「大黒さんま」とは昨年(2006年)から、北海道厚岸漁協が船上で大型のサンマだけを厳選して出荷してきているもの。いうなれば最近流行のブランド魚(この言葉いやだねー)である。この一週間ほど並サンマが40円〜50円というときに250円、ときには400円近い値を付けている。
「これがうまいんだよ」なんていう寿司屋、料理屋も決して少なくない。その言葉を裏付けるように、目の前にかなり上物というサンマが100円なりであるのに「大黒さんま」350円を持っていくのだから、こーりゃ本物にちげーねーや、ということで1本300円を買って帰る。
まずは重さを量ると200グラムちょうど。当日の並が160グラムだから、かなり差がある。その差は姿にも現れていて、頭の後ろ背中が盛り上がって見える。これラグビーの重量級選手といったごっつい体つきだ。またサンマは鮮度がよいほどクチバシの黄が強いといわれるが、まさにこの大きな黒灰の背、銀色の体色に最先端の黄金色が浮き上がって見える。
これを晩酌のアテにする。最近、鮮度の良し悪しということでは入荷してくるサンマの、ほぼ総てが刺身になるということ。またほとんど全部が脂ものっていること。そこにくる「それ以上のサンマ」ってどんなもんだろう。
実際口に入れてみて見事なほどに脂がたっぷりのっている。でも並と比べてもそれほどではない。やや「上」というものだ。それよりもビックリしたのがもちっとふくらみのある食感と「シコッ」とした歯触り。これは船上で厳選して丁寧に氷り詰めにしたからこそ味わえるものに違いない。
「ええ?」と思って昨日は「大黒さんま」ではないが、100円の並では上というものを比較すべく買ってきてみた。やはり食感はもちっとしていないし、歯触りは「シコッ」ではなく「ビィニュ」であった。この食感、かなり味わいに影響を与えるようでやはり「並上」よりは「大黒さんま」がうまいなーと思わせる。きっとたぶん脂ののりも他を圧倒しているのかも知れないが、この「シコッ」がそれを感じさせないようだ。その分、食べた後にじわりじわりと旨味と甘味がぶり返してくる。これは高値で買っても損はしないだろう。
さて、本日の「大黒さんま」は安値200円、高値350円であった。そして普通のサンマの最安値はなんと40円ほど。この差額、違いが「わっかるかなー」。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、サンマへ
http://www.zukan-bouz.com/fish/datu/sanma.html
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