニクを加えてドレッシングにする。
 玉ねぎ、セロリ、ニンジンは細かくあらみじん切り。
 ハマトビウオの身と合わせて、タルタル風サラダの出来上がりだ。

 これを軽くトーストしたパンに乗せて食べる。
 お父さんはビールを飲みながら、こんな夕食もアリかなと、メインのシチューなども作るのであった。
 
2009年2月28日
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 『高野水産』で高知県産マアジの箱の中に混ざっていた4、5匹のクロシビカマスの幼魚をいただいてきた。
 撮影した後には、開いて振り塩。
 ビニール袋に入れて密閉して一日寝かせる。
 後はやや強く干す。
 魚には生干しして、軟らかい方がうまいものと、硬干ししてうまいものがある。
 ボクの考えではクロシビカマスの幼魚は硬干しして美味だ。

 ほんのり焼き目のつくほどに焼く。
 成魚の脂は望めないが、風味があって、十二分に旨味がある。
 ご飯にも合うし、酒の肴にもいけそうだ。

 ときに定置網などにまとまって入る、ようするに雑魚ともいえそうなものだが、まことにうまい。
 これを神奈川県小田原では「ケンケラケン」といい干物にして珍重するという。
 小田原という土地には「オシツケ(アブラボウズ)」といい、独特の魚食文化がある。
 なぜか小田原に行ってみようか、なんて思う春の宵なのだった。

2009年3月26日
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