食べる魚類学: 2009年8月アーカイブ

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マアジは大小関わりなくうまい。
これが証拠に昨年いちばん印象に残っているのが、島根県松江市馬島定置でとれた小アジなのだ。
港で出会ったオバサンの後をのこのこついって行ったら。
水揚げされたばかりの小アジを剥いて食べさせてくれた。

これが口のなかで抵抗する、まだ動いている。
シコシコとして甘みがあって、これが脂がのっているせいなのだ、とわかるまでに間があった。
だから、小アジを見ると、ついつい買ってしまう。
今回のものは造りからして千葉県産。
浅い箱1つでなんと380円しかしない。
これをみんなで分けて、たぶん一人頭100円以下ですんでしまった。

当然、今夜は刺身でしょう。
持ち帰ったら、まずは頭とはらわたを取り、氷の入った塩水で洗う。
水分を切ってペーパータオルに来るんでチルドルームにしまう。

ここまでやったら刺身に造る時間は10分とかからない。
平凡な、たぶん黒アジ系ながら、やっぱり刺身は絶品である。
思った以上に脂が乗っている。
刺身にしたのは10尾足らずで、百円で買い求めた三分の一にもあたらない。
なんとたった30円原価の刺身なのだ。

マアジがたっぷりとれる、この国に生まれたありがたさを感じる、初秋の宵なのであった。

作り方
1 頭をたすきに落す。尻鰭前にある棘を少々の身ごと切り落とし、ワタを出す。
2 塩水を作り、氷で冷やして、ここで汚れを落とす。
3 三枚に下ろして刺身に造る。
マアジは見た目とは裏腹にゼンゴや腹鰭前の棘でケガをしやすい。
まずはゼンゴと棘を切り取ってから料理する。

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八王子総合卸売市場『やまぎし』に活けのマアナゴが入荷してきてる。
通るたびに、ついつい目が引きつけられるのだけど、なかなか買い込む気にはなれない。
そんなとき、同店のヨシさんが、ちょっと暇そうにしているではないか?
「ヨシさん、アナゴ一本開いてくれないかな」
ヨシさんが選んでくれたのが、200グラム強のベストサイズだ。
キロあたり2000円だから、1尾400円と少し。

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ヨシさんにあっという間に開いてもらって、持ち帰る。
これを「湯洗い」にする。
「湯洗い」というのはちょっとクセのある魚のとき、水温70度くらいに一瞬つけ、これを氷水にとって洗う(しめる)というもの。
ただしマアナゴは血液にも粘液にも毒があるので、熱湯で湯引きする。

氷でからからと洗って、ぎゅっとしまったアナゴがうまいのだ。
ハモちりが上品であるなら、マアナゴの方は濃厚なうまさを持っている。
冷たい一片を口で咀嚼するとジワリジワリと旨味が浮き上がってくる。
梅肉を添えたのだが、柑橘醤油で食べてもうまい。

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マアナゴの骨、前半部分は天ぷらにする。
1尾の活けアナゴで夏の宵に極め付きの酒の肴となる。

作り方
1 開いたマアナゴの腹部から後ろを使う。まな板に貼付けて、薄く切り付ける。
2 熱湯を用意して、数秒湯がく、これを氷水に落す。

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3 よく水分を取り去り盛りつける。
梅肉酢(梅干し、砂糖、昆布だし)、もしくはスダチ、青柚としょうゆで食べる。

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市場でこんな会話があった。
ボクが銚子産マイワシを選んでいる。
「社長(高野水産社長)、どうしてこのイワシこんなに安いの?」
「大きさがバラバラなんすよ。ものはいいんだけどね」
小さいものばっかり選んでいたら、
「なんすんだ」
立川駅南の居酒屋『太鼓』のオヤジだ。
「フライだよ。子供たちも好きなんだ」

「フライかいいすね」
これは昭島駅前居酒屋『酒元』さん。
「うちでもフライだしますよ。揚げたてに粉チーズを振るんですけど、うまいっすよ」
「オヤジ(太鼓さんに)、オレたちにはこんな若者の発想はできねーな」
「できね、できねっさ(太鼓さんは福島出身)」

ということで我が家の姫にマイワシを開かせる。
これをフライにして、粉チーズをパラパラ。
姫や太郎は粉チーズを追加して食べている。
ボクは粉チーズのついていない、もしくは落して食べる。

マイワシのうまさは、粉チーズなんていらないよな。
「父ちゃん、これ嫌いなの。変だよ」
「太郎、父ちゃんは粉チーズが好きな年ではないのだよ」

揚げたてのマイワシのフライに頂き物の白角(缶)。
香ばしさの中から芳醇なマイワシの旨味が飛び出してくる。
ゆっくり食べていたら、フライはもうないのであった。

作り方
1 マイワシを開く。頭を半分切り、そのまま下後ろ方向にひっぱる。するとワタがきれいにとれる。

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2 左右の親指を背骨に差し込み、左右に骨を外していく。反対側も外すと、開ける。

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3 包丁で腹骨、尻鰭の鰭担筋肉などを取る。背鰭を引っ張って取る。

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4 塩コショウ、小麦粉をつけて、パン粉をつけて揚げる。
5 揚げたてに粉チーズを振る。

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産卵期近いらしくクロウシノシタの入荷が続く。
産卵回遊で群れているところで網に入るのだろう。
とにかくフライパンの大きさを考えて、2尾買い込む。
さっそく皮をむいてから、塩コショウ。
シタビラメ類は皮をむけば、それほど手がかからずに料理できる。

シタビラメ類(ウシノシタ科)の魚は総てムニエルにできる。
特にうまいのがアカシタビラメとイヌノシタ。
そしてクロウシノシタだってうまいのだよ。
ウシノシタ科の魚がどちらかというと南方系なのに、黒だけは北海道にまで分布する。
見た目は明らかに、黒の方が南方系で派手なのに。

さて、改めてクロウシノシタ礼賛。
まことにうまいな。
白身でバターにまみれながら、口に頬張ると、途端に香ばしさと、薄い身からの甘さがふくれあがってくる。
身が薄くてきめが細かくて、しかも適度に繊維質なので板状になったものが、これまた適度のボリューム感で口の中にある。

ビール(偽物ですが)を流し込むのを忘れるほどのうまさだ。
最近、ついつい煮付けにして、日本酒という段取りが出来上がっている。
それを久々に踏み外したのだ。
大正解だった。

作り方
1 頭の当たりに切れ目を入れて皮をめくって、そのままひっぺがす。思ったよりも何倍も簡単だ。
2 塩コショウして、数十分。
3 フライパンにサラダ油(澄ましバターがないので)をたっぷり。
4 中火で裏表焼く。
5 シタビラメを温めておいたオーブンで保存(当然電源は切ってある)。
6 フライパンに白ワイン。デグラッセ(液体でフライパンにこびりついた旨味をかき取る)、バターを入れて、沸き立たせる。
7 レモンを絞り込んで、皿に入れる。その上に保温しておいたシタビラメをのせる。

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「週明け、早めにきてよ」
『高野水産』社長がこんなことを言う。
週明けて市場に行くと、NHKが取材に来ていた。
この一団に、どこかで見たことがある可愛らしいアナウンサーがいる。
なぜかボクを探しており、なんとなく名刺交換。

帰途、旗野農園で間引きニンジン、でかいキュウリ。

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帰宅後、日曜日に撮影した倉橋島の貝などの画像整理。
ファイルメーカー。
朝、4時から起きているので、この正午前までに一度疲れのピークがくる。


お昼ご飯はカタクチイワシの生姜煮。
阿波番茶の茶漬け、十一屋ジャパンの蕪の漬け物。

都心に出て、夜11時過ぎに帰宅。
そろそろ島根水産物アドバイザーとしての仕事が立て込んできた。
もっと言えば、ひょっとしたらここ一年以上、一日の休みもない、のではないだろうか?
島根行きの日程を決めながらそう思う。

0時過ぎにダウン。
目覚めると5時前。
『聞き書 広島の食事』を少し読む。
7時までブログ、ファイルメーカー。
朝ご飯には東シナ海産イボダイの干物、クロウシノシタのムニエル、卵焼き、漬け物、超具沢山みそ汁。
8時に市場に。

今日は何もない。
『ヤマギシ』のヨシさんに活け穴子を開いてもらう。

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これがボクの昼ご飯。
ビックリ屋に丹波栗。

帰宅後、画像整理と資料読み、10時過ぎに、活けマアナゴの洗い、天ぷらの撮影。
これを早めのお昼ご飯にする。

正午前に都心に。
夕食をとりながら『週刊文春』を斜め読み。
山城新伍の終末が書かれていて、なんだか寂しい気分になる。
ボクの世代としてはなんといっても白馬童子だろう。
「はくばどうじ」と言えなくて「はくまどうじ」と言っていて、兄に笑われた記憶が残っている。
確か最終回で山城新伍が白馬から颯爽とおりて、挨拶をしたシーンが思い出される。

帰宅は9時過ぎ。
シャワーを浴びて、ぼんやりしている。
網戸の外からは今年もアオマツムシの声が喧し。

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港に行く、漁師さんから話を聞く。
「アジはどうやって食べるんですか?」
「煮つけだな」
●●は? 「煮つけだな」、●●は? 「煮つけだ」。
どんな魚も煮つけだ煮つけだ、となる。
そういえば島根県島根半島東端、美保関で食べた朝ご飯にもイサキの煮つけがついてきた。

新鮮な魚だったら刺身にした方がいい、と思うのは都会人のやりがちな誤り。
刺身は歩留まりの悪い料理である上に、本当の意味合いのご飯のおかずにはならない。
海辺で暮らすということは、毎日魚貝類でご飯を食べているわけで、そうするとご飯に合う料理が最優先で作られることになる。

ご飯に合うおかずには適度な甘さが必要である。
だから砂糖しょうゆの単純きわまりない、味付けで、酒も入れるか入れないか。
ただ、ただ素朴な煮つけが漁師さんの日常食となる。

我が家でもマアジの煮つけは大好きなのだ。
ただし、作るときには、もう少し手間をかける。
臭みをなくすために湯通し、調味料に酒、砂糖、しょうゆ。
仕上げにみりんも使う。

ちょっと味付けが複雑になる分、野性味にかけるのだけど、都会までやってきたマアジにはこれくらいの手間と、調味料をよけいに使うことになる。
これがご飯にも酒の肴にもなり、非常に重宝きわまりない。
うまいし、DHAやEPAが豊富で健康にもいい。

そういえば、マアジは赤身の魚と白身の魚の中間的な味がする。
ほどよく上品で、しかも旨味にあふれている。
しかも夏の脂ののった味なのだから、調味料以上に甘みがある。

作り方
1 鱗を取り、楯鱗(ぜんご)を切り取る。ワタを出して水洗い。

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2 ザルに並べて熱湯をかける。
3 鍋(我が家では便利なのでテフロンフライパン)にマアジ、水、砂糖、酒、刻みショウガを入れ火をつける。水分がマアジに対してひたひたになるようにする。

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4 アルミホイルを落としぶたにして、強火で一気に煮上げていく。
5 水分が減ってきたら、最後にみりんをかけまわす。
6 最後に一煮立ち。出来上がりだ。
調味料水を沸騰させたなかに魚をいれるか、冷たいなかから火をつけて湧かすのか、これは鮮度にもよる。
鮮度がいいものは、沸騰した調味料に入れた方がいい。

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サンマ飯というのを作る。
比較的脂の少ない時期に作るもので、日本海のものとか、初夏の上りのサンマがいいと思う。
ところが若い太郎は、そうではない。
夏の脂の強いサンマを炊き込んだ、やや重い炊き込みご飯を、なんと紅ショウガたっぷりのせて食べる。
牛丼でもあるまいし、ボクはいつも傍らで、ミョウガとか青じそなんかを天に持って、しずしずと食う。

脂も、旨味もノリノリのサンマ飯がうまい。
このホロホロっとした甘さは、調味料ではなく、サンマの脂からくるのだろう。
丹波焼きの丼に中盛り。
半分はそのままで、半分は酸味のある阿波番茶で茶漬けにする。
茶漬けで食べるサンマ飯には毎回感激する。
これを食べるから、またサンマ飯を作りたくなる。

隣でもりもり、我はさらさらと丼を抱える親子なのであった。
そういえばツクツクボウシに混ざってアオマツムシの大合唱が始まっているのだ。

サンマ飯の作り方
1 水洗い(鱗をとり、内蔵をとる)し、トントンと4、5等分。
2 生しょうゆに漬ける。約半日以上。

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3 普通に米をとぎ、水加減。少量の酒、塩はやや多め、サンマのしょうゆ漬け、ショウガの千切りをのせる。

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4 我が家は羽釜なので、最初は強火で沸騰したら弱火で9分。
5 炊きあがったら15分以上蒸らす。一度サンマを取り出し骨を取り去る。
6 混ぜ合わせれば出来上がり、
  サンマは塩漬けにしてもいい。

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ハモの落し

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八王子総合卸売組合『マルコウ』になぜかハモの開きがある。
「高いだろ」
「安くないよ」
「上がったやつ(活けものが死んでしまったもの)」
「そうだよ。ものはいいけどね。安くないよ」

安くないけど買ってきた。
落し、塩焼き(若狭焼き)にして楽しむ。
今年のハモ初めだ。
遅すぎる。

今年の慌ただしさは、大変。
てんやわんや。

古梅干しをすり鉢ですり、昆布だしでのばして、少々砂糖。
これに海老名の海老さんの柚。
遅ればせながら、脂ののったうまいハモを堪能する。
初鱧が 名残の鱧と なりにけり、なのだ。

作り方
1 開いたハモの背鰭、腹鰭などを抜き去り切り去る。
2 できるだけ切れる包丁で骨切り。
3 沸騰よりやや温度の低い湯に落して、氷水に取り、ザルに揚げる。
 作り方は簡単だけど、毎年うまくいかない。

8月12日
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疲れていると、冒険したくなくなる。
ただ単にうまいものが食べたい、と思って魚屋の店先にきたらウスメバルがあった。
市場では浅い岩礁域にいるのを「黒メバル」、対するに単に、「沖メバル」とか、「赤メバル」なんて呼ばれている。
こいつが景気が悪くなって、物価が下がってきているというのに、相変わらず高値安定の魚でいる。

昔の本をひもといてみよう、「メバルは総菜魚」なんて書いてある。
確かに塩焼き、煮つけと、ご飯によく合うわけで、総菜ではあるが、最近ではとても家庭で手軽に食えるものではない。
今回のものが250グラムほどでやや大振り、キロあたり2000円だから、なんと1尾卸値で500円もするのだ。
家族全員にお頭つきなど出したら、我が家では樋口一葉が消えてなくなる。

だから、今回のウスメバルは総菜ではなく、酒の肴なのだよ。
食事の時間に合わせて水洗い。振り塩をして食事が始まるや焼き始める。
焼き上がりをすぐに食べる、これがうまい。
焼いた白身の香りって、なんと陶然とすることか。
白身の繊維質でほどよくほぐれ、口に入れるとまずは甘い。
これはたまらんでしょう。
猫にもお裾分けしたくない味とはこれ、だよな。

塩焼きの作り方
1 焼く、1時間前に水洗い(鱗をとり、はらわたを抜く)、切れ目を入れて振り塩。

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最近では、鱗取りにこの道具を使っている。ガス台の油汚れなどをとる道具らしいのだけど、各地の市場などでも大人気だ。しかしこの道具の正式名称がわからない

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塩焼きのときには鰓の後ろから包丁を入れて、鰓ごとワタを引っ張りだす

2 焼く直前に鰭に化粧塩。
3 強火の遠火でこんがりと焼く。

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新子の季節だな。
まさに新子というものから、そろそろ小鰭(こはだ)というものや、なかずみまで様々な大きさのコノシロが並んでいる。
ないのは、まさに「このしろサイズ」だけだ。

新子を見るたびにため息がでるのは、開く時間がないためだ。
ある日、八王子総合卸売協同組合『マルコウ』を通りかかったら、新子の開いたものがある。
「いくらだい」
「千と五百万円なりーー」
「高いな、あきらめるよ」
「仕方ないなー、千と三百五十万円にまけてやるよ」
ということで、たった150円の差で購買意欲が湧いてくるから不思議だ。

持ち帰ったら、さっそくつけてしまう。
その時間約10分くらい。

これが本日、深夜帰宅後の酒の肴になる。
漬けてすぐには味がわからない。
帰り着いてのお楽しみだ。

やはり新子には味がない。
柔らかくて、旨味に欠ける、けどこれもまたよいのだよ。
海老名の海老さんにいただいた柚を薄いパガルディラムに二三滴落したものをたったグラス一杯。
走りの柚の香りに新子が季節をいやが上にも感じさせてくれる。

深夜なのにアブラゼミがやかましい。
息苦しいほどの肩の凝り、抜けように抜けない不安感。
ボクには夏は遠い遠い存在だ。

新子の漬け方
 まずは開くのだが、ここまでは魚屋にやってもらう。
1 立て塩につける。濃いめの塩水に約5分ほど。大きさや脂ののりで時間を変える。
2 塩水を切り、真水のなかに一回浸す。
3 水分を切り、冷やした酢で洗い、もう一度新しい冷やした酢で洗う。
4 酢を切り、バットなどに重ねるように並べる。少し待って酢がなじんだら出来上がり。
8月5日は気温摂氏30度、立て塩に漬け込む時間は5分でちょうどよかった。

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お盆で魚がない。
そんななか、目を引いたのがハマフエフキだ。
沖縄では「タマン」として高級魚のひとつ。
フエフキダイ科でもっとも北にまで生息する魚でもある。

夏の白身の代表的なもので、ジワジワと関東の市場にもなじんできている。
よく見かけるのは、交通手段からして、九州でも便利な地域である大分県産。
『丸昌水産』のものはきちっと締めている。

毎日サンマ、マアジなんて買うのにも飽きたので、少々高めながら買い求める。
久しぶりに食べた、刺身がいい味だった。
背の青い魚の脂っこいものばかりに、さっぱりとした味わいが、夏に清涼感をもたらしてくれる。
白身のうまさを再認識した瞬間である。

さて、ハマフエフキは黒潮の影響が強くなるこれからの魚。
これから暮れにかけてうまい。
見つけたら、ぜひとも食べてみてほしい魚なのだ。

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さて、珍しく市場でヒラソウダを見つけた。
この魚あまり、流通しないのだ。
産地などでどんどん消費されて、都会にまで回ってこないのだ。
ようするに、それほどにうまい魚なんだともいえる。
旬は寒い時期、秋から冬にうまくなる。
脂がのってくる。
残念ながら8月のヒラソウダは刺身にするほどでもない。
いただいたばかりのジャガイモと、ざっかけなく揚げてしまう。

フィッシュ&チップス(Fish & chips)は我が家では定番料理のひとつ。
ややかりっと揚げて、ビールのアテにする。
また子供にも人気が高くて、食卓での存在時間は非常に短い。

イギリスで生まれたフィッシュ&チップスだから、魚は基本的に白身のマダラであろう。
ヨーロッパでは最近同じく白身のナマズ(バサやチャー)の人気が高いという。
これは不漁のマダラに代わる材料となっているのかも知れぬ。
こんなことを考えながら、さて料理にとりかかろう。

ジャガイモの相棒はなんでもいい。
白身、赤身をとわない。
特に人気なのがサバ科のマサバ、ゴマサバ、ヒラソウダにマルソウダ、そしてカツオなど。
揚げると真っ黒になる赤身は独特の旨味があるのだ。

ほぼ一年ぶりのヒラソウダガツオのフィッシュ&チップスがうまい。
魚に飽きたらジャガイモを食べ。
2皿分作っても、やはり食卓存在時間は非常に短い。
あああ、そうだ赤身魚は鉄分補給にとてもよい。

フッシュ&チップスの作り方
1 ヒラソウダは三枚に下ろして、適当に切り、コショウを振り小麦粉をまぶしておく。
2 ジャガイモは水にさらさないで、そのまま油に放り込む。ジャガイモにも小麦粉をつけるという人がいるが油が汚れる。
3 あらかじめ小麦粉をまぶしておいた、ソウダガツオを油に時間差で放り込む。あらかじめ小麦粉をまぶしておくと、しっとりして油が汚れない。
4 かりっと揚がったら、上から塩を振る。ここでコショウを振ってもいい。
 別々に揚げた方が本格的であるように思うけど、面倒なので味は二の次とする。

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皮のしっかりした魚なら、無理に鱗(うろこ)を取るのはやめよう。
薄いはがれやすい鱗ならとってもいいのだけど、イシダイ、シマイサキ、カゴカキダイなどは無駄な努力はしない方がいい。
鱗ごと皮を引く。
その皮は素揚げにしてもいいし、唐揚げでもいい。
素揚げにするなら、よくよく水分をとることだ。
唐揚げの方はいい加減で片手間に作れるから便利かな。

皮を引いたそばから、小麦粉(片栗粉でも)をつけてどんどん揚げる。
かりっとして、皮ペラなのにちょっと味がある。

鱗ごと食べるわけだからカルシウム補給にもなりそうだ。
夏には皮唐とビールってのがいいぞ。

皮から揚げ
1 三枚に下ろし、皮を引く。
2 皮に薄く小麦粉をまぶして揚げる。
3 揚がったら、振り塩をする。ここでコショウ、サンショなどを振ってもいい。

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標準和名がほとんど使われない魚にトクビレがある。
「トクビレ」なんて誰も知りはしない。
やっぱり「ハッカク(八角)」でしょう。
だからハッカクとしたいところだが、こちらは雄の呼び名であって、雌は違うな、なんて意見がある。
じゃあ雌はどのように呼べばいいのだ。
ということでここでは標準和名を使った。

北海道白老からの入荷が続くトクビレの塩焼きを久しぶりに食べる。
前日に半分に割り、一塩してあったのを皮目から強火で焼く。
トクビレはあまり長い時間焼きすぎない方がいい。

トクビレの塩焼きには焼酎がいい。
宮崎県の八重桜麦を片手に、手でむしりながら食べる。
濃厚な味わいを作り出しているのは、明らかに脂だ。
旨味も強く、身は少量ながら満足度が高い。

夏の時期は値段も安いので、ここぞっとばかりトクビレを食べよう。
しかも夏向きにあっさりと、塩焼きで。

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夏になると、ついついマイワシを買い求めてしまう。
うまいからだ。
刺身にするべか、塩焼きにするべか、悩んでいたところに宅配便で珍しい魚が飛び込んできた。
マイワシはとりあえず頭を落し内蔵を取り去って保存する。

翌日、強い塩水に2時間ほど漬け込む。
あとはゆっくりオリーブオイルで温めていく。
煮るのではなく温めるといった感じだ。
約2時間で出来上がりだ。

これを冷凍ロールパンに挟んでお昼ご飯にする。
野菜は旗野農園のトマトとブラックベリーを付け合わせにした。
今、ブラックベリーが最盛期となっている。

面白いものでオイルで温めるように熱を通すと柔らかく、しかも魚の臭みがなくなり、非常に淡白なものになる。
しかも身を割るといい香りがする上に、旨味だけは凝縮したかのように濃い。
夏、食欲の落ちるときで、料理にもあれこれ迷いが出る。
そんなときにもってこいの料理なんだよね。

オイルサーディンの作り方
1 頭と尾を落し、わたをとったマイワシを強い塩水に2時間漬け込む。時間はマイワシの大きさで違ってくる。
2 塩水から取り出し、背鰭を取り、水分をよくよく拭き取っておく。

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3 マイワシ、ローリエ、コショウを入れて、ひたひたのピュアオリーブオイルを注ぎ入れる。

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4 弱火で2時間ほど温めるように火を通す。

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 オイルサーディンは作っておき、油にひたしたまま保存すると、1週間以上持つ。
 便利などで一般家庭で重宝するはずだ。

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夏枯れだ。
市場にめぼしい魚がない。
どれにしよう。
迷っていたら目の前に和歌山県有田産のタチウオがあった。
有田港はタチウオの水揚げ量で国内屈指だ。
500グラムくらいで1尾700円だから、値段は妥当。
触ってみたら鮮度もいい。

タチウオは前半部分は塩焼き用としてとっておく。
問題は後半の方。
これで太郎の大好物を作る。

後半を三枚に下ろして、非常に薄く切る。
ここに野菜を取りあせて、マヨネーズを合わせるのだ。
レタス、セロリなどもいいけど、あんまり野菜が多いと酒のアテにならない。
今回はタマネギと青じそだけを取り合わせる。

タチウオの薄切り、野菜にマヨネーズベースの和え衣。
はっきり言って料理以前の料理なのにほんまに“うまい”。
これはごはんのおかずではない、明らかに酒のアテなのにただただバクバク食う太郎が不思議だ。
太郎、ちょっとは遠慮しろ。

タチウオのマヨネーズ和えの作り方
1 マヨネーズとすり下ろしたニンニク、醤油で和え衣を作っておく。
2 三枚に下ろしたタチウオを薄く切る。
3 タチウオと薄切りタマネギ、せん切り青じそをざっくり混ぜ合わせる。
4 和え衣をかける。脇にあるのはレモンではなくライム。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、タチウオへ
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