夜、遅く帰った日は、シャワーを浴びる前に昆布を沈めて小さな火をつけておく。
さっぱりしたら昆布をとりだして、酒たっぷり、味醂少し、塩で味を調える。
そこに焼き穴子と、豆腐を入れて、またトロトロとたく(煮る)のだ。
温めるのではなく、豆腐に焼き穴子のだしと、塩味をしみこませていく。
岡山中央市場『喜水』で買い求めた焼き穴子は小振りなのだけど、とても味が濃い。
また小振りなのだけど脂がのっている。
この吸い物ほどに味付けした出しの中で、焼き穴子は旨味をだし、しかも塩気、昆布の旨味を染みこませていく。
ゆっくりゆっくりたくことによって、だしがらにはならない。
煩わしいこと、面倒なことを、小一時間で片づけると、ちょうどうまい具合に豆腐が煮えている。
合わせる酒は「一ノ蔵 掌」。
しみじみうまい酒で、しかも辛く、切れがいい。
理想的な酒に、ほどよく味付けされた豆腐が胃の腑を温めてくれる。
焼き穴子の味も上々。
年中開けっぱなしの本の部屋の窓から、やっと11月らしい重く冷たい空気が入り込んでくる。
冷や四、五ぱい飲んでの、涼風が気持ちよいな。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マアナゴへ
http://www.zukan-bouz.com/unagi/anago/anago.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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