食べる魚類学: 2009年9月アーカイブ

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いろいろ買い物をして市場から帰ってくる。
食料品を冷蔵庫にしまっていたら、カイワリが一尾入っているのだ。
そこに紙切れがあって、「あげる」の文字。
赤いクレヨンで書かれているところから高野水産の社長の仕業らしい。
三枚に下ろして、ペーパータオルにくるみ冷蔵庫へ。

深夜帰宅して、岐阜の名酒「三千盛」をいっぱい。
アテはカイワリの刺身となる。

こいつがうまい。
小さな魚なのにトロと脂がのっていて甘い、そしてうまい。
大好きな「三千盛」とカイワリの刺身とは、なんとも贅沢な。
ついつい杯を重ねてしまったのだ。

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カナガシラの味

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最近千葉県から水氷(塩水に氷が入っている)で入合がくる。
これが鮮度もいいし、値段も安いのだ。
安いのは漁師さんの思惑からして申し訳ないのだけど、非常に魅力的だ。
今回のカナガシラなども、水氷の方が鮮度的にいいように思える。

気になったので、一本抜いて刺身にしてみる。
これが食感もあり、鮮度抜群、しかもカナガシラ自体に脂がのってきているようでうまい。
とりあえず1本と考えたのが間違いであった。

やはりカナガシラはうまい。
その昔は「君魚」、「殿様魚」などと呼ばれていたらしい。
要するに上品な白身で味がいいので、とれたら城の殿様にまずは献上する。
そんな魚だったわけで、祝儀に使われた例もある。
この魚、もっと高くていい。

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西高東低、やっぱり関西以西の方が魚を知っているな、と感じることがある。
グジ(アカアマダイ)、そしてメイタガレイ、アコウ(キジハタ)などなど。
特に強く関東の低さを思い知るのがメイタガレイ。
メイタガレイほどうまいカレイもいないんじゃないか? と思うが、関東ではこれが手に入らない。

姫路中央市場『浜野商店』で、思わず買ってしまったのが、活けのメイタガレイ。
今高いんですよ、と言われて、なんとキロあたり4000円近い。
小振りでも1500円くらいになる。
ただこの掌より少し大きいくらいのが肉厚なのだ。

すぐに締めてもらって宅配便で送ってもらう。
締め方のうまさか、翌日の時点で、また身は生きている。
久しぶりのメイタガレイの刺身を堪能する。

メイタガレイの味にはほんの少しクセがある。
クセというよりも、旨味と言い換えてもいい。
しこっとした活け魚の食感に、やはりメイタガレイは西に限るななんて思うのだ。

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石川県から「白ソイ」というのがやってきた。
どうやら、これはタヌキメバルらしい。
北海道南部では「マゾイ」といわれるものだ。
ソイ類ではもっとも味がよいとされている。

比較的鮮度がいいので、できるだけ生で食べたい。
そこで久しぶりに焼き切りにする。
三枚に下ろして皮目を焼くのだ。
これを柑橘類と塩、もしくは柚コショウで食べる。

柑橘類は大分県産のカボス。
柚コショウは宮崎県米良のもの。
ぴりっと辛い焼き切りがうまい。
やはりフサカサゴ科(カサゴ)の魚は皮下に味がある。

酸味、辛み、二通りの味わいを楽しみながら、ぼんやりと酒を飲む。
一日ほとんどの時間をパソコンの前で暮らしている。
疲労感でもなく、むしろいらだちのような何かが身体にたまっている。
これを辛口の日本酒でほぐしていく。

作り方
1 タヌキメバルは三枚に下ろして、血合い骨を抜く。
2 皮目をあぶって冷水に落す。
3 水分をよく拭き取って、そぎ切りにする。

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卵巣白子にうまいもの、まずいものがある。
もっといろいろ考えてみると、本体の方も美味なら卵巣白子も美味なるもの。
本体はうまいのに卵巣白子のまずいもの。
卵巣白子はうまいのに本体のまずいもの。
さてアイゴはどっちなのか?

夏が産卵期で、どうやら島根県浜田市あたりではまとまってとれるらしい。
それなのに市場に卵巣白子はあっても本体を見ない。
どうやら、本体はどっかに捨てられる、もしくは飼料などになってしまっている模様なのだ。
卵巣と白子をあえて抜き取って食べるくらいだから、さぞやうまいのだろう。

これを浜田の仲買い市場で買い求めてくる。
普通に煮て食べてみて、これが美味。
しかも卵巣としては特筆すべき味わいだ。
ほろほろと甘く、クセがなく、端正な舌触り。
白子だって、思った以上に滑らかで旨味が強い。

9月の浜田では、そろそろアイゴの季節も終了を向かえているようだ。
もしくは卵巣白子も冷凍ものかも知れない。
でも十分にうまいのだから、またひとつ夏の味覚を知ったことになる。

作り方
1 アイゴの卵巣、白子は適当に切り、湯通し。
2 鍋にみりん、酒、砂糖、醤油、水、生姜の千切りを入れて、アイゴの卵巣白子を入れる。
3 火をつけて沸騰したら、中火で煮上げていく。

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産卵期が終わったものと思えるのに、アカシタビラメの入荷が続いている。
安いのでついつい買ってしまう。
買い求めたら、頭にあたりに包丁目を入れて一気に皮をむく。
子供にも手伝わせる。
ウシノシタ科の魚はとにかく皮をむく。

塩こしょうして、ラップして保存。
献立に悩んだら、取り出してはムニエルにする。
粉をつけてこんがり焼くだけだから簡単だ。
バターをたっぷり使った方が受けがいい。

ちょっと甘いようなバターの香り、アカシタビラメの回りの鰭部分がまたやたらに香ばしい。
骨離れがいいのもフレンチで好まれる理由かもしれないな。
ただし、お父さんの酒のアテにはなりません。

作り方
1 アカシタビラメは頭に包丁目を入れて、皮を持って後方にひっぱる。皮は簡単にとれる。

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2 内蔵はキッチンバサミを使って鰓とともに取り去る。
3 塩コショウ、少しおいて小麦粉をまぶす。これを多めのオリーブオイルで焼く。
4 フライパンから魚を取り出し、保温。余分な油を捨て、たっぷりのバター、甘口のモーゼルワイン少量を加えてデグレッセする。ここで塩コショウして味を整える。
5 ここにレモンを数滴落して、皿に入れて、保温しておいたシタビラメをのせる。シタビラメの上には完熟したビーマンをのせた。

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サンマに脂がのってきた。
いちばんうまい時期かもしれない。
なのになぜか、魅力を感じない。
1週間に一度だって食べたいと思わなくなった。
さんざん食べて食べ飽きてしまったらしい。
8月のあの感動はどこに行ったのやら。
そこで酢で脂を殺してしまうことにする。

買い求めてきて、三枚に下ろす。
この時点で既に失敗を犯していたのに気づかなかった。
塩をして半日、酢でしめて半日。
この出来上がり、とても見れたものではない。
皮目がボロボロ。

これを聞いた『市場寿司 たか』の渡辺隆之さんが大笑い。
「サンマだってアジとおんなしよ」
そうだ、当たり前だ。
毎年こんな失敗をしている。

今度は腹開きにして塩をして、約一日かけてサンマの酢締めの出来上がり。
詳しくは作り方を見てもらうとして、サンマの酢締めは三枚におろしてはいけません。
マアジでもそうなのだけど、皮が酢に長く触れるとぼろぼろになってしまう。
これを防ぐために開いて酢につけるときに皮と皮を合わせるのだ。

皮目もきれいなサンマの酢締めでいっぱい。
今回は澤乃井「大辛口」。
近所にこんなコストパフォーマンスの高い酒がある。
多摩人の誇りだ。

サンマは酢でしめた分、あっさりして、とろっとした脂はやや遅れて感じる。
これなら食べ飽きることもない。

作り方
1 サンマを腹開き。

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2 べた塩をして半日。水洗いして少量の砂糖、昆布を刺した酢に半日。このとき皮目を合わせて身の方を外側にして酢に漬け込む。これがコツである。

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3 しまったら酢を切っておく。

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秋田県から小さなワカサギがいっぱい入荷してきた。
たぶん八郎湖からきたものだろう。
豊富な魚貝類に恵まれた八郎潟もほとんど干拓されて、今では見る影もない。
それでもゴリ(ジュズカケハゼ)やワカサギの入荷を見る。

小さいので値段が安い。
この大きさだからこそできる料理もあるのにもったいない。
漁師さんにももうしわけない。
かるく片掌にのるくらい買ってくる。
これで200円くらい。

持ち帰って三つ葉と合わせて、かき揚げにする。
揚げたてを子供と競争しながら食べる。
香ばしいなかに、ちゃんとワカサギのほろ苦さと旨味が感じられる。

ボクは水割り、子供たちは伯太番茶で乾杯なのだ。

材料
ワカサギ、天ぷら粉(最近のものは非常によくできている)、三つ葉、揚げ油

作り方
1 ワカサギを塩水で簡単に洗う。よく水気を切っておく。
2 天ぷら粉をまぶす。
3 天ぷらの生地をつくる。水、天ぷら粉、冷水。
4 まぶしたワカサギに、地を加えて、スプーンですくいながら短時間でこんがり揚げていく。

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近所にすむ、ねずみふぐさんから「SOCKEYA SALMON」の薫製(スモーク)をいただいた。
カナダからのお土産だ。
「カナダへ行っていた」、かなりかっこいいな。
「島根に行っていた」とは大きな差を感じる。
そういえばかなり昔「カナダからの手紙」(1978)というヒット曲があった。
これなどカナダだからいいのであって、島根では「しまねらない」。

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「SOCKEYA SALMON」とはベニザケのことでアメリカ、カナダではもっとも高級なものだ。
色合いがいいし、味もいい。
これを食卓に粒辛子といっしょにだすと一瞬でなくなりそうだ。
少々取り分けて、夕餉のアテとする。

さて取り分けた数切れをどうするか?
ここでいきなり参考文献『小津安二郎の食卓』(貴田庄 筑摩文庫)を取り出す。
これはまさに名著。
ボクのような特殊な目的で読んでいても、ついつい引き込まれて楽しんでしまう。
小津安二郎に「お茶漬けの味」(ボクはこの映画大好きなのだ)という映画がある。
この何度見ても名作としかいいようのない映画から、小津安二郎好みのお茶漬けを紹介しているくだりがある。
そこにスモークサーモン(サケの薫製)のお茶漬けというのが出てくる。

薄い薫製を金網の上で焼く。
これをご飯の上にのせて、すぐにお茶をそそいで食べるというもの。
小津安二郎は徴兵時代にもサケの薫製を差し入れしてもらっていた、というくらいだから、本当にこれが好きだったのだろう。

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さて、予め断っておくべきは、小津安二郎のサケの薫製は皮つき。
かなり本格的にいぶしたものらしい。
今回のものはソフト(生)なもので厳密には別物だろう。
金網の上でピンク色の身が割れて、まだところどころに生の部分が残る状態まで焼く。
あとは濃いめのお茶をかけて、かき込むのみ。

これが意外にうまいのである。
生に近いスモークは塩分濃度が低く、ややもの足りないのだが、いぶした香りがなんとも好ましい。
これはまったく新しい味の発見となった。
近所の、ねずみふぐさんに感謝。

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久しぶりにウツボをいただいた。
たたきとか、唐揚げとかで食べて、下ろしているときにみつけたオマケの真子を甘く煮付けた。
ウツボの真子を食べるのは初めてなのだけど、あれれ、クセもなく真子自体に甘みがあってうまいではないか。

真子の味わいは、いろいろ調べなくてはいけないと思っているのだが、大発見。
盛夏に産卵期があたるのだというのも、改めて知ったことだ。
このほろほろと甘みのある真子が、酒の肴にご飯のともとして美味だ。

作り方
1 真子を湯びきする。適当に切って湯びきしてもいい。
2 鍋に酒、砂糖、しょうゆ、生姜の千切りを入れ、真子を加えて火をつける
3 落としぶたをして、わき上がってきたら、全体に煮汁が行き渡るように中火で煮上げる。

8月27日
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マアジは魚類中でもっとも愛されているのではないか、市場に、スーパーなどになくてはならない存在だし、ない日はまずはない。
小さくても大きくてもうまい、というのがその特徴だし、同じ150グラムのが高値では800円も900円もして、方や数十円なんてことがある。
しかも面白いのは高いものはそれなりにうまい、当たり前だが、安くても値段を超えてうまい。
特に安いのが掌以下の小アジ。
1キロ2、3百円ということもざらだ。

これをせっせと三枚に下ろしてエスカベッシュにしてみる。
これはスペイン料理でマリネーの一種。
油で揚げてから酢に漬け込む。
和の世界にも南蛮漬けというのがあるが、これなどもともとはエスカベッシュがお手本なのかも知れぬ。

さて、エスカベッシュは我が家では保存食だ。
夕方に揚げて、漬け込んで、翌日の夕食に食べる。
野菜もたくさん入っているのでサラダだと考えて献立に組み込んでもいい。

酒は辛口の吟醸酒、白ワイン、ビール。
熱燗だけはだめだ。

材料
小アジ10尾ほど
野菜(ピーマン、ニンジン、玉ねぎ、ニンニク、ローリエの葉1枚)
白ワインビネガー
白ワイン
オリーブオイル
揚げ油
塩コショウ

作り方
1 マアジを三枚に下ろして腹骨を取る。
2 マリナード液を作る。玉ねぎ、ニンジン、セロリなど油と合わせて香りの出る野菜をやや太めの千切りにしてオリーブオイルで炒める。ここに白ワイン、白ワインビネガー、ローリエ1枚を加えて一煮立ち。アルコールと酢の角がとれたら火をとめる。

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3 マアジに塩コショウ、小麦粉をまぶしてかりっと揚げる。
4 バットに揚げたマアジを並べて、マリナード液をかけまわす。一昼夜寝かせて出来上がる。

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アカマンボウを知ってますか?
「マンボウ」とついていますが、マンボウの仲間じゃない。
沖合にいて、マグロなんかと一緒にいる変な、まんまるな魚なのだ。
こいつがマグロと一緒にとれる。
ものすごく派手な魚で、見ているとファンキーな気分になる。
まるで子供が描いたような魚なのだよね。

三崎、焼津などマグロの基地に多い魚で、関東でも切り身でよく見られる。
でも魚の種類までわかる人は皆無だろうな。
一般には「萬鯛(まんだい)」と呼ばれることの方が多い。

市場でも、「マンダイ」というとわかるが、アカマンボウじゃだれも知らないというものだ。
さて、本来は煮付けなんかになっていた。
フライも定番だ。
腹の部分なら刺身でもいける。

でもお昼ご飯なのでフライにする。
ウスターソースをたっぷり、その上、タルタルソースをまぶしつけてご飯にのせる。
これがなかなかいいのである。
市販の白身のフライは冷凍魚が多い。
種類もわからないし、もっとフライにこだわろうよ。
生から揚げたフライはほんまにうまいのだ。

ご飯にも合うし、こりゃたまりませんな。
昼ご飯を控えめにしたいメタボなオヤジは避けて通りたい、アカマンボウのフライなのだ。

作り方
1 切り身で売られていることが多い。大き過ぎるのなら適宜に切る。これに塩コショウ。
2 小麦粉をまぶし、溶き卵をくぐらせ、パン粉をつけて揚げる。
フライを作るのって簡単なのだ。

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このところ千葉県、三重県などからカタクチイワシがたっぷり入荷してきている。
3キロくらい入っていて、なんと千円もしない。
がんばって当座の総菜作りに励んでいる。
その定番的なものが生姜煮だ。

口にいれるとホロホロと崩れて柔らかい。
そこまで煮てしまうのが、当座煮というものだろう。
念のために書いておくと「当座」というのは「しばらくの間」という意味合い。
調理用語としては保存食とまではいかないが、一週間くらいは保つ料理という意味合いだろう。

夕ご飯前の昼下がりに、カタクチイワシを酢水で半時間くらいことこととたき始めて、ちょうど夕方には、煮上がっている。
これはご飯にも酒の肴でもよいもので、皿盛りにして、口の中に入れてはホロホロ。
甘みがあって、ホックリしていて、そこはかとなくイワシの旨味があって。
冷やの辛口酒にもってこいの肴だ。

酒の後には少し冷えてしまった飯の上にのせて、熱い番茶をそそぐと、これがうまい茶漬けで、格好の〆となる。

作り方
1 鍋にクッキングシートを敷き、カタクチイワシを並べていく。
2 酢と水を注ぎ。ことことと半時間。この汁は捨てる。
3 ここに水、酒、砂糖、生姜のせん切りをイワシの二倍嵩になるくらいの分量入れて、またことことと煮る。
4 煮汁がひたひたになったら醤油を加える。
5 煮詰まってきたら味見して、加減して、ほとんど汁がなくなったら出来上がり。

カタクチイワシの栄養
EPAの含有量が多く。
カルシウム、鉄分、ビタミン類も豊富。

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見事なマイワシの丸干しがあった。
買わずにいられません。
値段を聞くとひどく安い。
「なぜ?」と思って見た裏面には「産地千葉県」とある。

千葉の業者の作ったものだが、どうみてもカリフォルニアから輸入したものだろう。
体側の文様が違うではないか?
しかも値段が「輸入もの」らしい安い値段なのだから、買う側は戸惑うよな。
こんなことを市場で話していたら、「そんなこと気になるのはお前だけだ」なんて近所の居酒屋オヤジから言われた。

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千葉県産は水揚げ値段からしても、ひもの原料としては高いだろう。でも一般人には千葉県産でもアメリカ産でもいいんじゃないかな?

ちなみにボクとしては北米大陸南部太平洋域でとれるマイワシはうまいと思っている。
年間漁獲高が10万トンを切って、マイワシは最盛期400万トンの40分の1しかとれていない。
加工原料として、1円以下の数字に右往左往しなければならない加工業者さんは大変だろうな?
でも、この偽装はだめだ。
戸惑いながらも買ってしまい、お昼ご飯に焼いて食べたらうまい。

これが適正表示なら、業者さんに賞賛を述べたいところだが、できませんな。
残念だ!

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